輝く音を探したら   作:いひょじん

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作詞に苦戦?

「一ノ崎君、おはよう」

桜内と海で話をしてから土日を挟んだ月曜

俺はいつも通りに授業始まりギリギリに登校した。

すると、桜内の方からあいさつをしてくれた。

顔を見る限りこの休日の間に何かあったのか、どこか表情が明るく見えた。

「うっす、おはよう」

そして、俺は普通に返事をして自分の席に座る。

「なんか前より元気になった気がするけど何かあったのか?」

「え?」

まさか俺から話しかけられると思ってなかったのか桜内は驚いて声をあげた。

「いや、勘違いだったらいいんだけどさ。なんかこの前海で話した時より明るくなったと思ったから」

「そうかな?もしそう見えるんだったら、たぶん『海の音』が聞こえたからかもしれない」

「海の音が聞けた?」

「うん。一昨日の土曜日に高海さんと渡辺さんと一緒に海へダイビングしてきたの」

「ダイビング?」

「あの時一ノ崎君が、どんなことでもいいからヒントを見つけろって私に言ったでしょ?」

「まぁ、言ったな」

「でも、海の音に関するヒントってなんだろって思ってた時に高海さんがダイビングに誘ってくれたの」

なるほど、海の音を聞くなら実際に海の中へ潜ってみた訳か。凄い簡単なことだけど案外思いつかないことだな。

「で、どうだったんだ海の音は?」

「言葉で説明しづらいけど、なんだが海に挿す光が私達を照らしてそこへ自然と旋律が流れてきた感じだったの」

「想像するのはちょっと難しいけど、きっと綺麗な音なんだろうな。それについて作った曲とかあったら聞かせてくれよ」

「うん。一ノ崎君にも色々助けてもらったし出来たら聞かせるね」

「楽しみにしてるよ」

桜内は自分の見つけたい音を見つけたのか。

俺も『輝く音』を見つけれる日が早く来るといいな。

けど、桜内が作る曲か…

けっと、綺麗な曲なんだような。

そんなことを思っていると1時間目始まりのチャイムが鳴った。

「やっべ、授業の準備するの忘れてた!」

これにより俺は昼休みに15分も先生から厳しいお叱りを受ける羽目になった。

 

 

 

放課後

俺はいつも通り家の手伝いの配達があるから帰ろうとしたら目の前がガヤガヤしだした。

高海が桜内に抱きつこうとしたところを避けられ、高海が他のクラスの人にダイブした。

「待って何か勘違いしてない?」

「え?」

「私は曲作りを手伝うって言ったのよ?スクールアイドルにはならない」

「えー‼︎」

「そんな時間はないの」

あれだけ断り続けていた桜内が作曲を手伝うことにしたのか。

結構すごい進歩だな。

でも、これで俺の必要性が本当になくなっちゃったな。

高海達となら違う世界が見えるかもと思ったけど、やっぱり自分で道を切り開いて『輝く音』を見つけろってことだな。

ちょっと寂しいけど、高海達を応援することにしよう。

そんなことを思いながら俺は鞄を取りドアへ向かった。

「あ、待ってよ一ノ崎君!」

突然高海に呼び止められた。

「どうした?」

「どうしたじゃないよ!一ノ崎君も一緒に曲作るんだから作詞の方も手伝って!」

「えっ⁉︎」

どうやら、さっきのは嘘みたいで、俺はまだ必要性があったみたいだ。

 

 

俺は、高海達にまさかの曲作りの手伝いを頼まれた。

けど、放課後は家の手伝い(主に配達)などをしないといけないので遅れて参加するということを高海達に伝えた。

今日の配達はいつもより少なかったので、17時には配達を切り上げて集合場所の高海の家に来た。

「ごめんくださーい」

「はーい」

奥の方から志摩さんが出てきた。

「あら、将太君。今日のお野菜はもうもらってるけど、何かあったの?」

「えっと、今日は配達じゃなくて、千歌さんに用があって来たんです」

「あー、曲作りのことね。千歌ちゃん達ならもう部屋にいるから上がっていいわよ」

「じゃあ、お邪魔します」

志摩さんから高海家に入る許可を得て、高海の部屋へ案内してもらった。

そして高海の部屋へ入ろうと扉を開けたら、意味のわからない光景がそこにはあった。

浮き輪を首にぶら下げ、伊勢海老みたいなぬいぐるみを顔に被ってる桜内が立っていて、その前に怯えて抱き合ってる高海と渡辺。

「あのー、何してるんだ?」

「あ、一ノ崎君!やっと来てくれた!」

高海がまるでピンチにヒーローが駆けつけたかのような瞳で俺の方に近づいて来た。

「お前たち曲作りしてたんじゃないのか?」

「しようとしてたんだけどね、美渡ねぇがさー」

ドンッ‼︎

高海が何かいいかけようとした瞬間に部屋に置いてある机から物凄い音がした。

驚いて反射的に音のした方を見ると、そこには明らかに怒っている桜内がいた。

「曲作り…は じ め る わ よ ?」

「「は、はい。ごめんなさい」

桜内の気迫に押されて何故か何もしてない俺まで謝る羽目になってしまった。

 

それからやったら本格的に作詞に関する話し合いが始まったのだが、ある部分でぶつかってしまった。

「やっぱり恋の歌は無理なんじゃない?」

「いやだ、μ'sのスノハレみたいな曲を作るの!」

高海はμ'sに憧れてスクールアイドルを始めたのもあって、μ'sの曲をリスペクトした曲を描きたいらしく、今は恋愛について話し合ってる。

正直男の俺はこの話題に入りにくいので、部屋の隅の方でスマホを見ている。

「そうは言っても恋愛経験ないんでしょ?」

「なんで決めつけるの!」

「じゃ、あるの?」

「な、ないけど…」

高海達が恋愛やらなんやらについて話してるのを一応聴きながらいるけどあまり順調に進んでいないみたいだ。

俺はスマホを触りつつもそんなことを思ってると周りから凄い目線を集めているのに気がついた。

「な、なんだよ?」

「一ノ崎君って、恋愛とかしたことある?」

高海が凄い勢いで迫ってくる。

「ちょっと待て!いきなりなんだよ」

「私、μ'sのスノハレみたいな恋愛ソングを書いてみたいんだけど、

私たち恋愛なんてしたことないから、一ノ崎君ならどうかなーと思って!」

「そういうことか。残念だけど俺も今まで恋愛の『れ』の字すら感じたことない男だから参考にはなんねーよ」

「だよね〜。そうだと思ったよ…」

え、なんか俺への対応酷くないか?そうだと思ったよって自分で恋愛経験ないって行った訳だけどめちゃくちゃ傷付くな。

それから話はスノハレを作った時のμ'sは誰か恋愛していたという全く別の議題になり、高海が一人で暴走してるに近かった。

「千歌ちゃんスクールアイドルに恋してるからね」

「本当に…」

今までの会話と今の渡辺と桜内の会話を聞いて1つわかった気がした

「だったらさ、スクールアイドルに恋してる気持ちを歌詞にしてみればいいんじゃないのか?」

3人はどういう意味って顔をしている。

「だからさ、高海はμ'sもといスクールアイドルにドキドキしたりする気持ちとか、大好きって思いを持ってるんだろ?だったらそれを歌詞にすればいいんじゃないか?」

「なるほど」

桜内は頷く。

「どうだ、それだったら書けそうなんじゃないか?」

俺は高海に聞いてみた。

「うん、それならいくらでも書けるよ!」

それから高海は紙に歌詞を2分ほどで書き上げた。

「私、その曲みたいな曲を作りたいんだ!」

書いた紙を桜内は受け取る。

「ユメノトビラ?」

ユメノトビラか…

確かμ'sが第2回ラブライブの地区予選で発表した曲だったな。

俺もあの曲と映像は何度も見たけど、とても前向きな曲って印象が強いな。

「私ね、それを聞いてねスクールアイドルやりたいって、μ'sみたいになりたいって思ったの」

「μ'sみたいに?」

「うん!頑張って努力して力を合わせて奇跡を起こしていく。私にもできるんじゃないかって、今の私から変われるんじゃないかってそう思ったの!」

「本当にスクールアイドルが好きなのね」

「うん、大好きだよ!」

それから歌詞作りは順調とまではいかないが、コンセプトが決まったことにより始めよりはスムーズに進み、桜内も作曲を始めることができるだろう。

で、俺はただちょっとしたアドバイスを出しただけなんだけど、これから先俺は必要なのかと思ってしまった。

 

それから時間も経ちみんなが帰らないといけない時間になったので自然解散という形になった。

渡辺さんは家がここから少し遠いので志摩さんが車で送っていくことに。

俺は自転車で来てたので、一人で帰ろうとした。

「あの、一ノ崎君‼︎」

したけど、まさかの桜内に呼び止められた。

「どうした、家帰んないのか?」

「ううん、帰るけど一ノ崎君に話したいことがあるの」

「え?」

突然の桜内のお誘いに驚きつつもドキドキしてしまう。

「その、作曲についてなんだけど…」

「あ、あー作曲についてね!了解了解」

一人の男子高校生の淡い妄想は一瞬で泡となって消えましたとさ。

 

それから俺と桜内は十千万の目の前にある海岸で座って話すことにした。

「で、作曲についての話したいことって?」

「実は、私クラシック以外の曲が作れないの…」

「今まで、クラシック一本でやって来たってことか?」

「うん、そういうこと。あと、邦楽とか洋楽も全く聞いてこなかったからスクールアイドルの曲ってどう作ればいいかわからなくて…」

確かに桜内って、音乃木坂出身なのにμ'sを知らなかったりと、今までの人生ほとんどピアノにつぎ込んで来たんだなと思ってはいたけど、ここまでだったとは。

「で、そこで俺はどうすればいいんだ?」

「作曲を一ノ崎君に交代して欲しいの…」

桜内の一言で俺の中の何かが止めなければいけないと語りかけている

「桜内はそれでいいのか?」

「だって、スクールアイドルのための曲なんて私には書けないから…」

「そうじゃなくて、桜内は高海達と一緒にスクールアイドルしたくないのかよ!」

「それは…」

桜内は黙り込んでしまった。

「別にクラシックしか書けなくてもいいじゃねーか。そんなの今からいろんなジャンルの音楽を聴けばどうにかなる。俺は桜内が高海達と一緒にスクールアイドルをしたいかどうかを聞きたいんだ」

「わたしにはそんな時間ない…」

「じゃあ、取引しようぜ」

「取り引き?」

「そうだ、俺が桜内の作曲をサポートする。だから、桜内。お前は高海達とスクールアイドルをやってくれ!」

「なんでそうなるのよ!」

「だって、さっき高海の部屋でユメノトビラの歌詞を読んでた時、桜内が何か感じてたような気がしたからよ」

「でも、そんな急に言われても」

「大丈夫、作曲もちゃんと手伝ってやるから!」

それから桜内は10秒くらいもじもじして口を開いた。

「一ノ崎君は私がスクールアイドルやってもいいと思う?」

「やってもいいというかやった方が絶対いい!」

「そっか…。じゃあ考えてみる」

「おう、取引に乗る気だったらまた学校で教えてくれ」

「わかった。じゃあもう暗くなって来たし帰るね」

「そうだな」

桜内と二人だけの取引をすることになった。

そしてまさかだったのがら桜内の家が俺の家の通り道にあったことだった。

 

あれから俺は家に帰り、風呂に入って自分の部屋で余り物の晩飯を食べようと自室に戻ってきたところだ。

部屋にいるときはいつも何かしらの曲をBGMとしてかけているんだけど、今日はさっきの高海の家で話題になったユメノトビラをひさびさに聴きたくなったのでまた、パソコンの音楽フォルダーから洗濯しようとした時、すこし遠くの方からピアノの音が聞こえて来た。

よくよく聞いてみるとユメノトビラで、桜内がきっと引いてるんだろうなと聞き入ってたら途中で止まってしまった。

多分親に呼ばれたとかそこらへんの理由だろうな。

けど、桜内は高海達とスクールアイドルをすることが絶対いい経験になると俺は思う。

だから、頑張れ 梨子

 




いや、皆さん本当にお久しぶりです…
半年近く姿を消していましたいひょじんです。
言い訳は無しに、ほんとうにごめんなさい。
楽しみにしてくださってた方が少なからずいると聞いて、書くのが少し億劫になってこの作品を再び書くことにしました!
次話も頑張って書いて行きますね!投稿日未定ですが…

こんな奴ですが、作品の感想や評価待っております
よろしくお願いします!
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