戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない 作:瀬戸の住人
前回の後書きで触れた通り、今回と次回はストーリーを補完する意味も込めて、主人公の母親・明美さんSideの番外編を前後編でお送りします。
物語は前回第8話の終了直後から始まりますので、安心してお読み下さい。
【報告】2018年6月5日に一部修正(段落と一部の文章の訂正)しました。
4月初旬の夜。
ここは大洗女子学園・学園艦。
その甲板都市の一角に、学園艦の就役時から営業を続けている老舗旅館がある。
この旅館は先程まで、原園 嵐が大洗女子学園で戦車道が復活した真相を母親である原園 明美と学園の生徒会長・角谷 杏から知らされていた場所でもあった。
既に、時刻は午後8時半を過ぎている。
嵐は、同席していた群馬みなかみタンカーズ時代の戦車道仲間や大叔母の鷹代、大洗女子学園生徒会役員と共に、旅館で出された夕食の焼肉を食べ終えて、自らの下宿である鷹代の家へ帰宅している。
一方、この旅館に宿泊している明美は、まず旅館の玄関で生徒会役員3人を用意したタクシーで送り出してから、レンタカーで嵐や鷹代、そして瑞希達を鷹代の家と学生寮まで送った後、旅館へ戻ると館内に併設されている露天風呂に入って汗を流した。
そして、風呂から上がって浴衣に着替えると、自分が宿泊している部屋へ戻ってから、スマホで連絡を取っている。
その相手は、自らの個人秘書…正式な役職は、原園車両整備の社長秘書・淀川 清恵 (よどがわ・きよえ)。
長いストレートヘアに、アンダーリムの眼鏡がチャームポイントで、それが若く清楚な印象を与えている人物である。
そんな清恵だが、明美の秘書として入社したのには、それなりの理由があった。
清恵の父は、明美が社長を勤める原園車両整備の創業以来のメインバンクだった大手銀行の前橋支店長まで勤めた人物であるが、5年前に銀行の次期頭取を巡って起きた内紛に嫌気が差して依願退職し、その後は金融コンサルタントとして独立している。
実はその当時、原園車両整備はある事情からこの銀行の内紛に巻き込まれていた。
この時、明美は銀行の本店から貸し剥がし…つまり、既に融資されていた資金を期限前に返済する様、強引に迫られたのである。
これによって資金面の後ろ盾を失った原園車両整備は窮地に陥ったが、ここで以前から支店長として明美と懇意にしていて、銀行の内部事情も知っていた清恵の父が明美を助けるべく動いた。
彼は、大学の同級生である別の大手都市銀行の頭取に連絡を取って、融資交渉の機会を作ったのである。
その結果、原園車両整備は、この大手都市銀行へ融資を借り換える事で窮地を脱した経緯がある。
当時、大学卒業を控えていた清恵は、父の勤めていた銀行へ就職しようと思っていたが、この事件を通して銀行業界の闇の部分と明美の人柄や原園車両整備の雰囲気の良さを知り、明美の下で仕事をしたいと考えた。
丁度、自分の秘書を必要としていた明美も快く彼女を受け入れ、清恵は大学卒業と共に原園車両整備へ秘書として入社したのだった。
そんな彼女は、今も明美の有能な右腕として活躍を続けている。
「どう、清恵ちゃん。“あの戦車”は大丈夫?」
明美からの問い掛けに、清恵は澱みの無い澄んだ声で答える。
「はい社長、既に輸送準備は整いました。明日の早朝、トランスポーター(戦車運搬車)に積み込んで午前8時に本社を出発し、昼前には茨城港日立港区に到着後、停泊中の連絡船に搭載します。その後、連絡船は明日深夜に出航し、明後日の昼頃には社長がいらっしゃる学園艦に到着する予定です」
「了解。それじゃあ、後の事はお願いね。私は明朝、チャーターしたヘリでここを出るわ…明日は、午後から大切な取引先との商談があるからね」
「はい。明日の午後1時から袖ヶ浦市にある周防ケミカル工業本社へお伺いして、今度購入する戦車用オイルや添加剤等の価格交渉があります…社長、お1人でも大丈夫ですか?」
「うん。私も伊達に10年近く社長を続けてきていないからね…それより、清恵ちゃんもしばらくは慣れない整備士用ツナギを着て作業してもらうと思うから、怪我しない様に気を付けてね」
「はい。工場長や整備課の方達も付いていますから、無理しない様にします。それでは社長、お休みなさい」
「お休みなさい」
全幅の信頼を置く秘書との連絡を終えた明美は、自分の部屋の窓から見える学園艦の甲板都市の夜景をしばらく眺めていたが、不意に目線を1冊の小さなアルバムに移した。
これは、明美が嵐を出産したのを機に購入した物で、それからずっと肌身離さず持っている。
その最初のページには、自分と今は亡き夫の直之、そして2人の真ん中に、まだ幼い1人娘の嵐が並んで写った写真が収められていた。
これは嵐が3歳の春、幼稚園に入園した時に幼稚園の正門前で地元の写真屋さんに頼んで撮影した記念写真だ。
明美はそれを眺めながら、切なそうな声で独り言を呟いた。
「直之さん…嵐…」
その表情は、自分の愛娘である嵐や西住 みほを始めとする大洗女子学園の生徒達に見せた、ある意味でふざけたものではない。
1人の未亡人、そして母親としての憂いが籠った顔だった。
「直之さん、貴方がいなくなってしまって、もうすぐ10年。あれから私、嵐の育て方間違えてばっかりだよ…」
明美は思わず、辛そうに声を詰まらせる。
10年前の秋、直之が戦車道の試合前のパレードで、戦車に轢かれそうになった男の子の命と引き換えに不慮の事故死を遂げて以降、初代社長でもあった夫の後を継いで工場を切り盛りして来た明美には、親戚や友人から再婚を勧める話が幾つかあった。
だが、明美にとって、直之以外の夫は有り得なかった。
実の所、結婚前から相思相愛だった2人だけに、明美としては夫が急死したからと言って、再婚する事には心理的な抵抗が強かったのである。
何より、子供の面倒見は自分よりも遥かに上手だった直之に、幼い頃から何かと懐いていた嵐が、新しい父親を欲しなかった事実が一番大きかった。
『再婚? 別にどっちでもいいよ、私のお父さんは1人だけだもん……それより母さんこそ、自分の幸せを見つけた方がいいと思うけれど?』
以前、明美に再婚を勧める話があるのを知った嵐が、明美に語っていた言葉である。
その言葉を思い出した明美は、悲しげな顔で独り言を続ける。
「嵐は生まれた時から、いつも私よりも直之さんの方に懐いていたものね…オマケに私は、直之さんと結婚を誓った時から2人で決めていた約束を守ろうと焦った挙句、お父さんを亡くしたばかりだった嵐に戦車道を無理矢理仕込んじゃったから…きっと直之さん、天国で私の事を嫌っているだろうなぁ」
明美は、アルバムのページをめくりながら、やり切れない気持ちで直之との結婚生活や嵐との日々(そして諍い)を思い出している。
まだ彼女自身は気付いていないが、その目には薄っすらと涙さえ浮かんでいた…もっとも、嵐がその姿を見たら『ちょっとお母さん、頭おかしくなったの?』としか言わないだろうが。
それ程までに、この2人の母娘は戦車道を巡る長年の諍いで、意思疎通の感覚がズレていた。
そんな時、明美はふと何かを思い出すと、アルバムの最後のページをめくり、そこに収められていた1枚の写真を取り出した。
写っているのは、銀色のドイツ製プロトタイプ・レーシングカーをバックにして楽しそうに肩を組んで笑っている、若かりし日の明美と直之の姿。
その写真には、2人のサインが並んで書かれてあった。
「20XX年6月Y日、サルトサーキットにて。直之さんが整備したマシンがル・マン24耐3回目の総合優勝、やったね!! 明美」
「明美、妊娠7ヶ月なのにル・マンまでやって来てくれてありがとう!! 次は人生の優勝を決めるぞ!!(笑) 直之」
更に、その写真の裏を見ると、こんなサインが書いてある。
「私達の夢は、これから戦車道を目指す子供達が世界へ羽ばたく為に、自由に戦車道が出来る場所を私達が生まれた日本のどこかに作る事です。 その日まで頑張るぞ!! 直之&明美」
明美は、小声でそのサインを読んだ瞬間、涙を零しながら呟いた。
「これが、私と直之さんが結婚を誓った時から、今でも守り続けている約束。そして、私と嵐の仲が険悪になった理由…」
続けて、彼女は誰もいない部屋で本音を吐露する。
「直之さんが事故で亡くなった時、状況が状況だったから、戦車道連盟は莫大な額の死亡補償金を残された私達に支払った…私達2人の生活だけでなく、嵐が大学まで進学してもなお余裕がある程の金額を。だからあの時、私はまだ幼かった嵐を育てる為に直之さんと立ち上げた工場を畳んで、母娘2人で慎ましく暮らすと言う選択肢もあった」
ここで明美は涙を拭うと、自分の想いを整理する様に独白を続ける。
「でも、私は工場を畳めなかった。だって、あの工場は私と直之さんが約束した『子供達が自由に戦車道を出来る場所』を作る為の第一歩だったから。例え娘の将来の為であっても工場を畳む事で、直之さんとの約束を破る事になっても良いのか、私は真剣に悩んでしまった…」
そこで一旦言葉を切ると、写真の中で自分と一緒に写っている直之の姿を見詰めながら、更に呟き続ける。
「…そして、私は直之さん、あなたとの約束を守る方を選んだ。でも、その為に私は、嵐を私達の夢の為、戦車道の為の道具にしたと皆から罵られても仕方ないよね…直之さん、あなたもそうするかな?」
ここで、明美は深呼吸をして心を落ち着けると、悟り切った表情で写真の中にいる直之に向かって話し掛けた。
「きっと、私は死んだら地獄の一番深い底に落ちて、天国にいるあなたとは永遠に会えないんだろうなぁ…でも、あなたとの約束だけは破りたくないんだ」
だが、その言葉を口にした、次の瞬間。
何かを思い出した明美は、悟り切ったはずの表情を一変させて、あの生徒会長室に現れた時と同じ、飄々とした表情に戻っていた。
「あっ…そうだ。地獄への道連れじゃないけれど、これから仲間に引き込むべき大切な同級生と、明日会うのを忘れていたわ」
そんな一言を漏らすと、明美は若き日の自分と直之が写った写真をアルバムに戻す。
続いてアルバムの別のページを開くと、そこに収められている新たな写真へ目線を移した。
その写真に写っていたのは、1台の重戦車と3人の少女。
まず、写真の背景となっているのは、第2次世界大戦中のドイツ国防軍が世界に誇った伝説的な重戦車、ティーガーⅠである。
その前に、3人の少女が並んでいた。
左側には、前髪を切り揃えた長い黒髪と鋭い目線が特徴の生真面目な表情をした少女。
右側にも同じ髪型を持つ少女がいるが、こちらは前髪が眉間に垂れており、左側の少女とは対照的に明るい表情で、薄っすらとではあるが笑みも浮かべている。
ちなみに、この2人は第2次世界大戦初期のドイツ陸軍戦車兵が着用していた黒いジャケットと略帽を模した制服と帽子を着用している。
更に、2人の間には薄いグレーの整備士用ツナギを着た、ピンク色の髪をした少女が両手で2人の肩を組みながら、元気一杯な笑顔を浮かべていた。
そして、写真の下にあるキャプションにはこう書かれてある。
☆平成XX年3月 黒森峰女学園戦車道チーム・卒業記念☆
しぽりん隊長&整備班長・あけみっち&ながもん副隊長
“私達、一生戦車道します”
何とも珍妙な仇名とスローガンであるが、その中に書かれてある“あけみっち”とは、石見 明美…結婚して、原園姓を名乗る前の明美自身の事である。
もちろん3人の真ん中で笑顔を見せている、整備士用ツナギを着た人物こそが“あけみっち”なのであった。
そんな写真を眺めながら、明美は先程とは別の思いに浸っていた。
「あれから随分経ったけれど、今でも黒森峰での日々はよく思い出すなぁ…あの3年間は私の戦車道にとって、正に原点だもの」
そう…明美は高校時代、当時から高校戦車道の強豪校として知られていた熊本県の黒森峰女学園で、戦車道チーム整備班の整備士、そして整備班長を勤めていたのだ。
そんな彼女は、日本戦車道の世界ではこの頃から有名人だった。
特に、明美の整備技量と整備班を纏める為に必要な統率力の高さは、当時から超・高校生級で、大人の整備士顔負けのレベルの高さとカリスマ性を兼ね備えており、戦車道関係者やファンの間では、彼女に「黒森峰戦車道チーム・陰のエース」と言う異名を奉っていた。
と言う事は、明美が黒森峰の「陰のエース」ならば、当然本来の意味での「エース」もいる事になる。
ここで、賢明な読者の方ならば、先程紹介した写真のキャプションを読んだ時点で、当時の黒森峰戦車道チーム本来の「エース」が誰なのか、察して頂けるのではないだろうか。
そう…その「エース」の正体とは、当時の黒森峰戦車道チーム隊長“しぽりん”こと、西住しほの事である。
今、明美が眺めている写真に写っている3人の内、左側にいる生真面目な表情をした少女が、若き日のしほなのである。
中等部、高等部共に入学から卒業までの間、一貫して戦車道チーム隊長を勤め、通算6年間で黒森峰女学園を中学・高校戦車道の「強豪校」から「絶対王者」へと変革する基盤を作り上げた、黒森峰の至宝にして日本戦車道の王道・西住流の継承者、西住しほ。
実は高等部へ進学早々、同級生として出会ったばかりだった明美の整備士としての才能をいち早く見抜いたのも、彼女である。
高等部の戦車道チーム隊長としての最初のミーティングで、しほはチーム全員の前で、自らが駆るチームの隊長車であるティーガーⅠの専属整備士に明美を指名した。
黒森峰戦車道チームの歴史でも、入学早々の新1年生に隊長車の整備を任せたのは他に例がなく、異例の抜擢であった。
この時、明美は地元・群馬の中学を卒業後、故郷を離れて黒森峰に入学したばかりだったが、しほからの期待に全力で答えた。
しかも、完璧の更に上を行く程のレベルの高さで……
そんな明美の才能は、初めて臨んだその年の戦車道全国高校生大会で遺憾なく発揮された。
明美は、しほのティーガーⅠを1回戦から決勝まで完璧に整備して見せた。
その結果、しほの駆るティーガーⅠは、大会の最後まで一切のトラブルを起こす事無く、チームの全国制覇まで戦い抜いたのである。
この大会終了後、明美は戦車道チームのメンバー全員から推挙される形で、チームの整備班長に就任。
隊長のしほが試合でチームの力をフルに発揮して、数々の栄光を勝ち取って行く陰で、整備班長の明美は、黒森峰が装備する強力だがデリケートで故障しがちなドイツ製戦車を試合までに完璧な整備を施して送り出すだけでなく、必要な部品や消耗品の管理体制を強化する事で、チームの戦車にどんなトラブルが起きても迅速に対応できる体制を確立した。
その結果、明美達黒森峰の整備班は、しほ達の持てる力を存分に引き出す条件を整える事に成功したのである。
こうして、表と裏と言う2枚看板のエースを擁した黒森峰戦車道チームは、その代で戦車道全国高校生大会3連覇のみならず、公式戦でも3年間無敗と言う高校戦車道の歴史に残る偉業を成し遂げた。
そして彼女達の偉業と努力は後輩達へ引き継がれて行き、その後の全国高校生大会9連覇へと続く「常勝黒森峰」のイメージを世間に定着させるきっかけを作ったのだった。
そんなしほと明美は、卒業後も長年、立場を越えた親友同士だった。
黒森峰を卒業後、しほは西住流後継者としての道を歩み、明美はドイツへ渡ってプロ戦車道リーグの強豪チームで整備隊長として活躍後、帰国してからはドイツで結婚した直之と一緒に、自身の故郷・みなかみ町で立ち上げた整備工場の経営に専念していた為、2人が直接会う機会は少なかったが、少女としての多感な時期に戦車道を極めようと切磋琢磨した者同士の絆は強く、互いに連絡を欠かす事は無かった。
だが…今、明美は写真の中にいる“しぽりん”に向かって、諌める様に話し掛けている。
「しぽりん…あんた去年の秋、嵐に何て言ったか覚えている?」
明美の表情は依然として飄々としているが、その言葉には、少しばかり怒りの感情が込められている。
「去年の戦車道全国高校生大会が終わった後、あんたと私の家で再会したあの秋の日…あんたの一言で、嵐は心が折れてしまった…」
そして、明美は“しぽりん”に向かって怒りをぶつけるかの様に、こう口走った。
「…せっかく、みほさんがあの決勝戦でとった“勇気ある行動”のおかげで、嵐はようやく戦車道に向き合おうとしていたのに…そのツケ、いずれ払ってもらうわよ?」
しかし、言葉とは裏腹に明美の表情には、恨みがましい所が一切無い。
むしろ、これからイタズラを始めようとする子供の様な微笑を浮かべているのだった。
だが、ここで明美はまた、何かを思い出すと、苦笑いを浮かべながら目線を“しぽりん”から、別の少女の方へ移した。
「おっと…つい、しぽりん隊長の事をどうしようかとばかり考えていて、明日会う予定の副隊長殿の事を忘れていたわ」
ふと明美は、そんな事を呟くと若き日の自分の写真にしほと一緒に写っている、もう1人の少女の顔に指を触れながら、屈託のない笑顔で、その少女に向けて語り掛けた。
「うふふっ…こう言う時こそ、戦車道で切磋琢磨し合った同級生の絆は大切よねぇ。特に、同じ友が間違いを犯そうとしているのを咎める時はね。あなたもそう思うでしょ、周防ケミカル工業社長の周防 長門(すおう・ながと)さん♪」
そう…明美が明日、戦車用オイル等を購入する為の価格交渉で会いに行く予定の人物・周防 長門とは、黒森峰時代の明美としほの同級生であると同時に、当時の黒森峰女学園・戦車道チームの副隊長“ながもん”の正体だったのである。
原園 明美は、本来聡明な女性である。
だから、自らと亡き夫との「約束」の為に、自分が愛娘の嵐に対して何をして来たのか、それが嵐自身にどんな心の傷を残し、周囲から見てもどれだけ不道徳な行為であるのかを理解しており、その事に対して少なからず罪悪感も抱いていた。
しかし彼女はそれ以上に、近年少子高齢化や様々な価値観の多様化等の影響で徐々に衰退への道を歩みつつある戦車道の未来を案じていた。
それ故、彼女は直之との「約束」を守る為には手段を選ばなかったし、その為にはあらゆる努力や犠牲も厭わない覚悟を固めていたのである…普段はその覚悟を飄々とした(あるいは、ふざけたとも言うべき)表情と態度で、覆い隠していたが。
やはり、そういう意味において、原園 明美は「悪人」ではないとしても「悪党」なのかもしれない。
ちなみに…普通、黒森峰女学園へ戦車道を修める為に進学した、多くの新入生は戦車乗り、特に戦車長を目指すのが普通なのに、何故明美は戦車の整備士を目指したのであろうか?
これについては、いずれ詳しく述べるとしよう。
(第8.5話終わり、次回第8.75話に続く)
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
今回は、明美さんメインの番外編の前編に当たる第8.5話をお送りしました。
実は、本編開始直後から明美さんSideの物語を番外編として書く構想はありました。
ただ遅筆が酷い身でもあり、果たして書けるだろうかと思っていた矢先、読者様からの感想を読んで「これは書かないといけない」と思い立った次第です。
ところが、書いて見ると予想外にネタとボリュームが膨らみまして、結果的に前後編と言う形になってしまいました…本編を執筆する時はここまで話が膨らまないので、何だか複雑です。
と言う訳で、次回は番外編の後編ですが、既にある程度まで書けておりますので、出来るだけ早く書き上げるべく努力します。
どうか楽しみにしていて下さい。
それでは、次回をお楽しみに。
【2018/6/5追記】
既に、5月31日付の活動報告にて報告しておりますが、先日本作の設定を見直していた所、主人公・原園 嵐の父親である原園 直之と嵐の祖母である原園 鷹代の年齢と親族関係の辻褄が合わなくなる事が判明しました。
具体的には、直之の年齢と経歴の設定(この詳細はまだ非公開ですが、直之は妻の明美より年上です)を確認していた所、62歳の鷹代の年齢では嵐の祖母ではなく大叔母にしないと辻褄が合わなくなってしまうと言うものです。
つまり、鷹代は直之の母では無く叔母と言う事になります。
その為、既に投稿されている回については6月1日より順次、「鷹代は直之の叔母、嵐の大叔母」であると言う形で訂正を行った結果、本日訂正が終了しました。
今後投稿される回についても、上記の通りの設定となります。
また、これに合わせて段落と文章の語句の一部も修正しておりますが、本作のストーリーに関しては、上記にある原園家の親族関係の説明を除いて影響はありません。
以上、今回はこちらの不手際によって、読者の皆様にはご迷惑をおかけしました事をお詫び申し上げます。
それでは、今後もよろしくお願いします。