戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない   作:瀬戸の住人

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ガルパンとは関係無い話なので恐縮ですが……
先日、ある日本国召喚×艦これSSで“ゴルシ”って言葉が出て来たので「ん?アドミラル・ゴルシコフ…旧・ロシアの空母で現・インド海軍の空母ヴィクラマーディティヤ?其れ共ロシア海軍の最新鋭フリゲート艦?」と思っていたら、実はウマ娘のゴールドシップの事だったと言うオチ。
いやあ、ミリオタやっているとこんな事も有ります(爆笑)。

其れでは唐突ですが、どうぞ。



第58話「対アンツィオ戦に備えて、練習です!!」

 

 

 

其の日の午前中、西住隊長は私や瑞希と共に“カバさんチーム”メンバーの歴女先輩達が共同生活をしているシェアハウスを訪れるとエルヴィン・カエサル両先輩の協力の下、戦車道全国高校生大会・第二回戦の相手であるアンツィオ高校の秘密兵器“P40重戦車”の情報を収集した後、午後から始まる“対アンツィオ高校戦前最後の練習”の為、“カバさんチーム”メンバーや私達と一緒に戦車格納庫へ行くと其々の車輛に乗り込んでから学園艦内の戦車道演習場へ向かった。

 

そして各チームの車輌が演習場に到着すると、西住隊長・生徒会三役(杏&柚子&桃)や各チームの代表が集合して戦車道臨時講師を務める鷹代さんと共に練習の打ち合わせを始める…但し“ニワトリさんチーム”は“或る理由”から瑞希が打ち合わせに参加し、私は他の仲間達と共に乗車する“イージーエイト(M4A3E8)”の点検作業を行った。

 

 

 

 

 

 

「で、()()()の装甲はどんな感じ?」

 

 

 

打ち合わせの席上、先ず角谷会長が対戦相手である“アンツィオ高校のP40重戦車の防御力”について隊長のみほに質問すると、彼女は冷静な声でこう答えた。

 

 

 

「P40の前面は、“カバさん(Ⅲ号突撃砲F型)”と“ニワトリさん(M4A3E8)”チームなら相手の有効射程距離の外から貫通可能です」

 

 

 

其れに対して装填手だが“カバさんチーム”リーダーを務めるカエサルが「心得た」とみほに告げると、角谷会長がみほに対してこんな事を言い出す。

 

 

 

「じゃあ、“()()()()”の相手は“カバさんチーム”だね。“ニワトリさんチーム”は遊撃隊的な感じで使うから」

 

 

 

其れに対して、みほも「はい。“ニワトリさん”は他のチームよりもスキルが高い分、其の様な使い方が合っていると思います」と答えた処、“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”車長兼リーダー・澤 梓が二人の話の内容について質問する。

 

 

 

「あの…“()()()()”って?」

 

 

 

すると“カメさんチーム”操縦手で、リーダーである角谷会長の代理として其の場に居た小山 柚子が「P()4()0()の事ですか?」と角谷会長に問い掛けると、彼女は頷き乍ら「そうそう、“()()()()”」と答えた。

 

 

 

すると、今日は“或る理由”から嵐の代わりに“ニワトリさんチーム”・リーダー兼車長を務める野々坂 瑞希がこう語る。

 

 

 

「まるで日露戦争の日本海海戦直前に、連合艦隊が鎮海湾で猛訓練した時みたいですね?」

 

 

 

すると“アヒルさんチーム”・リーダー兼車長の磯辺 典子が「何だ、其れ?」と尋ねて来た為、瑞希はこう答えた。

 

 

 

「連合艦隊の将兵は鎮海湾での訓練中、敵であるロシア・バルチック(太平洋第二・第三)艦隊の艦艇を識別する為、ロシア語の艦名を日本語の語呂合わせにして覚えたんですよ。例えば戦艦“アレクサンドル三世”は“呆れ三太”、“ボロジノ”は“襤褸(ボロ)出ろ”、“アリョール”は“蟻寄る”って感じです」

 

 

 

其の話を聞いた典子が「へぇ~」と感心していると、会長が笑い乍ら「流石は瑞希ちゃん、座布団一枚♪」と言った後、“P40重戦車に()()()()()()()()を告白した。

 

 

 

「実は、昨日『坂の上の雲』を読んでいて『其れならP40は“()()()()”だね』って思い付いたんだ」

 

 

 

其の告白に、鷹代が笑顔で「角谷さん、意外と歴史小説が好きなんだね」と語り掛けた処、会長は恥ずかし気な表情で「人前では読まないですけどね」と答えた為、其の場に居た全員が「「へぇ~」」と感心する中、会長は一呼吸入れてからみほに問い掛ける。

 

 

 

「じゃあ敵味方に分かれて練習してみよっか?“ぴよぴよ(P40)”役、どれが良い?」

 

 

 

其れに対してみほが「P40に比較的近いのは、Ⅳ号ですね」と答えると、会長は“練習の具体案”を提示した。

 

 

 

「じゃあ、“あんこう(Ⅳ号D型)”が“ぴよぴよ(P40)”、“アヒルさん(八九式)”が“カルロベローチェ(CV33)”って処で」

 

 

 

其の案に対して、みほが「では、Ⅳ号と八九式を仮想敵として模擬戦をやってみましょう」と答え、各チームからの出席者全員が「「はい!」」と返事をした直後、出席者の一人である瑞希が手を挙げたので、みほが「はい、野々坂さん。何か有りますか?」と問い掛けた処、瑞希は出席者全員に向かってこう説明した。

 

 

 

「既に西住隊長と角谷会長、そして鷹代さんには話していますが、今日の“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”は長沢さんのスキルアップの為、車内のポジションを一時的に変更しています。具体的には長沢さんが砲手で嵐が装填手、舞が操縦手で菫は副操縦手、そして車長は自分が担当しますので、皆さん宜しく御願いします」

 

 

 

此れに対して、みほが「そう言えば、昨日迄長沢さんは装填手の練習をしていたよね。大丈夫?」と瑞希に問い掛けると、彼女は頷いてからこう答える。

 

 

 

「問題無いです。実は“群馬みなかみタンカーズ”では“複数のポジションを経験しないとレギュラーに選ばれない”と言うルールが有り、私達も其のやり方で鍛えられて来ましたので、長沢さんも同じやり方で鍛える事にしています」

 

 

 

すると、説明を聞いていた桃が腕組みをし乍ら「成程、自分の担当以外のポジションも習得する必要が有るのか…厳しいな」と瑞希に語り掛けると、彼女はこう答えた。

 

 

 

「其れが“()()()()()()”ですから。因みに此のルール、明美さんによると『第二次世界大戦の前半に欧州を席巻したドイツ機甲部隊の乗員の多くも複数のポジションを習得する様に訓練されていたから、其れに倣って“ウチも此の教え方でやる”って決めたのよ』と仰っておられました」

 

 

 

此処で話を聞いていたみほが「了解です、野々坂さん。只、何時もと違うポジションなので、くれぐれも事故には気を付けて下さい」と指示すると、瑞希は一礼してからこう答えた。

 

 

 

「了解です。此の間の“嵐の熱中症”の事も有るので、特に注意します」

 

 

 

そしてみほは小さく頷くと鷹代に向かって「以上で打ち合わせを終えたいと思いますが、鷹代さんから何か有りませんか?」と問い掛けた処、彼女が「特に無いよ。皆、模擬戦とは言え、くれぐれも事故には注意しなさい」と指示をした後、皆が鷹代に向かって「「はい!」」と答えたタイミングで、みほは全員に対して号令を下した。

 

 

 

「では皆さん、此れから模擬戦を始めます!」

 

 

 

こうして“対アンツィオ高校戦に備えた模擬戦”が始まった。

 

 

 

 

 

 

「始まったわね…舞、前方各車の動きに注意しつつ、全速前進!」

 

 

 

「了解!」

 

 

 

模擬戦開始と共に、“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”の砲塔キューポラ上から上半身を乗り出して指揮を執る“車長”の瑞希が指示を出すと操縦手の舞が元気良く応答すると同時に、全速力で隊列の後方から前進を始める。

 

今、私達・大洗女子学園戦車道チームは“仮想・アンツィオ高校”役を演じる“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”と“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を先頭に、残る四チームが菱形隊形で“あんこう”・“アヒルさん”両チームを追う展開になっている。

 

因みに、先頭を行く“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”は砲塔側面に“ぴよぴよ”と書かれてあり、其れに続く“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”は車体下部に平仮名で“かるろべろーちぇ”と書いてあるが、此れはアンツィオ高校の保有戦車である“P40重戦車(ぴよぴよ)”と“カルロベローチェ(かるろべろーちぇ)(CV33)”をシミュレートする為、一時的に書かれた識別表示である。

 

此れに対して、残る四チームは菱形隊形の先頭が“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”、続いて右翼が“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”、左翼が“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”、そして後方が私達“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”だ。

 

 

 

『“ののっち(瑞希)”、今日は如何する?』

 

 

 

今日は装填手を担当する私・原園 嵐が瑞希に“今日の作戦”を質問すると、瑞希は何時もの澄ました表情でこう答える。

 

 

 

「本来なら“あんこう”と“アヒルさん”を追撃して撃破する…と行きたい処だけど、今日は“良恵のスキルアップ”がテーマだから、先ずは良恵が“砲手としての動作に慣れる”事を優先するわ」

 

 

 

「御免なさい。私の為に……」

 

 

 

瑞希の回答に、今日初めて砲手を担当する長沢 良恵ちゃんが“自分がチームの足手纏いになっている”と感じたのか済まなそうな声で謝るが、此れに対して副操縦手の菫が明るい声で励ます。

 

 

 

「心配しなくて良いよ。先ずは砲手のポジションに慣れるのが大事だからね」

 

 

 

其れに続いて、舞も元気な声で「うん!」と菫の声に同調する。

 

其処へ瑞希も「其の通りよ。良恵、今日は結果を気にせず、砲手の役割と射撃動作をキチンと体に叩き込む事に集中しなさい。チームの皆でサポートするから」と話し掛けると、良恵ちゃんも元気を取り戻したのか、明るい声で「はい、頑張ります!」と返答した処で、瑞希は皆に向かって新たな指示を出した。

 

 

 

「と言う訳で、今から皆の力を合わせて“あんこう”と“アヒルさん”をしっかり追うわよ。良恵は焦らず、相手を確実に照準出来る様に練習すれば良いからね」

 

 

 

其の指示に対して良恵ちゃんが元気良く「了解です!」と応答した直後、副操縦席で操縦手の舞をサポートしていた菫が車内無線で報告を送って来た。

 

 

 

「前方、“アヒルさん”が右から左へ蛇行…あっ、今機銃を撃って来た!」

 

 

 

突如、“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”の後方に居た“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”が蛇行運転を始めたかと思うと、砲塔後部の車載機銃を撃ち出した…此れは明らかに“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”の逃走を援護する為の“妨害射撃”だ。

 

すると其の“妨害射撃”が“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”の車体前面に次々と命中した途端、“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”が急加速して“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を猛追し始めた。

 

 

 

『あっ…此れは多分、河嶋先輩が「小癪な、報復してやる!」とでも言って追跡を始めたのかな?』

 

 

 

と、“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”の動きを見た私が彼女達の車内の様子を想像して呟いた直後、“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”が“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”目掛けて37㎜戦車砲を撃ち込んだ…但し、其の砲弾は前方右側に居る“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を狙った()なのに、左側へ大きく逸れてしまっている。

 

 

 

『あ~あ、アッサリ挑発に乗っちゃって(苦笑)』

 

 

 

何時もの事だが、“砲手としての河嶋先輩の()()()()()振り”に、私は思わず笑いを堪え切れ無くなっていた…小山先輩、きっと河嶋先輩に「桃ちゃん、当たって無い!」って叫んでいるんだろうな。

 

そう思っていると“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”は“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”から離れた後、此方から見て右側の平原目指して爆走している。

 

其れを挑発に乗った“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”が追跡して行く…残念。

 

アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”が豆戦車のCV33を演じている以上、此処はより戦力の高いP40重戦車(ぴよぴよ)を演じている“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”を追うべきなので、此の行動は“不正解”だ。

 

多分、“カメさんチーム”メンバー全員には練習が終わったら“鷹代さんの説教”が待っているんだろうな。

 

一方、梓達“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”は“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”の挑発には乗らず、“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”や私達と共に連続する坂道を上り下りし乍ら逃げる“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”を追っている…と思った時、突然“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”がフラフラと左方向へ蛇行してしまい、“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”を追っている“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”や私達“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”から遅れてしまった。

 

だが此処で、周囲の様子を窺っていた瑞希が無線を通じて鋭い声で梓を叱咤する。

 

 

 

「梓、桂利奈がテンパってるから真っ直ぐ進まなくなっているわ。指示してあげて!」

 

 

 

「了解!」

 

 

 

瑞希の指示に梓が応答すると、瑞希は無線で更なるアドバイスを送る。

 

 

 

「其れと車長は危険が無い限り、常にキューポラから頭を出して外の様子を見て!キューポラの中に居るのとでは得られる情報量が全く違うから!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

瑞希のアドバイスに対して梓が応答した時、彼女の声に“()()()()()”を感じ取った私は、瑞希に対して“アイコンタクト”を交わして無線交信の許可を取ると、砲塔後部に有る無線機を操作して、梓に“もう一つのアドバイス”をゆったりした声で送った。

 

 

 

『其れともう一つ。車内の皆に“出来る範囲で桂利奈ちゃんをサポートしてあげる様に”指示してあげて。戦車は皆で気配りしないと()()()()()()()()から』

 

 

 

「嵐…有難う」

 

 

 

私からの“アドバイス”に、梓がホッとした声で応答したのを聞いた私が胸を撫で下ろした時、砲塔上部のキューポラから顔を出して指揮を執る瑞希が車内無線で私に()()()を言い出した。

 

 

 

「嵐~。そう言えば此の間、梓がアンタと“デートしたい”って言ってたわよ…受けちゃいなよ。()()()()()()()()()()でしょ?

 

 

 

其の一言に、梓が無線越しに「えっ!?」と驚きの声を上げているのを聞いた私は、思わず絶叫する!

 

 

 

『“ののっち(瑞希)”、いきなり何言い出すのよ!?オマケにアンタ、梓との無線を繋いだ儘喋っているじゃない!?』

 

 

 

だが、瑞希は私の叫びも何処吹く風とばかりに、“もっとトンデモ無い事”を言い出した!

 

 

 

「其れに嵐。以前、梓の事をこう言ってたじゃん。『もしも私が男だったら、本気で彼女にしちゃいたい位に可愛いと思うけどな』って♪」

 

 

 

「ええっ!?」

 

 

 

『一寸“ののっち(瑞希)”!?こんな時に、何て事を言うのよ!?』

 

 

 

瑞希からの“爆弾発言”に、梓が更なる驚きの声を上げたのを聞いた私は顔を真っ赤にして叫んだが、当の瑞希は平然とした声で「へえ~っ。否定はしないんだ?」と私にツッコんで来る。

 

 

 

『ぐっ…!』

 

 

 

瑞希からのツッコミに反論すら出来ない私は歯噛みをし、梓に至っては一言も喋らない(後に本人が語った処によると「チームの仲間達から冷やかされて恥ずかしさの余り何も言えなかった」との事)中、“()()()”に気付いた瑞希が無線で私と梓に“現在の模擬戦の状況”を告げて来た。

 

 

 

「おっと…今、“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”が“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”を追って突出しているわね。梓、“カバさん”の動きを良く見ていなさい…多分、“カバさん”は次の坂を登り切ったら“あんこう”に仕留められるわよ」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

瑞希からの“予想”を聞いた梓は其の理由が分からず戸惑いの声を上げていたが…“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”が坂を登り切った直後、彼女達の前方左側から突如現れた“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”が至近距離から75㎜訓練弾を発射するとアッと言う間に“カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲F型)”に命中弾を与えたのだ。

 

 

 

「ホントだ!」

 

 

 

瑞希の“予想”がズバリ的中した事に、梓が驚きの声を上げると“予想をした当人(瑞希)”が理由を説明する。

 

 

 

「今見た通り、突撃砲は“背が低い”分周囲の見通しが普通の戦車よりも悪いから、坂や窪地等の稜線を登る時は前方が死角になり易いの」

 

 

 

「そうか。でも私達のM3リーは背が高いけど、坂を登る時に前方が見え難いのはそんなに変わらないから……」

 

 

 

「其の通りよ、梓。だから戦車で稜線を登る時は、登り切る手前で一旦停止後、前方を確認してから登り切るのが定石(セオリー)ね」

 

 

 

瑞希の説明に、梓が「成程」と呟いて居るのを無線で聞いた私は、砲塔上部の装填手用ハッチを開けて顔を外へ出すと無線で梓に“追加のアドバイス”を送った。

 

 

 

『場合によっては、戦車を降りて前方を偵察する必要が有るのを覚えて置くと良いよ』

 

 

 

其の言葉に、瑞希が頷くと梓が笑顔で「二人共、有難う!」と答えた時、“あんこうチーム”の西住隊長から無線が入った。

 

 

 

「“あんこう”より“ニワトリさん”へ。其の様子だと“ウサギさん”へのアドバイスで手一杯みたいですが、大丈夫ですか?」

 

 

 

其れに対して、直ぐ様瑞希が応答する。

 

 

 

「あっ、済みません西住隊長。御察しの通り、今は模擬戦よりも良恵や“ウサギさん”のサポートで手一杯なので、模擬戦に集中するのは一寸無理そうです」

 

 

 

「じゃあ、今から“ニワトリさん”と“ウサギさん”は、“カバさん”と一緒に砲撃訓練をやりませんか?」

 

 

 

此の西住隊長からの提案に、瑞希と梓は「「はいっ、御願いします!」」と無線で答えた。

 

 

 

 

 

 

こうして、私達“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”と“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”は模擬戦を打ち切った後、“あんこう”・“カバさん”両チームと共に戦車道演習場内の射撃訓練場へ移動してから砲撃訓練を開始した。

 

訓練は、先ず“カバさんチーム”が西住隊長の指導の下、Ⅲ号突撃砲で“あんこうチーム”のⅣ号戦車D型を目標に射程距離1500mと言う“戦車道初心者には高難度の砲撃訓練”を行っていたが、中々命中弾を出せず苦労していた。

 

此れに対して、“あんこうチーム”は西住先輩が“カバさんチーム”に具体的な指導をし乍ら砲手の五十鈴先輩が“カバさんチーム”に的確な命中弾を与えている。

 

 

 

「五十鈴先輩、凄い!あんなに遠い距離から一発で決めるなんて!」

 

 

 

其の様子を自分達“ニワトリさんチーム”の訓練の休憩時間を利用してM4A3E8(イージーエイト)の車内から見学していた良恵ちゃんが羨ましそうに叫ぶと、同じく見学中の菫が溜め息を吐きながらこんな事を言った。

 

 

 

「何だか“カバさんチーム”が可哀想になって来た…“ののっち(瑞希)”は、如何思う?」

 

 

 

其の問いに対して、瑞希も溜め息を吐きつつこう答える。

 

 

 

「私も驚いているわ…砲身長がたったの24口径しか無くて、撃つと弾道が山なりになり易いⅣ号D型の75㎜砲で1500mの距離から命中弾を出す五十鈴先輩はかなりの腕前よ」

 

 

 

そんな瑞希の様子を隣で見て居た私も『しかも五十鈴先輩は、“砲手を始めてから数カ月しか経っていない”もんね…私もビックリしてる』と呟くと、舞が嬉しそうな顔でこんな事を言い出した。

 

 

 

「五十鈴先輩、嵐ちゃんと同じ位“()()”だから、あれだけ砲撃が上手く成ればきっと()()()()に成るよ♪」

 

 

 

『舞…其処で()を持ち出さないで』

 

 

 

「えへっ♪」

 

 

 

舞の()()()()に巻き込まれた私は棘の有る声でツッコミを入れたが、当人は全く反省の色が無い…舞、アンタが言った“()()()()”の対象に()()()()()()()()()でしょ!?

 

 

 

「さて…無駄話は此の辺にして、私達も訓練に戻るよ」

 

 

 

と言った処で瑞希が話を切り上げると、私達“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”は休憩を終えて自分達の訓練を再開した。

 

今、私達は“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”と共に、“あんこう”・“カバさん”両チームが訓練をしている場所の隣に有る射撃場で基礎的な砲撃訓練を行っているのだ。

 

 

 

「ああっ、又外した……」

 

 

 

そんな“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”では、砲手を務める良恵ちゃんが落胆の溜め息を吐いて居た。

 

私達が居る射撃場では、1000m先の地点に在る土堤に設置した標的目掛けて“ニワトリさん”・“ウサギさん”両チームが戦車砲で砲撃を続けており、“ニワトリさん”の“シャーマン・イージーエイト(M4A3E8)”では52口径76.2㎜戦車砲“M1”の砲手を良恵ちゃんが担当し、“ウサギさん”のM3中戦車“リー”では28.5口径75㎜戦車砲“M2”を山郷 あゆみ、50口径37㎜戦車砲“M5”を大野 あやが其々砲手を担当しているのだが…中々標的に砲弾が当たらない。

 

特に良恵ちゃんは、初弾から10発連続で標的を外し、今だ命中弾を出せていなかった為にかなり焦って居たけれど、其処へ瑞希が励ましの声を掛ける。

 

 

 

「大丈夫よ、良恵。左右の誤差は最初より小さくなっているから、後は76㎜砲の()を計算に入れて撃てば当たるわよ」

 

 

 

そして、私も『次は、さっきより少しだけ左寄りに照準すると、多分当たるよ!』と具体的なアドバイスをし、其れに良恵ちゃんも「了解!」と応答して11発目の76.2㎜砲弾を発射した処……

 

 

 

「当たりました、やったぁ!」

 

 

 

遂に“初めての命中弾”を出した良恵ちゃんが歓喜の声を上げたのを聞いた私と瑞希・菫・舞が揃って「「『おめでとう!』」」と祝福する。

 

そして良恵ちゃんが「此の調子で“イージーエイト”の戦車砲の癖を摑んでみます!」と応答した頃、砲塔上部のキューポラから訓練の様子を見ていた瑞希が独り言を呟いていた。

 

 

 

「さて、“ウサギさん”は…未だ未だか」

 

 

 

瑞希が呟いた通り…“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”も私達と同じ条件で砲撃訓練を続けているのだが、此方も中々命中弾を出せないでいた。

 

そんな時“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”の車長・梓から無線通信が入って来る。

 

 

 

「“ののっち(瑞希)”…私、一寸考えた事が有るんだけど」

 

 

 

「何、言ってみ?」

 

 

 

「こっちには折角二つ砲が有るんだから、“37㎜砲で誤差を調整してから75㎜砲を撃てば良いんじゃ無いか?”って思ったんだけど」

 

 

 

「おおっ、其れって“スポッティング・ライフル”じゃん。梓も考えたわね」

 

 

 

此の時、梓の提案した“アイデア”を聞いた瑞希の返答に、梓が驚きの声で「えっ?同じ事を考えた人が居たの?」と訊き返した処、瑞希は明るい声で「うん♪」と返した後、“スポッティング・ライフル”について説明した。

 

 

 

“スポッティング・ライフル”とは、「火砲の照準器の代わり」として対象となる火砲の傍に取り付けた機関銃や専用の小口径銃の事だ。

 

使い方は、対象となる火砲を撃つ前に“スポッティング・ライフル”から対象となる火砲に()()()()で飛翔する曳光弾を撃つ事で、「事前に当たりを付けてから対象となる火砲を発射する」と言う物だ。

 

元々は、1950~70年代に掛けて対戦車用無反動砲で広く用いられた方法だが、実は少数ながら戦車や対戦車車輛でも使われており、英国のセンチュリオン Mk.5/2戦車やチーフテン戦車の他、米国のM50オントス自走無反動砲や日本の陸上自衛隊が運用していた60式106㎜自走無反動砲にも搭載されていた。

 

其の後、“スポッティング・ライフル”は小型のレーザー式距離計に取って代わられたが、現在でも米海兵隊が歩兵用の携行火器として使っている“SMAW ロケットランチャー”に取り付けられており、此方は射撃訓練でも活用されている。

 

 

 

「へえ……」

 

 

 

其の説明を聞いた梓が感心する中、瑞希は彼女に“或るノウハウ”を授けた。

 

 

 

「只…M3リーの37㎜と75㎜の弾道は同じとは限らないから、一度、両方の砲で同じ場所を同じ距離から狙って撃って、其々の砲の弾着を調べて記録した後、其処で出た誤差を元に照準を修正する必要が有ると思うけど、やってみる?」

 

 

 

すると梓は「了解、やってみる!」と返信後、チームの仲間達と一緒に砲撃の準備に入った。

 

其れから暫くの間、“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”は標的に向かって37㎜と75㎜砲を交互に射撃する事で“双方の砲の弾着データ”を収集してから砲撃訓練を再開した結果、漸く命中弾が出せる様になり、梓が無線で「有難う、此れで皆自信が付いて来た!」と御礼を言って来た。

 

 

 

「さて、私達も訓練に戻りますか」

 

 

 

ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”の様子を見て安心した瑞希が自分達“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”も砲撃訓練を再開すると指示した処、砲手の良恵ちゃんも反応して「はい。此方も砲撃用意……」と、号令を掛けようとした時。

 

 

 

「あっ、砲撃中止!」

 

 

 

「あれは!?」

 

 

 

突然、良恵ちゃんが大声で皆に“砲撃中止”を命じると、砲塔上から顔を出して前方の様子を見ていた瑞希も緊迫した声で叫んだ直後、再び良恵ちゃんが叫び声を上げた。

 

 

 

「標的の前を“アヒルさん”と“カメさん”が横切るから、撃てません!撃ったら何方かに当たります!」

 

 

 

何と射撃場内に、模擬戦を続けていた“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”と“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”が乱入して来て、私達の砲撃訓練を妨害(邪魔)したのだ。

 

更に、梓が無線で「これじゃあ、私達も撃てないよ!」と悲鳴を上げたのを砲塔後部に在る無線機で聞いた私は、思わず怒りの声を上げた。

 

 

 

『全く!磯辺先輩(アヒルさん)河嶋先輩(カメさん)()()()()し過ぎよ!“ののっち(瑞希)”、こっちのポジションを元に戻そう!今から“アヒルさん”と“カメさん”を止めに行く!』

 

 

 

すると瑞希を含めた“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”全員が「「了解!」」と返事をした後、無線機で私の声を聞いて居た梓も「じゃあ私達、先に行って来る!」と返信して来た。

 

そして、私達は何時ものポジションに戻ると“アヒルさん”・“カメさん”両チームの模擬戦を止める為、直ちに発進した。

 

 

 

 

 

 

其の頃、今だ模擬戦真っ只中の“アヒルさん”・“カメさん”両チームは、他のチームが砲撃訓練をしていた射撃場のど真ん中を横切ると、其の隣に在る演習場エリア内で急旋回し乍ら格闘戦(ドックファイト)を続けていた。

 

 

 

「ウオォォォー!」

 

 

 

アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”の車内では、車長の磯辺 典子が気合の入った雄叫びを上げると、車内に居る仲間達に「もっと旋回スムーズに!」 と、自分達を追って来る“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”への対応を指示する。

 

 

 

此れに対して、左へ急旋回中の車内では操縦手の河西 忍が「はいっ!」と必死の声で応答するが、此処で砲手の佐々木 あけびが悲鳴を上げた。

 

 

 

「此の速度では狙えません!!」

 

 

 

其の声を聞いた典子があけびに向かって「少しだけ頭使って、後は根性……」と叫びかけた時、以前嵐から教わった“戦車長の心得”を思い出す。

 

 

 

『戦車は、皆で気配りしないと直ぐ動かなくなるから、“根性”()()ではダメですよ。だから、車内の各メンバーには“常に出来る範囲で他のメンバーをサポートする”様に指示をして、戦車長も率先して仲間達を助けてあげて下さい』

 

 

 

其の言葉を思い出した典子は「そうだった!」と思い直すと、直ぐ様指示の内容を変えた。

 

 

 

「皆、次の旋回で一寸だけ大回りするから、佐々木は其のタイミングで一発、根性で撃て!」

 

 

 

「「はいっ!」」

 

 

 

最後は“根性”で締め括るのが、バレー部出身のメンバーで構成された“アヒルさんチーム”らしい処だが、嵐からの“アドバイス”を元に出した典子の指示は効果的だった。

 

何故なら、一瞬だけ大回りをした八九式の動きに“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”が戸惑った結果、八九式から発射された57㎜砲弾が38(t)B/C型の砲塔・左側面部を掠めたのだ。

 

直撃こそしなかったものの、其の光景を見れば“アヒルさんチーム”の練度が予想以上に高まっているのは明らかだった。

 

実際、“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”の車内では通信兼機銃手席に座って居る角谷会長が干し芋を頬張り乍らも呑気な声で「やるねぇ♪」と呟くと、隣の操縦席に居る柚子が文句を言う。

 

 

 

「会長も少しは手伝って下さい!」

 

 

 

しかし当の会長は相変わらずの調子で「今度ねー♪」と返事をするだけだったが…其処へ装填手の佐智子が「()、手伝う気は無いんですか!?」と後輩とは思えない程の大声で会長を叱った時、無線機から“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”車長・梓と37㎜砲々手・大野 あやの声が飛び込んで来た。

 

 

 

「先輩!そろそろ模擬戦は止めて下さい!」

 

 

 

「砲撃訓練の邪魔になるから、嵐が怒っていますよ!」

 

 

 

其れと同時に“アヒルさん”・“カメさん”両チームが模擬戦を行っている渦中に“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”が割って入って来た。

 

ところが“アヒルさん”・“カメさん”両チームは梓とあやからの忠告が聞こえないのか、今度は演習場内に停車した“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”の周りを右方向にグルグル回り乍ら模擬戦を続けたのである。

 

特に、必死に逃げ回る“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”の巧みな動きに業を煮やした“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”車長・桃が無線で「待てぇー!」と叫ぶが、相手の車長・典子が「嫌です!」と言い返すと、今度は典子のチームメイトで無線手の一年生・近藤 妙子が三年生の先輩・桃を煽って(挑発して)来た。

 

 

 

「止めたければ力尽くで止めれば良いじゃないですかー、何ちゃって♪」

 

 

 

後輩からの“煽り(挑発)”に桃が無線を通じて「言ったな、此奴(妙子)!?」と激昂するが、其の通信を偶々傍受していた“ウサギさんチーム(M3中戦車リー)”75㎜砲々手・山郷 あゆみが無線で桃と典子に向かって“忠告”した。

 

 

 

「何やってんですか、先輩!?早く止めないと、嵐が来ますよ!」

 

 

 

更に、あゆみのチームメイトで通信手の宇津木 優季が「バターに成っちゃいますよ?」と“()()()()”をした、次の瞬間!

 

 

 

『“カメ()さん”に“アヒル(典子)さん”、もう()()()()は終わりにして下さい!』

 

 

 

「えっ!?」

 

 

 

無線機から大きな怒鳴り声が響き、其れを聞いた典子が驚くと其の“声”を上げた相手…“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”車長・原園 嵐が再び無線で怒鳴ったのだ。

 

 

 

()()()、さっき射撃訓練場を横切って行ったのに気付かなかったんですか!?私達が気付かなかったら砲撃訓練に巻き込まれて危うく大事故になる所だったんですよ!?』

 

 

 

一年生乍ら、嵐の“真剣な怒鳴り声”に気圧された典子が呆然としていると、梓も「嵐の言う通りです。凄く危なかったんですよ!?」と()()()()()を嗜める。

 

其の声を聞いた典子は、八九式中戦車甲型(アヒルさんチーム)を停車させた後、キューポラから頭を出すと“ニワトリ()さん”・“ウサギ()さん”両チームの後輩二人に向かって「あっ…御免。模擬戦に熱中し過ぎて、全然気付かなかった」と謝罪した…処が!

 

 

 

「チャンス!」

 

 

 

此処で()()()()()()()()()()()()()()()()()()鹿()が、()()()()()()()()()()()を犯した!

 

あろう事か“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を追うのに熱中して居た“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”車長・河嶋 桃が()()()()()()を上げると、“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を撃破するチャンスとばかりに、“周囲の状況や無線交信を()()()()()()()()儘発砲した”のだ!

 

 

 

「「ああっ!?」」

 

 

 

桃の()()を目の当たりにして悲鳴を上げた典子と梓だったが…()()は其れだけでは終わらなかった。

 

何と…桃が発砲した38(t)軽戦車B/C型の37㎜砲弾は狙った筈の“アヒルさんチーム(八九式中戦車甲型)”を大きく逸らして、模擬戦を止めようとした“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”の砲塔正面に命中したのだ!

 

 

 

「えっ…ひぇぇ!?」

 

 

 

自分がやらかした()()()()()を見て、流石の桃も悲鳴を上げたが…次の瞬間、被弾したM4A3E8(イージーエイト)の砲塔キューポラから自らの髪の色とソックリな位真っ赤な顔をした嵐が“()()()()()()”で、桃に向かって無線で吠えた!

 

 

 

『河嶋先輩…聖グロとの練習試合での友軍相撃(フレンドリー・ファイア)に続いて、又ですか。()()()()()()()!?』

 

 

 

其れに対して桃は、嵐とは対照的に真っ青な顔で「あっ…原園、誤解だ!?」と必死になって弁明したが…彼女が乗る38(t)軽戦車B/C型の車内では、“カメさんチーム”の仲間全員が「「二度も撃っといて、()()()()()()()()でしょ!?」」とボヤいていると、車載無線機から嵐の怒鳴り声が響いて来た!

 

 

 

『問答無用!今から地の果て迄追い詰めて、()()()()にして差し上げます!』

 

 

 

次の瞬間、“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”目掛けて突撃を始めた“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”の姿を見た角谷会長が又しても呑気な声で桃に話し掛けて来た。

 

 

 

「あっ…此れは()()()()()だねえ、かーしま♪」

 

 

 

其れに対して桃は震え声で「ヒィ…に、逃げろ!」と仲間達に指示すると“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”は其の場で180度旋回してから全速力で逃げ出したのだが、車内では……

 

 

 

「何て事したのよ、桃ちゃんの馬鹿ァ!」

 

 

 

「もう…河嶋先輩の“ダメ人間(ミ●ター)”!」

 

 

 

操縦手の柚子と装填手の佐智子が、又しても“トンデモ無い事”を仕出かした桃に向かって罵声を浴びせるのだった……

 

 

 

 

 

 

こうして、“ニワトリさんチーム(M4A3E8)”リーダー・原園 嵐を怒らせた桃達“カメさんチーム(38(t)軽戦車B/C型)”は、此の後事態を知った戦車道臨時講師で嵐の大叔母でもある鷹代が“あんこうチーム(Ⅳ号戦車D型)”を連れて止めに入る迄、“ニワトリさんチーム”の猛追を受けて演習場内を逃げ回る羽目に陥ったのである。

 

 

 

(第58話、終わり)

 




此処迄読んで下さり、有難う御座います。
第58話をお送りしました。

早速ですが、今回はアンツィオ戦直前練習の場面を膨らませてみましたが、瑞希があろう事か嵐と梓目掛けて“百合の花の種”をバラ撒く事案が発生(笑)。
果たして嵐と梓は瑞希の陰謀に抗えるのか?(勿論無理w)

そして桃ちゃん…又しても嵐ちゃん相手にやらかす(ゲス顔)。
と言うか、砲手としては超絶ノーコンな桃ちゃんが何故、嵐ちゃん相手だと命中弾を得られるのでしょうか…作者の私にとっても謎です(遠い目)。

そして、次回はアンツィオ戦前最後のエピソードになります。
桃ちゃん相手に大立ち回りをやっちゃった嵐ちゃん達に、角谷会長が?

其れでは、次回をお楽しみに。

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