デクのヒーローアカデミア 再履修!【完結】 作:くろわっさん
いつも以上にネタ多目のカオスでキャラ崩壊が激しいです。
それでもオッケーって方は続きをどうぞ!
僕が雄英に入学してからひと月程の時が経った、午前中に普通の授業を受け、午後にヒーローの授業を受ける。そして放課後は自主トレを行う。そんな日常を過ごしていたある日のことだった。
僕達、1-A筋肉同盟はいつもどおり、トレーニングルームで筋肉を苛めぬいた後、シャワーを浴びてからラウンジでプロテインを飲んで筋肉にご褒美を与えながら談笑していた。
「今日は二人に提案があるんだ……我らが筋肉同盟に新しい人を加えたいんだ!」
僕はバナナ味のホエイプロテインを混ぜ込んだ飲むヨーグルトを飲みながら話す。
ホエイプロテインってのは吸収の早いプロテインでトレーニング直後に飲むのが効果的なプロテインだ、他にもプロテインにはカゼイン、ソイっていう種類があって―――えっ聞いてない?……そう…
「新しい人?ついに爆豪をメンバーに加えるのか!?」
筋肉同盟の一員、砂藤君が僕の言葉に反応する。砂藤君はいつも筋肉に適度な量の糖分の入った絶品スイーツを紹介してくれる。同盟の女子力担当者だ!
「いや違うよ、かっちゃんもよく一緒にトレーニングはしているけど……彼は筋肉を愛してない…」
僕は砂藤君にそう返す。かっちゃんも最初は僕と一緒にトレーニングルームに来ていた、そしてかっちゃんは僕と同じトレーニングメニューをやろうとしていたんだ。
そう、僕と同じ負荷でのトレーニングをしようとしていたのだ、僕とかっちゃんは筋肉量や体格が全く違う、そんな過剰負荷でのトレーニングは逆に筋肉を破壊し尽くしてしまい効果的ではない!と諭したところ、しっかり自分のペースで行うようになった。それでも週に2~3日は一緒にトレーニングしてるけどね、かっちゃんの筋肉は僕が守ろう!
「ふむ、それさえあれば、あの前向きに強くなる姿勢は同盟の同士としては完璧なのだがな…」
筋肉同盟の最後の一人、障子君がかっちゃんを評価する。障子君は筋肉同盟一のこだわり派で癖のあるトレーニングと食生活をしている。一度彼の提唱した、サプリメントやプロテインを一切使わず食事のみで筋肉に必要な栄養素を採るという、plus ultra式オーガニックトレーニング生活というものをやってみたがなかなか面白かった。流石は同盟のワイルド担当だ。
「それで誰を入れたいんだよ?」
砂藤君がテーブルから身を乗り出しながら聞いてくる。
「それはね……口田君だよ!」
「やはりか…」
「やっぱりそう来るか~!」
僕の言葉に二人が納得している。それもそうだろう―――
「あのポテンシャルは素晴らしいよね!」
「高い身長、広がった肩幅、骨太そうな骨格、俺と同じ異形型ということで利点も多い」
「鍛えてなくても既にあのガタイだもんな!あれは光るぜ!」
「ああ、彼は磨けば絶対に光る、ダイヤモンドの巨石さ!鍛え抜けば筋肉の権化に成れるだろう…!」
僕らの意見が合致する、二人とも彼の可能性を見抜いていたようだ!それでこそ筋肉同盟だよ!!
「じゃあ早速スカウトにいこうぜ!」
「善は急げだな」
「よし、いこうか!」
僕らは教室へと向かった―――
―――教室につくとまだ生徒が何人かいた、そのなかに口田君の姿を見つける。どうやら飼育委員の仕事を終えて帰り支度を始めているようだ、急ごう!
「口田君!今帰り?、ちょっと話があるんだ、一緒に帰ろう!」
「なに、すぐに済む話だ!なぁいいだろう?」
「…頼む!」
僕らは畳み掛けるように口田君に頼み込む。
「――――、――――――」
口田君は困った顔をしながらも、首を縦に振って頷いてくれた。よし、了承を得たぞ!
「確保ー!!」
僕の号令で二人が動き出す。障子君が口田君を担ぎ上げて運んでいく、その後ろに荷物を持った砂藤君が続く。
「あっそうだ、常闇君も来て!」
「えっ!?――っうお!?どこにつれていく気だ!緑谷!おい!!―――――」
僕は傍らにいた常闇君を担いで教室を後にした。
「おい切島、口田と常闇が筋肉三人衆に拉致されちまったぞ」
「そうだな瀬呂、まああいつらのことだからまた筋肉がらみでなんか企んでるんだろ」
―――僕らは口田君と常闇君を連れて駅前のファミレスに来た。
「いやぁ付き合わせちゃって悪いね!ここは僕達が持つからなんでも好きなの頼んでよ!」
「付き合わせたというか半分誘拐みたいだったけどな」
僕の言葉に常闇君が突っ込む、確かに口田君の了承は得たが常闇君は違ったな、まさに半分だけ誘拐だなこれは…!
「わりいわりい、トレーニング終わりでテンション上がっててつい、な?」
「まったく…まあそれならお言葉に甘えるとしよう、口田もそれでいいか?」
「――、―――――」
「そうか、お前は懐が広いな」
砂藤君の軽い謝罪にやれやれといった感じで常闇君が納得する、口田君にも納得してもらったようだ。やっぱり常闇君を通訳として連れてきて正解だった!
「――――、―――」
「結構がっつりいくな、俺はフライドポテトだけでいい」
「もう決まったかな?」
「ああ、フライドポテトと日替わりセットで頼む」
「いまの会話にそこまでの意味があったのか……」
僕らは注文を決めて店員さんを呼び出す。
「ドリンクバー5つとフライドポテトひとつと日替わりセットひとつ、それとミックスグリル単品で3つで。あと3つとも付け合わせのポテト抜きで。―――あっちょっと待ってください、常闇君僕らのポテトも食べる?」
「あ、ああじゃあいただこうか」
「やっぱりそのままで、以上です」
「ご注文繰り返させていただきます―――――」
そうして店員さんの復唱が済み、僕は注文を終える。
「お前ら三人揃ってポテトが苦手なのか?」
常闇君が意外そうな顔をして僕らに尋ねる。
「いやぁ苦手ってわけじゃないんだけど……」
「揚げた芋は脂質と糖質の塊だからな、栄養管理にバカにならねぇほどの影響がでちまうんだわ!」
「筋肉の天敵とも言えよう…!」
「そういうものなのか……」
そんな感じのことを話しているうちに、料理が届いた。僕らはそれを黙々と食べていく。男子高校生の外食なんてこんなもんさ、駄弁る、食べる、終わったらまた駄弁る、基本はこれだ。料理を食べ終わった頃に常闇君が話を切り出した。
「それで、口田に話ってなんなんだ?それに俺まで連れてこられて…」
「ああ、それはね口田君をスカウトしようと思ってね。常闇君は通訳みたいな感じかな、僕らはまだ口田君の伝えたいことが全部わかる訳じゃないからね」
「スカウト…?」「――――?」
僕の言葉に常闇君と口田君が不思議そうな顔をしている。
「「「口田(君)!一緒に筋肉を鍛えよう!!!」」」
僕らは揃って目的を告げた。さあどうでる口田君!
「―――、―――――」
「そうだな、突然言われてもよくわからないそうだ」
口田君の意思を常闇君が通訳してくれる、一切話してないのにどうしてわかるんだろう?
「口田君!君は鍛えれば必ず素晴らしい筋肉を持った筋肉ヒーローに成れる!その才能を腐らすのが惜しい、僕らはそう思ったのさ!!」
「緑谷の言うとおりだ!お前はぜってえすげえ筋肉に成れる!それに筋肉があれば戦闘を有利に進められるぜ?」
「そのとおりだ、しかも俺と同じく口田は異形型だ、筋肉と合わさることで相手に威圧感を与えられる、これはかなり有利に働くぞ」
僕らは思い思いの言葉で口田君を勧誘していく。
「――、――――、―――!」
「僕の個性は直接戦闘するタイプじゃないから、あまり筋肉は必要ないかも。とのことだ」
常闇君を通じて僕らにそう言う口田君、反応はあまり芳しくないようだ…でもこの程度では諦めない!
「口田!後方支援でも筋肉はあって困るもんじゃねえんだ!」
「そう、例えば筋肉があれば素早く支援に入れるし、逆に激戦地にも飛び込みやすくなる。それは支援する上で重要だろう?」
砂藤君と障子君が後方支援での筋肉の重要性を説く。僕はさらに追撃する。
「口田君、君の個性は生き物を操るものだよね?でもさ、もし周りに他の生き物がいなかったらどうする?戦えないからって諦める?後ろに守るべき人達がいたら?逃げ出せないよね?そこで筋肉が必要なんだよ!!筋肉があれば守れる!むしろ敵を倒せるよ!!ねっ筋肉、必要じゃない?」
「――――、―――…」
僕は筋肉の可能性を説く、なかなか効いているぞ!ここで畳み掛ける!!僕は二人に目線で合図を送った。
「僕は筋肉のおかげで雄英に合格できたよ!」
「俺は筋肉のおかげで試験に集中できるようになって成績があがった」
「俺は筋肉のおかげで自分に自信が持てるようになった!」
僕らの畳み掛けは終わらない。
「毎日健康に過ごせる!」
「金運が上がってお金持ちに!」
「おいそれは関係な―――ンッー!」
「シャラップ!常闇君!」
僕は常闇君の
「筋肉があるとな、女の子にモテるぞ!!」
「―――!?」
砂藤君のその言葉に口田君の反応が変わった!やっぱり君も男の子だな!女の子にはモテたかろう。まあ筋肉とさっぱり関係はわからないけど今はどうでもいい!とどめを刺すんだ砂藤君!僕は目で指示を出す。
「耳を貸せ口田、…実はああ見えて緑谷は結構女子受けがいい、クラスの女子はみんな緑谷に好意的だ、特に麗日なんてわかりやすいだろ?…つまりはそれは筋肉のおかげなんだよ」
「―――、―――!」
「だからよ、一緒に鍛えようぜ口田!!」
「―――゛――!!」
砂藤君の耳打ちで口田君の表情がみるみるうちに変わっていく、そしてしきりに縦に首を振っていた。なにを言っていたかは小声で分からなかったが、グッジョブだ砂藤君!
「ッンー!――っぷは!口が割れるかと思ったぞ」
「ごめんね、常闇君…!でも話はまとまったみたいだね!」
僕は常闇君の嘴を掴んでいたことを思いだし、離してから話を進める。
「じゃあこれから一緒に頑張ろう!君を一流の筋肉戦士に鍛えてあげるからね!」
「―――――!!」
「それでいいのか、口田よ…」
僕の言葉に口田君が腕を上げて同意する、常闇君は呆れ気味だったけど。
そうして僕らの口田甲司
それからの日々はあっという間だった。
―――まずは余分な脂肪を落とすための減量
「――――!――――!!」
「お米が食べたい?ダメダメ!炭水化物なんてもっての他だ!ササミかバナナにしなさい!」
「口田!いまのお前はゴリラだ!ゴリラはバナナを食べるのが大好きなんだ!そう思い込め!今日からお前はゴリラだ!!」
―――それが終わると筋肉量を一気に増やすためのバルクアップ
「――――!!」
「もう食べたくないだって!?ダメダメそんなんじゃ!筋肉をでっかくするには栄養補給が大切なんだ!たんぱく質、炭水化物、その他ビタミン等……食べて強くなるんだ!!出来るよ!お米食べろ!!」
――――諦めてしまいそうな時もあった
「―――――……――」
「諦めんなよ…諦めんなよ口田君!どうしてそこでやめるんだそこで!!もう少し頑張ってみようよ!ダメダメダメダメ諦めたら。筋肉の事思ってよ、増大してく筋繊維の事思ってみてよ。あともうちょっとのところなんだから!僕だってこの炎天下のところ、ササミがトゥルルって頑張ってんだよ!!ずっとやってみろ!必ず目標を達成できる!だからこそNever give up!!」
―――それでも僕らは
「なんという仕上がった筋肉……完成だね、口田君!」
「すげえ!すげえよ!口田!!お前はやっぱり天才だったんだ!」
「まさに可能性の獣だ。この三ヶ月、よく頑張ったな」
「―――゛!―――!!」
「おう、礼を言われることじゃねえよ!」
「頑張ったのは君自身だ!」
「自分に自信を持て、口田よ!」
いまではすっかり筋肉を通じてコミュニケーションがとれるようになった。そして口田君の姿は――――
「身長 186cm!体重 118kg!体脂肪率はその異質さから測定不能だぁ!!
すべてを打ち砕くような上腕二頭筋!砲丸のようにデカクなった三角筋!鬼の形相にも似た憎帽筋と広背筋!!腹斜筋と腹直筋が織り成すのは筋肉のプレートアーマーだぁ!!そしてそれを支えるは大腿筋と下腿筋の大木ゥ!!!」
「それだけではない、岩のような肌は膨張した筋肉により鋭くひび割れて、裂け目には筋肉と血流の深紅のラインが浮かび上がっている!そして特徴的だった額の一本角は過酷な鍛練によって二つに裂けた!」
「この姿ぁ!!もはやかつての口田君とは別物ォ!
「言わせねぇよ!?それは不味いって!」
砂藤君が僕の口を押さえた、この名称はなにか不味かったらしい、
「よし!早速この生まれ変わった口田君をクラスの皆に見てもらおう!!」
「―――――!!」
―――1-Aの教室は放課後になってもまだ結構人が残っていた。よし、やろう!照明暗転!
「うお!?なんだ?急に暗くなったぞ!?」
「デンッ!デンッ!~♪タララ~♪デンッ!デンッ!~♪」
「このメロディは……◯ン・ジョビのIt's ◯ life?!」
「なんかピカピカ光ってるんだけど!?なにこの照明!?」
「デアナナフーフンフッハーン~♪ハンハフーフヘッフーン~♪」
「歌詞が全くのうろ覚えだ!なんで歌った!?」
「JAS◯AC対策か!?」
「ハフフフーンフフ♪ハーハンヘーン~♪」
「強引に続けてきたぞ!やべえよ!なんだこれ!?」
「~♪~♪デンッ!デンッ!」
「「「「いやああああぁぁぁぁあぁ!!!」」」」
「うお!?びっくりした!緑谷!?それに障子と砂藤、もうひとりは……?」
「なんでみんな上半身裸なのよ!」
「かっけえ……」「カッコいい……」
「その感性大丈夫か、爆豪!麗日!!」
―――といった風に登場のインパクトは抜群だった!
「やあみんな!驚かせてごめんね!」
「今日はみんなに会わせたいヤツがいてな!」
「もうわかるだろうが我々のセンターにいる―――」
「「「生まれ変わった口田甲司の紹介だ!!」」」
僕らは声を合わせて口田君を引き立たせる。
「―――――!!―――!」
口田君がポージングを決めている、いいよー!キレてるキレてるー!!
「ほんとにそいつが口田なのか……?」
「勿論さ!僕ら筋肉同盟によって鍛え上げられた新しい同士!口田甲司君さ!どうだいみんな?」
僕は驚く切島君やみんなに尋ねる。
「お、おお!!かっけえよ!なんつうトゲトゲしさ、漢らしいぜ!!」
切島君が口田君を誉める、やっぱりトゲトゲしいのが好きなのだろう。
「ああ、めちゃくちゃ強そうだぜ!すげえな口田!」
瀬呂君が強さを感じ取った、そうだろう実際めちゃくちゃ強くなったのだから。
「デクの筋肉ばりに鍛え上げられてるぜ、流石はデクだな指導力も半端ねえ!」
かっちゃん!筋肉鑑定がそこまで出来るとは…!でも今は僕より口田君を褒めて欲しいな!
「ウェーイ、ウェーイ」
照明担当上鳴君、電気を使いすぎてアホになってしまった、ごめん、そしてありがとう!
これは完全勝利って感じだな!やったよ、口田君!!
「確かに強そうだけど……ねえ?」
麗日さんが歯切れの悪いことを言っている……ん?流れ変わったな。
「うん……強そうだし、カッコいいとは思うんだけどね……?」
芦戸さんが麗日さんに、同調する。普段だったらそれあるー!とか元気よく言うんだけど……なんだこれは?
女性陣の反応が芳しくない……それでも蛙吹さんなら……蛙吹さんならわかってくれるはず…!
「なんだか、口田ちゃん。ヴィランみたいね」
―――ヴィランみたいね……ヴィランみたいね……ヴィランみたいね……
なにぃー!まさか蛙吹さんがとどめを刺しにきたー!口田君の反応は―――
「―――――!ッブファ!」
「口田が血を吐いてぶっ倒れたぞ!!」
「口田君ー!!!――――」
「口田が死んだ!―――」
「―この人でなし!―――」
「――みんなひどいわ……でも口田ちゃんごめんね―――」
「―――梅雨ちゃん泣かないで―――」
「―――ちょっと男子ー!―――」
「―――ー!―――」
――――こうして男子の高評価は得たものの、肝心の女子受けが悪かったため、完全敗北という形で僕らの口田甲司
なんだよこれぇ!(迫真)
番外編ということでパロディとネタと筋肉マシマシにしてみました。本編ではここまで酷いことにはならないはずです……
この番外編は本編とは別時空のパラレル的なあれですので、この設定が本編に出てくることはないでしょう。
こんな意味不明なSS読んでいただきありがとうございました!
第四章はもっと真面目な話になると思います!更新お待ち頂ければ幸いです。