戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない 作:瀬戸の住人
遂に本編第100話を迎える事が出来ました。
と言う訳で、今回は原作アニメ版の“最終作戦”がいよいよスタート!
原作とは異なる展開で御送り致します…えっ、何が違うのかって?
其れは御覧になっての御楽しみ。
と言う訳で、其れではどうぞ。
「マウスが…市街地へ急げ!」
市街地跡へ繋がる大通りを進撃する
だが、其処から離れた高台に在る路地には大洗女子の“
「黒森峰、後3分で到着します!」
との報告を入れると、マウス撃破地点で指揮を執る大洗女子戦車道チーム隊長・西住 みほが毅然とした声で……
「分かりました!次の行動に移って下さい!」
と指示を出した処、各チームリーダーが「「はい!」」と答えつつ、先ずマウスに突っ込んでいた
「『あっ!』」
丁度、大通りに通じる路地から“
其の姿を目撃した西住隊長と私が声を上げた処、私の隣に在る装填手用ハッチから様子を見ていた装填手・二階堂 舞も悲し気な声で……
「やっぱり“カメさん”のヘッツァー、無理のし過ぎでエンジンブローしちゃった……」
と呟いた後、“
「ああ、良くやってくれたなあ…此処迄」
ハッチから顔を出した装填手担当の河嶋 桃先輩が感無量の声で語ると操縦手の小山 柚子先輩も「うん」と答える中、チームリーダー兼砲手の角谷 杏生徒会長が……
「我々の役目は終わりだな」
と呟いたのを聞いて居た私は西住隊長と一緒に、
「西住隊長!」
と声を掛けた為、先ず西住隊長が気落ちした声で……
「済みません……」
と答えた後、私も震える声で……
『本当に御免なさい!私、マウスが本当に怖くて、何も出来なくて!』
と叫んだ時、小山先輩が笑顔で首を横に振り乍ら……
「謝る必要無いよ」
と答えてくれた後、河嶋先輩が「良い作戦だった!原園も気落ちするな!」と励ましてくれて、最後に会長が(此の人にしては珍しく)気合の入った声で……
「後は任せたよ!」
と告げた後、河嶋・小山両先輩が……
「頼むぞ!」
「ファイト!」
と続き、最後にチームの車長・名取 佐智子が「隊長…此処で泣いちゃ駄目です!」と西住隊長へ声を掛けた後……
「最後迄諦めずに戦って下さい!」
と下級生とは思えない程の大声で激を飛ばしたのに対して、西住隊長も覚悟を決めた声で「はいっ!」と答えた時、今度は佐智子が……
「其れと原園さん、もう気持ちは大丈夫ですか!?」
と問い掛けて来たので、意表を突かれた私は慌て気味の声で……
『あ…はいっ!』
と答えた処、佐智子は笑顔で私を見詰め乍ら……
「じゃあ、最後迄皆を…西住隊長を御願いします!」
と告げてから頭を下げたのを見た私は気合を入れると大声で彼女の言葉に答えたのだった。
『有難う!行って来る!』
さあ黒森峰…仲間達を痛めつけた上に私を脅えさせたツケは払ってもらうからね!
戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない
第100話「フラフラ作戦、発動です!!」
「此方は6輌です。相手は未だ14輌…ですが、フラッグ車は
先ず、西住隊長が進撃を始めた私達・大洗女子学園戦車道チームの生き残り全車…隊長車の“
「
と指示を出したのに対して“
其の声に勇気を貰った私は“さあ、マウスに怯えていた時の汚名返上だ!”と決意を固めると無線で“試合前に皆で打ち合わせていた作戦”を実行する事を皆に告げる。
『じゃあ私達は敵を攪乱しに行くので、“カバさん”は“アヒルさん”と連携して相手を1輌ずつ潰して下さい!』
すると“
「そうか…決勝戦前の練習でやった“
と呼び掛けて来たので、私は若干恥ずかし気な声で……
『実は…そうでした♪』
と答えた処、西住隊長から「了解です。原園さん、御願いします!」と告げられた為、私は一旦深呼吸してから……
『はいっ!マウスが出た時には皆に迷惑を掛けてしまったから、其の分迄暴れて来ます!』
と宣言したのだった。
一方、嵐の宣言を聞いた“
「「応っ!」」
と返したのである。
そしてみほは再び無線で……
「“あんこう”は
と告げると“
「先鋒は勿論ですが、後続のヤークトティーガーや特にエレファントの火力にも十分注意して下さい!」
と呼び掛けた処、今度は“
「御願いします!」
と告げたのだった。
其れに対して“
「「よっしゃあ!」」
と気合の入った声を出すと、操縦手の阪口 桂利奈が其れ以上の気合で「やったるぞ!」と叫んで戦意を高めるのだった。
そしてみほは“
「麻子さん、袋小路に気を付けて相手を攪乱して下さい!」
「オッケー」
「沙織さん、互いの位置の把握、情報を密にして下さい」
「了解!」
「華さん、優花里さん。HS0017地点迄は極力発砲を避けて下さい!」
「「はい!」」
こうして、仲間達への指示を出し終えて“最後の戦いの準備が整った”事を確認したみほは“最後の指示”を無線で出した!
「其れでは、此れより最後の作戦“フラフラ作戦”を開始します!」
斯くして…後年“決勝戦・伝説の終盤戦”として語り継がれる戦いが始まった。
「敵、発見!」
大洗女子を追っていた黒森峰が彼女達を捕捉したのは、みほが最後の指示を出してから数分後。
進撃路の行き当たりから大洗女子の“
彼女達3輌の戦車を追い掛け始めると最後尾の“
其の姿を見たエリカが「邪魔よ!」と怒声を上げるが、彼女の補佐役である1年生の五代 百代は焦りを隠せない声で「駄目だ…徐々に相手の罠へ誘い込まれている様な気がする!」と叫ぶ中、隊長のまほは……
「エリカ、五代、落ち着け!今、
と叫んだが、結果的に目前の状況に気を取られていた黒森峰戦車隊は彼女達が向かわなかった三叉路右側の電柱に隠れていた“
一方、みほ達大洗女子の戦車3輌は住宅街跡地の狭い道路を縦横無尽に駆け抜けるが、突然“
「此方“あんこう”。448ジャンクション左折します。“レオポン”373左折。“アヒルさん”373右折して下さい」
と“次に通過する街角で如何動くか”について指示を下すと“
其の結果、黒森峰戦車隊は
特に“
「挑発に乗るな、落ち着け!」
エリカ副隊長が駆るのとは別の
「このーっ、八九式“
装甲貫徹力が低い八九式の57㎜砲弾では
其処へ車長の典子が……
「やーい、やーい!」
と黒森峰戦車隊目掛けて挑発すると、周りが一切目に入らなくなっていた亜沙子が……
「待て~!」
と絶叫し乍ら八九式を追っていた時、街角から突如砲声が轟いた!
「何っ、待ち伏せ!?」
突然の攻撃で仰天した亜沙子が叫ぶと、彼女から見て左側を走っていた僚車のパンター中戦車G後期型の車長から無線で……
「此方パンター4号。済みません、エンジンをやられました!」
との悲鳴が入ると同時に、其のパンター中戦車G後期型右側面のエンジンルーム付近から黒煙が吹き上がっているのが見えた…勿論、砲塔からは白旗が揚がっている。
其れを見た亜沙子が視線を近くの路地へ向けると……
「あれは…Ⅲ号突撃砲!」
何と路地の陰に“
其の状況を見た亜沙子は赤鬼の様な形相を浮かべつつ「大洗め~!返り討ちにしてくれる!」と叫び乍ら、
「やらせないよ!」
と叫び乍ら“
“ズドーン!”
「!?」
今度は自分の後ろから鋭い砲声が響いたのだ!
其の少し前、“アヒルさん”と“カバさん”両チームの戦い振りを観客席の外れで眺めて居た嵐の母・原園 明美は満面の笑みを浮かべ乍ら……
「今のは“ハンター・キラー作戦”ね♪」
と評した処、みほの母で西住流師範の西住 しほは苛立ち気味の声で「何だ、其れは!?」と言い返すが、其れに対して嵐の大叔母である元陸上自衛隊陸将・原園 鷹代は「成程」と呟いてから、こう答えたのである。
「敵を誘い込む役と攻撃する役を別々にしたんだよ。此れも戦い方としては邪道じゃ無い」
すると話を聞いて居たアンツィオ高校OGで明美達の親友でもある大姫 龍江も笑顔で頷きつつ……
「大洗の八九式はすばしっこいし、砲撃の命中率も高いけど肝心の57㎜砲の威力が豆鉄砲並みやから戦車戦では役に立てへん。逆にⅢ突は火力が高いけど砲塔が無いから待ち伏せの時しか使えへん。せやから“
と解説すると明美としほの親友である黒森峰OG・周防 長門も頷き乍ら……
「“ハンター・キラー作戦”の名前は第2次世界大戦中の対
其れを聞いて居た冷泉 麻子の祖母・久子は明美に向けて楽し気な声で「ふむふむ。“猟師と猟犬”の例えは、私にも良く分かったよ…其れと、しほさんは頭が固そうだと言う事も分かったね」と答えた為、彼女は悪戯っ子の様な笑顔を浮かべ乍ら……
「分かったでしょ“
と語り掛けた為、しほが憮然とした顔で何か言い返そうとした時、観客席のスピーカーから鋭い砲声が響き、続いて悲鳴の様な声が上がった!
「此方パンター3号、後ろからやられました!」
此の時、大洗女子の
此れで自分に付き従っていた2輌のパンター中戦車を失い孤立してしまった亜沙子は「馬鹿な!Ⅲ突は路地の奥に逃げたから其処には居ない筈なのに!」と叫ぶが、此処で亜沙子と一緒にハッチから顔を出して周囲を監視中だった装填手が「違う!あれは……」と亜沙子へ呼び掛けた為、彼女は視線を後方へ向けた時!
「アレは“イ
そう…彼女の目の前には砲口から発砲煙が上がっている
『さあ…マウスなんて化け物を出して来たツケは払って貰うよ!』
母・明美としほに対するトラウマから、対マウス戦では思う様に戦えなかった嵐が放った捨て台詞は周囲の騒音にかき消された事も有って亜沙子には聞こえなかったが、其れでも嵐の顔を見て興奮状態になった彼女は“目に物を見せてやる!”と思いつつ……
「あのガキ…こっちの88㎜砲でぶっ倒してやる!」
と叫んだが、其処で亜沙子車の砲手が……
「待て!八九式とⅢ突が正面から来る!」
と叫んで来た上、操縦手も……
「こっちは至近距離でイ
と叫んだ為“此の儘だと格下の戦車相手に不覚を取られる”と悟った亜沙子は悔し気な声で……
「クソーッ!此処は撤退する!」
と叫びつつ此の場を離れようとしたのだが……
「あっ!イ
何と自分を追い掛けて来ると思っていたイ
「クソッ、格下の癖に舐めるんじゃ無いわよ!」
斯くして単独で八九式とⅢ突を相手取る破目になった亜沙子は悪態を吐き乍ら戦い続けるが、其の結果彼女は“
一方、試合中のフィールドの別の場所では大洗女子の“
「硬過ぎる~!」
黒森峰戦車隊・本隊の最後尾に居た格上の重駆逐戦車・エレファントを威嚇射撃で挑発した上、住宅地の狭い路地へ誘い込んでから皆のチームワークと操縦手の阪口 桂利奈によるドラテクで路地に迷い込んだ相手の後ろへ回り込んで至近距離から砲撃を加えると言う「戦略大作戦」を展開した“
決勝戦前夜にチーム全員で戦争映画を見乍ら徹夜で研究した作戦も、後面で最大85㎜の装甲厚を誇るエレファントの前ではM3中戦車リーの37㎜砲と75㎜砲も役に立たない。
其の事を思い知らされたチームの37㎜砲々手・大野 あやが悲鳴を上げるとチームリーダー兼車長の梓も……
「零距離でも倒せないなんて、もう無理じゃない!」
と弱音を吐く一方で、一時は“住宅街の狭い路地で相手に後ろを取られ、旋回しようにも道幅が狭過ぎるので出来ない”状況下で絶望していた黒森峰のエレファント車長は……
「アハハ!M3リー如きで此のエレファントの装甲が破られる筈も無い!此の儘後進してM3リーを押し出せば、こっちの勝ちだ!」
と舞い上がっていたのだが、其の時“
「!」
37㎜砲の装填手を務める1人の少女の脳裏に“天啓”が閃いた。
其れは、彼女が大洗女子学園の図書館で“ある短編劇画*4”を読んでいた時の事だった。
如何しても其の劇画のラストシーンの意味が分からず、困った彼女は其の場に居た原園 嵐に質問した…但し、彼女は嵐に向けて一言も喋ってはおらず、自らの仕草と表情だけで嵐に質問し、嵐も其れだけで質問の意味を理解して、こう答えたのである。
『ああ…此の
嵐の答えを聞いて漸く彼女は納得したが、更に嵐は何かを思い出すとこう答えた。
『因みに此のハッチの内側に有る小さな丸いハッチは88㎜砲弾の薬莢排出口、つまり薬莢を捨てる所のハッチだから防御上の弱点だよ。其れと此の
其処迄思い出した瞬間、其の少女・丸山 紗希はあやの肩を叩く。
肩を叩かれたあやが紗稀に気付いて「あっ!」と声を上げると紗稀はたった一言……
「薬莢…捨てるとこ」
と告げたのを聞いたあやはハッとなって……
「凄―い!紗希ちゃん天才!」
と歓喜の声を上げ、其れを聞いて勇気を貰った75㎜砲手のあゆみが「良しっ!“せーの”で撃とう!」と皆に呼び掛けて……
「「せーのーでっ!」」
と声掛けをしてからM3リーの37㎜&75㎜砲を“エレファントの薬莢排出口”目掛けて撃ち込んだ結果!
「黒森峰女学園・エレファント、行動不能!」
黒森峰が誇る強力な駆逐戦車トリオの一角(残り2輌はヤークトティーガーとヤークトパンター)・エレファントを非力なM3リー中戦車で撃破したと言う、大洗女子の1年生集団“ウサギさんチーム”による快挙に会場からは大歓声が上がった!
そして、此処から大洗女子学園は更なる攻撃を展開するのである。
(第100話、終わり)
此処迄読んで下さり、有難う御座います。
第100話をお送りしました。
超重戦車マウス撃破と引き換えに“カメさんチーム”を失った大洗女子学園だが、生徒会役員トリオや佐智子ちゃんの声援で勇気付けられたみほ殿と嵐ちゃん達は最後の決戦へ向けて“フラフラ作戦”を決行する…本作オリジナルの要素も追加してね!
と言う訳で、本作ではマウス攻防戦の際に嵐ちゃんが助けた“カバさんチーム”が“アヒルさんチーム”と組んで黒森峰の戦車狩りを仕掛けると言う“ハンター・キラー作戦”を展開。
両者の長所を生かして短所を補い合う妙策が効いて、黒森峰のパンター中戦車G後期型を1輌撃破、更に居合わせた“ニワトリさんチーム”も同型車を1輌撃破する中、“ウサギさんチーム”も難敵エレファント重駆逐戦車を撃破すると言う名場面迄話が進みましたが、次回も大洗女子学園のターンは続きますので、乞う御期待。
其れと、今回の有る描写について少し長い話を。
今回、丸山 紗希ちゃんが原作アニメ版最終回の名台詞「薬莢…捨てるとこ」と告げる場面を掘り下げて描写しましたが、其の中で書いた「ある短編劇画」はモデルが有ります。
其れは、ガルパン本編で秋山 優花里の部屋に飾られていた「黒騎士物語」の主人公・バウアー大尉の生みの親でもある劇画家・小林 源文先生が描いた「第656駆逐戦車連隊、クルスクでの戦い」(旧題「クルスクに於ける第656駆逐戦車連隊」。単行本では初版が大日本絵画から刊行されていた「街道上の怪物」に収録されていた)です。
で、何故此の話をするのかと言いますと、此の劇画のラストが「戦闘中に過負荷でモーターが焼けてしまったフェルディナント(此れが後に改修されてエレファントになる)から乗員が車外へ脱出しようとするが、其処へ肉薄攻撃を仕掛けたソ連兵に屋根を昇られて大ピンチの時、車体後部に有るハッチを地面へ落とす事で近くに居た別のソ連兵を潰した後、車内のガンポートから屋根に昇ったソ連兵を射殺して脱出に成功する」と言う話になっています。
で、実は紗希ちゃんが原作アニメ版最終回で「薬莢…捨てるとこ」と言った時に映っていたエレファントの車体後部ハッチ(薬莢を捨てる為の専用ハッチも付いている)こそが、正に小林先生が劇画のラストで描いた「地面に落としてソ連兵を潰したハッチ」だった為、最終回を当時のバンダイビジュアル公式動画配信で見た居た私は……
「あーっ!此れは“あの劇画”で地面に落ちたハッチじゃないか!」
と絶叫した訳でして、自分にとってはガルパンを見た思い出として今でも強烈に記憶に残っております。
と言う訳で、今回当時の思い出を書き残したくなり、つい作中描写の中に織り込んでしまった次第で御座います。
其れでは、今回は後書きが長くなってしまいましたが、次回をお楽しみに。