ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

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やり直し

……夢を見た

何か失う夢を

誰か大事なものを失う夢を

夢の内容は思い出せない

でも、悲しい

でも、怖い

大事なものを失くしたから?

前まではなかったもの

それは弱くて、儚い

それでも俺にはない強さを意思を持っていた

もし俺が今それをなくしたのなら

俺は生きることができるのだろうか

 

「……」

起きるといつもとは違う部屋に起きたのが分かる

ぼやけたボロボロの屋根が修学旅行に来ていたことを思い出させる

「あれ?」

そして俺が泣いていることも。

なんでだかわからない

でもなぜか悲しかった

寂しかった

でも周りは寝ている

ここはで出るのが得策だろう。

俺は寝室から出ると誰もいない。

朝早いし当たり前といったら当たり前なのだがなぜか寂しい

そして気づく

一人きりになるのが久しぶりだったのだ。

「……そっか。」

いつのまにか帰る場所ができ朝起きると挨拶が来る場所ができたんだった。

それが嬉しくて、楽しくて

そして失いたくないものだった

イリーナとあかりねぇが盛り上げ

俺が突っ込み

矢田先輩が落ち着かせる

その場所が恋しかったのだ

でも夢とは違う

暗闇の中

たった一人

そして誰かの鳴く声

聞いているとどこか懐かしく感じる

そうだ

自分が恐れてたものだ

悪夢は終わったと思ったとたん声が聞こえたような気がした

周りを見回すけれど誰もいない

「……」

気のせいかと思っていると

また聞き覚えのある声が聞こえる

それだけだった

二回呼ばれただけだったのだろうか?

離れていっただけだろうか?

違う。その人を失ったのだ

確かに大切な人だった。

でもなくしたのだ

失っただから悲しい

それは誰のせいか?

多分誰のせいでもない

しかし自分が悪い気がして来る

どこか悪いのか、

それを探しているんじゃないのか?

わからない

わからないからこそ俺は怖いのだろう。

 

「……ってなわけでこの班は暗殺を行わず別ルートに行く方がいいんだけど。」

とりあえず昨日俺と死神イリーナと話し合った結果俺たちの班のみ別行動をとるといったものなんだが

「なんで、分かってたら返り討ちにすればいいじゃん。」

「はい。そういうと思いました。」

俺はため息をつく

「あっ。予想はついてたんだ。」

「はい。だけどもうそろそろ烏間先生のストレスがちょっと。」

「「「あぁ。」」」

「それにちょっと面倒臭いんですよ。襲われるとこが襲われるとこなんで。」

「…襲われるところに検討ついているんですか?」

「あぁ、祇園だと思います。確か神崎先輩が行きたいっていってたところですよね?」

「うん。そうだけど。」

「よく調べましたね。でもあそこは細い路地が多くてスナイパーの位置が少しわかりやすいんですよ。だからどちらかといえば赤羽先輩が茅野先輩、杉野先輩の近接タイプな暗殺者は得意なコースなんですがちょっと先生の性能上向いてないんですよ。」

「あっ?そうなんだ?」

「えっとどういうこと?」

「スナイパーライフルって基本は一発しか撃てないんだよ。さらにリロードがしにくいし。そのぶん遠くから狙えたり速度や威力は桁違いだけど。でも基本的にそんなに先生の暗殺にはむいてないんだ。一発だけだったら八つ橋でつつんで取られかねない。」

「ありそう。」

潮田先輩が納得している

「まぁ援護射撃や周りが先生の苦手なものがあったりなど条件はありますが。正直どこの班も暗殺はできないと烏間先生に言っています。ってか単独暗殺だとスナイパーライフルは俺と先生にはあまり向いてないんです。てか単独だったら俺すら殺せない。」

「……そうなんだ。」

「はい。でもどうしますか?」

「ごめんね。わたしが。」

「盗まれたんだから仕方ないですよ。」

「でも羽川。なんで言わなかったんだ?新幹線の時に言えばよかったんじゃ。」

確かにそうだろうけど

「ちょっと理由があったんです。一応揉め事になるので先輩たちの内申点にも響くのが一点。そして妙にスリに慣れてたってことがもう一つの理由ですね。」

「どういうこと?」

「……一度じゃないってことでしょ。」

赤羽先輩の言葉に頷く。

「多分犯罪行為に慣れている集団ですよ。ってことは多分言い訳は考えてあるだろうし俺たちの中学校は有名なので報復行為がある可能性が。」

するとみんなが固まる。

「それに名前を見られているのが致命的ですね。だから本当はしおりを取り戻したいんですが手の打ちようがないんですよ。」

「どうして?」

「最初はわざと騙されたふりをして奪い返そうと考えましたが戦力が俺と赤羽先輩しかいないので七人以上で来られたら人質取られる可能性が高いのでアウト。烏間先生やイリーナについて来たもらったら簡単にバレたり他の班に影響するのでアウト。俺と赤羽先輩だけでその取りに拠点に行くと思ったけど……それも女子たちを別行動にしてしまうのでアウト。」

「……ねぇそれ羽川くんが全部考えたの?」

「いや。基本先生で反論するのが俺。相手は高校生って情報だけで幾ら何でも武道があれば俺でも細い路地で相手にするのは厳しい。わからない敵との戦いは基本こういう相手を少し過大評価していかないと痛い目にあう。ってか先生が一番やばい案だしてるけど。」

「……そっか。羽川の話聞く限りそうだね。でも一つだけ例外があるんだけど。」

「……なんですか?」

「羽川が取りに行って俺がみんなを守るっていうのは。」

「なしです。そっちに五人以上いかれた場合結構厳しいんです。」

人質とかの問題で

「……でも一つだけ方法があるんですがあまり使いたくないんですよ。一人を危険になるし俺がちょっと。」

「……どんな方法なんだ?」

杉野先輩は悩みながら

「俺と誰かがさらわれて内部から殲滅するって方法です。」

 

「……ここからちょっと危険です。気を引き締めてください。」

「うん。」

……でもやっぱ潜入捜査といえ女子の制服着るの恥ずかしいんだけど。

元々女顔だから女装はしやすいんだけど

「……やっぱり恥ずかしいんだ。」

「誰が好きで女装しないといけないんですか?」

「でも、すげぇな。本当に羽川かよ。」

「……あの、ウイッグとメガネつけてと女子の制服に着替えただけですから。」

「でもなんで女子の制服もってたの?」

「先生がなぜかもってた。しかも俺のサイズぴったりのを。」

なんでバレてたんだろう先生と烏間先生に作戦を伝えるとするとやっぱりそうしますかと死神に言われた。

そしてすぐに女子の制服を持って来たのだ

「でも本当にうまくいくの?」

「多分。大丈夫、あのエロダコが花魁とかに見とれてなければ。」

「……ありそうだな。」

「まぁ責任は取ってくれるらしいしとりあえず茅野先輩のこと頼みます。赤羽先輩、杉野先輩、潮田先輩。」

「あぁ、任せておけ。」

「なら作戦はさっき伝えたとおりで。おねがいします。」

そして祇園の最深部に入って行く。

「でもよく調べましたね。祇園の奥がこんなに静かだなんて。普通知りませんよ。」

「あ、うん一見さんお断りの店ばかりだから暗殺にはうってつけの場所だと思ったんだけど」

視線を感じる。

……数は5人くらいか

「……来ます、気を引き締めてください。」

すると全員が頷く。

「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすいとこ歩くかねぇ。」

「……えっ?」

変声期で女の子に声を変えている。多分これなら気づかれないはずだ。

俺は少し分析する

体型からして喧嘩するための体に拳は殴り慣れている様子

奥田先輩以外は逃げられるんだが

逃げるのは無理だ。

「潮田先輩、奥田先輩と茅野先輩を連れて隠れて下さい。」

「う、うん。」

そしてすぐに逃げて行く三人。

「……」

そしてすぐに気づいた

「赤羽先輩後ろ。」

「えっ?」

すると鉄パイプで殴られる赤羽先輩がいた。だけど受け身をとれていたので多分大丈夫だろう

「……」

すると口を抑えられる。

睡眠薬は入っていないのでなんとかなりそうだ。

軽く抵抗し動く。

するとなんにも抵抗ない縄で占められる

どうやら思ったとうりそこまで警戒ししてないな

「わははやっぱりたいしたことないなこいつら。」

すると慣れているのかすぐに引っ張られなすままになる。

すると車に連れていかれる。その隙に車のナンバーを見ようとするがやっぱり隠されていた。

車に投げ入れられると

……今だな。

その隙に俺は尻ポケットに入れている発信機の電源をいれる。

これで位置は死神と烏間先生に伝わるだろう。

すると神崎先輩と目が合う。

一度俺が頷くとすると少しホッとする。

とりあえずは計画通りだ。

「何するんですか?犯罪ですよね。」

俺が威圧しながら言うと

「人聞き悪いな〜修学旅行なんてお互い退屈だろ?楽しくやろうって心遣いじゃん。」

「な、カラオケ行こうぜカラオケ。」

「……」

やっぱりレイプ狙いか。

ってことになると一旦拠点に前に車から降りる時に油断と隙がうまれる。

狙うんならそこだな。とりあえず神崎先輩に連絡しとこう。」

「……神崎先輩降りる時反撃する。多分カラオケとか言ってるがこの方向から攫われた付近の廃墟に向かってる。」

「……えっ?」

俺は少し準備をする。

「……これから何するんですか?」

「言っただろお前らを台無しにするんだよ。台無しは楽しいぞ。そっちの彼女ならわかるだろ?」

するとリーダー格の人が携帯をさわりこっちに一枚の写真を見せてくる。

そこには茶髪でパーマをあてたゲームセンターにいる神崎先輩の姿がいた。

「……」

なるほどそういうことか。

「拐おうと計画してたら逃しっちまった。随分入り浸ってたんだなぁって。まさかあの椚ヶ丘の生徒だったなんて。」

「……やっぱり神崎さん目当てで昨日しおりを…」

「今更気付いてもおせぇよ。そこの彼女にも教えてやるよ。台無しの楽しさを。堕ち方なら俺等全部知ってる。これから夜まで台無しの先生が何から何まで教えてやるよ。」

すると高校生たちはこれからのことを話し始めた。

気づかれないように俺は小声で質問した。

「……神崎先輩もああいう時期あったんですね。」

小声で話すと小さく頷く。

「うん。うちは父親が厳しくてね。よい学歴、良い職業ばかり求めてくるの。そんな肩書き生活から離れたくて名門の制服を脱ぎたくて知ってる人がいない場所で格好を変えて遊んでいたの。バカだよね遊んで結果得た肩書きはエンドのE組。」

「先輩違いますよ。」

「……えっ?」

「……神崎先輩。大切なのは、それが本当に自分のやりたかったことなのかが問題なんです。」

俺はため息をつく。

「学歴だって家柄なんて関係ありませんよ。俺だって父親が厳しかった。家のこと自分のことばかり考えていた。だから最初は頑張りました、それが褒めてもらえる、自分のためになると信じて。でもその先にあったのはさらに高い目標と暴力でした。」

俺はため息をつく

「間違えてもいい。失敗しても何度でも立ち直れます。俺も一度大切なものを失いました。家族も財産も、大切な人を失いました。」

佳奈もあぐりさんも失った。でも俺にはまた大切な人ができた。

あかりねぇもいる。矢田先輩もいる。死神も、烏間先生も、三年E組のみんなも

「でももう同じことは繰り返さない。今度は絶対に全部守ってみせる。一度間違えたならまた同じ失敗を繰り返さなければいいんです。」

俺は笑う。すると車が減速していく。目的地に着いたのだろうか?でももう関係ない。

「……だからまずは神崎先輩を守ります。嫌な思いはさせません。だから少し待ってて下さい。すぐに終わります。」

車が止まった瞬間俺はこっそり隠しておいた煙玉をのピンを引き抜く。するともくもくと煙が充満して行く。

「な、なんだ。」

「神崎先輩ごめん。」

俺は神崎先輩の方に体を寄せ俺側の車の扉を蹴り破る。そして自分の縄は話しているうちに軽く切れ目を入れておいたのですぐにほだけそして座ったままの神崎先輩を持ち上げる。そして壊した窓から急いで神崎先輩を傷つけないように飛び降りる。

「羽川くん、神崎さん大丈夫ですか?」

すると死神がすぐに駆け寄る。発信機の中に盗聴器も含めてあったので出るタイミングも全部知らせていた。

「俺は大丈夫神崎さんは?」

「うん。大丈夫だけど。」

「なら先生神崎さんのことお願いします。」

俺は神崎さんを離し女子の制服を脱ぎ下に着てあった学校のジャージになる。すると同時に車からリーダーらしき高校生が出てきた。

「……お前何を。」

「最初から全部わかっていたさ。計画された犯行っていうのは。」

変声期を吐き出し高校生に話しかける。

すると高校生はフラフラになっていた。そりゃそうだろう。弱い睡眠薬を煙玉に仕込んであったのだからもう少したてばもう意識を失い倒れるはずだ。

「だからわざと計画どうりにさせてあげたんだよ。泳がせておけばいつか隙がうまれる。まぁ今回の件は赤羽先輩が後ろから殴られたことぐらいしか変更点がなかったから楽だったけど。」

「テメーよくも。」

「それにあんたは肩書き肩書きっていうけどうちのクラスは学校内でも落ちこぼれ扱いされてる。でもあんたのように人を底に沈めるようなことは決してしない。」

俺は睨みつけ

「学歴も肩書きも関係ない。ちゃんと前に進めれば人は美しくそして強くなるのだから。」

すると高校生はガクッと膝を折り前に倒れて行く。

「まぁ、あんたもやり直せると思うぞ。ちゃんと理解してればだけど。」

すると完全に倒れる高校生を見る。ちゃんとこいつもやり直してくれるといいんだけど。

まぁとりあえず目的の物は消しておくか、

俺は高校生のポケットから携帯をいじり神崎先輩の写真を消しておく。ついでに一応ロープで高校生全員を縛っておくか。

「神崎先輩例の写真は消しておいたので安心して下さい。」

「うん。ありがとう羽川くん。」

「先生。茅野先輩の方はどうなりました?」

「さっき見てきましたが全員無事でした。怪我もなかったですし。」

「なら良かった。これで怪我されたら烏間先生と先生の責任になるし本当に良かった。」

これでとりあえずは一件落着か。あとしおりも回収してっと

「神崎先輩怖い目に合わせてすいませんでした。多分これでこいつらからは完全に縁が切れると思うので安心して下さい。」

「う、うん。」

「あと自分のやりたいことを見つけた時はいつだって俺とそのタコが力になります。なので気軽に相談して下さい。そのためにこの教室に来たんですから。」

俺は腕を伸ばし少し力を抜く。

「さてと旅行に戻るか。先生今先輩たちどこにいるんだ?」

「さぁ?」

「……そういえば待ち合わせ場所きめるの忘れてたな。電話するか。」

「羽川くんはどこか抜けてますね。」

「うるせぇよ。」

まぁトラブルはあったけどなんか神崎先輩はすっきりしたらしいしいいや。

でもゲームセンター一度行ってみたいなぁ。

そんなこと考えながらあかねねぇの電話番号へかけるのだった。


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