デクのヒーローアカデミア 再履修!【完結】 作:くろわっさん
国語的表現の間違いとか自分で読み返しても見つけられませんでした!
ついにかっちゃんとの直接対決の時が来た!僕はかっちゃんの猛攻になんとか耐えて、腹パンでかっちゃんを気絶させて勝利を掴んだ。
しかしかっちゃん、最後のあの爆破は使う相手が僕以外なら死人が出ると思うんだけど!危ないぞ!
「“デクさん!いまのすごい大きい爆発なに!?大丈夫!?”」
麗日さんから無線が入る、僕を心配してくれてるみたいだ。たしかにやばい爆発だった、まだ耳がキーンとしてるもの。このビル倒れないよな…?
「大丈夫、なんとかかっちゃんを確保出来たよ、そっちの状況はどうなってる?」
「“よかったぁ、こっちは核の隠し場所を見付けたんだけど、核の前から飯田君が動かなくて全然隙がないよ!”」
「わかった!今から合流するね―――」
麗日さんはどうやら核を発見してくれたらしい、合流してこの訓練にラストスパートをかけよう!
「うわっ!デクさんボロボロじゃん!大丈夫なの?」
「うん大丈夫だよ、ちょっと焦げ臭くてごめんね。ところで侵入経路はいくつ見つかった?」
僕は麗日さんに謝りつつ尋ねる。麗日さんにくっさいなぁとか思われてたら嫌だなぁ、煤まみれだし早くシャワーを浴びたい…
「それが入れそうなところがあのドアくらいしか見当たらなかったんだよ!どうしよう!?」
「良いところを陣取ったなぁ飯田君、さてどうしようかな、うーん―――」
麗日さんがやや慌てて話す。まともな侵入経路は一ヵ所、ならとれる選択肢は…これくらいしかないな!
「ひとつだけ作戦を考えたよ、ただ麗日さんの負担が大きいんだけど…いいかな?」
「なになに!?ここまでいいとこ無しだし、むしろばっちこいだよ!」
「それじゃ説明するね、まず僕が正面から突入するから、麗日さんは―――」
―――麗日さんが配置についた、作戦開始だ!
「ようやく見つけたぞ!ここまでだ、飯田君!!」
僕はドアを派手に蹴破り、中へ突入し飯田君に凄む。
「ふははは!!ようやく来たかぁ、ヒーローォ!ここは地獄の三丁目、お前の方こそここまでだぁ!!」
様になった演技、ヴィランになりきった飯田君が僕に言う。至極悪そうだ、流石飯田君!こんなところまで真面目だ!
「僕は君にスピード勝負で一度勝っている!今回も勝たせてもらうよ、捕まえて確保テープでぐるぐる巻きにしてやる!」
僕は飯田君を精一杯挑発する、ダメだ!下手くそすぎる!!
「ぐぬぬ!痛いところをついてくる…だが今回は負けるわけにはいかない!俺の必殺技を見せてやる!!」
飯田君が悔しそうな顔をして返してくる。よかった、挑発にのってくれたぞ!
「なにを!いくぞ!」
「来い!必殺、レシプロバースト!!」
僕が踏み出すと同時に飯田君が必殺技を発動する。レシプロバースト、飯田君の個性のエンジンを暴走させて超加速を生み出す技だ、そのスピードは―――
速い!前世より格段に強化されているはずの僕のスピードでも追い付けないっ!?
―――僕の速さを凌駕していた。しかしその真骨頂は最高速ではなく、超加速にあった。
飯田君は多少は広いはずの室内を柱をすり抜けながらところ狭しと逃げ回る。僕はそれを天井や壁を走りながらトリッキーに追い回すも、彼は僕から目を離さずうまいタイミングで切り返しを行う、切り返しの度に減速する僕と停止から最高速までの加速のロスがほぼゼロに近い飯田君、部屋の窓ガラスがすべて割れるほどの超音速のスピード対決、しかしその差は埋まらないまま10秒の時が過ぎた。
そうして僕らは入り口のあたりで立ち止まる。
「やったぞ!必殺技が通用した!どうだ緑谷君、僕の勝ちだ!!!」
興奮ぎみに僕に勝利宣言をする飯田君、口調が素に戻っているよ!
「いいや、飯田君!僕らの勝ちだ!!」
「なにをいって―――」
「“ヒーローチーム、WIーーーN!!”」
飯田君が言いかけたときに、無線から僕らの勝利を告げるオールマイトの声が聞こえる。
「なにーー!?はっ!麗日君!?いつのまに!?」
飯田君が核の方へ振り返るとそこには、核の模型に抱きつき喜んでいる麗日さんの姿があった。だがその顔色は悪い、随分と無理をさせてしまったようだ。
「どうして…」
「シンプルな話だよ、僕は囮で飯田君を引き付ける役、その間に麗日さんが上の階の窓から個性を使ってここまで侵入して核を確保したってわけ。いやぁ走り回りながら君を引き付けつつ窓ガラスを割るのは大変だったよ!」
僕はショックを受けている飯田君に矢継ぎ早に種明かしをする。でもマジで追い付けなかったのはナイショにしておく、悔しかったからね!
「麗日さん大丈夫?無理をさせてごめんね…」
「大丈夫…!うち、役に立てたかな?デクさん?」
「勿論だよ!この勝利は麗日さんの頑張りのお陰さ、ありがとう!」
「よかったぁ、じゃあお互いにお疲れ様!いえーい!」
互いの健闘を称えてハイタッチする僕と麗日さん。自分を浮かせると気持ち悪くなってしまうというのに…やっぱりええこや!
「“さあ、講評の時間だ、みんな戻ってきたまえ!”」
その無線を聞いて僕らは部屋をあとにした―――
―――ビルの入り口まで戻るとそこにはかっちゃんが立っていた。
「ほらよ、これお前のだろ?」
かっちゃんが僕にマントを手渡してくる、さっき気絶させたときにかっちゃんにかけておいたものだ。
「あ、うん。かっちゃん保健室とか行かなくて大丈夫?火傷とかしてたよね?」
「こんぐらいなんともねーよ、大体ヒーローならこの程度の怪我でダウンしてられないだろうが。講評のやるんだろ、先いくぞ」
「あっ…待ってよかっちゃん!」
そう言ってかっちゃんはスタスタと先に歩いていってしまう。なんだか元気がないようにみえる、無理して普通に振る舞ってるみたいな……心配だ。
―――講評が始まり、今回のMVPは麗日さんとなった。理由としては最後まで隠密行動で核を確保したから、次に核を意識した立ち回りをしていた飯田君、僕とかっちゃんは屋内戦闘としては派手に立ち回り過ぎて減点だった。
なお以上のことを言ったのは八百万さんだ、やっぱり彼女は頭がいい、流石推薦入試組だ。オールマイトは言いたいことを大体言われて少し困った顔をしていた、ドンマイです!
そして第二回戦が行われ、もうひとりの推薦入試組の轟くんがその力を見せつけた。ビルごと凍らすって…なんだそりゃ!反則だろ!!前回のときは保健室送りだったから見れてなかったんだよね。
その後もみんなそれぞれの個性を上手に使って戦闘訓練を行っていった。そうして授業が終わった―――
―――放課後になり、切島君たちが生徒だけで反省会をしようと提案してきた。前の時は途中参加だったけど、今回は最初から居られそうだ。
「おーい、爆豪!かえっちまうのかよ?」
「ああ、今日はもう帰るわ」
「そ、そうか、またな!」
「………」
切島くんとかっちゃんが話をしている、どうやらかっちゃんはもう帰るようだ。
……やはりなにかおかしい、いつものかっちゃんなら―――
「おーい、爆豪!かえっちまうのかよ?」
「あぁ!?テメーらモブどもなんかと反省会なんてやってられっかよ!!」
「しっかり聞いてんじゃねぇか!!しっかしあれだな、みんなは自分の弱点とか改善点とか見つけられるのに、爆豪は参加すら出来ないのか~そっか~」
「んだとコラァ!!反省くらい出来るわっ!!誰よりも反省するわっ!!」
―――みたいな感じで参加するはずなんだけど、やっぱり気になる、話をしにいこう!
「切島くん!僕がかっちゃんを呼んでくるよ!」
「おお、緑谷!ダチのお前の誘いなら来てくれそうだな、頼んだ!」
「頼まれた!」
僕はかっちゃんを追うために教室を出た、随分とはや歩きだったようで、かっちゃんに追い付いたのは校門前だった。いつの日かと同じような光景だな…
「かっちゃん!どうして帰っちゃうの?みんなで自分の欠点とか弱点とか改善してさらに強くなる機会だっていうのに……もしかして訓練の怪我が痛むの!?ごめん!じゃあ保健室に―――」
「うっせぇな!!……ほっとけよ、俺には意味ないからよ」
かっちゃんの怒鳴り声が僕の言葉を遮る。ちょっと待てなんだそれは、その言葉はまるで…
「意味ないってどういうこと…?」
僕はかっちゃんに尋ねる、その言葉の真意を。
「俺は、雄英を辞める…」
その言葉は僕の予想通りで、でも僕が一番聞きたくない言葉だった―――
今夜は2話連続投稿になります!
続きは22時に投稿されますよ!お楽しみに!