真剣で私に恋しなさい!X   作:テンペスト

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第九話 襲撃

川神一子が憧れる姉、川神百代から決闘を受けいれての翌日。

多馬川の土手で一子はランニングを行っていた。町内一周のタイムを計測しているのは大和である。

彼は一子に誘われてトレーニングに付き合っていた。

 

 

「ダーッシュ!!」

 

「ほい到着。 お、記録更新だな」

 

 

一子が凄まじい速さでゴールまで一直線。

砂煙を巻き上げながらも大和はストップウォッチでしっかりタイムを計測した。

彼女は武士娘の中でもスピードが自慢の切り込み隊長。故に速度を重視した特訓をしている。

 

 

「お疲れさん。 ほいスポーツドリンク」

 

「ありがとう大和~」

 

 

大和は用意していたクーラーボックスからキンキンに冷えたスポーツ飲料を手渡した。

水分補給を迅速に、的確に行えるこの飲み物は多くのスポーツマンが愛用する一品。

今度行われる試合のサポーターとして大和は徹底的な手助けを行っていた。

 

 

「少し休憩したらトレーニング再開だな」

 

「えー。 アタシはすぐに……」

 

「万が一怪我でもしたらダメだろが。 試合もトレーニングも100%の力が出せるようにしろ」

 

 

厳しい指摘に一子も黙るしかなかった。これは日々、敬愛するルー師範代にも言われ続けてきたことだ。

大和は武道家ではないが、トレーニングに関しては勉強と同じ。

闇雲にやるより、効率よくやれば能力が上がるものだ。そして普段やっているという前提で疲れが残らないように、ベストの体調で臨む。

 

 

「ほれ汗も拭いておけ」

 

「うん、ありがと!」

 

 

汗で身体を冷やさないように大和は清潔なタオルも渡す。

輝く汗をふき取る一子の姿は大和に一瞬、美しく見えた。

 

 

「一子殿……可憐です!」

 

「まぁ俺もそう思うけど……って九鬼!?」

 

 

隣から不意に聞こえた声に同調してしまう。

慌てて振り返るとそこには2-Sのクラス委員長、そして九鬼財閥の御曹司九鬼英雄がそこにいた。

勿論傍には専属の従者である忍足あずみが控えている。

 

 

「わわわっ! く、九鬼クン!」

 

「一子殿! 川神院で姉と試合するという情報を聞きつけ、駆けつけましたぞ!」

 

 

九鬼英雄は、川神一子に惚れている。

あのテンションが高く、天上天下唯我独尊――――というほど傲慢でもない大物だが――――のように王者の風格を出す男が。

 

 

「しかし我はトレーニングの邪魔をするつもりはありません。 今日は激励に来ました!」

 

「激励って……」

 

「本来なら試合当日に顔を出したかったのですが、我はその日の午後まで大阪の会議に顔を出さなければなりませんので」

 

 

そのために今日、わざわざ時間を割いてまで激励のメッセージを出しに来たのだという。

大和はつくづく尽くす男だと感心する。

 

 

「しかし我に出来ることであれば何でも遠慮なくお申し付けください!」

 

「あ、ありがと」

 

「さてこれ以上我がいることはトレーニングの邪魔になるでしょうから撤収します。 どうかご武運を、一子殿ぉ!!」

 

 

激励の言葉と共に英雄は背後にあった人力車に乗り込む。

そしてメイドのあずみがその人力車を豪快に走らせていった。彼らは毎朝あの人力車で登校しているのだ。

一見やりすぎかもしれないが、部下のあずみは凄まじく幸せそうなのである。

 

 

「あ、相変わらず騒がしいわね……」

 

「ワン子とどっちが元気なんだろうな」

 

「多分九鬼クンねぇ」

 

 

さすがの一子もバイタリティでは負けると認めているようだ。

と言うよりあの人物が落ち込んでいる姿を見る日が来るのだろうか。――――あの姿では当分ないだろうなと二人は苦笑した。

 

 

「まぁお言葉に甘えて勇往邁進! トレーニング再開っ!!」

 

(ワン子も元気だな。 ……ってかここまで直に見守ったことってあんまり無かったっけ)

 

 

ふと大和は過去を振り返る。

一子だけではない、風間ファミリーの面々と過ごした大切な日々。無論新入りであるクリスや由紀江との想い出だって大切なものだ。

だがその中でも一子との記憶が一番深い。何せ大和が主導で調教してきたからだ。

 

 

「はっ、せっ、やぁぁぁっ!」

 

(……頑張れ、ワン子)

 

 

一子は愛用の薙刀を振り回す。ただ闇雲に振り回しているのではない。

敵が、あの川神百代が目の前にいることを仮想し、攻防のトレーニングを行っているのだ。

正拳を防ぐため薙刀を前に寄せ、反撃のために柄を押し出す。

この時点でも、見惚れてしまうような動きである。

 

 

「ふむ、中々激しい動きをするな」

 

「あんな動きをして大丈夫なのかと少々心配……ってヒュームさん!?」

 

 

今度は九鬼家従者部隊の切り札、最強執事の称号を持つヒューム・ヘルシングがそこにいた。

一子は持ち前の集中力で彼の登場すら感づいていない。

普段であれば挑む気力すら失せさせる覇気を持つ彼だが、一子を気遣ってかそんな危険な雰囲気は醸し出していない。

 

 

「安心しろ。 俺はただ様子を見に着ただけだ」

 

「……英雄の代わりにか?」

 

「英雄様の件もあるが……どちらかといえば個人的意味合いが強い」

 

 

意外だ、と大和は思った。

はっきり言えば一子とヒュームにはこれと言った接点が無い。

主である九鬼紋白の影響を多少受けている程度なのかもしれないが、トレーニングを見たいというほどの親密さは無いはず。

 

 

「鉄心が話題にしてきたからな、川神一子のことを」

 

「学長が……どうしてですか?」

 

「個人的な話だ」

 

 

何やら川神学園の学長こと川神鉄心が、ヒュームに話したらしい。

その時大和は「ワシの孫娘は可愛いんじゃよ」といった孫娘煩悩程度なのかとしか思えなかった。

事実はもっと残酷な話だったのだが、それをこの場、この時期に告げるほどヒュームは無神経でもなんでもない。

 

 

「ところであのワン子の動き……どう見ます?」

 

「俺から見ればどいつもこいつも赤子よ」

 

「いやそんなオール的な話じゃなくてですね」

 

「分かっている」

 

 

彼は常に若人に対して「赤子」呼ばわりしてくるので厳しさも一入である。

 

 

「動きは確かに素早いな。 だが持ち前のスピードを活かしきれいない節がある」

 

「………」

 

「俺からは以上だな。 明日の試合……スピードが頼みの綱だろうな」

 

 

赤子、などと言う呼称が無くても十分厳しい意見だった。

これが格闘家の視点なのだろう、と大和は納得すると同時にやはり内心穏やかではない。

遠まわしにだが「明日の試合はほぼ見えている」とでも言っているかのようだ。

 

 

「……ワン子はずっと頑張ってきました」

 

「それは俺の目から見ても分かる。 努力を否定するほど、俺は非道ではない」

 

 

不良老人ではあるが、武道家として相手を卑下するような台詞は吐かないと確約する。

もしそんな人物であれば九鬼家の切り札となりえなかっただろう。

長年の経験だからこそ感じ取れるその言葉の重みに大和も無意識に頷いた。

 

 

「……さて、俺もそろそろ行くか」

 

「ヒュームさん?」

 

「明日、俺は紋様と共に川神を出ねばならん。 九鬼の監視もあるが、通り魔などに襲われんよう精々気をつけることだ」

 

 

それだけ言うとヒュームは瞬間移動の如く姿を消した。

九鬼英雄、並びに九鬼紋白両名はこの川神からいなくなる。つまり彼らの護衛のために茎の人材が割かれ、結果この川神の警備が薄くなるという事である。

仕方が無いことなのかもしれないが、大和は気をつけなければという心持になる。

 

 

「……あれ? 大和、さっき誰かいた?」

 

「何でもないよ」

 

 

余計な不安を与えるだけかもしれないと判断し、大和はそのままトレーニングに打ち込ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってなワケで今日一日だけ泊めてください!」

 

「ま、一日だけなら別にいいさね」

 

 

その後、夕刻になって一子は島津寮を訪れた。

理由としては明日の試合会場が川神院である以上、決戦場で寝ることはどうしても緊張に阻まれてしまうという武道家らしい理由だった。

広い心を持つ島津麗子は一日だけならと許容してくれた上に夕食も作ってくれることに。

 

 

「ワン子、今日は私の部屋で寝る?」

 

「うん! お願い京!」

 

 

事情を良く知っている京はすぐさま部屋に泊めることを薦めてくれた。

元からの相性がいい彼女に関しては、一子は何の疑問も抱くことなく受け入れる。

 

 

「で、どうなんだ犬。 自信の程は?」

 

「なきゃこんなトコにはいない! アタシの持てる限りを、全てぶつける!」

 

「その意気ですよ一子さん!」

 

 

クリスと由紀江も応援してくれている。

彼女達も川神院の、百代の強さは良く知っている。故に心配する一方で彼女の意気込みを高く評価していた。

 

 

「で、どうなんだ軍師? ワン子に勝算……ちゅうかいけそうか?」

 

「正直姉さんの狙いが分からない。 でも俺はワン子を信じるだけだ」

 

 

あのレベルになると大和の軍師としてのアドバイスはほぼ役に立たない。

それでも大和は一子のために出来る限りのサポートをしてきた。

後は彼女自身に掛かっている。彼女が自分をサポーターとして選んでくれたのなら、残る彼の役目は「信じること」のみ。

 

 

「そういや直江がサポーターだったな。 一子のこと、よろしく頼むぜ」

 

「頼まれた。 明日の試合まで絶対に怪我などさせない」

 

 

忠勝も試合と聞きつけ、一子を心配していた。

彼女に対しての心配は、並々ならぬ物を感じる。例え忠勝の頼みであろうと無かろうと、大和は一子のことを守るつもりでいる。

そう、件の通り魔が相手であろうとも。

 

 

「さぁ、今日は一子ちゃんのためにドカ盛りの鍋だよ!!」

 

「因みに麗子さん、ガクト呼ばないんスか?」

 

「分け前が減るだろうがッ!!」

 

 

豪快な彼女は息子に対しても厳しかった。

由紀江も味付け等を手伝ってくれたことにより、相当美味しい鍋となった。「ドカ盛り」と称されるだけ合って量も多く、育ち盛りの彼らには嬉しい夕食となった。

そして夕食を食べ終えてからの大和の自室。

 

 

「……ヤドン、カリン。 明日姉さんとワン子がガチ試合するんだぜ」

 

 

いつもの如く、溺愛しているヤドカリ達と戯れていた。

母親から贈られた大切な生き物――――最も彼らは二代目だが――――を、大和は入念に、大切に育てている。

 

 

「初めてなんだよな姉さんがあんなふうに持ち掛けるの。 俺としちゃ怖いくらい」

 

 

つんつん、と指先で殻を突く。

衝撃で僅かに揺れるその姿にすら大和は安らぎを覚えている。だがその一方で心は少々穏やかではなかった。

百代の真剣な表情、そしてヒュームの介入。何か言い知れぬ不安があった。

 

 

「でも俺は出来る限りのことを頑張るよ。 ワン子のメンタルケアとかさ」

 

 

そう言って大和は明日の準備を始めた。

明日は祝日にしていよいよ一子と百代の対決の日。医療班などは全て川神院が用意してくれているとのことなので大和が出来ることは精々飲み物などの用意程度だろう。

 

 

『直江、入るぞ』

 

「ゲンさん? いいよ」

 

 

忠勝の声がドアの外から聞こえる。

許可を出すと忠勝がいつもの通りケーキの箱を引っさげてやってきた。

 

 

「これ、一子にも食わせてやってくれ。 俺は見回りのバイトに行って来る」

 

「いってらっしゃいタッちゃん♪」

 

 

その後、大和はアルゼンチンバックブリーカーで背骨を責められた。

 

 

「あぐぐ……さすがゲンさん、容赦ない」

 

 

背骨を摩りながらも大和はケーキの箱を手に取った。

開けてみると明らかに貰っただけとは思えないラインナップ。ショートケーキ、チョコレートケーキ、モンブラン、ガナッシュ。

どうみても一子のために買い足してくれたもののようだ。

 

 

『大和、入るよ』

 

「ん? 今度は京か」

 

 

どこからか京の声が聞こえてくる。

背骨のダメージも抜けたので入室許可を出した。そして彼女は押入れから登場する。

 

 

「お前はどこから出てくるんだ」

 

「押入れから」

 

「そうじゃなくて……ってかどうなってるんだ」

 

「押入れの壁をどんでん返しにしてみた」

 

 

大変な事にこの島津寮は一人の女の愛によって忍者屋敷に改造されつつあった。

 

 

「麗子さんに知られたら怒られるぞ……」

 

「それはさて置きちょっと話したいことがあって」

 

「さて置いていいことでもないぞ……ってかワン子どうした? お前の部屋で寝るんだろ」

 

「今はまゆっちとクリスが話し相手になってる」

 

 

どうやらそのガールズトークを抜け出すくらいに真剣な話があるらしい。

いつものように告白でもするのか、と思ったがそうでもないようだ。

何故なら彼女の顔に少しだけ切なさが浮かんでいる。

 

 

「京……」

 

「ごめん大和。 でも、ワン子が余りにも自分の夢に向かって話しているから」

 

 

その物言いに大和は一種の違和感さえ覚えた。

普通友人の将来の夢という話は盛り上がりそうなもの。一子の場合川神院師範代になることだ。

昔から聞かされているため呆れているのかと思ったが、そんな事ではないらしい。

 

 

「……京、どうしたんだ? 辛そうな顔をして」

 

「……今になってこんな事を、大和に言うのは場違いって分かってる。 でも……」

 

 

何か京には不安があるらしい。それも普段冷静な(大和の件除く)彼女の心が乱されるほどの。

その目には明らかに痛みを伴っていた。

喧嘩したとかそんな雰囲気ではない。では一体何なのか。

 

 

「……京、教えてくれ。 お前は何を感じ取った?」

 

「大和……落ち着いて聞いてくれる?」

 

「内容による」

 

「これは私なりの意見だけど、落ち着いてくれなきゃ困る」

 

 

京の瞳は真剣そのものだった。

大和のことに関しては彼女は最も真剣だが、友人関係に関しても彼女は真剣になれる。

故に冗談の類等ではない、大和はそう感じた、

 

 

「……話してくれ」

 

「分かった。 あのね……」

 

 

京は周囲に誰もいないことを確認してから大和に耳打ちした。

そこから伝わってきたのは―――――残酷な意見だった。

 

 

「―――――……な?!」

 

「これは私の意見。 もしかしたら違うかもしれない……いや、違って欲しい」

 

 

京は寧ろ後者であることを願っていた。

友人として、何よりも強く願っていた。だから大和はそんな事を言われても、彼女に強く問い詰めることが出来なかった。

 

 

「だから、それを見極めるためにモモ先輩は試合を申し込んだんじゃないかなって思う」

 

「…………そうか」

 

 

そう言われれば、大和は納得した。

この時期になって急に百代が勝負を申し込んだこと、そして彼女のあの真剣な表情、更にヒュームの登場。

辻褄が合ってしまった。

 

 

「ごめんね大和……でも……」

 

「いや、いい。 でもな、俺はそんなこと無いって信じる」

 

 

大和は頭の中の不安を取り払おうとした。

先程から言い知れぬ不安の正体を悟った今、それは簡単に振り切れるものではなかった。

だがここで自分が不安に駆られてどうするのか。彼女のサポーターとなってのは自分なのだ。ならばその不安を悟らせないようにするのが役目だ。

 

 

「……ごめんね」

 

「謝るなって。 明日、ワン子がそれを証明してくれるからよ」

 

 

優しい口調で、まるで頭を撫でるかのように大和は言った。

普段は冷静に振舞っているものの、京だって女の子。弱いところを見せたくなることもある。

大和はそんな彼女を何一つ責めることなく、そのまま優しく接し続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――次の日、快晴だった。

 

 

「よーっし! 準備完了!」

 

 

正午を向かえ、昼食も取り終えた一子は靴紐を結び、しっかりと立った。

体操服にブルマと、最も馴染んだ戦闘装束。手には愛用の薙刀を握り締めている。

傍には大和も控えている。

 

 

「一子さん、頑張ってください!」

 

「一切油断しちゃダメ。 冷静にね、ワン子」

 

「自分も応援しているぞ!」

 

 

玄関には武士娘三人が盛大に応援してくれていた。

川神院までついて行くと言う手もあったが、サポーターはあくまで大和一人だけ。過度な応援は彼女の集中力を邪魔するかもしれないと踏んだためだ。

 

 

「結果はいち早く教えてくれよな! 頑張れワン子!」

 

「……一子、ファイトだ」

 

「頑張るのだ。 そして全てを出し切れ!」

 

 

更には男性陣も駆けつけてくれる。

翔一のみならず、忠勝も、そしてクッキー第二形態も。

これだけの面々を見て大和は本当に愛されているなと感じる。

 

 

「おっと、岳人やモロからもメール。 どちらも『頑張れ』だってよ」

 

「あはは。 後でお礼のメールを打たないとね」

 

 

二人はそれぞれ用事もあるのでメールだけの応援となったが、それでもこうして温かさが伝わってくる。

それが一子の力になるような気がした。

 

 

「んじゃそろそろ行こうぜワン子」

 

「うん! それじゃ行って来まーす!!」

 

 

皆の声援を受け、川神一子は島津寮を出た。

天から降り注ぐ日光を存分に浴び、二人は川神院まで続く多馬川の土手を歩く。

土手には涼しい風が吹き込んでいた。

 

 

「絶好の決闘日和ね!」

 

「ワン子どうだ? 体調の方は」

 

「問題なーし!」

 

 

断言ぶりから体調はすこぶるいいようだ。

無論ここまで体調を仕上げたのはサポーターである大和の功績が大きいものだが。

 

 

「大和、特等席で見ていてね!」

 

「ああ、しっかり焼き付けさせて貰うよ」

 

 

一子の笑顔は堂々としたものだった。

全く恐れを知らないその真っ直ぐな瞳に大和は過去、どれだけの元気を貰ったことだろうか。

それを見せられるや否や、前日京に告げられた内容を跳ね除けてしまう。

これだけの自信を持つ彼女のどこに、そんな不安要素があろうか。

 

 

「あ、ちょっと曇ってきたわね」

 

 

その時、彼らの真上に厚い雲が覆った。

あっという間に陰りが差し、辺りを暗くする。先程までの快晴が嘘のようだった。

 

 

「でも大丈夫、雨は降らないわ。 クンクン」

 

「お前匂いで分かるんだったな」

 

 

鼻をヒクヒクと動かし一子が言い当てた。

彼女の感覚はある意味で獣染みている。こういった要素も勝負に影響するのではないだろうか、大和はそんな観測的希望を抱いた時だった。

目の前、つい数瞬前までにはいなかったはずの男が立っている。

 

 

 

 

「ちょい、兄ちゃん達いいかい?」

 

 

 

 

男はやたら逆立つ黒髪を持っていた。そして派手なイヤリングに顔ピアス、顔に刻み込まれたタトゥー、そして黒いジャンバー。

今まで集めた情報が、大和の中で急に警鐘を鳴らした。

 

 

「な、何ですか……?」

 

 

一子を背後に控えさせて、大和が前に立った。

万が一の事態に備えての体制だった。

 

 

「この辺でよ、川神百代の妹ってぇのを探してんだけどよ。 知らねぇ?」

 

「え? あ、アタシ……?」

 

 

思わず一子が反応を示してしまう。

川神百代の妹、という代名詞を出されれば反応してしまうのも無理も無い。

男も思わず面食らったような顔つきになる。

 

 

「ほへ? アンタが……そうかそうかぁ……確かに写真の通り間抜け面だァ」

 

 

ジャンバーの内ポケットから数枚の写真を取り出した。

何を確認しているのか分からないが、物言いから恐らくあの中に一子の写真があるのだろう。

そして、彼女を馬鹿にする発言を一つ。

 

 

「なっ……何よ! いきなり!!」

 

「いやぁ悪ぃ悪ぃ。 だってよ、川神って強ぇの多いからよ、それに比べたらなぁって」

 

 

明らかに相手を侮っている発言だ。

言葉を発する度に体中につけている装飾が音を立てる。

特徴、ガラの悪さ、そして相手の発言。大和はほぼ確信を持った。

 

 

「斑目風牙……か?」

 

「お! いよいよ俺様の名も売れてきたかァ……へへ、いいもんだァ」

 

 

否定しないどころか肯定してきた。

一気に大和が一子を背後に下がらせる、が逆に一子に下がらされてしまった。

武力に関しては一子の方が上であり、何より大切な人を傷つけさせないという一子の想いからだった。

 

 

「これも俺様の実力とこのファッションセンスのおかげだなァ!!」

 

「ふぁっしょん……?」

 

 

目をパチクリとさせる一子。

そんな彼女に風牙は自らの服装を指差しながら踊り始める。

 

 

「そう! 見ろこの髪形、ジャンバー、ズボン、ピアス、イアリング、タトゥーにカフスボタンそしてそしてブーツ!! ド派手だろ美しいだろォ!!」

 

「………ダサ」

 

 

どうやらこの男は飾りに飾りをつけて「ファッション」と言う物を誤解しているようだった。

よくよく見てみるとタトゥーといいピアスといい、装飾、服装は全て何年か前に流行したものの数々である。

しかし当然そんな寄せ集めのファッションが心に響くはずも無い。

 

 

「ン……だと小娘ェ!!? この各年代で流行ったファッションの髄を集めたこの格好のどこが! ど・こ・が!! ダサいってんだァ!?」

 

 

一方で自己主張が激しく、自分のことを馬鹿にされると許せないタチのようで一子の発言で一気に怒りに火がついたようだ。

 

 

「で、一体アタシに何の用?」

 

「フーッ……フーッ……決まってんじゃねぇか。 くたばって貰いにきたのよ!」

 

「どうして!!」

 

「俺にゃ“名声”が必要なんだよ! 川神院の娘を倒したとありゃ有名になれるだろうが!」

 

 

確かに世界に名立たる武道の総本山、川神院の名を冠する一子を倒せば名声は高まるだろう。

だがその理由は何とも身勝手、とも感じ取れる。

明らかにその物言いからして欲望が絡んでいる。つまり自分のためだけに多くの人物を傷つけてきたことに他ならない。

 

 

「待て、ここで暴れたら九鬼がどう動くか分からないぜ?」

 

「九鬼ィ? ああ、そこでくたばっているメイドのことかァ!?」

 

 

慌てて大和が風牙が指差すもの陰を調べる。

するとそこには忍足あずみが着ているものと同じメイド服を着込んだ従者、ステイシー・コナーと李静初(リー・ジンチュー)が倒れていていた。

 

 

「お前……!」

 

「さぁもう問答はいいだろ、殺ろうぜぇ!!」

 

 

九鬼のメイド―――しかも戦闘要員―――のあの二人を倒すこの男の実力は計り知れない。

しかもこれから一子は大事な試合がある。絶対に汚させるわけには行かない。

大和は一子の手を引き、彼を避けるように移動した。

 

 

「今日ワン子はお前と付き合ってるヒマなんて無いんだよ!」

 

「んな事ァ知ったこっちゃねぇ!! とっと殺りやがれぇ!!!」

 

「ワン子! 付き合う必要は無い、川神院に急ぐぞ!」

 

 

九鬼のメイド達をアッサリと倒したこの男と真正面から戦わせるのは危険だ。

迂闊に戦闘を行えば無事ではすまなくなる。大和は急いで彼を避けようとした。

 

 

「テメェ………俺をおちょっくってんのかぁ!! 殺れっつったら殺りやがれぇ!!」

 

 

風牙はそこで足元に転がってあった石を拾い上げた。

掌サイズの小さな石、それを彼は鋭く蹴った。

まるで弾丸の如く、凄まじい勢いで石は飛んでいく。紛れもない、大和を狙って。

 

 

「―――――大和ッッッ!!!」

 

 

一子が素早く大和を押しのけ、薙刀を振るう。

速度に重点を置いたその鋭き一閃が飛来する礫を打ち落とした。まさか打ち落とせるとは思っていなかったらしい、風牙が「ほう」と目を細める。

 

 

「………アンタ、いい加減にしなさいよッ!!」

 

「ワン子! やめろ!!」

 

「でもコイツ、大和を傷つけようとした!! もう許せない!!!」

 

 

もう、川神一子は戦闘体制に入っていた。

先日は対戦してくれた相手を、そして今日は最も大切な人を傷つけようとした。戦士、川神一子にとってそれは最も許しがたいものだった。

彼女の目は今、斑目風牙その男を捉えている。

 

 

「いいねぇいいねぇ!! 今まで出会った中でトップクラスぅ!!」

 

(まずい、相手もやる気だ!!)

 

 

慌てて大和が携帯電話を取り出した。

正直この戦いは武人同士がやるものではない、明らかに不良達がやるストリートファイトと何ら変わりない。

そんな戦いに一子を巻き込むわけには行かないと大和は今川神院にいる百代に事情を説明しようとした。

 

 

「余計なことはすんなよ小僧ォ!!」

 

「う!?」

 

 

しかし相手は、風牙はあっという間に距離を詰めてきた。

まるで百代を思わせるかのような瞬間移動に近い移動。大和は携帯電話のボタンを押すことを忘れた。

 

 

「大和に手を出すなッ!!」

 

 

空かさず一子の鋭い、薙刀の突きが入る。

レプリカとは言え、本物と相違ない重量を持つその一撃を受けるわけには行かないと風牙は避けた。

しかも一子が反応できない速度で。

 

 

「ヒュー危ねぇ危ねぇ! お前も中々早いじゃねぇか!!」

 

(な、何あの速度……速さだけなら松永先輩クラス……!?)

 

 

武道四天王、松永燕は度々川神院に遊びに来る。

その際稽古として百代と戦うことがあった。その時のスピードは、それだけならば百代よりも上だと感じた。

斑目風牙は、そんな出鱈目な速度を持っている。

 

 

「けどよォ……俺はもっと速ぇんだぜぇ!!?」

 

「う、あっ!?」

 

 

また瞬時に距離を詰め、高速のキックを繰り出す。

勢いが載せられたその一撃は重く、一子は薙刀で防御したにも拘らず大きく吹き飛ばされた。

 

 

(ダメだ!! アイツ、噂以上のスピードだ!!)

 

 

スグルらなどが警告してくれた通り、その男の特徴は神速と歌われるその足。

先程から移動速度といい攻撃といい、全て足が絡んでいる。

ある一定の強さ、つまり武の頂きに位置する強さの基準として「壁を越えた者」という呼称が用いられるが、斑目風牙は足技ならば、その域に達している。

 

 

「どうしたどうした!!? 川神院はその程度なのかァ!! アァ!!?」

 

「っ………川神院を……舐めるんじゃ、ないわよぉ!!」

 

 

凄まじい蹴りのラッシュに翻弄されてしまう。

しかし一子は一瞬の隙を見抜き、薙刀を振り上げた。その一閃を、風牙は一歩足を引くことで避ける。

 

 

「お!?」

 

「川神流、蠍撃ち!!!」

 

 

避けさせたところに鋭い正拳突きを放つ。

クリーンヒットすれば立てるものはいないと言われる強力無比なその拳を。

 

 

「っぶねぇ!!」

 

「え!?」

 

 

風牙は足を使って防いだ。

凄まじい衝撃が一子の前で散らされる。

 

 

 

 

 

「………お前、川神の血筋じゃねぇだろ」

 

「! な………」

 

 

 

 

 

一子の正拳突きを受け止めた風牙は、そんな事を言ってきた。

否定しようとしたが、事実彼女は川神院の実の娘ではない。故に否定することが出来なかった。

 

 

「川神のモンだったらよ、あっこから確実に俺を仕留めてたぜ」

 

「ど、どうしてそんな事!」

 

「いえるさ。 俺百代の親と戦りあったんだからよ。 コテンパンにされたが」

 

 

その瞬間、一子の中に虚脱感が生まれた。

一種の絶望、と言ってもいいのかもしれない。この男は、負けたとは言え『川神』を知っている。そして自分はその『川神』ではない。

その事実を突きつけられて、一子の力が一瞬抜けてしまった。

 

 

「うらよぉっ!!」

 

「きゃぁっ!!」

「ワン子ッ!」

 

 

そのまま力で押され、一子は大和の足元まで地面を滑らされた。

百代との試合のために洗って貰った体操服はもうすっかり土で汚れてしまっていた。

 

 

「お前……才能無いわ。 武道の」

 

「な、何ですって……」

 

「だってよ、ここまで一方的だとそうとしか言えねーだろが無能」

 

 

 

挙句、武道の才能が無い。そんな先刻までされた。

罵倒の言葉と共に贈られたその言葉は、彼女の心を深く抉った。

 

 

「なーんだなんだ。 ニセモノかよォ………萎えるわー」

 

 

もう勝負は決まったといわんばかりにすっかり投げやりになる風牙。

それが、一子にとっては許せなかった。

血筋なんか関係ない、与えられたこの名前『川神一子』で夢に、川神院師範代を目指す。

昔から立ててきた彼女の信念が、それを許せなかった。

 

 

「う、うるさい!! アタシは………」

 

「まだやるってのかァ? ニ・セ・モ・ノ」

 

「偽者なんかじゃ……偽者なんかじゃなぁぁぁぁぁい!!!」

 

 

力の限り薙刀を掲げ、一子は突っ込んでいく。

しかしそれはどう見ても悪手であることが素人である大和にも分かる。声をかけようとしたその時には、一子は無数の蹴りを浴びせられていた。

 

 

「ボケボケボケボケボケボケボケボケボケボケボケボケェェェッ!!!」

 

「きゃああああああああああアっ!!」

 

 

まるでゲリラ雨のように、突如として襲い掛かる蹴りの嵐。

一子はなす統べなく、ただ顔を守ることぐらいしか出来ず無数の蹴りを身体に受け続けた。

相手の痛い罵倒を受けながら、何とか耐えようとする。

しかし風牙はここでサマーソルトを打ち込み、彼女を空中に放り出した。

 

 

「仕上げだ………砕け散れパチモンがァ!!!」

 

「ぁ………」

 

 

気がつけば、一子は地表から10メートル以上も浮かされていた。

ところが風牙はそれだけでは終わらず、同じくらい――――いやそれ以上高く飛翔していた。

膝頭を突き出し、一子に突っ込もうとしている。

 

 

 

 

 

 

「龍牙天槌!!! 死ねぇぇぇッ!!!」

 

「ワン子ぉぉぉぉ―――――っ!!」

 

 

 

 

 

飛び膝蹴りが更に強力になったような形だ。

あんな物を直に受けて、しかもそのまま地面まで叩きつけられれば内臓破裂は愚か即死は免れない。

大切な仲間を、一子を見殺しに差せ等しない。

大和はその一瞬、持ち前の頭脳をフル回転させた。

 

 

(……アイツは自尊心が高く、馬鹿にされるのを好まない!)

 

 

攻撃の目をこっちに向け、一子から逸らさせようとする。

そのために大和は今までのやり取りを振り返り、冷静に分析した。一瞬で一子を助ける方程式を立てたその瞬間、一気に実行に移す。

 

 

「やめろ!! このダサいファッションの塊! 今時そんな寄せ集めの流行グッズで人気が得られるとでも思ってんのかよこのキチガイ!!」

 

「大和!? やめて!!!」

 

 

精一杯の罵倒だった。

勿論、一子は瞬時に大和の狙いに気付く。やめさせようとしたが既に時遅し。

斑目風牙の顔には青筋が幾つも浮かんでいた。

 

 

「お前ファッション舐めてんのか!! 流行の服装を集めたからって良くなるわけねーだろ!! 寧ろダサいんだよ!! 気付けや馬鹿!!」

 

「上、等だ………こんのクズガキャァァァァァァァァッ!!!!!」

 

 

挑発成功。斑目風牙は攻撃対象を大和に切り替えた。

しかも勢いを逸らして大和に向けて突撃する。

慌てて回避行動に移ろうとした大和だったが、速度が違いすぎた。

 

 

「死ねぇ!! 龍牙天槌ィィィィッ!!!」

 

「が………」

 

 

気がつけば、膝が体にめり込んでいる。

大和は体の中で嫌な音が響くのを感じとった。だがその瞬間、風牙に向けて左手を解き放つ。

 

 

「ぐあ!? め、目潰しかァ!?」

 

 

それは大和が握っていた砂だった。

砂を存分に浴びてしまい、風がの目は閉ざされる。

そのため攻撃が中断され、大和はそのまま地面に叩きつけられるという最悪の事態は避けられた。

だがそれ以上にダメージが大きく、膝を突いてしまう。

 

 

「ぐ……はッ……」

 

「こ、このクソガキ………ん!?」

 

 

当然、風牙は怒る。

自分を侮辱した目の前の男に。開けぬ目を抱えたまま蹴りを食らわせようとする。

が、背後から風を切るかのような音が近づいてくる。

 

 

「大和から……大和からッ!! 離れてぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「ぐ………ぎゃぁ!!?」

 

 

一子だった。

彼女が繰り出すその強烈な薙刀の一振りを、目潰しされた風牙に避けられるはずもなかった。

わき腹にその強烈な一撃を貰い、吹き飛ばされる。

 

 

「大和!? 大和しっかりしてぇ!! 大和ぉ!!!」

 

「……ワン……子ガハッ!! ゲホゴホッ!!」

 

 

吹っ飛ばされる風牙を歯牙にもかけず、一子は倒れこんだ大和を抱え挙げる。

その時、彼の口からは大量の血が吐き出された。咳き込む度に吐き出されるその血の量に一子の血の気が引く。

 

 

「ごんの………グゾッダレがァ!! ………!?」

 

 

一方で、吹き飛ばされた風牙は起き上がった。

散々自分を馬鹿にした大和、そして自分にキツイ一撃を見舞った一子両名を殺しかねないほどの殺気で睨みつけている。

しかし、ようやく目から砂が消えた彼の視界には反対側か急いでくる三人の女子学生が。

 

 

「大和っ!!」

「犬! 無事か!?」

「誰かもう一人いますよ!」

 

(チッ! いずれもかなりの使い手っぽいな……面白くねぇ!!)

 

 

それは大和の要請に駆けつけてきた京、由紀江、クリスだった。

人数差、力量差で状況不利と見た。

そのまま足を跳ねさせ、あっという間にその場から消える。そんな彼に目をかけることもなく、三人の助っ人は大和の元に急ぐ。

 

 

「大和さん!? ひ、酷い血………一体どうして……」

 

「しっかり……しっかりして大和ぉ!!」

 

「大丈夫か!? しっかりしろ大和!!」

 

 

余りの大和の吐血の酷さに武士娘三人も血の気を引かせてしまう。

特に卓越した武人である由紀江の目から見ても、大和は危険な状態になりつつあった。

――――彼女達に解放されている大和を、一子はただ呆然と見つめることしか出来なかった。

 

 

「急いで病院に連れて行きましょう!」

 

「大和……大和!!」

 

 

由紀江がこれ以上容態を悪化させないように大和を担ぐ。

そして常人離れしたそのスピードで病院まで駆けていった。大和のことを命をかけて愛している京も同伴する。

後に残されたのはクリス、そして悲しみにくれる一子だった。

 

 

「犬! お前は大丈夫なのか!? ………おい………?」

 

 

クリスも、大和のことが心配だった。だが友として、一子のことを見捨てたくなかった。

だからここに残り、彼女の安否を気遣った。

しかし今の一子にはそれを気にする余裕は無い。地べたに四つんばいになり、目から涙を点々と落とす。

 

 

 

 

「やまと………やまとぉぉ…………」

 

 

 

 

深い絶望が、川神一子を包む。

彼女の脳内には、自責の言葉が駆け巡っている。

 

 

「アタシが……アタシの所為で……大和が……大和が………」

 

 

もっと追いついていれば、もっと考えていれば、もっと強ければ。

そんな言葉ばかりが、彼女の脳内に響いている。

脳裏にはずっと血を吐く愛しい人の姿がフラッシュバックされている。

 

 

 

 

 

 

 

「あ………ああ…………あああああぁぁあぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

少女の悲痛な叫び声は、この川神の空に消えていった。

 

 

 

 

続く




どうも、テンペストです。
今回のお話は書いている私自身も辛くなってきました。ワン子大好きですもん。
ホント一子ルートは泣けました。今回のお話もそんな感動に近づければと思って展開を用意してあります。
次回どうなってしまうのか。お楽しみに。
感想お待ちしております!
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