デクのヒーローアカデミア 再履修!【完結】   作:くろわっさん

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誤字脱字修正ありがとうございます。

読みやすいSSになるよう、心掛けていきます。




ムキムキ最強No.1

オールマイトの修行を終え、雄英高校入試へ挑んだ僕は、圧倒的一位で合格した。今日からは雄英高校の生徒だ!

 

 

「出久、似合ってるわよ、頑張ってきなさいね 」

「ありがとう、母さん。じゃあいってきます!」

特大サイズの雄英高校の制服を身に着けた僕を母さんが誉めてくれる。母さんの期待に応えるためにも頑張らなくちゃな―――

 

 

 

 

―――電車を乗り継ぎ、慣れた通学路を少しはや歩きで進んでいくと雄英高校に着いた。ここから新しい生活が始まるんだなっと思いながら、僕はマンモス校にありがちな広大な校内を()()()()()()()()()()()()、1-Aの教室へと向かう。そして教室の前に着く、僕は雄英独特の特大ドアを片手で開け、中へと入った。

 

 

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」

「思わねぇよ!テメーどこ中だよ?端役が!!」

いきなりかっちゃんと飯田君が言い争いをしてるとこに遭遇してしまった。相変わらず二人はウマが合わなさそうだ。

 

とりあえずこの場はかっちゃんを静めるかな。かっちゃーん、ウェイト!ドォードォー…

 

「おはようかっちゃん、その体勢は足腰のトレーニングとしては効率的じゃないから、僕が今度いいスクワットを教えてあげよう」

「鍛えてる訳じゃねぇわ!!今日もぶっとんでんなぁデクぅ!…でもスクワットは後で教えろ、ところで―――」

かっちゃんが僕の言葉につっこみながらも、最後には落ち着いて机から足を下ろしていた。素直なのはいいことだよ、かっちゃん!

 

「やあ、僕の友達が迷惑かけたね。僕は緑谷出久、こっちは爆豪勝己君、見ての通りのやんちゃボーイさ!あっ、デクってのは僕のアダ名ね、そう呼んでもいいよ!よろしくね!」

僕は自分とかっちゃんの紹介を飯田君にした。

 

こんだけ騒いでたし、すでに注目の的だ。クラスのみんなにも聞こえてるだろう、まあ自己紹介の手間が省けて良かったかな?しかしスムーズに話せてよかったー!

 

「ああ、君は確か入試で大暴れしてた…ボ、俺は聡明中出身、飯田天哉だ、こちらこそよろしく頼む緑谷君!ところでその担いだ―――」

「あっ!おっきい人!入試のときは助けてくれてありがとね!おんなじクラスだったんだー!」

飯田君の言葉を遮って、教室に入ってきた麗日さんが僕に話しかけてくれる。

 

麗日さん制服姿もやっべぇーー!!てか普通に声かけてくれたよ、嫌われてるかと思った!やっぱり入試のときは緊張してただけなんだな!

 

「ところでその肩に担いでる寝袋なに?」

「ああ、これね―――」

僕は教室に入ったときから担いでいたその人を教卓の前に置く。

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね」

「教室の前に落ちてたから拾ってきたんだ!」

相澤先生が喋りだし、僕が説明をした。

 

「担任ー!?拾ってきたー!!?」「ヤベー担任とヤベーヤツいきなり揃い踏みかよ!」「てかなんだよあの筋肉!異形型か!?」

クラスメイトがざわつく。そこ、異形型とか言わないの鍛えてるだけだよ失礼だな!

 

その後、相澤先生は体育着に着替えてグラウンドへ集合するように指示し、前世のように個性把握テストが始まった。最下位は除籍になるらしいが、おそらく相澤先生の合理的虚偽だろう。

 

 

 

「じゃあ先ずはソフトボール投げ、よし緑谷お前からだ。円の中から個性を使って全力で投げてみろ」

相澤先生は僕を指名した、入試の成績が一番だったからかな?

 

よーし!全力だな!前世と比べて僕がどこまでやれるようになったか再確認したかったんだよね。

 

全力、全力!ぜんりょくぅーーー!!!―――

 

「スマァァッシュッ!!!」

僕は全力でボールを真っ直ぐと投げた、そう()()()()()

 

しまったぁーー!!いつも全力で物を投げるときは相手にむかって投げつけてきたから、ついついストレートで投げてしまったーーーっ!!

 

真っ直ぐと投げられたボールは勢いよく突き進み、そしてグラウンドを越えて、フェンスを突き破り、そのままの勢いで校舎の壁にぶち当たり……破裂した。

 

「初っぱなから測定不能が出たか、なかなかやるじゃないか緑谷。まあこんな感じで個性を使ってやると普通とは比べ物にならない記録が出る、わかったかー?じゃあ次―――」

相澤先生は少し驚いていたが、すぐに淡々と測定を進めていった。

 

僕の記録は麗日さんの記録 ∞

とならんで一位だった。まあ結果オーライだよね!

 

それから次々と測定は続いていく―――

 

 

50 m走―――

 

「記録、2秒88!」

「緑谷はえええ!!」

「4~5歩しか使ってないぞ!なんつー脚力だ!!」

「得意分野で負けた……」

飯田君を抜いて一位。

 

 

立ち幅跳び―――

 

「記録、測定不能!」

「うおおお!跳びすぎだろあいつ!!」

「グラウンドの端のフェンスに掴まりながらこちらに手を振ってますわ!」

「おーい、緑谷が踏み込みで開けた穴塞ぐの誰か手伝ってー!!」

測定不能で一位。

 

 

握力―――

 

「記録、測定不能!」

「何事もないかのように目盛りを振り切ったな…」

「見ろ!握力計が変形しちまって使い物にならなくなってる!!」

これも測定不能で一位。

 

 

反復横跳び―――

 

「記録、測定不能!!」

「緑谷のやつ速く動きすぎて地面に埋まってるぞ!!」

「あの脚力で地面の方がもたなかったんだ!!」

陥没してしまったため二位、一位は同じく測定不能の峰田君。

 

上体起こし―――

 

「大変!あまりにも速すぎる上体起こしの衝撃で、足を支えていた障子君が失神したわ!!」

「誰かあいつを抑えるやつはいねぇのか!」

「切島君の硬化ならいけるんじゃない!?」

「俺はまだ死にたくねえ!!」

支えられる人がいないため測定不能で一位。

 

 

長座体前屈―――

 

「記録、58cm!」

「普通だ…」

「普通過ぎるね…」

「すげえ普通だ…逆にすげえよ!」

普通に普通の記録で10位。

 

 

持久走―――

 

「ハァハァ…緑谷のやつなんでひとりだけ…ハァハァ…短距離走みたいなペースで走ってるんだ…」

「…ハァハァ…何回抜かされたかわかんねぇぞ…」

「…今ので23回目だ…ハァハァ…クソがっ…」

「…ハァハァ…ハァハァ…数えてんのかよ…!」

最終的に28周回遅れにして、一位。

 

―――以上で個性把握テストは終了した。総合結果だが、僕は他の追随を寄せ付けないで一位をとることができた!やったよオールマイト!ちなみに最下位の除籍はやっぱり合理的虚偽だった。相澤先生のうそつき!!

 

 

―――そして授業が終わり、下校時間になった。僕は校門に向かっていると後ろから声をかけられた。

 

「今日は凄かったな、緑谷君!入試に引き続き驚かされてばかりだったよ」

「飯田君!お疲れ様、いやぁ全力でやったら少しやり過ぎちゃったかなぁと反省してるよ…」

誉めてくれる飯田君にやや落ち込みながら返す僕。

 

「なにを!手加減なんてもっての他だ!自分の個性を見定めるテストだったのだからやり過ぎなんていうことはない!」

即座に僕の言葉を否定してくれる飯田君、やっぱり彼は真面目でいい人だなぁ、飯田君のそういうところは前世から尊敬している。

 

「まあ、得意の走りで負けたのは流石に堪えたが…」

「なんかごめん…」

「謝ることはない!緑谷君は全力で取り組んだだけなのだから!むしろ俺が―――」

落ち込む飯田君、僕が謝るとまたも直ぐ様フォローを入れてくれる、フォローも速いぞ飯田君!飯田君がなにか続けて言おうとしたときに再び後ろから声がかかる。

 

「おふたりさーん!駅まで?一緒に帰ろ?」

麗日さんだ!ツッテケテーっと小走りで近づいてくる、小動物みたいで可愛らしい。

 

「君は、∞女子!」

飯田君が返事をする、しかし∞女子って…君はどこまでも飯田君だな!

 

「麗日お茶子です!えーっと、飯田天哉君と緑谷…デクくん!だよね?」

「出るに久しいって書いて出久(いずく)って読むんだ、デクはアダ名だよ。でもデクでいいよ!」

名前を呼ぶ麗日さんに、名前を教える。

 

すでに僕にとってのデクは頑張れ!!って感じのアダ名なんだ!むしろ麗日さんには呼んで欲しい。

 

「アダ名だったかぁ、頑張れって感じでなんか好き…だな」

「えっ…?…あっ!うん!ありがとう!」

麗日さんがとんでもないことを言う。

 

15歳なんて多感な時期の男の子に好きとか言わないでよ!勘違いしちゃいそうになるじゃないか!!…えっ精神的には26歳だろうって?…こと女性に関しては経験値ゼロに等しいんだよ僕は!スライムも真っ青だ!……なんだか悲しくなってきた。

 

「でもデクくんっていうよりはデクさん!って感じだよね!」

「確かに!緑谷君の凄まじさを見れば、デクさんの方が似合いそうだ!」

意外な麗日さんの言葉に飯田君も続く。

 

「だよねだよね!強いし、逞しいし、私も助けられちゃったりして…カッコいいし…

麗日さんがすごく誉めてくれる、最後の方は声が小さくて聞こえなかったが。沈みかけた陽の光が麗日さんの顔を赤く染めている。なんだか照れて赤らんでいるみたいでとってもキュートだ!!

 

こうして僕たちは再び友達になることができた。オールマイトを救けるまではまだまだだけど、いまは喜んでもいいよね、オールマイト―――

 

 

 

―― オールマイト side in ――

 

「緑谷の個性把握テストの結果です、まさに規格外。ありゃとんでもない化け物ですよ、いったいどんな育て方してきたんです?それとも拾ってきたとか?ねえ、オールマイト」

相澤君が緑谷少年のテスト結果が書かれた紙を見せながら聞いてくる。彼が私の弟子だということは教師陣と一部のヒーローには伝えてある、つまり私の弱体化を知っている者達だ。

 

「うーん、どっちも、かな。ただね相澤君、彼は化け物なんかじゃないよ、すでに立派な志を持った"ヒーロー"さ」

私は片手間に明日の授業の準備をしながら、相澤君へ言葉を返す。

 

「そうですか、失礼しました。しかし貴方の後継が生徒だなんて私も肩の荷が重いですよ」

「解ってくれればそれでよし!まあそんなに気張らずに他の子達と同じように接してくれればいいからね!」

謝る相澤君に対して、少し大きな声で周りの教師にも聞こえるよう、彼への扱いを伝える。

 

「了解です、じゃあ明日の授業は頼みましたよ――」

そう言って去っていく相澤君。

 

彼のことだからもう友達も出来たことだろう、将来彼の身に降りかかる重荷を考えると、この高校生活くらいは楽しく過ごしてもらいたいものだ……

 

……っといかんいかん、今は私も一教師!明日の初授業に向けて気合い入れねばな!!

 

そうして私は明日の授業の準備を再開していった―――

 

――― オールマイト side out ―――

 




原作オールマイト「喜んでいる暇ないぞ」
ここのオールマイト「うちの子ならよゆーやし、高校生活楽しんでやー」

この温度差である。

追記:長座体前屈の記録がおかしかったので調整しました。
タグに「デクさん」を追加しました。




今日の話です。夜中に目が覚めて、日間ランキング32位にこのSSがあったんですよ、なんだ夢かって思って寝たんです。
朝起きてからランキング確認したら16位にこのSSがあったんですよね。

……夢だけど、夢じゃなかったー!

読者の皆様、評価して下さった皆様、本当にありがとうございます!
なにがお返しできるかわかりませんが、頑張って完結まで書いていこうと思います。


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