デクのヒーローアカデミア 再履修!【完結】   作:くろわっさん

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お待たせいたしました、第九章開幕です。





第九章 リンカン・ウォーズ 連合の逆襲
待ち人来たらず、備えよ憂いなく


かっちゃんにトゥルーフォームがバレてしまった僕とオールマイト。でもかっちゃんは僕らを信じてこれからも秘密を一緒に隠してくれると言ってくれた。

僕はオールマイトの後押しでかっちゃんに全ての秘密を打ち明ける。

かっちゃんはそれも受け止めて力になると言ってくれたが……僕の死因のきっかけが自分の拉致事件だと知ると態度が急変した。

そして僕とかっちゃんは再履修(やりなおし)の人生で始めて大喧嘩をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

かっちゃんと喧嘩をした次の日の朝。かっちゃんはいつもの時間になっても僕の家を訪ねなかった。

 

なので僕がかっちゃんの家に登校がてら寄ってみる、もしかしたらまだ謝って許してもらえるかもしれない。

 

 

「えっ?かっちゃんもう学校いったんですか?」

「ええ、いつもの時間に家を出ていったよ。てっきりいつも通りデク君と一緒だと思ってたんだけど……」

かっちゃんのお母さんである光己おばさんの話によればかっちゃんは既に登校したらしい、しかも僕を迎える時と同じ時間に……

 

「もしかしてあの子と喧嘩でもしたの?ごめんなさいね、あの子素直じゃないから」

「いえ、今回は僕が悪いんです。かっちゃんを叱らないであげてください、必ずかっちゃんと仲直りします。迷惑かけてすみません…」

僕は頭を下げながら光己おばさんへ説明とお願いと謝罪を纏めて行う。

 

頭を下げたまま少ししてから両肩を叩かれる、ゆっくりと顔を上げるとそこには光己おばさんの顔がすぐ近くにあった。

光己おばさんの年は母さんと対して変わらないがその個性の影響で見た目20代にしか見えない、そのため不意打ちの至近距離に思わずドキッとして固まってしまった。

 

「ずいぶんと思い詰めた顔してるね。あの子もデク君もまだまだ子供なんだからそんなに深く考えなくていいんだよ。だから勝己のこと、よろしくね!」

光己おばさんはそういいながら少し乱暴に僕の頭を撫でる。この人には敵わないな…

 

「はい!それじゃあ僕はこれで。失礼します!」

 

そうして僕はおばさんに大声で挨拶をしてから学校へと向かった。

 

 

かっちゃんかなり怒ってる…?いや、それほどまでに昨日の発言は本気なのかもしれない。

 

『じゃあなデク―――もう俺に関わるな……』

 

関わるな、か。学校には行っているみたいだし、嫌でも会うことになる……どんな対応をしてくるのか、かっちゃんの真意はそれで分かるだろう。

 

そんなことを考えているうちに教室に着いた、そこには気だるそうに自分の席に着いているかっちゃんの姿があった。

 

勇気を出せよ緑谷出久!いざかっちゃんへ!!元気よく挨拶を…!!

 

「やあ、かっちゃん。おはよう!」

「…………」

僕はオールマイトのように顔を濃くしながらかっちゃんへ挨拶するが、かっちゃんは僕と顔も合わせず無言を貫いた。

 

シカトされたーー!!見事にそっぽ向かれたよ!……まだだ、まだ諦めないぞ!

 

「かっちゃん、昨日はごめん。あんなこと言ったけど―――」

「うぜえ。馴れ馴れしく話しかけてんじゃねえよ、クソ筋肉ナード!!」

 

し、辛辣ぅ!!おそらくこの再履修の人生で最大に辛口のかっちゃん。まったくもってとりつく島がない……ここは大人しく引き下がろう。戦略的撤退だ!!

 

「ご、ごめんよ。じゃあ僕はこれで……」

弱々しくかっちゃんに謝りながら僕は席に着く、そしてひとりで考え始めた。

 

今のなんだか懐かしい感じは……どこかで……ハッ!このかっちゃんの雰囲気、前世でのかっちゃんそのものじゃないか!

 

今でこそ丸くなった、というより丸い性格のかっちゃんだったが僕が前世で関わってきた幼馴染は正しくあんな感じだった。話しかければぶちギレ、目の前を通ればイラついた顔をして舌打ちをする。言葉にするとなかなかに酷いやつだな。

でも僕はそんなかっちゃんとも十数年幼馴染が出来ていた、というよりは僕が勝手に憧れを抱いて付きまとっていただけだったけど。

 

どんな対応をするか様子見だったが、いきなり爆破を食らわせてくるようなものじゃなくて良かったな。 うん、この程度なら僕はなんの問題もなく耐えられる、まあ前世じゃ日常茶飯事だったし。

 

それでも早いとこ仲直りはしないとな……光己おばさんとも約束したし、なにより僕の気分がすっきりしない!

 

 

その後かっちゃんはそんな調子で1日を過ごし、昼休みにもどこかに消えてしまった。

 

そして午後になり、相澤先生から林間合宿の発表が行われた。ちなみに期末試験で赤点をとった芦戸さん、上鳴くん、瀬呂君はそこで補修になる。今回は切島君と砂藤君は赤点を免れたらしい、やってて良かった緑谷塾!とかいってたしね。

 

林間合宿か……かっちゃんとのこともそうだがこちらも対策をしなければならない。それに直近のあのことはもう動き始めないと……

 

そして放課後になり、麗日さんをはじめとしたクラスメイトのみんなは林間合宿のために木椰区(きやしく)ショッピングモールへと買い物にいく計画を立てていた。

 

「爆豪もいくだろ?」

「……」

切島君がかっちゃんへと誘いをかけるが、かっちゃんは黙ったまま僕の方をチラリと見る。

 

「いかねえ、準備くらいひとりで出来る。群れてろ、俺は帰る」

かっちゃんはそういうとスタスタと足早に帰ってしまった。

 

いつになく機嫌の悪いかっちゃんにクラス中がざわめいていた。

 

「デクさんもいこうよ!ショッピングモール!」

空気を変えるためか麗日さんはやや大きめの声で僕に誘いの声をかける。

 

「ごめんね麗日さん、その日はちょっとオールマイト関係で外せない用事があるんだ……」

「そっか……なら仕方ないよね!」

折角の誘いだが今回は断らせてもらう、本当にその日は用事があるのだ。大事な大事な用事が……

 

「ねえ、デクさん。爆豪君と喧嘩でもしたの…?なんか二人とも今日はよそよそしいっていうか……」

「あぁうん、ちょっとね……でも大丈夫。必ず仲直りするからさ!」

「うん!デクさん達なら直ぐだよね。変なこと聞いてごめんね!」

「いや、こっちこそ心配かけてごめん。じゃあ僕もそろそろいかなきゃ―――」

麗日さんに心配をかけているのは申し訳ないが、これは僕とかっちゃんの問題だ。僕だけでなんとかしなければ。

 

「―――それとみんな!買い物に行くなら明日は木椰区ショッピングモールだけは避けておいたほうがいいよ。それじゃあまたね!!」

 

僕はそれだけ言い残すと教室を後にした。そして向かうのは仮眠室……オールマイトのところだ。

 

 

 

「前世の記憶では……明日、木椰区ショッピングモールに死柄木が現れます」

「死柄木……ヴィラン連合の中心人物だな」

「ええ、前々からお話した通りそこで奴を捕らえて……連合に打撃を与えましょう!オールマイト!!」

僕はオールマイトに力強く迫る。あの連合の中心人物を捕らえれば良ければ組織は空中崩壊、でなくてもその背後にいる親玉への手がかりになる。

 

「こちらから仕掛けられる数少ないチャンスです!やりましょうオールマイト!警察の方には僕から三茶さんを通じてある程度情報を流してますが……決定させるにはオールマイトの力が必要なんです!お願いします!」

僕はオールマイトへと頭を低く下げて請う。もう待ってるだけじゃ駄目だ、ここでやつらは終わらせなきゃ…!!

 

「わかった……頭を上げたまえ緑谷少年。これまで君の話した前世の出来事はほぼその通りに事が起きていた……今回もそうなるんだろう。

警察には私からも話を通して緊急作戦を立てようじゃないか!我々の攻める番、ということだな!!」

「ええ!やりましょうオールマイト!!」

僕とオールマイト二人して立ち上がり闘志を燃やしては呼応させていく。

 

こうして死柄木捕縛電撃作戦が計画された。会議は夜遅くまで行われた、急な立案だったが前から話をしていた甲斐があってか三茶さんと塚内さんが既に頭数の目処を事前につけていてくれたお陰で、どうにか実行することが出来そうだ。

 

 

そして作戦当日、木椰子ショッピングモール。僕はひとり、モールの中心の広場近くのベンチに腰掛けている。

 

ここは前世で死柄木に首と生死を掴まれながら話したベンチだ。奴はきっと同じように現れて僕へと接触する筈だ。

 

作戦はシンプル、僕が囮を兼ねて第一陣として死柄木を発見次第その腕をへし折る。

それが出来なかった場合は第二陣として上の階のカフェテラスで待機しているトゥルーフォームのオールマイトが直ぐ様変身しながら飛びかかり、死柄木の腕をへし折る。

危険なのは死柄木の個性だ、五本の指で触れたもの全てを崩壊させる狂気のチカラ。だが手首を掴んで腕と肩を僕らのパワーでへし折ってしまえばどうと言うことはない。

 

そんなことをしなくても僕らの超スピードなら死柄木は抵抗すら出来ずにやられてしまうだろが、ここは休日のショッピングモール。辺りはお客さんでごった返しているから派手な行動は出来ない。

かといってお客さん皆を避難させてしまったら本末転倒、人混みに紛れて来るはずの死柄木すら退去してしまうだろう。

 

だから僕とオールマイトが動き始めてから周囲に待機している私服警官が一斉に動いて市民を避難させる、そして死柄木を捕らえたら駐車場に待機しているダミートラックから移動檻(メイデン)と一式を揃えた部隊に引き渡してこの作戦は完了だ。

 

諸々で数十人単位の人が関わる大きな作戦、失敗は許されない。

 

だが準備もやる気も十分で充分!来いよ死柄木……今日がお前の自由の終わりだ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――待てど暮らせど死柄木は現れなかった。昼を過ぎ、夜になり、閉店時間になっても死柄木は僕の前に姿を現さなかった。

 

作戦は……失敗に終わった。

 

 

もしかしたらオールマイトや警官がいることがバレたのかと思い、徹夜で監視カメラの映像を総出で確認したが死柄木の姿はどこにも映ってはいなかった。つまり、死柄木はショッピングモールに一切訪れなかったということだ。

 

諦めきれなかった僕は次の日、日曜日もひとりでショッピングモールに朝から晩まで張り込んでいた。けれども…死柄木は姿を現さなかった。

 

 

 

「くそぉっ!!なんで出てこないんだ、死柄木ぃ!!こんな筈じゃなかったのに…!!」

僕は苛立ちを募らせては自らの太股を叩く、脚に走る痛みが少しだけ頭を支配して落ち着けた。

 

「君だけのせいじゃない、どこかで作戦が漏れたのかもしれないし、私がヒーローとして活動をしていなかったことに警戒した可能性もある……」

「オールマイト……すいませんでした。僕の立てた作戦のせいでオールマイトにまで迷惑を……」

 

警察まで巻き込んで起こした作戦の失敗、それは僕の…いや僕とオールマイトの信頼の損失を意味する。

死柄木が現れるという他人から見ればなんの根拠もない情報のもと始動した今回の作戦は、ほんの少しばかりの僕の実績とオールマイトが長年積み上げてきた実績を担保にして協力してもらっていた。

いざ蓋を開けてみれば死柄木の逃走を許したとか、甚大な被害が出たとかではなく、そもそも死柄木が現れないというある意味最悪の結果に終わったわけだ。

 

これで僕の信頼は警察内では地に落ちたといってもいいだろう、まあ元から大した積み重ねではなかったが。 一方オールマイトの信頼はこの程度で消えるものではない、だが確実に僕のせいでその顔に泥を塗ってしまったのだ。

 

僕は悔しさに肩を震わせながらオールマイトに頭を下げ続ける。

 

「過ぎてしまったことはしょうがない、失った信頼はまた積み重ねていけばいいさ。だから前向きに考えようじゃないか!

来るはずだった死柄木は来なかった、これまでにも君の前世とは違う結果になったことは多々ある。 つまりこれは運命が変わり始めているというなによりの証拠だろう?やはり運命は変えられる!そう、筋肉でな!!」

オールマイトは僕の肩をバシバシ叩きながら強気に話す。

 

そうか……オールマイトの言うとおりだ。落ち込んでいる場合じゃない!次に進むんだ、今やれるベストを尽くす!!

 

「ただその変わり始めた運命が良いものか悪いものなのかはまだ分からないが……」

オールマイトは少しだけ俯きながら冷静に状況を読んでいた。

 

「大丈夫です!運命なんてこの腕で!筋肉で!好きな形にねじ曲げてやりますよ!そうでしょう?オールマイト!!」

「ああ……ああそうだな緑谷少年!やろう、私達の腕で!筋肉で!!!」

 

僕とオールマイトは互いの手をとり、闘志を満たして叫んだ。

 

 

―――立ち止まってる場合じゃない、次の準備に早速取りかからなきゃな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――― Dark side in ―――

 

 

ヴィラン連合のアジトである隠れ家のようなBAR、その奥の一室に男の呻き声が響き渡る。

 

「うううぅぅ……痛い、痛いなぁ……あぁあっ!!」

その声の主はヴィラン連合の中心人物、死柄木弔だ。薄暗い部屋のなか、狂喜の顔を浮かべながら部屋の片隅にうずくまっている。

 

「大丈夫ですか、死柄木弔?やはりその腕は……」

その様子を見かねて気遣うのはヴィラン連合屈指の苦労人、黒霧だ。

 

「大丈夫なわけねえだろ…!めちゃくちゃ痛えよ。でもな、今俺は最高の気分だぜ」

「そ、そうですか…」

死柄木の状態と相反する言葉のギャップに困惑しながら目を細める黒霧。

 

その視線の先は死柄木の異形の右腕だ。

 

その腕は本来の死柄木の細腕とは大きく異なり、無数の腕が重なりあい、鉱石のような結晶が所々に埋め込まれ、死柄木の胴よりも太く、禍々しく狂気的だった。

 

“あのとき”のオールマイトがそれを見れば言うだろう…“あのとき”のオール・フォー・ワンの腕の様だと。

 

「ホントに最高の気分だぁ、この痛みが教えてくれんだぁ腕が馴染んでるってことをな…!

ははは、もし今日が最悪の気分だったなら…ショッピングモールにでもいって気晴らししてたんだろうけどな。それどころじゃあねえわ」

死柄木は乾いた笑い声で軽口を叩く、あるはずだった予定を消し去りその場にいる理由を明かしながら。

 

「おい黒霧、連中の用意は進んでるんだろうな?」

「ええ、予定通りに。今は闇のブローカーからの商品の納入待ち、といったところですね」

「折角集めた駒達だ、決定打にはならないにせよ少しは役立ってもらうおうなぁ」

死柄木は薄ら笑いを浮かべ、今後の未来を夢に見る。

 

闇は深さを増し、光へと迫っていく。

 

「そして俺は……先生にもらったこの腕で…必ず殺す。緑谷出久を!!!」

 

 

 

―――死柄木弔の夢の果て、それは誰にも分からない。そう、今はまだ……

 

 

 

――― Dark side out ―――

 

 

 

 

 

 

「これはいる…フラッシュライトに……これは要らないかな。あとこれもいるな……」

 

あの作戦から数日後、僕はオールマイト事務所で林間合宿に必要な物品のリストアップに励んでいた。

 

林間合宿を中止するようにオールマイトから先生方を説得してもらったが、根拠の不足から宿泊先の変更までしか出来なかった。 場所も同行者も教師以外には直前まで明かさない超極秘合宿になるらしいが……おそらく前世と同じでワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの下にいくのだろう。

 

運命が大きく変わっているのなら襲撃そのものが無くなるのではとオールマイトは言っていたが、その可能性は低いだろう。だからこそ僕はこうして備えに励んでいるのだが。

 

「―――って感じでいこうと思うんだが……って緑谷少年聞いてたかい?」

「勿論ですよ、オールマイト。 僕らが合宿に行っている間はオールマイトがド派手にヒーロー活動を行いまくってヴィラン連合の目を自身に向けるんですよね」

「端的に言えばそうなるな!陽動は私に任せておきたまえ!!」

胸をドンッと張ってドヤ顔をするオールマイト、だが今はトゥルーフォームのためやや迫力が足りていない……

 

オールマイトは良くも悪くも目立つ、居れば勿論心強いのだが…合宿への同行はしないほうが良いという結論に至った。

 

これまでの運命の変化について振り返ってみたのだけれど、僕らはあまり二人でしっかりとした対策を立てないほうが良いのかもしれない。

 

事前から二人で計画したUSJの時や死柄木捕縛作戦の時は、運命が悪い方へと大きく変わった。

一方、僕が個人である程度の準備をして後はアドリブと力押しで乗り切った、体育祭や保須事件の時はわりとよい方向へ運命が変わっていた。

 

今回もそれにかけてみる、故に僕は着々と必要な物を購入するために事務所にいるのだ。個人では買えないものも事業者向けなら買えるしね。

 

「大丈夫です、オールマイト。何かあれば僕がなんとかしてみます!この全力を持って…!!」

「頼もしくなったな、緑谷少年!」

拳を構える僕へとオールマイトは感心した声と視線を投げかける。

 

 

 

 

―――来るなら来いよヴィラン連合……今度は敗けない!僕がこの手で叩き潰してやるっ!!

 

 

 

 

 

 

「―――ハッ!しまった、大事なことを聞き忘れてました!!」

「どうした緑谷少年!!?なにを忘れていた!!?」

「あの、オールマイト――――」

僕とオールマイトに緊張が走る。僕はなぜこんな当たり前のことを忘れていたんだ、準備に一番必要なことじゃないか……

 

僕は今までより顔を引き締めてオールマイトへ尋ねた。

 

 

「―――これ……経費で落とせますか…!?」

 

 

 




オールマイト事務所所属、セミプロヒーローオールライト。力はあるが金はない―――――


合宿編始まりました!これからも筋肉で頑張ります!よろしくお願いします!!




ここから先、日記要素。本誌ヒロアカ184話の感想とネタバレを含みます。
コミックス派の方やお前の感想とか知らんわって方は読み飛ばしてください。











ああああああぁぁぁぁあああ!Mt.レディぃいいああああああ!!!
なんだよシンリンカムイとの熱愛報道ってぇ!!! 聞いてないよ!

いやね、嫌いじゃないんですよ?シンリンカムイ。
むしろ二人のやり取りは好きなんですよ!基本カプ厨ですし、おすし。
でも一線は越えてほしくないんじゃあ…なんだこいつら付き合ってんのか?ってくらい仲良くて、でもお互いを軽く意識してるくらいが好きなんじゃあ……

Mt.レディの「ノーコメントで」ってなんやねん!イエスでもノーでもなくノーコメントって…!
ノーって言ってれば、ああ、シンリンカムイはなし無しなんだなって笑えたのに。ノーコメントって、まあ有りかなって言ってるのと同義ぃ…
てかそれ芸能界じゃ事務所とかの対外的にはノーだけど、当人同士はイエスって言ってるようなもんじゃないか!!

どうしてだよ先生ェ!ビックな男じゃないと無理ってすまっしゅ!でも言ってたじゃないか、なあ根田先生ェ!!

……待てよ。シンリンカムイは若手だが既にランキングNo.7、大物である。将来性を加味すれば現状維持ないしはランクアップが期待できる、超大物である。つまり導き出される結論は―――

シンリンカムイ × Mt.レディ = ベストマッチ!
ヤベーイ!

グワーーッ!ウワーーッ!!サヨナラ!哀れマニアックな筆者は爆発四散!ああゴウランカ。オタッシャデーーーッ!!キボウノハナー♪







“神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと…”


私は死んだ目で続きを読み進める、Mt.レディがなにかいっていた気がするが最早どうでも良くなっていた。
No.6、誰だこいつ、どうでもいいか……

次のページに目を移したとき、私の身体に電撃が走る!死んだはずの心が動き出した…!No.5―――



勝ち気お姉さん!褐色セクシー!ベストマッチ!!Are you ready?

ラビットヒーロー!ミルコォ!!イエーイ!


なんじゃあこの私の性癖ぶち抜きのバケモノは!!?
落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない!要素を一つずつ整理しよう…!

まずはその通り名らしいモフッとしたウサミミ、素晴らしい。人の耳の位置から真っ直ぐ生えてるのも加点要素だ。

ぱっちりとした大きな瞳につり目、極長まつげのギャルメイク、ブラボー!口角を釣り上げた笑い方も最高ジャンよ!

そして明るい色合いの腰まで伸びるロングストレート、それに褐色の健康的肌色!excellent!
一見、金髪褐色だが、堀越先生の着色センスは独特だ。
芦戸ちゃんの件もあるし、サーナイトアイがまさかの緑髪金メッシュだったのは衝撃的だった。油断は出来ない!

次はボディだ!胸は……デカァァァァいッ説明不要!!
ウエストはキュッと絞られていて……なんだこれは?この腹にすらりと伸びるたて線。まさか…!これは腹直筋!?ついにヒロアカにも来たのか!腹筋割れてる系女子が!!

てか良く見たら腕もかなり逞しい、上腕二頭筋鍛えてるぅ!いいぜ…こい…来いよ!俺は、ここにいる!!スケェェェイスッ!!!


えげつないほどのハイレグスーツから伸びるおみ足は…!ステンバーアイ…ステンバーアイ……
太く逞しいぃっ!まさに大腿筋の芸術品ッ!おまけにサイハイブーツを履いていると思われるゥ!!……ビューティホー

鍛え上げられた肉体、名前から察するに“兎”の個性……そこから導き出される結論は―――間違いない、彼女は近接格闘ヒーローだ!!わんだほー!!フゥッフゥ~!


見た目は百点、笑顔は満点!そして注目のセリフは「チーム組んだんだってな弱虫め!」だ。
これから推察できるのは明らかな強気で勝ち気な毒舌のイケイケちゃん!大好物です、ありがとうございます!!

だが良く考えてみてほしい、彼女は“弱虫”とチームアップについて揶揄した。一見単独行動派の超勝ち気だが……そんな娘が弱虫という言葉を使ったのだ。

【弱虫】よわーむし――気の弱い人、臆病な人。

そのままの意味だ、だが毒舌な勝ち気お姉さんが使うには甘いのではないだろうか、というよりかわいい。
我らの毒舌キングかっちゃんなら……ゴミ、グズ、雑魚、ビビり、三下、カス。といったもっと攻撃的な言葉をチョイスするだろう。つまりこれらから求められる真実は―――

―――彼女は言葉の節々にかわいいが見え隠れするギャップ萌えを持つ可能性があるということなんだよ!ナンダッテー!?
たぶん兎のことをウサギさんとかいっちゃうタイプだぜ?はあ…てえてえ、てえてえなぁ…!


素晴らし過ぎるぞミルコさん!早速ファンアートを探そう、この素晴らしさならもうある筈だ、あるに違いない!!


あーくまのちーからー身にーつーけたー♪



―――数え抜き手!四ッ!三ッ!二ッ!一ィッ!!

……ふぅ思わず無敵超人108秘技のひとつを放ってしまった。

ミルコのお陰で生き返った、冷静になって読み返せばMt.レディも疑惑をさらっと流してるし動揺するほどのことでも無かったな。ついでに次のコマのデステゴロに泣きつくMt.レディ可愛すぎぃ!キタコレ!


ありがとう、堀越先生……これからも私は僕のヒーローアカデミアを愛読しますよ。

―――Mt.レディとミルコにもっと出番をください!!










日記要素終わり。

次回も応援よろしくお願いします!!






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