真剣で私に恋しなさい!X   作:テンペスト

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幕間
第十九話 中国人と不幸人


―――――いよいよ夏が本格的に迫ろうとしている。

先日降った雨の影響でこの川神市は凄まじい蒸し暑さに襲われていた。地面に染み込んだ水分が蒸発し、柔らかいスチームを浴びているような状況だ。

そんな中を、学校帰りの大和達ファミリーの男性陣が歩いていた。

 

 

「っはぁー。 今日も暑ぃな~」

 

「ホント、アイスが手放せなくなる季節だよね」

 

 

タンクトップ一枚の岳人もさすがに暑さには敵わないようで服をピラピラさせて風を送り込もうとしている。

とうとう暑さに耐え切れなくなったらしい、卓也が先程コンビニで買い込んだ袋を開けた。中にはアイスクリームが詰め込んである。

 

 

「よっしゃー! 俺はバリボリ君!」

 

「んじゃ俺は上品にPonoにしとくか」

 

 

袋に手を伸ばした翔一と大和が早速アイスに齧り付く。

いても立ってもいられなくなったようで岳人と卓也も買ってきたアイスに手を伸ばした。喉を清涼感が駆け抜け、体温が下がるこの感覚がたまらない。

 

 

「あ~うんめぇ~………おっ! 当たりキター!」

 

「さすがキャップ………僕はスカだったよ」

 

 

アイスバーを齧っているのは翔一と卓也。

全て噛み砕き終えた翔一の棒に書き込まれているのは「当たり」の三文字。この当たり棒を見せればもう一本貰えるのだ。

対する卓也はハズレだったようで肩を竦めている。

 

 

「モロはいっつもハズレ引くよなぁ」

 

「うん。 ツいてないね」

 

 

大和もラック値の低さに同情を示している。

刹那、一同の下に凄まじい負の感情が差し込んできた。

 

 

「お前達………ツいていない、と言ったな?」

 

 

何とも暗い女性の声。

振り返るとずぶ濡れの女性がそこに立っていた。銀髪で、ノースリーブの黄色いジャンパーを着込んでいる。

何より、凄まじく暗い靄みたいなものが身体中を覆っていた。

 

 

「な、何でしょうか?」

 

「ふ、ふふ………その程度ならば可愛いものだ………」

 

「っていうか何でびしょ濡れなんですか?」

 

「あそこのテントで寝泊りしているのだが……知らぬ間に穴が開いててな……」

 

 

女性が指差した先には何ともボロっちいテントが。

そのテントもびしょ濡れになっている。先日の雨は天気予報が嘘ついたというレベルの酷いもので、突発的なものだった。

どうやらそれに濡れてしまったらしい。

 

 

「折角溜めておいた乾パンもカビてしまった………ははは」

 

 

ずぶ濡れであるのに乾いた笑いを出しているこの女性。

先程から臭わせる不幸のオーラにさすがの翔一達も一歩引いてしまっている。

ぶっちゃけ言動からアブナイ人と思われても仕方が無い。

 

 

(大和! このお姉さん………)

 

(分かってるぞガクト。 ここは)

 

(アタックして、俺様がもぎ取って見せる!)

 

(バカかお前は!? 戦略的撤退だろうが!)

 

 

年上美女であればお構いなしの岳人が反応した。

確かに今でこそ酷く濡れているが顔立ち自体は悪くない。胸も大きい上に肌もきめ細やかだ。

間違いなく美女にカウントされるであろうが、危ない人に関わらせるほど大和は寛容でもなんでもない。

 

 

「お姉さん。 何があったか知りませんが詳しい話しは俺様のベッドの上で」

 

「だが断る」

 

「なん……だと……」

 

 

ただいまのタイム1秒ジャスト。ピタリ賞。

 

 

「はぁ………こんな奴に出くわしてしまうとは……とことんツいてない……」

 

「うわぁー! ガクトの所為で負のオーラが具現化してるー!」

 

「俺様の所為かよ!?」

 

「十中八九そうだろうが! ってか俺達このままだと永遠に抜け出せな……」

 

 

女性は益々肩を落とし、影を暗くし、負を凝縮しさせている。

今彼女の後ろに薄っすらと死神が見えた、そんな気がした。あんなスタンドがいたのでは逃げ出せそうにも無い。

どうしようか、さすがの大和も迷っていると。

 

 

「こんなところにいたのか天衣」

 

 

目の前の女性とは真逆の、朗らかな声が聞こえた。

振り返ると額に×が刻み込まれた美女が立っている。そして圧倒的威圧感も備わっている。

この女性が誰なのか、大和は知っている。

 

 

「あ、貴方は………九鬼揚羽さん……!」

 

「フハハハ! 久しぶりだな直江大和。 英雄や紋が世話になっているぞ」

 

 

豪快な笑いかをするこの女性は九鬼揚羽。

その名の通り九鬼財閥の長女で英雄と紋白の姉である。嘗てはヒュームの指導の元、武道四天王の称号を授かっていた凄腕であった。

だが九鬼財閥の軍事部門を継ぐために引退しているという。

 

 

「お久しぶりです。 ところでこの人知っているんですか?」

 

「知っているも何も……我と同じ武道四天王の一人だ。 元、がつくがな」

 

 

先程の物言いからどうやら知り合いらしい。

正体さえはっきりすればそれなりの安心感が出るので揚羽に問い合わせてみる。

彼女の口から出たのは意外な称号だった。自己紹介くらい自分でしろ、と顎で伝えると女性はため息をついた。

 

 

「………橘天衣だ。 よろしく」

 

 

挨拶をしてきた、その名前に聞き覚えがあった。

記憶を辿ってみると確か百代がその名を呟いていた。

 

 

「天衣さん………って確か姉さんと戦って敗北したんでしたっけ?」

 

「ついでに言うならまゆっちにも負けたって聞いてるぜ、確か」

 

 

大和と翔一は、武道四天王として彼女と戦っていた百代と由紀江の両名からその名を聞いていた。

最も由紀江は彼女を倒したことで武道四天王の称号を授かっている。

苦い記憶を掘り起こされたのか、天衣の表情は暗黒面に達する。

 

 

「そうだ………ああそうだ……いつだって私の人生は負け続け……」

 

「あっごめんなさい!! そういう意味で言ったんじゃ無くて」

 

「だからか………部下を巻き込んでRPG食らってしまったのは……」

 

「何かサラリと恐ろしい経験が!?」

 

 

口を開けば開くほど出てくる不幸の数々。

同情を禁じえない一同であった。

 

 

「ところでお前達は誰だ? 百代の名前を知っているようだが」

 

「知っているも何も俺は彼女の弟分、直江大和です」

 

「友達の師岡卓也です」

 

「平成のナイスガイ、島津岳人とは俺様のことです」

 

「風間翔一ってんだ! モモ先輩達、風間ファミリーのリーダーだぜ!」

 

 

思えば自己紹介もしていなかった。

大和達はしていないのも失礼だと思い、次々と自己紹介をする。岳人は相変わらずであったが。

天衣も嘗ての強敵、川神百代の友人であることを理解してくれたようだ。

 

 

「百代……良かったなぁ、こんな友達を手に入れられて……」

 

「ち、ちょっとおぜうさん?」

 

「私は部下を巻き込んだ挙句、その部下もアメリカに留学……はぁ」

 

 

また酷く落ち込んでしまった。

さすがの大和に人に積極的に手を伸ばす翔一も取り付く島が無いと言ったかのようにお手上げの仕草をしてみせる。

 

 

「まぁ、色々あってな。 天衣はこんな風になってしまった」

 

「なるほど………ところでどうして揚羽さんがわざわざこの人のことを?」

 

「九鬼の実験に付き合ってもらったのと、武士道プランのための危険人物監視だ」

 

 

どうやら何からの形で九鬼に携わっているらしい。余りいい経験ではなかったようで、天衣は揚羽の登場にいい表情をしていなかった。

おまけに実力が備わっている以上危険人物と断定されているようだ。常に九鬼家従者部隊の一ケタ台の猛者が見張っているらしい。

 

 

「なるほど………ところで九鬼から金でないんスか? 実験って」

 

「協力してあげてるなら少しくらいお金を上げてもいいんじゃ………」

 

 

岳人と卓也がそんな事を言ってきた。

見る間でもなく天衣は極貧生活を送っている。テントで生活、なんてホームレスしているのだから。

すると揚羽は首を横に振っている。天衣もそうだった。

 

 

「いや、当面の生活費は渡したのだが」

 

「一週間前、ボヤ騒ぎを起こしてしまってな……その際に燃えてしまった」

 

「どうしよう、目から涙が止まらない……」

 

 

聞けば聞くほど可哀想になってくる。

噂では西で最強を誇っていたスピードクイーン。その名声が落ちた彼女の成れの果てがコレだとは。

冷静な大和は愚か、翔一ですらその涙をバンダナで拭いている。

 

 

「また新たに渡そうかとも思ったのだが、」

 

「どうせ落としたり流されたり消滅してしまうからいい」

 

「………の一点張りでな。 正直我も困っているところだ」

 

 

実力や金ではどうにもならないもの――――運。

大和はそれを良く知っている。何せ隣にいる男が、彼女の真逆の存在なのだから。

 

 

「とにかく、天衣はこのような生活を送っている。 理解してやってくれ」

 

「私に触れたら不幸になるということがな………」

 

「その台詞微妙に俺の黒歴史にカスるからやめてぇ!!」

 

 

ニヒルなものに被れていた幼少期の大和。

今になって思い返せば痛い発言だらけ。与一はまさに彼の生き写し(はじさらし)なのだ。

それに近い発言をされた大和が胸を押さえている。

 

 

「それにしてもお前もいい加減その性格を何とかしろ」

 

「出来ないさ………生まれ持った業なんだから」

 

「やれやれ。 ではそろそろ我は戻る。 新しい高炉が待っているからな」

 

 

何やら上空から音が聞こえる。

見上げると巨大なヘリコプターが飛んでいる。機体には九鬼のロゴが入っている。揚羽はきっちり挨拶をすると人間離れした跳躍力で一気に乗り込んだ。

彼女を乗せた途端、ヘリコプターは一気に飛んでいく。

 

 

「ふぅ…………さて、私はテントを干すとするか……」

 

「あのー…天衣さん?」

 

「私に関わらないでくれ。 ……不幸になるからな」

 

「あふんっもうやめてっ」

 

 

思い切り自らの台詞を言われた大和は激しく悶えた。

天衣はいま一つ理解していないものの、濡れそぼったテントを干す作業に入る。

これ以上はもうどうしようもないと判断した風間ファミリーの面々は倒れてしまった大和をサルベージし、島津寮へと帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――それからしばらくして秘密基地。

 

 

「あの人、川神でそんなことになってたのかー」

 

「なんだか、とても居た堪れない気分です………」

『他人の痛みは自分の痛み……まゆっちええ子やで』

 

 

今日は金曜集会ではないが、全員が秘密基地に集まっていた。

とりあえず本日の帰りにエンカウントした人物、橘天衣について報告した。嘗て戦った百代と由紀江は懐かしさと深い哀れみを覚えている。

 

 

「もう見るだけで近寄りがたい不幸オーラが漂っていたよ………」

 

「『私に触れたら不幸になるぞ』、って言ってたな」

 

「殺せぇぇぇぇぇ!! もういっそ殺せぇぇぇぇぇ!!!」

 

「悶える大和も可愛い……そして後でケアをする私に大和はメロメロに……」

 

 

先程から古傷を抉られまくりの大和はHPが0に近かった。

楽しんでいるらしい、翔一はケラケラ笑っている。京もそんな彼を後で優しく包んであげることで落とそうとしていた。

からかってやろうかと企てていたクリスと一子もさすがに哀れだと思ったのか、一旦話を切り替えることに。

 

 

「で、キャップ。 依頼を競り落としてきたんだろ?」

 

「緊急の依頼だから結構デカいんでしょ? 依頼料も」

 

「ああ。 ま、今日は人が少なかったから上食券90枚だ」

 

 

翔一がテーブルの上に食券を置いた。

豪華なセットメニューが食べられる上食券が、山積みになる。

さすがに食費が浮くと大喜びの面々が食らいついた。

 

 

「こりゃ凄ぇな。 ……その分面倒な依頼になるだろうな」

 

「大丈夫! 俺とゲンさんならどんな事件でも解決さ!」

 

「………『おれって、てんさいだとおもう』」

 

「ゲンさんまで俺の黒歴史をぉぉぉおおおおおお!!」

 

 

いい抑止力を見つけられたらしい、忠勝は得意げに大和の黒歴史を呼び起こした。

ザラキーマを唱えられた大和は激しく悶える。

さすがに可哀想だと思ったのか、忠勝も一言侘びを入れることで大和も復活する。

 

 

「それで今回はどんな依頼になるんですか?」

 

「上食券90枚………相当面白い依頼に出会えるだろうなー☆」

 

 

由紀江や百代も依頼の内容に興味を抱いている。

そもそも上食券が賞品として出されること自体が珍しい上に、破格の量。相当難易度の高い依頼であることは推測できる。

強敵と戦える可能性が高くなった百代は目を光らせていた。

 

 

「んじゃ言うぞ……依頼内容は『パンツハンターを追え!』だ」

 

 

自信満々で言い切った翔一。

一気にこの秘密基地を静寂が覆ったのだった。

 

 

「………えーとキャップ。 詳細説明を」

 

 

さすがにこのにごった空気に耐えられなくなった卓也が詳細を求めている。

激しく首を振るファミリーの面々に翔一は呆れながら説明した。

 

 

「何でも体育の時間、女子の下着が一斉に盗まれたらしい」

 

「それを追えと」

 

「ああ。 だが甘く見るな、敵はかなりの手練らしい」

 

「確かに、じーちゃんやルー師範代がいる学校に忍び込めるんですもの」

 

 

川神姉妹も、呆れつつ敵が手練であることを十分理解している。

何せ川神学園には元最強の武神、川神鉄心と川神院の師範代にして体育の教師ルー・イーが常に警戒線を張っている。

それを潜り抜けて下着に手をつけるとは、相当出来るということだ。

 

 

「身内……川神学園の関係者である可能性は?」

 

「それも視野に入れての捜査だ」

 

「むー……犯人は相当の変態だねこれは」

 

 

犯人の全体像がつかめないのか、さすがにクリスや京も混迷している。

警戒網を潜ってまで下着を求める変態は、確かにいるだろう。しかしそれに実力を伴うとなれば話は別だ。

 

 

「あ、それについて何だが」

 

「ゲンさんどうぞ」

 

「その時間、妙な女を見たって聞いた。 中国人のような奴らしい」

 

 

有力な手掛かりが出てきた。

中国人の留学生などは聞いたことが無い。無論、教師陣にもそんな人物はいない。つまりその女性は外部から侵入した可能性が高いという事だ。

とここで大和が妙なフィーリングを感じ取る。

 

 

「………俺、もしかしたらその人物に心当たりがあるかも知れない」

 

「弟ぉ。 人脈構成大いに結構だがな、付き合う相手くらい考えろよな」

 

「違う違う! そいつとはメル友じゃない!」

 

「じゃぁ愛人かッ!?」

 

「京は引っ込んでろ!! ってワン子やクリス、それにまゆっちまで怖い顔を!?」

 

 

京の一言で危うく修羅場になりそうだ。

とりあえず彼女達を説得し、落ち着かせた。

 

 

「っていうか、皆そいつを見てるはずだぞ」

 

「え? いたかしら?」

 

「いたって。 それもつい数日前」

 

「………大和、俺ワクワクしてきた」

 

「嫌な予感しろよキャップ!」

 

 

とは言え翔一の勘の良さはこの中でも一位を誇る。何せ景品で温泉旅行を獲得する、ギャンブルで大穴を当てる、銃弾の雨を回避する。

この豪運は最早世界を動かしていけるレベルかもしれない。だからこそ大和は一応安心する。

 

 

「仕方ない。 んじゃ事情を聞くために………」

 

「大和、誰と電話している?」

 

「紋様だ。 ………あ、紋様。 ちょっとお願いしたいことが………」

 

 

日頃世話になっている大和の頼みとあらば紋白はすぐにそれを聞き入れた。

そして僅か10分を待たずした重要参考人が、島津寮に連行されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――島津寮、食卓。

普段は皆で楽しく食事をするこの場が、緊迫に包まれていた。それもそのはず、相手は九鬼財閥の手を借りてやっとここまで連行できた人物達。

外では連行してきてくれたヒュームとクラウディオが待機しているほどだ。だからこそ、大和達は“彼女”達に対して一切警戒を怠らない。

 

 

 

 

 

 

「さーて、どういうことですかね? 林沖さん? 史進さん?」

 

 

 

 

 

今、食卓に座っているのは先日フランクが雇った傭兵集団、“梁山泊”の中でも最も優秀とされる三人のうち、二人の女性。

どちらも如何にも中国と言った服を着込んでいる。

必死に反省しているように項垂れる林沖と、面倒くさそうに背もたれしている史進である。

 

 

「え、あ、その………」

 

「わっちらに聞かれても困るんだけど」

 

「そういうわけには行かないわよ!」

 

 

一子が鋭く睨みつける。

益々縮こまる林沖と、益々反発心を示す史進。この対照的な反応にちょっと新鮮味を覚える。

 

 

「単刀直入に聞くぞ。 最近ウチの学校に忍び寄ったと言う下着泥棒……」

 

「あれどう考えても貴方達の仲間………楊志さんですよね?」

 

 

忠勝と大和の尋問に口を瞑らせる。

否定しない、という事はビンゴのようだ。ただ仲間のことを白状するほど軽薄な連中でもないらしく、それ以上語ろうとした無い。

 

 

「黙秘するな! 騎士なら潔く罪を認めろ!」

 

「い、いや騎士ではなく傭兵だが」

 

「傭兵であって泥棒ではないだろう? 何故こんなことをした」

 

「だからわっちらは知らないって。 楊志が勝手にやったことさね」

 

 

どうやらクリスは彼女達を共犯と考えているようで、痺れを切らし机を激しく叩く。

由紀江が入れてくれたお茶が危うく零れそうになった。

更に震え上がる林沖だが、対して史進は関係ないとでも言うかのように取り合わない。あくまで楊志一人の単独犯だと訴えている。

 

 

「そもそもクリの父親に雇われたお前達がなんでまだ日本に?」

 

「はい。 てっきり帰国しているものと思っていましたが」

 

 

百代や由紀江は彼女達がここにいること自体に疑問を持っている。

それもそのはず、伝説とされている傭兵集団が役目を終えた以上滞在しているわけがない。

そのことを口にすると、とうとう林沖は泣き始めた。

 

 

「じ、実は…………うぅ……」

 

「ちょっとモモ先輩キツく言いすぎですって! ここは俺様の交渉術―――」

 

「そんな息を荒くして目を見開いた上に筋肉をピクピクさせる交渉なんて無いから!」

 

 

岳人は年上であり、美人でもある林沖が気に入ったようだ。

どこまでも懲りない男だと肩を竦める一同。卓也が最もな正論で彼を抑え、そこから先は彼女達に喋らせる。

 

 

「先日の任務で依頼主を守りきれなかったことが上に発覚して………」

 

「んで頭領から『鍛えなおして来い』って言われてしばらく追放宣言ってこと」

 

 

風間ファミリーは理解した。何故辛そうなのかが。

今のところはフランクから受け取った前金でとりあえずの生計は立てているようだがいつまでもこのままでいられるとは限らない。

 

 

「そう頭領からお達しがあった時、楊志が激しく喜んじゃって」

 

「『これで日本中のパンツを集められるー!』って」

 

「………しょーもない変態だこと」

 

「京、お前人のこと言えないからな」

 

 

これで彼女達の今に至る経緯は聞きだすことが出来た。

纏めると今のところ楊志が一人ハッスルしており、彼女達は何も関係ないとのこと。

ならば切り口を変えるまで、と翔一が質問を変えてきた。

 

 

「んじゃさ、楊志っていうの? そいつの場所教えてくんね?」

 

「実を言うとわっちらも知らないね。 ただ土地勘無いから遠くへは行ってないはず」

 

 

楊志のパンツ収集癖は仲間内である彼女達も困りもののようで、呆れたように史進が意見を言ってきた。

確かに日本に来たのが初めてならば、電車などの移動機関も使用しにくいだろう。

ならば益々彼女達の目が行き届くところにいる可能性がある。

 

 

「それに例え知っていたとしても……仲間を身売りするようなことは出来ない!」

 

「あ?」

 

「う、うぅ………に、睨まないでくれ……」

 

 

仲間を庇う林沖に一言に鋭い大和の視線。

先程の格好いい発言はどこへやら、一気に涙目になり弱ってしまう。さすがにやりすぎたと大和も反省する。

 

 

「分かったよ。 それならせめて捜索に協力してくれ」

 

「で、でも………仲間は……守らないと………」

 

 

すると今までのような涙目などではない、違う震え方をした林沖。

まるでトラウマを引きずっているかのようだ。

思えば由紀江も、彼女と対峙した時やたら「守る」を強調していた。「守る」ことは彼女の中のコンプレックスなのだろうか。

 

 

「あー………これリンの症状みたいなもんだからなー……」

 

「分かったよ。 無理に強いるわけにも行かないしな」

 

 

さすがに精神状態を無視してまで強要するほど大和は鬼ではない。

彼女の気持ちを汲み、自分達だけで楊志を探すことになった。

とここで話が終わった頃合を見計らったかのように、背後からヒュームとクラウディオも現れた。

 

 

「話は終わったようだな」

 

「林沖様、史進様。 楊志様が見つかるまでこの寮で待機していただきます」

 

 

鋭い老執事からの視線に、林沖は勿論荒々しい史進もさすがに大人しくするしかなかった。

彼女達から目を離すと依頼と称して何をするか分からない上に、彼女達自身も危険に巻き込まれると言う危険性を配慮した上での行動だった。

 

 

「この二人は俺達に任せておけ」

 

「しかしよろしいのですか? 九鬼家従者部隊をお貸ししてもよろしいのですが」

 

「ありがたい申し出ですけどこれは俺らの依頼ですので」

 

 

九鬼財閥に借りを作りっぱなし、なんて情けない状態は好まない大和たちがクラウディオからの提案を断る。

元よりプライドが高い連中が揃う風間ファミリーなのだ。

それに満足したかのようにヒュームにクラウディオも微笑む。

 

 

「いい返答だ。 ではサービスで一つだけ教えておいてやろう」

 

「話にもありました通り楊志様はまだこの川神市内から出ておりません。 九鬼家従者部隊が見張っておりますので」

 

 

これはありがたい情報だ。

九鬼の情報ならば信憑性が高いことこの上ない。やはり武士道プランの一環として梁山泊は監視の対象内であるようだ。

川神市内にまだ潜んでいるのならば追い詰めようはある。

 

 

「ありがとうございます。 よし皆行くぞ!」

 

 

大和の号令に一斉に外へ駆け出した。

その後姿を微笑ましく見つめる老人二人。

 

 

「ふっ、活きがいい。 やはり若者はああでなくては、な」

 

「川神百代も今のところ大人しいようですね。 ところで例の挑戦者は?」

 

「紋様が川神姉妹の苦手意識が解消したことで、契約はあってないようなものだ」

 

「なるほど………では、後は本人が見極めて挑戦すれば良いだけですね」

 

 

何やら穏やかそうで不穏な気配の会話。

部屋に残された林沖と史進はそれを感じ取っている。さすがに九鬼家の従者部隊はその肩書きと言うだけで能力が高く、一桁ともなればそれだけで恐ろしいまでの戦闘力を誇る。

ただ会話しているだけのように見えても、全く隙がないのだ。

 

 

「さて赤子ども。 話は変わるがこのままではお前達の行く先が無いだろう」

 

「ご提案ですが、紋様が貴方達の能力を認めスカウトなさっています。 如何でしょう?」

 

 

不適に微笑む不良執事と温和に微笑む紳士。

しかしその身にまとう威圧感は、梁山泊の頂点に立つこの二人であろうとも飲み込んで離さない。

ゴクリ、と喉を鳴らした末に二人は決断の言葉を吐き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――それから小一時間。

風間ファミリーは二人一組で別れ、辺りを探索していた。大和は執拗な提案により京と組み川神学園付近を捜索したが、あれ以来楊志の情報は得られなかった。

さすがに梁山泊というだけあって余り人目に姿を露にしないらしく、パンツが絡まない限りその姿を現さないようだ。

 

 

「ハァ、ハァ……ダメだ、彼方此方探し回って手掛かりゼロかー……」

 

「さっきから回りに気を遣っているけど不穏な影一切無し」

 

 

多馬川の土手で一息ついていた。

視力がいいと豪語する京ですら見つけられない以上、当てがない。

百代や由紀江ならば気配探知という手もあるのだが、あの混戦の最中楊志の気配を覚えるのは難しく、結果まだ見つけられていないようだ。

 

 

「あ~大和君~。 ヤッホ~」

 

「辰子さん、こんにちは」

 

 

腰を下ろしているといつの間にか板垣辰子が傍で立っていた。

どうやら警備員のアルバイトを終えてこれからお昼寝タイムらしい。この多馬川の土手は心地よい風が吹くので絶好のお昼寝スポットでもある。

因みに大和に懐いている辰子は当然、京からすればライバルとなる存在なので威圧感放ちまくりである。

 

 

「どうしたの~? 気難しそうな顔をして~」

 

「いや、下着泥棒を追っかけているんですけどね」

 

「下着泥棒……? それってあれのこと?」

 

 

辰子がふと指を差す。その先に映っている光景は。

 

 

 

 

 

 

 

「待て貴様ぁー!! 私のパンツを返せー!!」

 

「あははは~。 パンツパンツ~!」

 

 

 

 

 

 

おパンツを咥えた楊志を、裸足で追っかける天衣だった。

 

 

「あれだー!! それに天衣さんまで!?」

 

「行こう大和!」

 

「ああ! ありがとう辰子さん!」

 

「ついでだから私もついていく~」

 

 

どうやら楊志は、服などを天日干ししていた天衣の下着をまんまと盗んだらしくそのまま逃亡を図っていた。

捕らえるなら今しかない。大和と京、そして折角なのでついていこうと思った辰子は一気に走り出し楊志の前に立つ。

 

 

「そこのHENTAI止まれ!」

 

「む~? 君は確かあの時の………」

 

「直江大和! 丁度いい! そいつを捕まえてくれ!」

 

 

丁度挟み込むような形になった。

今口にくわえている黒い下着が天衣のらしい。大和は妙に頬を染めそうになったが京がスカートをピラッと捲ってくる。

微妙に黒い下着が見えたような気がした。

 

 

「何~? 邪魔するの~?」

 

「ああ! パンツ泥棒を捕まえろって依頼が来たんで!」

 

 

手練である以上、戦闘をしてでも止めなければならない。大和達が覚悟を決めて彼女の前に出る。

その時、楊志から凄まじい風が吹き荒れた。

危険なクラスの技だと感じ取った京と辰子はすぐさま大和を庇うために前に出る。

 

 

「私の邪魔しないでよー。 バーストハリケーン!」

 

「く、ううぅぅっ! これは……ルー先生が生徒のお仕置きに使った技……!」

 

 

熱血体育教師、ルー・イーは川神院の師範代として壁を越えた強さを持つ。

そして彼は川神院の修行などでド派手な技を繰り出すことがある。どうやら楊志はそれを見ていたらしく、凄まじい風圧を起こし大和たちを吹き飛ばそうとした。

だが逆に辰子が地面をたたきつけ、その衝撃波で風を消し飛ばす。

 

 

「はぁっ!!」

 

「……む~。 厄介な人物勢揃いだね~」

 

 

辰子のパワーを間近で見ていた楊志はさすがに警戒している。

そして対峙している辰子は大和を攻撃対象にした楊志を許すつもりは無く、一気にリミッターを外していた。

京も愛用の弓を構え、戦闘体制に入った。

 

 

「いいね~。 君達のパンツも貰おうかな~………?」

 

「余所見をするなっ!!」

 

 

どうやら彼女達を倒して下着を手に入れようと決めたらしい、楊志が双剣を構える。

刹那、背後からさっきを感じ取り身体を屈んだ。

頭があった位置を、鋭い蹴りが通過していく。天衣の回し蹴りだった。

 

 

「せやぁぁっ!」

 

「ここではあの技が役立つかな………流水の構え、Uフォーム!」

 

「! それ……天ちゃんの技!」

 

 

更に打ち込まれていく乱舞を、楊志の双剣が弾き返す。

その構え方は釈迦堂が授けたゴルフクラブ護身術の技の一つだった。先日の戦いで天使と交戦した楊志はこの技をコピーしており、天衣のラッシュを完璧に防ぐ。

瞬時に鋭い斬撃が、彼女の腕に当たった。

 

 

「くっ!!」

 

「橘さん! 京、援護を!!」

 

「任せて!!」

 

 

天衣の美しい腕に斬撃が走る。

そこまで親密ではなかったが、知り合いが目の前で傷つけられて黙っているわけには行かない。

大和の指示で放たれる、京の援護射撃。

流れるような剣の舞で楊志は次々とそれを打ち落としていく。

 

 

「おおおおおおおおおお!!!」

 

「おっと! 危ない危な~い…………ストリウムファイアー!」

 

 

そこに覆いかぶさるように飛び込んできた辰子の拳。

楊志は一歩飛びのきそれを回避する。少しでも遅れていたら破壊力満点の衝撃波に巻き込まれるところだった。

避けたところに強烈な火炎を浴びせる。これもルーが得意としている技だった。

 

 

「せいやああああああああ!!!」

 

 

辰子は地面を抉るように薙ぎ払い、衝撃波で強烈な熱波を防いだ。

やはり彼女の力は凄まじく、先程から川神市全体が揺れている。これは九鬼の出動もあるかと考えた時だった。

 

 

「いいパワーだよ……でも隙だらけ!」

 

 

更に楊志はもう一度炎を放ってきた。

慌てて辰子は先ほどと同じように衝撃波を起こす。だがその時、火炎の一部が大和に届きそうになった。

 

 

「あ………」

 

「大和っ!」

「大和君!!」

 

 

咄嗟のことで回避行動が間に合わない。

京に辰子も戦闘に集中していたために距離を置いてしまっている。

そんな大和の目の前に立ったのは。

 

 

「させん!!」

 

「た、橘さん!?」

 

 

天衣だった。彼女は大和を突き飛ばし、熱波から避けさせた。

自身は壁となるために腕を交差させて防御に臨む。そのまま天衣は猛烈な火炎を浴びてしまう。

技の形だけではない、威力ですらまさにルーのそれと変わらない。

そんな技を受けてしまえば四天王であった彼女と言えど致命傷は免れない――――そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

「………こんなもの、あのRPGを食らった時に比べればそよ風のようなものだ」

 

 

 

 

 

熱波が吹き飛ばされた。

炎の中、現れたのは紛れもない橘天衣だ。だが、彼女の姿は明らかに違っていた。

大和たちが目を付けたのは、その四肢である。

 

 

「な、何だあれ!?」

 

「機械………義手に義足になってる……!」

 

 

そう、天衣の四肢は全て機械になっていた。

機械も熱波を受けながら全く平気だったようで何の問題もなく稼動している。さすがにこれは大和に京、辰子に加え対峙している楊志も驚いていた。

 

 

「やれやれ。 飛んだ事態になったものよ」

 

「あ、揚羽さん!? いつの間に………というよりも何ですかあれ!?」

 

 

いつの間にか九鬼揚羽がその場で見守っていた。

人間離れした強さの持ち主だ、もういつからここに来ていたなんて野暮なことを聞いている場合ではない。それよりも気になるのはあの腕だった。

 

 

「直江大和。 あれこそが、天衣に付き合ってもらった九鬼の実験だ」

 

「あの義手に義足が……!?」

 

「ああ。 天衣は軍事演習中の事故で四肢を失ってしまったのでな、補強したのだ」

 

 

思い返せばRPG――――要するにロケットランチャー――――を受けてしまったといっていた。どうやらあれはギャグなどではなかったらしい。

しかし備え付けられたあの腕に足は、明らかに機械が発せられるものとは違う。まるで生身の手足であるかのように使いこなせている。

その覇気は、武道の達人にも届いた。

 

 

「大和無事か!? ………って橘さんに……揚羽さん!」

 

「楊志さんもいます!」

 

 

百代に由紀江が真っ先に到着した。遅れて岳人に翔一、残りの風間ファミリーたちも駆けつけてくれた。

到着した途端、誰もが息を呑む。橘天衣のまさに人間離れしたその姿に。

 

 

「………へぇ~。 面白い姿だね……でも私に掛かれば!」

 

「話を聞く限りでは貴様は技を模写できるようだな。 ならば、これは真似できるか?」

 

 

焦りを隠し、ニヤリと不適に微笑む楊志。

元とは言え武道四天王。天衣の技をパンツもろとも盗めると意気込んでいるのだ。

そんな彼女に負けず劣らず不適に微笑む天衣は。

 

 

 

 

 

手を、何と機関銃に変化させた。

 

 

 

 

「え………? あ、いやちょっと?」

 

 

 

 

まさかの重火器という反則もいいところの手段に一気に楊志が飛びのいた。

瞬間、彼女の足元に数発の弾丸が打ち込まれている。しかもその威力は一発一発が爆風を起こせるほどにまで。

重火器なんて持っていない以上さすがの楊志もコピーできるはずがなく、ただ天衣に追い掛け回されている。

 

 

「揚羽さん、あれは…………」

 

「戦場で四肢を失った兵士のためのツールだ。 天衣は気を組み合わせることで脅威の能力を手に入れたのだ」

 

 

確かにそれならばエリート揃いの九鬼家従者部隊でも一ケタ台の者が見張るほどの警戒レベルである。

事実あっという間に多馬川の土手は黒焦げになっている。

天衣もなるべく住民に影響が及ばないように狙って撃っている辺り、さすが元四天王と元軍人と言ったところか。

 

 

「くっ、付き合ってられな………」

 

「逃がすかぁ! 私の下着を返せ!!」

 

 

破壊力満点の重火器は、双剣を武器にしている楊志には相性が悪い。

おまけに飛び道具対策となる技は持っていないため、ここは逃げるしかなかった。当然そんな彼女のを見逃すはずも無く、天衣は一瞬にして回り込む。

まさに西のスピードクイーンと呼ばれるだけの速度だった。

 

 

「せやぁっ!!」

 

「ぐ!」

 

 

鋭い蹴りが、楊志を吹き飛ばした。

機械化している足は硬度もあり、そしてそれを気でコーティングしていることにより破壊力がアップしている。

吹き飛ばされつつ、態勢を立て直そうとする楊志。その頭上には。

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

辰子の掌が、迫っていた。

 

 

「ぎゃぁ!!」

 

 

さすがに避けきれるわけがなく、猛烈なそのパワーの前に叩き付けられた。

地面に埋め込んでしまった楊志は気絶したようで起き上がってこない。

近寄った京達が、試しに突くなどしてそれを確かめる。敵が倒れたことを知るや否や辰子は殺気を納め、元ののんびりとした表情に戻る。

 

 

「板垣辰子………さすが釈迦堂さんの弟子ね」

 

「凄まじいパワーだな……それで気絶しているだけの楊志もさすがだが」

 

 

端から見ていた一子とクリスも圧巻だった。

一撃で相手を静めるそのパワー。力だけならまさに川神百代以上だろう。

 

 

「ふぅ………天ちゃん達の仇、改めてとった」

 

「ま、まだ根に持ってたんだね辰子さん………」

 

「今回は大和君傷つけようとしたのが許せなかったけどね」

 

 

辰子が大体リミッターを外すきっかけはそれにある。

本当に惚れているのだと改めて認識せざるを得ない一同。それだけに京を始めとする女性陣が嫉妬の炎を燃え上がらせていたが。

 

 

「おっと。 私そろそろ帰らないと」

 

「ありがとう辰子さん。 助かったよ」

 

「大和君のためだったら何でもするよ。 また呼んでね~」

 

 

そのまま辰子は姉妹達に食事を作るため戻っていった。

改めてあんなのんびり屋さんのどこにそんな凄まじいパワーがあるのかが気になる。

 

 

「っていうか橘さんもスゲーな!」

 

「確かに………重火器をバンバン使っちゃうんだから……」

 

「つーかこれ大丈夫なのか?」

 

「なぁに、そこら辺は九鬼、もしくは梁山泊が責任とってくれるだろ」

 

 

男性陣は普段常人離れした百代を初めとした武士娘達ともう長い付き合いになる。

いよいよ常識人である忠勝もなれてしまったようだ。

責任を問われた際、揚羽は「ふむ」と唸る。

 

 

「今回の一件は九鬼の監視至らずにある。 よって修理補修等は九鬼が請け負おう」

 

「さすが揚羽さん。 寛大な処置です」

 

「ふん、お前のその持ち上げ方は小十郎よりも上手いな。 フハハ!」

 

 

機嫌を損ねないように大和がフォローに入った。

どうやら揚羽は大和を賢しい男と認識しながらも認めてくれたようだ。

 

 

「ああああああああああ!!!」

 

「? どうしたんですか橘さん」

 

「も、百代か………久しぶりだな……ってそれより!!」

 

 

その時、大団円を迎えようとした一堂の耳につく痛烈な叫びが。

百代が慌てて駆け寄るとそこには涙目になった天衣がいる。彼女は目を潤ませながら何やら薄汚い布切れを見せ付ける。

 

 

「わ、私の下着が………下着がぁぁぁ……」

 

「あー。 重火器の撃ちすぎでボロボロですね」

 

「やれやれ。 本末転倒、だなこれは」

 

 

どうやら弾丸の高火力の所為で盗まれた天衣の下着がボロボロになってしまったようだ。

元々楊志との交戦は下着を取り返すためだったというのに、本当についていない。

この運の悪さは改めて目にした大和達は勿論、他の面々も同情してしてしまうものだった。

 

 

「気の毒だが下着一枚で泣き喚くな」

 

「………今着ているものが最後の一枚なんだ」

 

「金がないなら働けばよかろう」

 

「そう思ったが………大体求人終わっている……」

 

 

もういっその事九鬼が何かしら仕事を宛がおうとしたが、揚羽では彼女に適する職が思いつかないようだ。

天衣ははぁ、とため息をつくと立ち上がる。

 

 

「ちょ、橘さん? どこに行くんですか?」

 

「マイテントだ。 ………もうここに留まる意味も無いしな……」

 

 

百代が心配して駆け寄るが、無用と言い張るように手で制しながら、ふらふらと歩みだしていった。

今にも躓きそうなその足取りを見ていられない百代と揚羽、そして大和。

大和からすれば、百代のように拳で語り合うほどの親密さは無い。今日あったばかりだ。それでも大切な姉貴分の知人をそのままにすると言うのは気が引ける。

 

 

「あの揚羽さん。 僭越ながら少し」

 

「おう、この際だ。 言ってみろ直江」

 

「橘さんのプロフィール、よければ教えてくれませんか」

 

 

何より知り合ったばかりとは言え、女性をそのままにしておくのは少々後味が悪い。

大和は九鬼揚羽とも繋がりを持てるチャンスでもあると踏み、とりあえず揚羽から教えてもらえるだけの情報を提供された。

それを見てふむ、と一つ唸った後。

 

 

「これでしたら、橘さんの再就職先に相応しい場所があるんですが―――――」

 

 

聞けば橘天衣は人物として優秀であったと言う。身体能力はもちろんのこと、その不運による暗くなった性格さえ除けば九鬼が監視するだけの人材。

そして何より日常に「癒し」を求めるその性格。適する場所がある。大和の提案に風間ファミリーの面々は勿論、揚羽も唸るのだった。

 

 

「よし、我に任せておけ!」

 

「私からもジジイに話を通しておこう。 橘さん、就職先決定しましたよ」

 

「え? あ、ありがとう………」

 

 

揚羽や百代も協力してくれる。この二人が動いてくれるならば何の問題もないだろう。

新しい働き口を得られたことが信じられなかったのか、呆けながらも天衣は礼を述べた。後は彼女達に話を纏めさせるだけ。

その間、大和たちにはやらなければならないことがある。

 

 

「で、どうすんだコレ」

 

 

忠勝の指先には地面に埋まった楊志がいる。

彼らの依頼は下着泥棒である楊志を捕らえ、盗まれたパンツを取り返すことにある。

 

 

「後で起こして隠し場所を吐かせよう。 と、その前に」

 

「島津寮だな。 ワン子負ぶってくれ」

 

「シャーラッ!」

 

 

翔一の命令に従った一子が、気絶した楊志を負ぶさる。

そのまま一同は島津寮に戻っていった。

島津寮からは何やらいい香りがする。戻ってみるとクラウディオが料理を用意してくれていたのだった。

 

 

「楊志! 大丈夫か!?」

 

「うっわー。 痛そうだな~」

 

「ニヤけた顔をしているでしょう? 気絶してるんだぜソレ」

 

 

よく見てみると、楊志の顔はとても幸せそうだった。

恐らく脳内ではパンツに囲まれている夢でも見ているのだろう。とことん変態チックなのだと大和達は呆れる。

やがて頬をペチペチされていると、楊志はその目を覚ました。

 

 

「…………んん……リン……パンツ………」

 

「起き抜けの第一声がそれか! でも、良かった……」

 

「だな。 噂じゃガトリングまで出たっていうしよぉ」

 

 

ようやく目を覚ました楊志は真っ先に林沖の下着に手を伸ばそうとした。慌てて股を押さえる林沖だったが、大事無いようで安心している。

史進も口調はどうあれ表情から察するに喜んでいた。

 

 

「………改めて皆さん、この度は申し訳ない!」

 

「ごめんねー。 ちょっと欲望が働きすぎた」

 

「ちょっとどころじゃねぇだろ!」

 

 

林沖が、まるで代表するかのように謝罪してきた。あくまで仲間を守ろうとしているらしい。

一方で楊志や史進はコントまがいの会話をしており、誠意があるのかどうか甚だ疑問ではあるところだが。

ただ、林沖からは必死に謝罪しようと言う姿勢が見て取れる。実際戦闘になったものの、一般人の誰かを傷つけようとしたわけではない。

 

 

「………………」

 

 

改めて冷静に振り返る。

戦闘に持ち込んだ技も、彼らを吹き飛ばすだけのもので敵意こそあれど殺意は無かった。

それを踏まえるとどうしても非情な措置を取ることができない。

皆に相談しようと振り返ると、静かに頷いている。処遇は大和に委ねるつもりらしい。

 

 

「……それじゃ楊志さん。 今まで盗んだ下着を今すぐ川神学園に返すんだ」

 

「……はぁい」

 

 

渋々であったものの、楊志はさすがに抗う意思は見られず返却を約束した。

と、思いきや腰に提げている袋を差し出す。どうやらその中に盗んだ下着を詰め込んでいるらしい。

颯爽と受け取ろうとした岳人であったが、クリスに奪われる。

 

 

「これは自分が返却しておこう」

 

「頼むよクリス」

 

 

岳人に渡してしまったら何をされるか分からないと踏んだのだろう。

項垂れる岳人だったが、彼以外の誰もが納得している。

 

 

「で、これからどうするのお三方?」

 

「それにつきましては私からご説明を申し上げます」

 

 

今まで彼女達の監視兼料理を用意してくれたクラウディオが前に出る。

ヒュームは既に帰ってしまったようで、この寮に残っているのは彼一人なのだと言う。

それでも「簡単なことでございます」という彼の自信から現れるとおり、彼女達を逃がさないことくらい容易だと言っている。

 

 

「彼女達、梁山泊を九鬼家に誘いましたが断られました」

 

「私達にとって、梁山泊は生まれ育ってきた“家”だ。 手放すことは出来ない」

 

 

林沖はしんみりと語った。

実際傭兵集団と言ってもまだ殺人などを犯したわけでもないため、そこまで梁山泊を嫌う理由が無いというのも理由の一つらしい。

これでは強く推せないのも仕方が無いだろう。

 

 

「とは言え、私達も有り金には限度がある」

 

「そこで代替案をご提案しました。 直江大和様、ご協力をお願いします」

 

 

どうやら彼女達が日本でやっていけるための提案があるらしい。

それには大和の協力が必要不可欠なのだという。

察しのいい大和はここでおおよその見当はついた。改めて執事から聞かされた提案に、快くOKを出す大和達なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――というワケで、転入生三人と研修生一人を紹介するぞい」

 

 

川神学園朝礼。

壇上ではマイク無しで鉄心がそんな事をのたまって来た。

つい数ヶ月前には九鬼紋白を始めとする九鬼家関係者がズラリとやってきたばかりだというのにこのタイミングで新たな新入生と教師とは珍しい。

騒然としている中、四人の女性が壇上に上がった。

 

 

「転入生は3-Fに一人、2-Fに二人。 中国から来た留学生じゃよ」

 

 

鉄心がそういい終えると変わるようにして三人の美女が並び立つ。

まず始めにマイクを手に取ったのは、彼女達の中でも最も背丈が高いスラリとした美人。

 

 

『え、えーと。 3-Fに入ることになりました……り、林沖です。 よろしく……』

 

『わっちは史進。 2-Fに入ることになったからよろしくな』

 

『同じく楊志。 私も2-Fだよ。 仲良くしてパンツ頂戴ね』

 

 

一部が騒然となった。

それは2-Fと2-S。何せフランクが呼び寄せたドイツ軍との戦いに参加してくれた彼らは梁山泊の介入も知っているからだ。

とは言え「昨日の敵は今日の友」という諺があるように、ややあって沈静化した。

 

 

「三人とも家の都合でしばらくこの川神に留まることになった。 既に見たこともある者もいるようじゃが、理解してやってくれい」

 

 

鉄心からの事情説明があった。嘘は言っていない。

クラウディオからの提案、それはこの川神市に留まり、川神学園でしばらく過ごしてみないかというものだった。

傭兵集団である彼女達を抑制するには、大勢の中に放り込んでおくのが一番と判断したのだろう。

 

 

「そして次は研修生の教師じゃ。 何かと暗いがの、仲良くしてやってくれ」

 

 

今度は替わって、美人の女性が現れた。

一部の男達が「おお」と声を上げる。その一方で、一部の者達が驚いた。

何せ元は有名人なのだから。彼女の名は。

 

 

『た、橘天衣だ。 元自衛隊に属していた経験を使って体育を教えていく』

 

 

そう、天衣だった。これが大和からの提案だった。

日常に癒しを求める。つまりそれだけ可愛がりたい存在が欲しいという事。故に川神学園ならば生徒達と触れ合える機会が多くなると判断したのだ。

揚羽や百代も納得し、掛け合ってくれた。川神学園としても実力者が増えるのは歓迎のようで快く受け入れてくれた。

 

 

「以上じゃ。 では四人とも、川神学園での生活を堪能してくれ」

 

 

鉄心のその一言で、朝礼は解散となった―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ようこそ梁山泊&橘天衣就職を祝って!」

 

『『『『かんぱーい!!』』』』

 

 

騒然となった川神学園の一日が終わり、島津寮ではパーティーが開かれていた。

翔一の一言によって各々がジュースの入ったグラスを掲げる。

顔が広い大和の活躍で、梁山泊の三名も積極的に受け入れられるようになった。大きな理由として梁山泊の誰もがクラスメートを傷つけなかったことにある。

 

 

「しかし私まで祝って貰っていいのか………」

 

「良いんですよ橘さん。 折角だし飲みましょうよ」

 

「はい。 辛気臭くしてたらダメですよ」

『お姉さんの飲みっぷり……見せてくれや』

 

 

天衣は少々戸惑っていた。だがそこに百代と由紀江がお酌してくれる。

彼女達の柔らかい対応に諭され、とりあえず天衣も気が楽になった。さすがに川神水をぶち込むと大変な事になりそうなので、ここでは自重しておく。

しばらくグラスや料理を片手に会話を楽しんでいると岳人が急な質問を。

 

 

「そう言えば結局皆どこで寝泊りするんだよ?」

 

「それだが、私達は川神院で寝泊りすることになった」

 

「じーちゃん達も修行を手伝えばOKだって」

 

 

昨日は九鬼のホテルで寝泊りしたが、梁山泊はどうやら川神院のお世話になるようだ。

一子曰く、寺の年中行事や修行の手伝いを行えば衣食住を提供してくれるとのことらしい。しかも元々潤っている寺なので金は要らないとのことだ。

後はバイトをしながら生計を立てていくのだという。

 

 

「じゃぁ橘さんは?」

 

「私は揚羽が話を通してくれてな………この寮に住む事になった」

 

「ここにいればキャップの運気で相殺されるしね」

 

 

これも大和の提案によるものだった。風間翔一は豪運の持ち主、そして彼らが長年住んでいるこの寮は彼の運気を身に纏っていると聞いた。

試しに彼女を置いてみたが見事に何も起こらない。ならば生活の基盤をここにするべきだろう。

 

 

「直江………いや大和。 お前には感謝している」

 

「いえいえ。 俺は別にたいしたことはしていませんよ橘さん」

 

「………それなのだが、私のことは『お姉さん』と呼んでくれないだろうか」

 

 

ここで精神面に余裕が出てきたのか天衣のカミングアウト。

思わず噴出しそうになったのは大和だけにあらず。百代もそうである。

 

 

「残念でしたぁ! お姉ちゃんキャラは私がいるのでしたぁ!」

 

「後、松永先輩もね」

 

「京そういう事を言うなァ!」

 

 

既にお姉ちゃんキャラが二人も確立している。しかも、それぞれがタイプ違う。

ならば新たなタイプがいてもいいかもしれない。それに天衣の目は求めていた。

どうやら大和にも癒しを求めているらしい。このぐらいならばお安い御用と大和が親しみを込めて。

 

 

「それじゃ………橘のお姉さん」

 

「………おおおおお」

 

「あー感激してるぅー! 大和、お前のお姉ちゃんは私だからなッ!」

 

 

舎弟を取られまいと百代が彼の頭を抱き、威嚇する。

しかし天衣は甘い響きに魅了されたらしく、感動していた。恐らく彼女への呼称は一生改めることはないだろう。

 

 

「食事中だというのに騒がしい奴らだな」

 

「全くだ」

 

「……っていいながら源だっけ? アンタも楽しんでるっぽいじゃん」

 

「ケッ、事実だから悪いかボケ」

 

 

顔を赤らめながらも少し素直になってきたらしい。

史進のからかいにもそう答えた。彼も本当は、友達と遊びたかったのだろう。

からかえた史進はニマニマした顔でグラスを傾ける。それにしても制服姿の梁山泊は新鮮すぎる光景だ。

 

 

「っていうか史進。 お前なんか制服着てっと体格が違うような」

 

「な、何の事かわかんないな~♪」

 

「史進は胸パッド女」

 

 

岳人が違和感に気付く。

何かのボリュームが違うのだ。その答えをあっさりばらしたのは楊志だ。

無言で頷く岳人だったが、史進は一向に下手な口笛で誤魔化している。

 

 

「学校生活……絶対に馴染んで夢のパンツ生活を!」

 

「大和、あれ大丈夫なのか………」

 

「何かあったらヒュームさんやら学長やら制裁に来るらしいから大丈夫」

 

 

パンツを求める変態、楊志も学校生活に馴染もうとしていた。ただし不穏な意味で。

さすがにクリスも心配しているが、あの最強の老人達の監視がある以上無茶はしないだろう。と願っている大和がいた。

 

 

「でも三人がFクラスに入ってくるとは思わなかったな」

 

「わっちらの知り合いがいるクラスだからね、仕方ないさ」

 

「顔馴染みがいるクラスのほうがやりやすいだろう」

 

 

Fクラスに編入させたのも大和の指示によるものだった。

形はどうあれほとぼりが冷めるまでこの国で過ごし、学園生活を送るのだ。馴染めないままの学園生活は苦しすぎるにも程がある。

それを考慮しての判断だった。

 

 

「私としても知り合いがいる分やりやすい。 感謝している」

 

「ま、いざとなれば決闘だっけ? それで暴れたらいいししばらく楽しませて貰うさ」

 

「私もリン達のパンツで我慢するよ」

 

 

約一名不安要素がいるが、この学園で過ごしていくことを決めたようだ。

クラスの面々も最初は訝しんでいたが、仲良くしてくれそうなので一先ず安心する。

 

 

「橘のお姉さんもどう? 学校では上手くやれそう?」

 

「ああ。 教師や生徒も色々接してくれているしな、最高の職場だ」

 

 

どうやらこちらも問題はなかったらしい。

鉄心達は予め事情を飲み込んでくれているだろうし、様々な個性が集う川神学園の生徒からすれば一人の不幸人くらいどうってことはなかった。

その非日常さが今回は功を奏したようだ。

 

 

「終わりよければ全て良しってな! クッキー、どんどん持って来い!」

 

「了解~」

 

「今日は祝いだ! どんどん作ってやるからね!」

 

 

島津寮に新たな住人が増えたことでクッキーも張り切ってくれていた。

次々と由紀江や麗子が作ってくれた豪華な料理を並べてくれる。勿論その中にはデザートも欠かしていない。

と、ここで見慣れないケーキを見つけたらしく由紀江が首をかしげている。

 

 

「あの、このケーキは何方が作られてんですか?」

 

「アタシじゃないよ」

 

 

麗子は真っ先に否定してみせる。

見た目だけ美しく、甘い香りが漂っている美味しそうなケーキ。だがそれを作ったのは由紀江でも、麗子でもないようだ。

一体誰なのか辺りを見回していると、ショートカットの少女が手を挙げる。

 

 

「えへん。 新参者歓迎ということで私が作ってみました」

 

『『『『!!?』』』』

 

 

瞬間に、空気が凍りついた。京だった。

彼女は大の辛党で世界一辛いカレーを悠々とお変わりするほどだ。罰ゲームで彼女が味付けをした料理を食した岳人は大変な事になっている。

当然そんな事実を知らない天衣達はケーキに手を伸ばす。

 

 

「おお……! これは美味しそうだ」

 

「うん、見た目も綺麗で香りもいい! ありがたく頂こう」

 

「やっぱりデザートは大事さね! 中国は甘いものにうるさいからなー」

 

「どれどれ………」

 

 

早速ケーキの切れ端を口に運ぼうとする面々。

やはり女の子らしく、甘いものが大好物らしい。

 

 

「おいちょっ!」

 

「ダメ! 死んじゃ………」

 

 

真っ青な顔で忠勝と一子が止めに入った。が、既に時遅し。ケーキはすっぽりと口の中に収まり、そして溶けていく。

やがて彼女達の顔色は赤色から青色、そして緑色に七色と化学変化を起こしていく。

 

 

「!!?!?」

 

「あがががああああああああっ!!!」

 

「なんじゃこりゃあああああああああああああ!!!」

 

「み、水水っ~~~~!!!」

 

 

あまりの辛さに気絶したり、床に沈み、のた打ち回り、そして水道に口をつけるもの。

色々な反応を見せたが、やはり彼女の法外な辛さを耐えられる者はいなかったようだ。

彼女の味付けならば、鉄心だろうがヒュームだろうがノックアウトできそうで怖い。

 

 

 

 

「これも青春の思い出の一つなのでした」

 

「何て世知辛ぇ青春なんだ………」

 

 

 

 

大和達は食してしまった彼女達に、胸で十字架を斬った。

―――――ドタバタはあったが、こうして川神学園に新しい仲間と教師が舞い込んできたのである。

 

 

 

 

 

続く




外国人の留学生とは仲良くして方がいいですよ。異国の色んな文化を学べたり教えたりして上げられますからね。
と、テンペストです。今回は梁山泊+橘天衣の登場でした。
梁山泊はあんないいキャラしているのにこのまま国に帰らせたら出しづらいじゃないかッ……!ってことで川神学園入りです。
ぶっちゃけSクラスにしようか迷いましたが、それだと強化されすぎてFの勝ち目無くなるしね。
そして皆大好き橘のお姉さんこと天衣さんも登場!教師になったことでこれからも出番が増えるかと。
さて幕間を後1,2話挟んで今度は京編に行きたいと思います。どうかお楽しみに!
感想ご意見、お待ちしております~!
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