戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない   作:瀬戸の住人

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「もっとらぶらぶ作戦です!」が来冬に劇場アニメ化…だと!?(盛大に吹く)
恐るべし、弐尉マルコォ~!(絶叫・マジでアニメ化するとは思わなかったよ)
スタッフが水島監督達では無いのが気になりますが…何気に制作スタジオがアクタス&P.A.WORKSで、水島監督作品繋がりなのが草。
なので、スタッフが無茶しなけりゃ大丈夫でしょ…あっ、既に原作漫画の段階で弐尉マルコが相当無茶しているわ(オイ)。

と言う訳で、今回は長文となりましたが、原作でも重要な場面を描写する為、一段落する所迄一気に書き上げましたので、御覧頂ければ幸いです。
其れでは、どうぞ。




第96話「川岸での決断です!!」

 

 

 

白熱した戦いが続く、第63回戦車道高校生全国大会・決勝戦「熊本県代表・黒森峰女学園対茨城県代表・大洗女子学園」。

 

大洗女子学園戦車道チームは西住 みほ隊長の決断により、黒森峰女学園戦車道チームの攻囲陣からの脱出に成功。

 

途中“レオポンさんチーム”のポルシェティーガー重戦車の動力系統に異常が生じて一時速度が落ちたものの、チームリーダーのナカジマがエンジンルームの天井部に向かうと走行中に応急修理を行うと言う荒業でトラブルを解決、戦列に復帰。

 

此れに対して、態勢を立て直して大洗女子を追撃中だった黒森峰は逸見 エリカ副隊長の駆るティーガーⅡ重戦車(ケーニッヒティーガー)が走行中、突然車体左側の転輪が外れて走行不能になるトラブルに見舞われる。

 

其の結果、大洗女子は黒森峰の追撃を振り切り、新たなる戦場へ向かったのである。

 

 

 

一方、観客席の外れで試合を観戦していた西住流師範・西住 しほの前に冷泉 麻子の祖母・久子と共に現れた原園 嵐の母・明美と其の友人で有る周防 長門・大姫 龍江・そして嵐の大叔母・原園 鷹代は、しほを始めとする黒森峰と西住流の関係者しか知らない筈の“去年の全国大会で黒森峰が10連覇を逃した裏事情”を語った上、龍江がしほに向かって“驚くべき情報”を告げる。

 

其れは……

 

 

 

「黒森峰女学園PTA会長・富永はな、数年前から文科省学園艦教育局長・辻 廉太とグルになって『学園艦統廃合計画』を喰い物にしとるんやで…つまり、贈収賄に手を染めとるんや」

 

 

 

と。

 

 

 

更に同じ頃、都内某所では長門の大学時代の後輩で周防石油グループ傘下の「周防総合研究所」総合調査部々員・岩木 陸奥美が明美の秘書・淀川 清恵と西住家の家政婦・井手上 菊代に“或る恐るべき事実”を告げていた。

 

其れは「みほの転校先を大洗女子学園に決めた当事者は黒森峰PTA会長の富永と実際の手続きを担当した文科省学園艦教育局長の辻廉太であり、其の後で辻は大洗女子学園へ廃校の通達を行った」と言うのだ。

 

だとすれば、一連の動きは“富永と辻による陰謀”だった可能性が……

 

 

 

そんな状況下で行われている“第63回戦車道高校生全国大会・決勝戦”。

 

此の後、試合は大洗女子学園戦車道チームに取って“重要な局面”を迎える事となる。

 

 

 

 

 

 

戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない

 

 

 

第96話「川岸での決断です!!」

 

 

 

 

 

 

黒森峰の追撃を振り切った後、試合フィールド内中央部近くを流れる川の岸辺に集まった大洗女子学園戦車道チーム。

 

其の隊長兼フラッグ車である“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”では、砲手の五十鈴 華が隊長兼車長の西住 みほへ向けて「大分離しました!」と報告する中、装填手の秋山 優花里が「此の先はどのルートを?」と問い掛けた処、みほはキッパリとした声で……

 

 

 

「此の川を渡ります!」

 

 

 

と宣言した。

 

其れに対して優花里が驚いた声で「川を渡る!?」と問うたが、みほは小さく頷いた後、チームの皆へ向けて指示を下す。

 

 

 

「上流には“レオポン(ポルシェティーガー)”、下流には“アヒルさん(八九式中戦車甲型)”が居て下さい!」

 

 

 

すると納得した表情になった優花里が元気の良い声で「成程!軽い戦車が流されない様に渡るんですね!」と答えた処、みほも笑顔で頷いた。

 

此の結果、上流から“レオポンさんチーム(ポルシェティーガー)”、“ニワトリさん(M4A3E8)チーム、”隊長兼フラッグ車の“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”、“カモさんチーム(ルノーB1bis重戦車)”、“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”、“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”、そして“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”の7輌が一斉に川を渡り始めた。

 

因みに“カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”は追って来る黒森峰の動きを警戒する為に川岸近くで待機中であり、皆が渡河に成功した後で追い掛けて来る予定である。

 

川幅は意外と長くて100m程有り、川の流れも比較的速いが事前に調べた限りでは水深は1m程なので、彼女達の戦車なら川の流れに流されない様に注意さえすれば無理無く渡河出来る筈だった。

 

処が……

 

 

 

 

 

 

私・原園 嵐が“異変”に気付いたのは、川の真ん中辺りを渡っていた時だった。

 

 

 

『あれ…エンジンが止まった車輌が居る様な?』

 

 

 

突然、渡河中の車輌から発するエンジン音が小さくなったのを感じた為、思わず周囲を振り返ると、横一列に並んでいる筈の車列の中で1輌だけ動きが止まっている戦車が居たのだ。

 

其れは……

 

 

 

『えっ!“ウサギさん(M3中戦車リー)”が!?』

 

 

 

 

 

 

其れは嵐が“異変”に気付く直前の出来事だった。

 

 

 

「あれっ!?」

 

 

 

“ウサギさんチーム”操縦手・阪口 桂利奈が、突然愛車であるM3中戦車リーのエンジンが川のド真ん中でストップしてしまった事に気付いて悲鳴を上げる。

 

其の声で“異変”に気付いたチームの仲間達も……

 

 

 

「「えっ!?」」

 

 

 

と叫んで桂利奈が座って居る操縦席を見た処、エンストを起こした事で慌てた彼女はアクセルを何度も踏んでいるが、愛車のM3中戦車リーはウン共スン共言わない事に気付いた途端……

 

 

 

「動かないー!」

 

 

 

当然、其の状況は無線で“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”へ伝えられ、無線手の武部 沙織が「みぽりん!“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”が!」と叫ぶ。

 

其の声を聞いたみほは車長用キューポラの覗き窓から様子を覗った処…彼女は心臓が止まりそうな衝撃を受けた。

 

 

 

「“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”がエンスト!?」

 

 

 

そう、去年の全国大会決勝戦で起きた“悪夢”がみほの心の中で蘇ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

一方“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”の車内では桂利奈がキャブレター*1のチョークレバー*2を何度も引いてエンジンを再始動させようとするが、全く効果が無く、彼女は……

 

 

 

「全然エンジン掛からないよー!」

 

 

 

と叫ぶと通信手の宇津木 優季が「此の儘だと黒森峰が追い付いちゃう!」と悲鳴を上げ、チーム全員に緊張感が走る中、車長兼チームリーダーの澤 梓と37㎜砲々手・大野 あやは互いに頷き合った後、先ず梓が無線で西住隊長へ向けて……

 

 

 

「私達は大丈夫です!隊長達は早く行って下さい!」

 

 

 

と告げた後、あやも普段の軽口とは全く違う真面目な声で……

 

 

 

「後から追い掛けます!」

 

 

 

と叫んだ…此の時、2人共“兎に角、此の場は西住隊長を心配させたくない”一心で“例え、此処で黒森峰にやられたとしても皆を巻き添えにする事だけは何としても避けよう”と判断したのだ。

 

だが、此の時“ウサギさんチーム”のM3中戦車リーは川の流れに引き摺られる様に車体が右側へ傾斜し始めていた。

 

此の為“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”では、其の様子を目撃した優花里が「危ない!」と叫び、沙織も「此の儘だと横転しちゃう!」と心配気な声を上げる中、寡黙な操縦手の冷泉 麻子が……

 

 

 

「モタモタしていると黒森峰が来るぞ」

 

 

 

と指摘するが、其れに対して華が「でも“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”が流されたりしたら……」と反論する。

 

其の為、車内で仲間達の会話を聞いて居たみほは“梓やあやの進言を容れて、ウサギさんチームを残して渡河を続けるべき”か“黒森峰に追い付かれる危険を冒してでもウサギさんチームを救出するべき”か、真剣に悩み始めていた……

 

 

 

 

 

 

私が“決断”を下したのは“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”に横転の危機が迫っていると判断した時だった。

 

 

 

瑞希(みずき)、悪いけれど車長を御願い』

 

 

 

自分でも“想像以上に冷静な声”で長年の相棒兼チームの砲手・野々坂 瑞希に向かって自らの意思を告げると彼女は微笑み乍ら……

 

 

 

「そう言うと思ったわよ」

 

 

 

と答えてくれた。

 

 

 

其の答えに背中を押された私は、落ち着いた声でこう告げる。

 

 

 

『西住隊長なら間違い無くウサギさん達を助けに行くと思う。だけど今、隊長はチームを率いて私達の母校を廃校から救う責任を負っている以上、持ち場を離れる訳には行かない立場なんだ』

 

 

 

其の声に対して、瑞希達“ニワトリさんチーム”メンバー全員が真面目な表情で頷くのを見た私も頷き返すと話を続ける。

 

 

 

『だから、今からチームの皆を代表して私が梓達を助けに行くよ』

 

 

 

其の時、話を聞いて居たチームの操縦手・萩岡 菫が笑顔を浮かべると明るい声で……

 

 

 

「One for All, All for One(ワン・フォー・オール、オール・フォア・ワン)…“1人は皆の為に、皆は1つの目的の為に”だね♪」

 

 

 

と呟いた処、副操縦手の長沢 良恵が「アレクサンドル・デュマの“三銃士”か…って、あの台詞の後半は“皆は1人の為に”じゃ無かった?」と問い掛けた処、装填手の二階堂 舞が……

 

 

 

「其れは日本語に翻訳された時の誤訳でね。本当は菫ちゃんの言い方が正しいそうだって、明美さんがみなかみタンカーズの講話で教えてくれた事が有るんだよ」

 

 

 

と答えたのに対して良恵が「へえ……」と呟いたのを聞いた私は、皆に向かってこう宣言した。

 

 

 

『と言う訳で、此れから私は菫の言う通り“皆で此の試合を勝って母校・大洗女子学園へ帰る為”に、ウサギさん達を助けに行って来ます!』

 

 

 

すると…瑞希が“人の悪そうな笑み”を浮かべ乍ら、一言。

 

 

 

「嵐、ハッキリ言いなさいよ。愛する西住隊長と梓の為に行って来ますって♪」

 

 

 

『…バカ。まあ、当たってはいるけどね』

 

 

 

余りにも“百合百合しい”瑞希からの()()を聞かされた私は彼女に文句を行った後で苦笑いを浮かべ乍ら返事をした処、瑞希は小さく頷いた後、さっきとは打って変わった真面目な声で答えてくれた。

 

 

 

「じゃあ、ウサギさん達を助けに行ってらっしゃい」

 

 

 

『はい。行って来ます』

 

 

 

 

 

 

そして嵐が車外へ出たのを確認した瑞希は気合の入った声で……

 

 

 

「皆、聞いたわね。今から私が指揮を執り、砲手は舞、装填手は良恵に交代します。菫は操縦に専念して!」

 

 

 

と号令を掛けると3人が一斉に「「了解!」」と返事をした後、改めて嵐が……

 

 

 

『じゃあ良恵、悪いけれど今からワイヤーにロープを結び付けて!』

 

 

 

と頼んで来た為、良恵は瑞希に向けて頷いた後「分かった!」と答えてから作業に取り掛かるのだった。

 

 

 

 

 

 

一方“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”でも……

 

 

 

「行ってあげなよ…こっちは私達が見るから」

 

 

 

「沙織さん!」

 

 

 

彼女の“声”を聞いて不意を突かれたみほが沙織を見詰めたのに対して、彼女は笑顔で答える。

 

其の“笑顔”に勇気を貰ったみほは深呼吸をした後……

 

 

 

「優花里さん、ワイヤーにロープを!」

 

 

 

と頼んだ処、彼女は感極まった声で「はいっ!」と答え、2人は救助作業に入った。

 

 

 

 

 

 

其の結果。

 

 

 

「『あれっ!?』」

 

 

 

ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”を救出するべく車外へ出た西住隊長と私・原園 嵐は、互いの乗る戦車から出て来た相手の姿を見て驚く事となった。

 

先ず、西住隊長が……

 

 

 

「原園さんも“ウサギさん”を助けに?」

 

 

 

と問い掛けて来た為、私は当惑気味の声で……

 

 

 

『隊長、まさかチームの指揮を放り出してウサギさん達を助けに行くなんて……』

 

 

 

と答えた処、無言で微笑み乍ら頷く隊長の姿を見た私は“嬉しい気持ち”になると明るい声でこう続けた。

 

 

 

『でも隊長なら、そうすると思っていました。だから此の場は私が助けに行って、隊長にはチームの指揮に専念して貰おうと思っていたのですが…先を越されちゃいました♪』

 

 

 

すると隊長は笑顔を浮かべ乍ら、こう言ってくれたんです。

 

 

 

「じゃあ、一緒に助けに行こうか?」

 

 

 

『はいっ!』

 

 

 

 

 

 

と言う訳で……

 

 

 

「皆、少しだけ待ってて下さい!」

 

 

 

『今から助けに行くからね!』

 

 

 

西住隊長と私からのメッセージを聞いた梓が「えっ…何をする気なの!?」と無線で叫び返す中、先ず準備を整えた隊長が立ち上がり、更に命綱を身に着けた()が隊長の居るⅣ号戦車H型仕様(あんこうチーム)へ飛び移ってから“仁王立ち”を決めると、目の前にはルノーB1bis重戦車(カモさんチーム)Ⅲ号突撃砲F型(カバさんチーム)を挟んで目的地で在るM3中戦車リー(ウサギさんチーム)の姿が見える。

 

そして隊長と私は互いに真剣な表情で頷き合った後、隊長の命綱を結び付けるのを私が手伝い、最後に隊長自身がしっかりと縛り付けた。

 

 

 

 

 

 

此の時“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”車内では、麻子が感心した声で……

 

 

 

「前進する事より、仲間を助ける事を選ぶとはな」

 

 

 

と語り掛けると華が明るい声で……

 

 

 

「みほさんはやっぱり、みほさんね!」

 

 

 

と優花里に向けて語り掛けた処、彼女は優し気な声でこう答えたのだ。

 

 

 

「だから皆、西住殿に付いて行けるんです…そして私達は、此処迄来れたんです!」

 

 

 

其れは偶然とは言え、嵐の母・明美が目指す“誰も見捨てない戦車道”の神髄でもあったが、流石に彼女達は未だ此の事に気付いていない。

 

 

 

其れは兎も角、沙織が優花里の言葉に対して「そうだね」と答えた処、今度は華が真剣な声で……

 

 

 

(わたくし)、此の試合絶対に勝ちたいです」

 

 

 

長年の親友からの一言に沙織が「えっ?」と驚くと、彼女は凛とした声で……

 

 

 

「みほさんの戦車道が、間違っていない事を証明する為にも…絶対に勝ちたいですっ!」

 

 

 

と宣言した!

 

すると麻子が何時もの冷静な声で「無論、負ける心算は無い」と答え、優花里も元気良く「其の通りです!」と叫んだのに続いて、沙織が「勿論だよ!」と“駄目押し”の大声を上げると華も「はいっ!」と叫び、改めてチーム一丸となって勝利と母校を守り抜く決意を固めたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方、西住隊長と私は“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”を救助すべく“八艘飛び”を始めた。

 

勿論、2人同時でだ!

 

先ず“カモさんチーム(ルノーB1bis重戦車)”、次いで“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”へジャンプをして着地も決めた後“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”目掛けて最後のジャンプを仕掛けた。

 

あの時“ウサギさん(1年生)チーム”を救出する為に隊長と一緒にジャンプを決める事が出来たのは、今でも私にとって一生の思い出だ。

 

 

 

一方、試合会場内の観客席や日本全国のTV画面の前で試合を観戦していた人達は、目前で繰り広げられている“救出劇”に感動していた。

 

例えば、観客席の外れで試合を観戦中の聖グロリアーナ女学院の御茶会の席では、1年生のオレンジペコが同学年でアンツィオ高校エース候補のマルゲリータ(大姫 鳳姫)と一緒に両手を組み乍らみほと嵐の無事を祈っており、其の隣ではダージリン隊長が嬉し気な視線を向けつつ試合を見守っていた。

 

又、隣で観戦しているサンダース大付属の方では、焦り気味の表情を浮かべているアリサ副隊長やハラハラし乍ら試合を見守る1年生エース候補・原 時雨がみほと嵐の無事を祈る中、ケイ隊長とナオミ副隊長が共に“みほの実力を信じている”のか、不敵な笑みを浮かべている。

 

そんな中、プラウダ高校のノンナ副隊長はカチューシャ隊長を肩車した儘の状態で、こんな事を……

 

 

 

「カチューシャにはあんな事出来ないな…って思っているんでしょ?」

 

 

 

言った処、カチューシャは“ムッ”とした顔を浮かべつつ「違うわよ!」と反論したが、其処へボンプル高校のヤイカ隊長が「大洗って、青臭いわね……」と呟いてカチューシャに睨まれた直後、彼女に向けて不敵な笑みを浮かべてから大洗女子側の応援席に視線を移して、こう言ったのだ。

 

 

 

「…って言いたい処だけど、西住 みほと嵐が仲間を助けに行ってから会場内の雰囲気が変わったわよ」

 

 

 

其の言葉にカチューシャとノンナが観客席前の超大型モニターへ視線を移すと、2人は観客の殆どがみほと嵐の行動に感動している映像を見て、胸を打たれたのである。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、試合会場からやや離れた場所で大会の実況中継の指揮を担当している首都テレビの中継指揮車々内ではスタッフ全員が緊張し乍ら実況映像の編集・放送作業に集中している中、本大会実況中継の総合プロデューサー・八坂 信夫が小さい乍らも興奮気味の声で「此れだよ…俺はこう言う映像を視聴者に伝えたかったんだ」と呟いた後、傍らに居るベテランチーフディレクター・大滝 秀次に向けてこう語る。

 

 

 

「例えアクシデントとは言え、俺は“此の筋書きの無いドラマを世界中に余す事無く伝えたい”と願って此の業界へ入った。報道の世界じゃあどれだけスクープを獲っても無理だった願いを今、俺は漸く叶えられたって実感を感じている!」

 

 

 

其の言葉に対して大滝は苦笑いを浮かべつつ……

 

 

 

「一般の方には言えないね、其の言葉」

 

 

 

と返すと、八坂も苦笑し乍ら……

 

 

 

「そりゃ、そうですよ。下手をすればカメラの前で取り返しが付かない事態が起きるかも知れない…だが、身の危険を顧みず仲間を助けに行く姿を見れば誰だって“彼女達の無事を祈りたい”って思うでしょ?」

 

 

 

と答えた後、彼らは中継指揮車々内に複数設けられたモニターを見詰めていた。

 

 

 

 

 

 

一方、超満員となった大洗女子学園・応援席では……

 

秋山 優花里の父・淳五郎が涙を流し乍ら試合を見守り、母・好子は笑顔で娘達を応援している。

 

五十鈴 華の母・百合もみほと嵐の行動に感動している中、使用人の進三郎は両手を合わせて法華経を唱えていた。

 

其の外れでは明美・長門・龍江・鷹代が長門のスマホに送られてきたPDFデータ(長門の後輩・岩木 陸奥美が送った物である)を眺めて居る一方で、厳しい表情で試合を観戦しているしほの姿を冷泉 久子が見ている。

 

そして、再び応援席に視線を戻すと国歌斉唱を終えてからずっと此処に居る“大洗のアイドル”磯前 那珂ちゃんが「神様御願いします…絶対にみほさん達大洗女子を優勝させて下さい!」と呟き乍ら、彼女の両親が勤めている児童養護施設で暮らしている子供達と一緒に切なる祈りを捧げていた。

 

更に、応援席の別の場所では……

 

 

 

「古鷹ちゃん」

 

 

 

“J”のクラブ・水戸のサポータークラブリーダーが隣に居る古鷹 晶海に声掛けすると、感極まった声でこう続ける。

 

 

 

「俺は今、日本代表がW杯初出場を決めた“あの試合”の時以来の感動を味わっているよ。まさかサッカー以外のスポーツで、其れも戦車道の試合でこんな感動を味わうとは思わなかった」

 

 

 

「リーダー……」

 

 

 

普段は自分が応援するチームの事しか口にしないリーダーが、仲間を助けに行ったみほや嵐の行動に感嘆している姿を目の当たりにした晶海も薄っすらと涙を浮かべつつ答えた処、彼は大声でサポーター達へ向けて檄を飛ばす!

 

 

 

「御前達!此処迄皆を感動させる試合をやってくれている大洗女子の皆を負けさせたら、応援に来た俺達にとっても大恥だ!何としてもあの()達を最後迄応援して、大洗女子を優勝させて廃校を阻止するぞ!」

 

 

 

「「オーッ!」」

 

 

 

リーダーの激に答えて水戸のサポーター達が雄叫びを上げると、彼は自分のスマホで応援席の別の場所に居る“J”のサポーター達へ“此処から先の応援のやり方と注意点”に関する指示を出していた。

 

 

 

 

 

 

そんな中、“カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”の車内では、会長が景気の良い声で……

 

 

 

「西住ちゃんも原園ちゃんも飛んでるねー♪」

 

 

 

と語った処、柚子が感極まった声で……

 

 

 

「皆で勝つのが西住さんの西住流なんですね!」

 

 

 

と語ると桃が車内でオーバーアクションを繰り広げ乍ら……

 

 

 

「あーっ、もう急げー!」

 

 

 

と叫んだ為、隣に居た佐智子から「河嶋先輩、今は2人を信じましょう!」とツッコまれた処、彼女は慌てて「あ…うん」と答えるのであった。

 

 

 

 

 

 

そして“ウサギさんチーム”のM3中戦車リーでは……

 

 

 

「「隊長!」」

 

 

 

“八艘飛び”を決めてやって来たみほに向けて梓とあゆみが声を掛ける中、私も最後のジャンプを決めたのだけど……

 

 

 

『あっ、ヤバッ!』

 

 

 

着地の瞬間に足が少し滑ってバランスを崩してしまい……

 

 

 

「「ああっ!」」

 

 

 

「嵐、危ない!」

 

 

 

皆が叫び声を上げる中、私は……

 

 

 

『お…落ちる~!』

 

 

 

と叫び乍ら、両手を振り回してバランスを保とうとしていた(まるで某・カリオストロの城での大怪盗の3代目みたいに)処……

 

 

 

「嵐!」

 

 

 

『あ…梓、有難う♪』

 

 

 

落ちそうになった私に梓が抱き着いて来た結果、何とか私はM3中戦車リーから落ちずに済んだ。

 

但し、周囲からは……

 

 

 

「「ヒューヒュー♪」」

 

 

 

と冷やかされ、西住隊長は顔を真っ赤にして「はわわ……」と呟き乍ら錯乱寸前の状態に陥っていたが。

 

勿論、私も梓も恥ずかしさの余り直ぐ離れた後、私は顔を真っ赤にしている梓以外の“ウサギさんチーム”メンバーに向けて……

 

 

 

『一寸、皆!私達を揶揄(からか)っている場合じゃないでしょ!』

 

 

 

と叫んだ為、皆も落ち着きを取り戻した処で西住隊長が命綱として使っていたロープを解いて「じゃあ、皆で此れを引っ張りましょう!」と指示を出すと梓達も一斉に……

 

 

 

「「はいっ!」」

 

 

 

と答えて“予め命綱に結んであるワイヤーロープを引っ張り上げる”作業に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、川の真ん中で砲隊鏡*3を使って監視作業に当たっていた“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”の装填手・秋山 優花里が……

 

 

 

「6時の方角、敵集団接近中!距離2500(ふたごーまるまる)!」

 

 

 

と切迫した叫び声を上げた後、傍らに居る通信手・武部 沙織ヘ……

 

 

 

「もう直ぐ砲撃が始まります!」

 

 

 

と伝えた処、沙織が無線で「皆!みぽりん達を援護して!」と指示を下すと……

 

 

 

「隊長!」

 

 

 

先ず“レオポンさんチーム(ポルシェティーガー)”砲手・ホシノが叫び乍ら56口径88㎜砲を発砲し、“カモさんチーム(ルノーB1bis重戦車)”ではリーダー兼車長兼通信手兼47㎜砲々手兼装填手の園みどり子(ソド子)が……

 

 

 

「隊長、カッコ良いじゃないの!」

 

 

 

と叫びつつ砲塔に装備された32口径47mm砲を発砲する中、“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”では車長兼通信手のエルヴィンが……

 

 

 

「今程思った事は無い、回転砲塔が羨ましいと!」

 

 

 

と“回転砲塔の無い突撃砲に乗っている事の悔しさ”を吐露する。

 

そして“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”ではリーダー兼車長兼装填手の磯辺 典子・バレー部々長が「隊長を守るんだ!」と叫んで九〇式五糎七戦車砲を撃つ中、“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”でも砲手代理の二階堂 舞が「やってやるよ!私だって砲術は“ののっち(瑞希)”に負けないんだから!」と叫んで52口径76.2㎜砲を撃ちまくっていた。

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

「ヨイショ、ヨイショ!」

 

 

 

西住 みほ隊長と“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”全員が牽引用ワイヤーロープを引っ張り上げると、みほが……

 

 

 

「よしっ、ワイヤーをフックに……」

 

 

 

と指示を下して、M3中戦車リーを牽引する用意を終えた時。

 

 

 

「隊長!有難う御座いました!」

 

 

 

「有難う御座います!」

 

 

 

梓とあやがみほに対して礼を言い、続けて優季が大きな声で「御迷惑をお掛けしました!」とみほに謝罪すると、彼女は感涙している“ウサギさん(1年生)チーム”メンバーへ向けて笑顔で頷く…丁度、M3中戦車リーのエンジン点検を終えて車外へ出て来た原園 嵐は彼女達の姿を見て感動し、心の中でこう呟いた。

 

 

 

“隊長と一緒に助けに行って、本当に良かった!”

 

 

 

 

 

 

だが、嵐を始めとする大洗女子の戦車道チームメンバーや試合会場・観客席に居た観客達が“試合の勝利よりも仲間達の命を助けに行く事を優先したみほの行動”に感動する中、其れとは逆の感情を抱いた者が居る。

 

対戦相手の黒森峰女学園戦車道チーム副隊長・逸見 エリカだ。

 

 

 

「フン…相変わらず甘いわね。其の甘さが命取りなのよ!」

 

 

 

“犠牲なくして、大きな勝利を得る事は出来ないのです”と言う西住流の教えに縛られているエリカは去年の大会決勝戦と同様の失敗を犯している様に見えるみほの行動を批判するが、其の隣で待機している副隊長補佐・五代 百代は“みほの行動が大洗女子メンバーの団結心と信頼を高めている”事実に気付き、心の中で……

 

 

 

「本当に、そうだろうか?」

 

 

 

と呟いた時、エリカが無線で「全車、前進用意!丘を越えたら川に沈めてやるわ!」と激を飛ばした為、ふと“もしも此処で大洗女子が何かを仕掛けて来たら!?”と考え、無線で……

 

 

 

「各車、前進待て!襲撃に備えて周囲を警戒!」

 

 

 

と命じた処、何と隊長のまほが“百代からの警告”を受ける形で命令を下した。

 

 

 

「後方7時、敵。11号車、やれ!」

 

 

 

すると11号車の車長・赤星 小梅が大声で「此方11号車、了解!」と返信すると同時に彼女が駆るパンター中戦車G後期型の砲塔が後方へ旋回を始めた。

 

 

 

「よぉーし……」

 

 

 

一方、小梅に狙われているとは知らない“カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”では、砲手の会長が奇遇にも小梅車を狙って砲撃の準備をしていたのだが、其処へ車長の佐智子から……

 

 

 

「駄目です会長!狙われています!」

 

 

 

との警告に会長が不意を突かれて「へっ!?」と生返事を返す中、佐智子は大声で……

 

 

 

「柚子先輩、全速後退!」

 

 

 

と号令を下すと柚子の素早い操縦でヘッツァー駆逐戦車がバック走行した直後、小梅が駆るパンター中戦車G後期型が撃った75㎜砲弾が先程迄ヘッツァーが居た草地を抉り、吹き上がった土砂がヘッツァーの車体に降り注ぐ!

 

 

 

「アレ~ッ、流石に3度目は無いかぁ!」

 

 

 

砲撃に失敗し、まるで悪事に失敗した悪役の様な台詞を言う会長だが、此処で佐智子が「会長、落ち着いて!」と叫んだ後、意外な指示を出す!

 

 

 

「河嶋先輩、“()()()”を!」

 

 

 

其れに対して装填手の桃が「分かった!」と彼女にしては珍しく(笑)気合の入った声で答えると、佐智子は「じゃあ此処で一旦停止!」と指示を下す。

 

此れに対して柚子が「停止良し!」と叫んだ直後、桃も「装填良し!」と返したのを聞いた佐智子は新たな指示を下した。

 

 

 

「会長!狙いは適当で良いから曲射弾道で黒森峰の頭上に1発!」

 

 

 

「あいよ♪」

 

 

 

何時もの会長による“のんきな声の返事”と“例の弾”の発砲音を聞いた佐智子は気合の入った声で「其れでは、今度こそ本気で撤退!」と叫んだ処、今度は柚子が大声で……

 

 

 

「皆、何かに掴まって!」

 

 

 

と叫んだ直後、ヘッツァーは猛スピードで発砲現場から走り去った。

 

 

 

 

 

 

「曲射弾道で1発だけ?」

 

 

 

カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”からの砲撃を目撃した黒森峰女学園戦車道チームでは、自分達を狙ったにしては照準の甘い曲射弾道で砲弾が飛んでくるのに気付いた百代が疑問の声を上げ、エリカは「狙いも付けずに?単なる悪足掻きでしょ……」と言い掛けていた時!

 

 

 

「此れは!」

 

 

 

地面に突き刺さった砲弾から煙が吹き上がったのを目撃したエリカが驚愕の叫び声を上げる中、百代が砲弾の正体に気付いて……

 

 

 

「煙弾!」

 

 

 

と叫び、其の声を無線で聞いたまほ隊長が思わず顔を(しか)めた。

 

“煙弾”とは火砲から発射される煙幕弾の事である。

 

実戦では目潰しと言う本来の目的以外にも家屋等に火災を起こす為に使う事が有るが、実はヘッツァーの75㎜砲は此の弾が使えるのだ。

 

つまり、佐智子は咄嗟の判断で“煙弾を使って黒森峰の目潰しを行い、仲間達の脱出を助ける”策を選択し、其れに成功したのだ!

 

此の結果、煙弾が命中した場所の近くに居たパンター車長の小梅から……

 

 

 

「駄目です、周囲が煙に包まれて見えません!」

 

 

 

との連絡を受けたまほ隊長は“ヘッツァー(カメさんチーム)が煙弾を撃った意図”に気付き、心の中でこう呟いた。

 

 

 

「此れでは直ちに追跡出来ないな…してやられたか」

 

 

 

そう、ついこの間迄戦車道の経験が皆無で、準決勝の途中から“カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”の車長に抜擢されたばかりの佐智子が、西住流後継者で黒森峰女学園戦車道チーム隊長である高校戦車道最強の現役隊長・西住 まほに一泡吹かせると言う“小さな快挙”を成し遂げたのである。

 

 

 

 

 

 

「武部ちゃ~ん、待ち伏せには失敗したけれど、佐智子ちゃんの機転で煙弾を撃ち込んだから時間稼ぎにはなったと思うよ」

 

 

 

当初の目的とは異なる結果となったが“黒森峰に目潰しを加える”事に成功した“カメさんチーム(38(t)/ヘッツァー改仕様)”から、先ず会長が無線で“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”通信手・武部 沙織へ連絡を入れると、続けて車長の佐智子が……

 

 

 

「黒森峰も只ではやられないだろうから、いざと言う時の為に1発だけ用意して置いたんです!」

 

 

 

と連絡した後、再び会長が「只、こっちはもう打つ手が無いから、後は頑張って~」と告げたのを聞いた沙織は「了解!カメさんも気を付けて下さい!」と返信。

 

会長も「了解~♪」と答えた後、夫々戦場から離脱すべく行動を開始した。

 

そして、川では大洗女子の各車がワイヤーロープを繋ぎ合わせて“ウサギさんチーム”のM3中戦車リーを牽引している。

 

隊形は丁度“Vの字”型で、“V”の下の部分にM3中戦車リーが位置しており、残りの各車がM3中戦車リーを引っ張っている形である。

 

 

 

「う…動いて~!」

 

 

 

ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”の車内では桂利奈が祈る思いでエンジンを始動させようとチョークレバーを操作している中、あゆみが……

 

 

 

「嵐がエンジンを点検して“点火プラグに水が掛かっていて点火出来なくなっていたのがエンストの原因だったから、プラグを新品に交換したので、もう大丈夫”と言っていたから、多分掛かると思うけれど……」

 

 

 

と話し掛けた直後…M3中戦車リーのエンジン音が再び響きだした!

 

其の音を聞いた桂利奈が「う…動いた!」と叫んだのを聞いた梓が無線で“あんこうチーム(Ⅳ号戦車H型仕様)”通信手の沙織宛てに報告を入れると…

 

 

 

「皆!“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”、動き出したよ!」

 

 

 

沙織がチームの仲間達へ連絡した処、優花里が笑顔になって「良かったぁ!」と歓声を上げ、みほも頷いてから各チームへ新たな指示を出した。

 

 

 

「全車輌“ウサギさんチーム”と歩調を合わせて移動して下さい!」

 

 

 

 

 

 

そして私達・大洗女子学園戦車道チーム全車が川を渡り切って前方の坂を登り始めた後、漸く黒森峰女学園戦車道チームが対岸にやって来て砲撃を加えたのだが……

 

 

 

「残念でした!もう皆、川を渡っちゃったよ~♪」

 

 

 

車長用キューポラの上から後方の川岸の様子を見ていた私の隣で、臨時の車長から装填手に戻った舞が、漸く対岸迄やって来た黒森峰戦車道チームへ向けて一言叫んだ後“アカンベー”を決めていた。

 

 

 

 

 

 

佐智子による煙弾を使った妨害作戦の影響も有り、あと一歩の所で大洗女子を取り逃がした黒森峰女学園戦車道チームでは、エリカ副隊長が「何処へ…坂を登り乍ら西へ?」と呟く中、副隊長補佐の百代が鋭い声で……

 

 

 

「砲撃中止!此れ以上は弾の無駄遣いになるわ!」

 

 

 

と仲間達へ指示を出した処、其の様子をチラリと見ていたエリカはふと“大洗女子の意図”に気付いた為、まほ隊長へ自らの考えを告げてみた。

 

 

 

「隊長。大洗は川を渡った後、坂を登り乍ら西へ向かいました…と言う事は、彼女達の向かった先は」

 

 

 

すると、まほはエリカに向かって小さく頷いた後「エリカ、私も多分御前と同じ考えだ」と告げてから、こう答えたのである。

 

 

 

「恐らくは…市街地」

 

 

 

(第96話、終わり)

*1
車輌やバイク等のエンジンにおいて、燃料と空気を混合した「混合気」を作り出す為の機械式の装置。日本語では気化器とも言う。尚、近年では排気ガスや燃費規制の問題等から、より緻密な制御が出来る電子制御(要はコンピューター)を使うインジェクション(燃料噴射装置)が主流となった為、キャブレターはほぼ使命を終えた。

*2
冬場や早朝等、エンジンが冷えた状態の時に酸素密度を下げる事で混合気を濃くしてエンジンを始動させやすくする為のレバー。

*3
角型の筒を持つ大型の双眼鏡で、弾着や敵状の観測等に用いる。別名“カニ眼鏡”。




長文となりましたが此処迄読んで下さり、有難う御座います。
第96話をお送りしました。

と言う訳で、今回は“ウサギさんチーム救出作戦”を丸ごと再現。
しかも、西住殿と嵐の2人一緒に“八艘飛び”をやると言うサプライズ付きでやってみました。
本作中でも嵐自身が語っていますが、彼女的には“西住隊長を助ける為に、自分が先に助けに行こう!”と思って車外へ出たら、西住殿も居たと言うオチで御座います。

一方、2人の行動に感動した大洗側応援席でも動きが。
実は此の動きが終盤へのフラグになりますので、御注目頂けばと思います。

其れでは、次回をお楽しみに。

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