戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない 作:瀬戸の住人
そう言えば、2021年のクリスマス・イブにBD&DVDが発売予定の最終章第3話、収録されるOVA「ダイコン・ウォー」が農業科の話だそうで。
本作で良恵&佐智子の大洗農業科コンビをオリジナルで書いた身としては感無量ですが…いや、大洗とは限らないよね。
知波単?
其れ共、まさかの継続?
其れは兎も角、今回もどうぞ。
其れは、私達“ニワトリさんチーム”メンバーが、“あんこうチーム”の先輩方と共に、“戦車講座”を行った翌日の夕方の事だった。
私達・大洗女子学園戦車道チームは、生徒会からの指示で行った“二回目の戦車探し”を終え、戦車格納庫の前で秋山 優花里先輩と一緒に“今回の捜索で得られた
此処に居るのは“カバさん”・“アヒルさん”・“カメさん”チームの全員と、“あんこうチーム”の内、武部 沙織先輩を除く全員。
そして、私達“ニワトリさんチーム”の内、装填手の二階堂 舞を除く全員である。
『“ルノーB1bis重戦車”に、“43口径75㎜戦車砲KwK40”か…探して見た価値は有ったなあ』
「そうですね原園殿。此れで新しいチームが作れるし、私達“あんこうチーム”のⅣ号もパワーアップ出来ます♪」
『ええ…でも秋山先輩、本当に嬉しそうですね?』
「はい♪愛しの戦車が増えて、私は幸せですぅ~♪」
『あ…そうですね』
今回の捜索で得られた“
あれは確か、生徒会の指示で“戦車探し”をスタートした時の事。
私は、西住先輩と一緒のグループに入りたかったのだが、其処へ野々坂 瑞希が立ちはだかるとこんな事を言い出したのだ。
「嵐、アンタは最近西住隊長と
親友の言葉に『えっ!?』と驚き乍ら後ろを振り向くと…何と秋山先輩が“
其の瞬間、私はこんな事を口走ってしまった。
『あっ、秋山先輩!? 私は
此の結果、私は西住・秋山両先輩を含む周囲の仲間達から
斯くして、私は秋山先輩&“
「はっ!」
先ず“カバさんチーム”のリーダー・カエサル先輩が気合を入れて“妙なデザインをした八角形の板”の上に、指で立てていた棒を倒すと……
「“東が吉”と出たぜよ」
おりょう先輩が“占い”の結果を告げた処、驚いた秋山先輩が「此れで分かるんですか!?」と、“カバさんチーム”の先輩方に問い掛ける。
そして私も、半ば呆れ乍らこう問い掛けた。
『“
そう。カエサル先輩がやったのは、古代中国伝来の占い“
すると、エルヴィン先輩が答える。
「こう見えても、カエサルの占いは結構当たるんだ。馬鹿にならないんだぞ」
其の答えを聞いた秋山先輩が半信半疑な口調で「本当ですか?」とエルヴィン先輩に再度質問するが、此の時私は自分のスマホに入れてある“
『でも秋山先輩、スマホアプリの“学園艦地図”に由れば、此処から東へ行くと“沼地”が在るんですが、此処は以前小山副会長が、“ゴミの不法投棄が後を絶たない”と言って困っていたのを聞いた事が有ります』
すると、左衛門佐先輩が笑顔で「其れなら、戦車も捨てられているかもな♪」と答えたので、カエサル先輩が「よしっ、行くぞ!」と元気良く号令を掛けると、“カバさんチーム”のメンバー四人は意気揚々と東の方に在る“沼地”へ向かう。
そんな先輩達の後を追い掛け乍ら、私と秋山先輩は共に“大丈夫かな?”と心配していたのだが…結果的には私達の心配は杞憂に終わった。
「見付かりました!“ルノーB1bis”です!」
『本当に戦車が在った!?』
何とカエサル先輩の占い通り、ゴミだらけの“沼地”の端にフランス軍の重戦車“ルノーB1bis”が、半ば沼に沈んで居る姿で発見されたのだ。
秋山先輩が喜び乍ら見付けた戦車の名前を呼ぶと、私も“カエサル先輩の占い”の腕前が
「流石は“モントゴメリー”」
しかし、そう呼ばれた秋山先輩は嫌そうな表情で「あのー、其れは一寸……」と抗議した為、私も加勢する。
『幾ら何でも“第二次大戦の
英陸軍のバーナード・ロー・モントゴメリー元帥に関しては様々な評価が有るだろうけれど、私は“【マーケット・ガーデン作戦】の失敗が第二次大戦の欧州戦線の結末と戦後の東西冷戦に与えた影響”を考えると“愚将”と言わざるを得ないと思っているので自論を述べた処、左衛門佐先輩とおりょう先輩が揃って「「其れだ!」」と叫ぶ中、エルヴィン先輩がこんな提案をして来た。
「其れなら“グデーリアン”では如何かな?」
「はいっ!」
“ドイツ装甲部隊の生みの親”ハインツ・グデーリアン上級大将を“
でも私は『グデーリアンも実は“極端な極右主義者”で、第一次大戦終結直後の混乱期に自分が参謀として所属していた義勇兵部隊“鉄師団”を脱走させて内戦中のソ連へ渡り、ロシア白軍に合流して赤軍と戦おうと企んだ事がドイツ軍上層部にバレて左遷された過去*2が有るからなあ……』と思ったけれど、其れを言うと秋山・エルヴィン両先輩に怒られそうなので、此処は黙って置いた。
すると、カエサル先輩が「原園、済まなかったな」と私に呼び掛けると、こんな事を言って来た。
「そうだ…原園はどんな“
『えっ!?』
自分も“
『私ですか…なら、“ヴィリィ・ラングカイト”*3で御願いします』
其の答えを聞いたカエサル・左衛門佐・おりょう先輩が首を傾げる中、秋山先輩が笑顔で答える。
「おっ、ドイツ陸軍のエリート装甲部隊だった“グロースドイッチュラント
其処へ、第二次大戦に詳しいエルヴィン先輩も納得した表情で私に問い掛けて来た。
「ほう…ラングカイト少将とは中々渋いな。だが、あの人は“田舎の学校の教頭先生”みたいな “冴え無い雰囲気のオジサン”*5だが、何処が好みなのだ?」
其の問いに対して、私は一瞬顔を赤らめ乍ら、こう答えたのだった。
『私…実は、“オジサン好き”なんです』
あの時、私の“告白”を聞いた秋山先輩と“カバさんチーム”の先輩方が驚いていたのを思い出していると、何時の間にかやって来た瑞希が私に向かって話し掛けて来た。
「ねえ嵐、聞いてよ!まさかKwK40戦車砲が部室棟の片隅で物干し竿代わりに使われていたなんて…此れじゃあまるで“日清戦争前に来日した時の清国・北洋水師の戦艦『定遠』『鎮遠』”みたいじゃない!*6」
「“
其処へ私達“ニワトリさんチーム”の操縦手・萩岡 菫が瑞希を宥めると、私達に事情説明を始めた。
菫によると、彼女と瑞希は“アヒルさんチーム”のメンバー四人と西住・麻子両先輩のグループに入り、今は使われていない旧・部室棟の捜索を行ったのだが、此れと言った手掛かりが見付からず諦め掛けていた時、麻子先輩が部室の窓を開けて外を見たら……
「何処の部だ、こんな所に洗濯物を干したのは!?」
此の時、麻子先輩の隣に居た菫が窓の外の庭に在った“物干し竿”を見た時、其の正体がⅣ号戦車F2型(或いは初期G型)が装備していた事で知られる“43口径75㎜戦車砲KwK40”だと気付いて……
「あっ、此れは…西住先輩、“
…と言う訳で、旧・部室棟を捜索した西住先輩達のグループは“あんこうチーム”のⅣ号戦車D型の“パワーアップパーツ”を見付けたのである。
そんな頃、五十鈴先輩が心配そうな表情で“あんこうチーム”の皆に話し掛けていた。
「戻って来ませんね…沙織さんと“
其れに対して西住先輩も「うん……」と答えていると、突然“ニャー、ニャー”と猫の声が…此れは麻子先輩のスマホの着信音だ。
早速、麻子先輩がスマホを操作すると……
「遭難…したそうだ」
「『えっ!』」
麻子先輩からの“悪い知らせ”に、西住先輩達“あんこうチーム”の皆と共に私や瑞希・菫も驚いていると、ワンテンポ遅れて私達の傍に来ていた長沢 良恵ちゃんがキョトンとした表情で一言……
「
「良恵、そんな時に
無意識の内に“トンだ大ボケ”をかましてから驚いている良恵ちゃんを従妹の名取 佐智子ちゃんが叱ると、秋山先輩が麻子先輩に向かって「何処でですか!?」と問い掛ける。
其れに対して麻子先輩は少し困り顔で「船の底だが…何処に居るのか分からない、と」と答えた処、話を聞いて居た河嶋先輩が右手で後頭部を掻き乍ら指示を出した。
「何か“表示”が在る筈だ。其れを探して伝えろ、と言え」
其れに対して麻子先輩が「うん」と答えてからスマホを操作していると、何時の間にか西住先輩の隣迄来ていた角谷会長が「はい」と声を掛けると、丸めた古い紙を差し出す。
「えっ?」
其れに対して西住先輩が戸惑うと、会長はこんな事を言った。
「此れ、船の地図ね。捜索隊、行って来て~♪」
「ええっ!?」
会長からの“無茶振り”に呆然としている西住先輩を見た私は、すかさず会長に向かって意見を述べた。
『あの会長、御言葉ですが…私のスマホには“学園艦地図”と言うアプリを入れてあるので、多分其の地図と同じ内容の地図でルート検索とか色々出来ますよ?』
「えっ、そうなの?」
私の意見に、意表を突かれたらしい会長がキョトンとしていると、小山先輩が真顔で「原園さんの言う通りです」と口添えをする。
其処へ話を聞いて居た瑞希も会長に向かって、こう述べた。
「其れに、学園艦内部に居る筈の武部先輩達のスマホが通じたと言う事は、多分Wi-Fiが通じてますよ。学園艦内部の各所には艦内でもスマホや携帯電話が通じる様に携帯電話会社が設置したWi-Fiスポットが在る筈ですから」
すると、会長は済まなそうな表情を浮かべ乍ら「御免、じゃあ原園ちゃん達も捜索隊に入ってくれる?」と頼んで来たので、私も頷き乍ら『はい』と答えた処、瑞希も右手を挙げて「私も行きます!」と声を上げた。
『如何したの、“
私は、瑞希が捜索隊に加わりたがっている理由を図りかねていると、菫が私に“こんな事”を告げる。
「ほら、
其処へ、すかさず瑞希が「当然よ、此処で助けに行かなきゃ男…いや、“
『はいはい……』
こうして、私と瑞希は遭難している武部先輩を除いた“あんこうチーム”の四人と共に、学園艦の船底部を探索する事になった。
「何か、お化け屋敷みたいですね……」
照明が殆ど無く暗闇が支配する艦内を歩く為に、“サーチライト付きの軍用ヘルメット”を被った秋山先輩が怯えた表情で語り掛けて来たので、私はスマホに表示している“学園艦アプリ”収載の地図をチェックし乍ら答えた。
『此の辺りは、余り人が立ち入らないらしいですから』
其の時、突然の物音が!?
「「きゃああ!」」
“何か”が床に落下して生じたと思われる音が響いた瞬間、恐怖に耐えかねた西住・秋山両先輩が叫び乍ら抱き合っている中、其の横を五十鈴先輩が「大丈夫ですよ」と呟くと、平然とした表情で其の場を通過する。
そして、私も同じく……
『何かが落ちただけですね』
と呟くと、私の隣に居た瑞希も「うん」と頷き乍ら其の場を通り過ぎたので、秋山先輩が私達三人に向かってこう言った。
「五十鈴殿に、原園殿と野々坂殿も本当に肝が据わってますよね?」
其の言葉に、西住先輩も複雑な表情を浮かべ乍ら「うん」と答えてから、後ろを振り向くと……
「あれ?麻子さん、大丈夫?」
其の視線の先には、思い切り怯えている麻子先輩の姿…そして彼女の口からは、こんな言葉が。
「お…お化けは、早起き以上に無理!」
真っ青な顔で怯える麻子先輩を見た私は、彼女を励まそうと声を掛けた。
『大丈夫ですよ、麻子先輩。私は毎年“みなかみタンカーズ”の夏祭りでやっていた“肝試し大会”で慣れていますから、
「「えっ!?」」
其の時、私の一言に西住・秋山・五十鈴先輩の三人が驚きの声を上げたのを見た瑞希が苦笑いを浮かべ乍ら“私の発言の意味”を説明した。
「ああ、思い出した。嵐は一昨年の“肝試し大会”で、お化け役をしていた町の青年会議所の御兄さんを
『なっ!?』
思わぬ所で“
『一寸止めてよ、“
「でも、其の御兄さんは
すると、私の弁解に対する瑞希の反論を聞いた西住先輩達四人全員が「「ええっ!?」」と驚愕の叫び声を上げたので、観念した私は“
『いえ…実を言うと私、喧嘩は“
私からの“告白”に西住先輩達が驚いていると、私の隣に居た瑞希が
「そうだったね…で、“肝試し大会”のラストは毎年“お化けの大ボス役”の明美さんと嵐の
『ぐっ……』
瑞希に“トドメを刺された”私は、西住先輩達からの“生暖かい視線”を浴びるのを実感すると、ガックリと肩を落とし乍ら学園艦内部を捜索する先輩達と瑞希の後に
一方、此方は学園艦内部の奥深く。
学園艦の艦内配置図で“第17予備倉庫”の近くに当たる場所に、少女達の一団が座り込んで居た。
“あんこうチーム”通信手・武部 沙織と“
何故、彼女達が此処に居るのかと言うと…“道に迷って帰れなくなった”のである。
彼女達は“戦車捜索”の為に、学園艦の甲板から下…つまり艦内を探索していたのだが、手掛かりが無かった事も有り、途中で出会った船舶科の生徒二人に沙織が「あのー、戦車知りませんか?」と尋ねた処、思わぬ回答が得られたのである。
「戦車か如何かは分からないけど…何か、其れっぽい物を何処かで見た事有るよね。何処だっけ?」
「もっと奥の方だったかな?」
船舶科の生徒からの“有力な証言”を得て、元気付けられた沙織達は学園艦内部の奥深くへ足を踏み入れた…其の結果、途中で道が分からなくなってしまい、彼方此方を歩き回った末、此の場所に辿り着いて現在に至るのである。
そんな中、“
「御腹…空いたね」
すると、隣に居るチームメイトで操縦手の阪口桂利奈も「うん……」と答える。
だが、何時もは元気が取り柄の彼女も今は元気が無い。
其処へ、チームリーダー兼戦車長の澤 梓も悲し気な声で皆に向かって語り掛けた。
「今晩は、此処で過ごすのかな?」
すると、梓の隣に座って居たチームの通信手兼75㎜砲装填手・宇津木 優季が涙を零し乍ら呟く。
「グスッ…“
“新しく出来たばかりの
そんな彼女達の様子を見た沙織が、彼女達を励まそうと話し掛けた。
「だ、大丈夫だよ…あっそうだ。私、チョコ持ってるから皆で食べよう?」
すると、其の様子を見ていた舞が「武部先輩、私も持っていますよ!」と声を掛けると、背負っていたリュックサックからチョコレートやキャンディーを取り出して来た。
「“
舞が取り出した御菓子の数を見て驚いた沙織は、自ら考え付いた“
「沙織先輩、“探検”するなら
「「えっ!?」」
舞の“告白”に、沙織と“
「私が小学三年になった春、“群馬みなかみタンカーズ”に入って直ぐの頃、タンカーズのオリエンテーションでみなかみ町が作った戦車道練習場近くの山へハイキングに行った時、山道で足を滑らせて、傾斜のきつい坂を滑って行った先の林の中へ落ちちゃったんです」
舞の話に沙織達が聞き入っている中、舞は当時の話を続けて行く。
「其の時、私は足を挫いてしまったから其の場で動けなくなってしまって…でも直ぐに、嵐ちゃんと瑞希ちゃんが気付いてくれて、引率に来ていた大人達を連れて助けに来てくれたんだ」
此処で舞の話を聞いて居た優季が目を輝かせ乍ら「本当?」と問い掛けると、舞は笑顔でこう答えた。
「うん。こう言う時、嵐ちゃんと瑞希ちゃんは頼りになるんだ…二人は幼稚園からの
“助けは必ず来るから、希望を捨ててはいけない”と言う舞の話に、先程迄泣いていた“
其の時、沙織は舞に向かって“他の人には聞こえない小声”で問い掛ける。
「“
「去年の戦車道全国高校生大会・決勝戦の事なら、私も現地で試合を見ていたから知っています…只、此の話は今、他の皆には聞かせたく無いので、救助された後で改めて話をしませんか?」
沙織の問い掛けに、舞も沙織以外には聞こえない小声で答えると、沙織も「うん、分かった。今は此の事は御互い言わない様にしようね」と話題を切り上げると、二人は御菓子を食べ始めた……
其の頃、私達のグループは、学園艦内部の奥深くを進んでいた。
「第17予備倉庫近くだったら、此の辺りだと思うんだけど……」
西住先輩が、私のスマホを見て呟き乍ら現在地を確認していると、“突然の轟音”が響く。
“ドーン、ドーン”
「ひえっ!」
辺りに砲声が轟いたかと思うと、麻子先輩が“お化けが出た”と思ったのか、真っ青な顔で叫ぶと其の儘固まってしまった…しかし。
「あっ、カエサル殿だ…はい!」
秋山先輩が一言呟くと、スマホを操作して着信を確認している…如何やら“砲声の正体”は、彼女のスマホからの“人騒がせな着信音”だった様だ。
其の様子を見た麻子先輩が胸を押さえ乍ら深呼吸をしているのを余所に、秋山先輩がスマホからの音声を聞いて居ると、其の声が私にも聞こえて来た。
「西を探せ、“
「“西部戦線”ですね、了解です!」
カエサル先輩からの“アドバイス”に、秋山先輩が
「誰だ、其れは?」
「“
麻子先輩の質問に、秋山先輩が下手をすると“中二病”と思われかねない返事を元気良く返していると、五十鈴先輩が辺りを見回し乍ら「西と言っても……」と呟いて方位が分からない事を悩んでいると……
「大丈夫です。
秋山先輩が軍用の本格的な
『あの…艦内だと金属だらけだから、
「あっ!?」
しかし、秋山先輩が叫んだ処へ素早く瑞希がフォローに入る。
「幸い、スマホアプリの“学園艦地図”に現在位置が表示されているから、其れに従った方が良いですね…学園艦内部ならWi-Fiが使えるから助かったわ」
瑞希のフォローの御蔭で、秋山先輩は「野々坂殿、助かりました~♪」と呟くと、私達は方位をスマホで確認してから再び歩き始めた。
そんな時……
「でも、何で西なんだ?」
「“
麻子先輩からの問い掛けに秋山先輩が答えると、西住先輩が「えっ!?」と驚きの声を上げる中、五十鈴先輩が……
「“
奇しくも、カエサル先輩が卦を行っていた時に
其処で、私は“実際にカエサル先輩の
『いえ、五十鈴先輩。実はカエサル先輩の“
すると、私の言葉に五十鈴先輩が「まあ、凄いですね」と感嘆し、西住先輩は「原園さん、本当なの!?」と驚いていると、秋山先輩が「私も原園殿と一緒に見ました」と、私の話が事実である事を証言してくれた…そんな会話を続け乍ら艦内を歩いて居た時である。
「「あっ!?」」
「
前方を見ていた西住先輩と瑞希が声を上げると、向こう側から武部先輩の声が聞こえた…遂に、彼女達を見付けたのだ。
すかさず私が大声で『皆、お待たせ!』と呼び掛けると、続けて瑞希が「御免優季、待たせたわね」と“下手な男よりもカッコ良い声”で呼び掛けると……
「“
「救助隊だ!」
「助かった!」
瑞希の声を聞いた優季が立ち上がると駆け寄って来た瑞希に抱き着き、あやとあゆみが喜ぶ中、舞がニッコリ笑って「来てくれると信じてたよ」と私と瑞希に向かって優しく声を掛けてくれた。
そして、瑞希に優しく抱き締められて泣いている優季以外の“
そんな武部先輩と瑞希の姿を見た秋山先輩は、「武部殿に野々坂殿、モテモテです♪」と呟き、其れを聞いた五十鈴先輩も「ホントね」と相槌を打っている。
其処へ、麻子先輩が一言指摘をした。
「瑞希は兎も角、沙織は希望していたモテ方と違う様だが?」
『何を勘違いしているんですか、先輩方……』
私は、先輩方の話を聞いて“皆さん、一寸論点がズレている様な気がするのですが?(大汗)”と思って呆れ乍らも、武部先輩達のグループの中で唯一、立った儘天井方向の“或る一点”を見詰め続けている紗季の傍に行くと彼女へ呼び掛けた。
『紗季。助けに来たからもう帰るよ…って、何を見ているの?』
「……」
だが、声を掛けても反応しない紗季の顔を見た処、私は彼女の表情から“思わぬ事実”を読み取ったのだ…勿論紗季は一言も言っておらず、私に向けた表情だけで私は“彼女が伝えたい事”を読み取ったのだが。
『“あの先に何か在る”って…ええっ!?』
紗季からの“伝えたい事”の内容を読み取って、彼女の視線の先を見た私が大声を上げた為、西住先輩が慌てた声で「如何したの、原園さん!?」と私に呼び掛ける。
其処で私は、皆に向かって大声でこう叫んだのだ。
『皆、紗季が見ている方向に…“
「「ええっ!?」」
「皆、遅く迄御苦労だった。次の試合には間に合わないが、此れで先を勝ち抜く希望が見えて来た。次のアンツィオ戦もやるぞ!」
此処は、学園艦内の大浴場。
“二度目の戦車捜索作戦”を終えた私達・戦車道履修生全員は、此処で今日一日の汗を流していた。
皆で背中を流し合ったり、今日の“戦車捜索”についての思い出を語り合ったりしたのが一段落した処で、河嶋先輩が“今日の戦車捜索の総括”と“次の試合への意気込み”を語った後、西住先輩に向かって一言。
「西住…やれ」
河嶋先輩から話を振られて「えっ!?」と戸惑う西住先輩を余所に、「締めろ」と指示する河嶋先輩。
其の指示に、西住先輩はおずおずと立ち上がると、大浴場に入って居る仲間達の姿を見て「あ…ううっ」と圧倒されていたが、意を決すると大声で皆に呼び掛けた。
「み…皆さん、次も頑張りましょう!」
「「『おおっ!』」」
西住先輩の“檄”で私達全員が一斉に腕を突き上げて鬨の声を上げると、河嶋先輩が「よしっ、此の後は夕食の時間迄自由行動だ!」と皆に伝えて“今日の戦車捜索”が終わった…と思った、其の時である。
「処で、原園殿♪」
『秋山先輩?』
何時の間にやら私の隣にやって来た秋山先輩が、微笑み乍ら話し掛けて来たのだ。
「実は、原園殿に“御願い”が有るのですが……」
『何でしょう?』
其処から暫くの間、私は秋山先輩とヒソヒソ話をした…其の結果。
『また…
「はいっ♪今度は二回戦の相手であるアンツィオ高校へ行きますから、時間を空けて置いて下さい。勿論潜入の準備は此方でちゃんとやって置きますので、心配しなくて良いですよ♪」
『はい……』
斯くして、私は再び“秋山先輩と一緒に、全国大会の次の対戦相手・アンツィオ高校学園艦へ潜入する”事になったのだ。
(第54話、終わり)
此処迄読んで下さり、有難う御座います。
第54話をお送りしました…漸く、アニメ本編の第7話迄の話が終わったぞ!
此処へ来る迄約4年!
本当に私の遅筆に御付き合い頂き、誠に有難う御座います。
と言うか、今回は次回への繋ぎの話になってしまいましたが、其の替わりとして今回は色々と話を盛ってみました。
只…果たして面白いのか如何、私も分からなくなっています(オイw)。
因みに、史実ではロンメル将軍のライバルとして知られるモントゴメリー元帥ですが、個人的にはロンメルと比較するのは如何かと思う位の“愚将”だと思っています。
ロンメルに関しても近年“其の能力が戦術面に偏っていて、戦略面での能力が不足している”等の批評がされる様になりましたが、モントゴメリーも大戦中米軍と散々衝突している(シシリー島上陸作戦で有名なパットンとの確執だけで無く、アイゼンハワーとも対立している)上、マーケット・ガーデン作戦の失敗が後世に与えた影響を考えると、到底名将とは評価出来ないですね。
そして、次回からアンツィオ戦が始まりますが、勿論出オチにはしません!
ガッツリやります!
どんな内容になるかは…次回をお楽しみに!(錯乱)