戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない 作:瀬戸の住人
今回も決勝戦開始前の一幕です。
原作から色々と手を加えてみましたので、御楽しみ頂ければ幸いですが、さて……
其れでは、どうぞ。
第63回戦車道高校生全国大会・決勝戦『熊本県代表・黒森峰女学園対茨城県代表・大洗女子学園』の試合会場で在る陸上自衛隊・東富士演習場内の観客席へ向けて場内アナウンスが鳴り響く。
「其れでは、此れより国歌『君が代』を斉唱致します。客席の皆様、御起立を願います」
そして観客席前に設置された超巨大モニター(其れは第二次大戦中のドイツ軍列車砲“28cm列車砲K5・Leopold”の車台部分を模した特製貨車に乗せられており、此の為に特設された鉄道用引き込み線で運び込まれていた)の手前に設けられた舞台に、目立つ衣装を身に着けた2人の少女が立つと、其のタイミングで場内アナウンスが再開される。
「歌いますのは、346プロダクション所属アイドルユニット『ピンクチェックスクール』メンバーで熊本県出身の
こうして、此の日の為に朝霞駐屯地からやって来た陸上自衛隊・中央音楽隊による演奏の下、2人の歌姫は“国歌・君が代”を見事に歌い上げて、観客から絶賛の拍手と歓声を受けたのであった。
因みに…此の“決勝戦開始前の国歌斉唱”は、実況中継を行う首都テレビ側の発案で“対戦校と同じ県出身のアイドルによるデュエット”で行われる事が事前に決まっており、戦車道連盟側の承諾も得ていた。
其処で首都テレビは開局当初から関係の深い346プロダクションに斉唱を担当するアイドルの人選を依頼した結果、此の2人になった訳なのだが、熊本県代表・黒森峰側を担当する小日向 美穂は同プロの人気アイドルで今回の決勝戦に出場する選手達と同じ現役高校生*1、しかも熊本県出身であるから起用は当然としても、茨城県代表・大洗女子側を担当する磯前 那珂は同プロが主催する全国ローカルアイドルバトルの優勝者で既に同プロのプロデュースでメジャーデビューが決定済みとは言え、346プロ生え抜きでは無く茨城県水戸市に在る地域密着型の弱小芸能プロ所属の彼女が行き成りの大舞台で国歌斉唱を担当する事は試合当日朝の公式発表直後からアイドルファンや業界関係者の間で“異例の大抜擢”だと注目されていたが、彼女の国歌斉唱は期待以上の出来栄えであり、アイドルファンや業界関係者だけでは無く試合会場の観客や首都テレビの実況中継を見ていた視聴者にも“新たなスターが誕生した”と言う強い印象を与えたのだった。
尚、余談だが、今回の国歌斉唱では当初熊本県代表・黒森峰側を担当するのは“同じ熊本出身だから”と言う理由で346プロの“中二病アイドル筆頭”
尤も、黒森峰側を担当する美穂についても……
「其の姿や顔立ちが似ている上、更には出身地と名前迄
「346プロも首都テレビも“どっちに勝って欲しい”のかが丸分かりな人選に草生える」
「大洗女子の隊長に対して因縁が有るとは言え、此処迄来ると黒森峰も戦い辛いだろうなあ……」
「大洗女子の廃校問題の件も有って、完全に日本中を敵に回している黒森峰…合掌」
と、彼女の起用(美穂自身に責任が無い事は承知の上で)や黒森峰の立場についてSNS上でツッコミを入れるアイドル&戦車道ファンが少なくなかったのが実情である。
戦車道にのめり込む母に付き合わされてるけど、もう私は限界かもしれない
第90話「決勝戦・直前の様子と“礼”です!!」
斯くして私達・大洗女子学園戦車道チームのメンバーも那珂ちゃんや
「両チーム隊長・副隊長及び
との号令を受けて、大洗女子学園戦車道チームから西住隊長・河嶋副隊長・そして“選手代表者”として私・原園 嵐の3人が前に出る。
すると目の前には決勝戦の対戦相手である黒森峰女学園戦車道チームの西住 まほ隊長・逸見 エリカ副隊長・そして“選手代表者”の五代 百代が出て来て居り、互いに目を合わせると黒森峰側の逸見 エリカ副隊長が西住先輩に向けて……
「御久し振り」
と声を掛けて来た為、西住先輩が会釈をすると彼女は険しい視線を向け乍らも“意外な答え”を返すのだった。
「貴女には色々と言いたい事は有るけれど…
「えっ!?」
自分を敵視している筈の人物から、意外な言葉を聞かされて驚く先輩だったが、其れに対して彼女は「誤解しないで」と釘を刺してから……
「此の決勝戦、今迄の様に勝てるとは思わない事ね…其れは貴女が一番良く知っているでしょ?」
と続けた後、私に視線を向けてから、こう言い放った。
「其れと原園さん。昨日“黒森峰をボコボコにする*2”ってTVの記者会見で言った件、私達もしっかり見ていたから…試合では覚悟しなさいよ。私達全員で貴女を狙うから」
其の一言で西住隊長が「えっ!?」と叫んだ為、私は隊長を安心させるべく表情を引き締めてから隊長に向けて軽く頷いて見せた。
“大丈夫、覚悟は出来ています!”
と心の中で呟き乍ら、表情だけで隊長に自分の意思を伝えた処、隊長も覚悟を決めたのか表情を引き締めて頷き返していると……
「本日の審判長、蝶野 亜美です。宜しく御願いします」
陸上自衛隊富士教導団・機甲教導連隊の幹部で日本戦車道連盟の公認審判員も兼務する蝶野一等陸尉が今日の試合の審判長として挨拶をした後、改めて……
「両校、挨拶!」
と号令を掛けた為、私達も黒森峰の選手達と共に「「『宜しく御願いします!』」」と挨拶をした後、蝶野審判長は「では準備出来次第、試合開始地点に移動。御互いの健闘を祈るわ」と告げてから、彼女も試合準備の為に此の場から離れて行った。
一方、蝶野審判長が挨拶をしている時、黒森峰戦車道チームのエリカ副隊長と百代副隊長補佐は小声で会話を交わしていた。
「副隊長、色々と言いたい事が有ったと思いますが、良く我慢出来ましたね」
「分かっているわ…此れでも必死になって言葉を選んだのだから」
実は“みほ相手に暴言を吐くのでは無いか?”と心配していた百代からの問い掛けに、エリカが小さく頷き乍ら答えると百代は安堵の表情を浮かべ乍ら「副隊長が冷静で居てくれて良かったです」と語った後、こう続けたのだった。
「戦車道連盟からも“何か有ったら処分する可能性が有る”との“通告”が有りましたし」
其れに対してエリカは「そうね」と答え乍らも、内心では冷や冷やしていた。
(本当は“弱小チームだと貴女でも隊長になれるのね”とでも言いたかったけれど、此の間の戦車喫茶「ルクレール」で起こした騒動が戦車道連盟に知られている以上、此処でみほ達に向かって下手な事を言ったら、最悪此の決勝戦で出場停止になりかねない!)
実は、此の試合の前に戦車道連盟から“ある通告”が為されていたのだ。
其の内容とは“試合前の「礼」等、何らかの理由で相手校選手と一緒に居る時、相手に対して侮辱又は挑発的な発言や行動が有った場合、審判団の判断次第では「非・淑女的行為*3」であると見做して、決勝戦への出場停止又は試合エリア外への退場を宣告する場合が有る”と言う代物だったのだ。
更に戦車道連盟は、対戦する両チームに対して「今回の決勝戦では不測の事態(要は、乱闘が起きた時の為の対策である)を防ぐ為、特例として試合前の“礼”を行う人数を1名増やして3名とする。内容は通常参加する『チームの隊長と副隊長』の他にチームから任意の1名を“選手代表者”として参加させる事とする」と伝達、其の為に嵐と百代が夫々のチームの“選手代表者”として参加したのである。
因みに、戦車道連盟が此の様な通告をした理由だが…今大会の組み合わせ抽選会が行われた後、抽選会場のさいたまスーパーアリーナ内に在る戦車喫茶「ルクレール・さいたまスーパーアリーナ店」内で起きた“大洗女子学園と黒森峰女学園の選手による口論”が原因である。
実は此の口論の一部始終を店内の複数の客が目撃して居た上、其の中に手持ちのスマホで現場の動画撮影をした学生が居たのだ。
偶々、其の学生の内の1人が大洗女子や黒森峰の生徒では無いが、同じ全国大会に参加するある高校の戦車道選手だった為、直ちに撮影した動画を戦車道連盟へ提出した上で「此れ、もしもSNSに流されたら不味いと思うのですが、如何したら良いでしょうか?」と相談した為に戦車道連盟側も事の重大さに気付いたのである。
戦車喫茶での口論が起きた翌日、戦車道連盟は関係者を呼び出した上で事情聴取をした後「今回は暴力行為が無かったので関係者の処罰は行わないが、今後同じ様な行為が確認された場合は処罰するので注意する事」と申し渡して、試合出場は認めるとの決定を下した…要は“厳重注意処分”である。
とは言え、戦車道連盟が迅速に処置した結果、戦車喫茶で起きた騒動は報道等で大きく騒がれる事無く鎮静化した事は幸いだった。
以上の経緯が有った為、エリカは心の中で“みほの事が有ったとは言え、あの時はもう少しで隊長達に迷惑を掛ける所だったわ”と思い返すと同時に“今迄のみほに対する鬱憤は試合の中で正々堂々とした形で晴らそう!其れで大洗女子が廃校になろう共、私達も母校と西住流の名誉が掛かっている以上、此の勝負は容赦しない!”と気持ちを切り替えた時。
隊長のまほが「行くぞ」と声を掛けたので、彼女が「はい」と答えてから自分達の待機場所へ移動しようとすると……
彼女は自分の補佐役である百代が対戦相手のみほ達と向かい合っている事に気付いた。
其れは私達も蝶野審判長からの指示を聞いた後、試合準備の為に自分達の待機場所へ向かおうとした時だった。
「西住先輩、其れに原園さん」
「『?』」
黒森峰女学園・副隊長補佐の五代 百代が私達の目前迄近付いて来た為、私と西住隊長が戸惑っていると、彼女が冷静な声で……
「一回戦の対サンダース大付属戦が終わった時、忠告しましたよね?」
「!?」
彼女の声掛けに対して西住隊長がショックを受けている中、其の表情を見た百代は憐れむような声で語りかける。
「西住先輩…貴女は戦車道を戦う上で、一つだけ“致命的な弱点”を抱えていると」
其の言葉を聞いた私が言い返そうとした時、私達の姿に気付いた黒森峰の逸見 エリカ副隊長が近く迄来ると……
「百代、其れって昨夜私に話した事よね?」
と問い掛けて来た処、百代はエリカに向かって「はい。ですから、此処から先は副隊長が代わりに言っても良いですよ」と答えた為、エリカは「有難う」と答えた後、鋭い視線で西住隊長を睨んでから、彼女へ向けてこう告げたのだ。
「私も百代から話を聞かされて、漸く腑に落ちた事なのだけど…
「『!?』」
唐突な批判に対して西住隊長は勿論、私も当惑している中、エリカは話を続ける。
「
彼女からの批判を聞かされた西住隊長が辛そうな表情で佇む中、百代が更なる批判を浴びせる。
「つまり、西住先輩は仲間を大切にしている様に見えて、実は仲間達を信頼していない…だから去年の決勝戦の時、“生命の危機に瀕した仲間”を助ける為に十連覇を目指して戦っていた他の仲間達を放り出してしまった」
「……」
2人の批判に対して反論する事無く耐えている西住隊長を見兼ねた私は声を掛けようとするが、其の前に百代が弾劾の声を上げる。
「勿論、命の危機に瀕した仲間を助けに行く事自体は間違いでは有りません。でも私達黒森峰の生徒や西住流の履修者に取って、
其れに続いて、エリカが西住隊長に止めを刺すかの様に自論をぶつけて来た。
「つまり“勝利を得る為には犠牲を払わねばならない時が有る”と言う“覚悟”と“仲間達が勝利の為に犠牲を払う覚悟を持っている”と信じる“絶対の信頼感”を抱けない貴女が私達に勝てるとは思えないのよ」
こうして弾劾され続けて来た事で、追い詰められた様な表情をした西住隊長が「其れは……」と絞りだす様な声を上げた時。
『そうかな?』
私は敢えて隊長の声を遮る様に口を挟んだ。
「「!?」」
私の言葉にエリカと百代が驚きの表情を見せる中、私は努めて冷静な声で反論する。
『私はそうは思わない…例え仲間達の為とは言え、自分を犠牲にしてでも勝利を目指すのは間違っていると思う。少なくともモータースポーツと言う“命の危険と隣り合わせのスポーツ”にメカニックとして関わっていた
其の言葉に西住隊長が救われた様な表情で「原園さん!」と声を掛ける中、エリカが慌て声で「でも…貴女の
『此処で
するとエリカは冷静さを取り戻したらしく「そうだったわね……」と答えた後、闘志剥き出しの表情を私に見せ付けてから静かな声で「じゃあ、覚悟しなさいよ」と“捨て台詞”とも取れる言葉を掛けると私達の前から立ち去って行った。
そして、彼女が立ち去る姿を見た百代も続けて「みほさん、原園さん、悪いけれど…此の試合を
すると西住隊長が不安げな声で……
「原園さん、私……」
と問い掛けようとするが、私は其処で言葉を遮ると……
『先輩。
と答えた処、西住隊長は私の言動に意表を突かれたのか、目を見開いて私を見詰めて居る。
其の姿を見た私は薄っすらと微笑んだ後、自分の気持ちをハッキリと伝えた。
『勿論、私も今日の試合は絶対勝ちたいです…でも、其れ以上に黒森峰の人達にも“
其れに対して、西住隊長も微笑むと「原園さん、有難う」と答えたので、私は『じゃあ、皆の所へ行きましょう』と答えた時……
「待って下さい、みほさん!」
『!?』
「あっ!」
私達の背後、黒森峰側から響いた大声に驚いた西住隊長と私が振り向くと、其処には黒森峰女学園戦車道チームのパンツァージャケットを着た1人の少女が西住隊長に向かって……
「あの時は、有難う」
と“感謝の言葉”を伝えて来たのだ。
其の姿を見た西住隊長の目が微かに潤んでいるの見た私が心の中で……
『此の人って、もしかして去年の全国大会決勝戦の時の!?』
と想像を巡らしていると、其の少女は西住隊長に向かって……
「あの後、みほさんが居なくなって、ずっと気になってたんです…私達が迷惑掛けちゃったから」
と話して来た為、私も心の中で『やっぱり、此の人は去年の決勝戦の時に西住隊長が助けた黒森峰所属のⅢ号戦車J型の乗員だったんだ!』と呟いた処、相手の少女も目を潤ませ乍ら……
「でも、みほさんが戦車道辞めないで良かった!」
と大声で自らの気持ちを伝えた処、西住隊長は安堵の笑顔を浮かべて、一言……
「私は辞めないよ」
と答えた時、私も思わず涙を浮かべ乍ら……
『良かった!西住隊長が十連覇を捨ててでも仲間を助けたのは無駄じゃ無かったんだ!』
と心の中で呟いた後、直ぐ相手に向けてこう呼びかけた。
『あの…私、大洗女子学園1年の原園 嵐と言いますが、西住隊長へ声を掛けてくれて本当に有難う御座います。もし、宜しければ御名前を教えて頂けますか?』
すると彼女は笑顔でこう答えてくれた。
「貴女が原園さんですね。黒森峰2年の赤星 小梅です!」
其れで相手が西住隊長と同じく私より1年先輩だと気付いた私は『はい!先輩だとは知らず、失礼しました!』と答えた処、赤星さんは笑顔を浮かべつつ、こう答えてくれた。
「気にしていないよ。其れより、御互い試合は正々堂々と戦いましょう!」
『はいっ!』
こうして、赤星さんとの挨拶を終えた私は西住隊長を連れて皆が居る待機場所へ戻ると……
「原園殿…御楽しみでしたね♪」
其処には、秋山先輩が意味深な声で私に語り掛けて来たのだけど…其の表情は微笑み乍らも目が笑っていない!
だから、私は大慌てで……
『秋山先輩、御免なさい!私だけ隊長を独占しちゃったみたいで……』
と“自分の気持ち”を白状した処、彼女は今度こそ本当に微笑み乍ら……
「冗談ですよ~♪」
と答えてくれたので、漸く私もホッとした気持ちになった時、秋山先輩は西住隊長へ向けて……
「でも、西住殿良かったですね。仲間を助けた西住殿の行動は間違ってなかったんですよ」
と語りかけた処、隊長は穏やかな声で「今でも、本当に正しかったか如何かは分からないけど……」と語った後、一瞬だけ言葉を区切ってから……
「でも、あの時私は助けたかったの。チームメイトを…だから、其れで良いんだよね」
と答えた為、続けて私が『はい!』と声を掛けてから、今の自分の気持ちを伝えた。
『後は此の決勝戦で、黒森峰の他の皆さんにも隊長の行動が間違っていなかった事を試合内容で知らしめて見せましょう!戦車道って勝つ為だけじゃ無くて“試合を通じて語り合う武道”だと思いますから!』
其の言葉に対して、西住・秋山両先輩は笑顔で頷いてくれたのだった。
「相手は恐らく、火力に物を言わせて一気に攻めて来ます。其の前に有利な場所に移動して長期戦に持ち込みましょう」
集合場所にチームメンバー全員が集まってから開かれた決勝戦前最後のブリーフィングで、西住隊長が基本的な作戦方針を述べた後、試合開始序盤の行動計画について、こう付け加える。
「相手との試合開始地点は離れていますので、直ぐには遭遇する事は無いと思います。試合開始と同時に、速やかに207地点に移動して下さい」
其の指示に対して、チーム全員が無言で頷いたのを隊長が確かめた後、最後に……
「では、各チーム乗り込んで下さい!」
との号令が掛けられるとチームメンバー全員が気迫の入った声で……
「「『はいっ!』」」
と答えた後、メンバー全員は夫々が乗る戦車へ駈け込んで行った。
そして、私は自ら車長を務める“ニワトリさんチーム”のM4A3E8“シャーマン・イージーエイト”の前に駆け寄ると目を閉じてから心の中で、切なる祈りを捧げる。
『御父さん…西住隊長や大洗の皆を守って下さい』
そしてゆっくり目を開けると目の前に現れたのは……
M4A3E8の砲塔上から暖かい視線で私を見守る
『えっ!?』
其の姿を見た私が驚きの声を上げた直後、私の後ろから……
「嵐、何をボーッとしているの?」
『ああ、“
長年の相棒・瑞希からの心配気な声に対して、私が戸惑い気味に答えたのを聞いた彼女は「やれやれ……」と呟いた後、背後に集まった“
「じゃあ、皆で気合を入れますか!」
と大声で声掛けをしたので、私は瑞希に向けて『有難う』と答えた後、皆と一緒に円陣を組んで手を合わせてから……
『皆、行くよ!』
「「『オーッ!』」」
さあ、母校と私達チームの未来を賭けた“決戦”がスタートだ!
(第90話、終わり)
此処迄読んで下さり、有難う御座います。
第90話をお送りしました。
と言う訳で、今回も決勝戦開始前の一幕からですが、意外と何処のSSでもやっていないので試合開始前の“国歌・君が代”斉唱から始めるスタイル&那珂ちゃんの大舞台。
因みに黒森峰側の担当アイドルの起用理由は言わずもがなですが、中の人も某・BC自由学園にて、ベルばらのアンドレがモデルのキャラをやっている模様。
尚、本作でもアンドレはキャラ間の会話と言う形で既に登場済みなのですが…詳細は本編第31話「一触即発です!!」の後半を御参照下さい(迫真)。
一方、決勝戦前の“礼”の場面。
エリカの発言や心理状態が原作と異なっていますが、此れは本編第31話「一触即発です!!」での“戦車喫茶ルクレールでの口論”が戦車道連盟にも伝わった結果、下手に暴言を吐いたら出場停止等のペナルティが有り得る為です(勿論、嵐達大洗女子側も連盟から同じ注意をされてはいますが)。
此の辺りは首都新聞&テレビの報道等で世間の注目度が増した結果ですから、ちかたないね、エリカちゃん(笑)。
ですが、エリカと補佐役の百代は西住殿に対して“去年の決勝戦で仲間を助けた行動は、逆に勝利を目指していた仲間達を放り出した無責任な行為では?”と言う、彼女の心を抉る方向性での批判を仕掛けて来ます。
しかし、此れを聞いていた嵐ちゃんがやんわりとした口調で彼女達の批判を否定する…果たして、此の考え方の違いは試合の中で答えが出せるのか?
其れと赤星さんと嵐ちゃんの邂逅や唐突な直之さん(と思しき幻影)の登場は、今後のシーンのフラグになりますので、御注目頂ければ幸いです。
後、今回は応援席と試合開始直前の様子も書く予定が、試合開始前の“礼”と大洗女子側の場面だけで1話分出来てしまった為、此れに関しては次回書いて行きます。
申し訳無い……
其れでは、次回をお楽しみに。