ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

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怖い

イベント

それは本来なら楽しみなイベントだろう

しかしここはエンドのE組

ただ事ではないのは分かっていた

 

 

「康太くん本当に謝るから」

「ほんとにごめんね。」

「こうちゃんごめん。」

『だからもういいって。』

俺はため息をつく。

『桃花もカエデも有希子も気にしすぎ。そのことはもう気にしないって言っただろ』

「……でも」

『それじゃカエデは初めてが俺じゃ嫌だった?』

「……」

「康太くんそれはずるいと思うけど。」

『嫌じゃないっていってるんだからこの話はこれでおしまい。』

「羽川なんか大変そうだな。」

すると前原先輩が前を通りがかる

『見てるんなら助けてくださいよ』

「でも本当に羽川ってモテるよな。」

『前原先輩もですよね?』

『まぁそうだけどさ。』

「認めちゃうんだ。」

「でもよ。なんで修羅場にならないのか不思議なんだよ。俺は前やらかしちゃってさ。」

聞きたくなかったよその情報

「えっと、その後どうなったの?」

「まぁ二人とも本命じゃなかったから」

『あの、俺が言える立場じゃないんですが、最低ですね。』

「まぁな」

「でもこうちゃんは誰が一番好きとか決まってるの?」

『分かってたらこんな最低なことしてないぞ。』

「そうなの?」

『俺本当に信用ねぇな』

「一度大きな事件起こしてるし当然だと思うなぁ。」

『有希子的確なツッコミはやめて結構きつい』

でもあの事件は向き合わないといけないだろうな。

実際怖がらせたしそれよりも

信用を失ったことはかなり大きかった

外は蒸し暑くもう夏が近い

先生の暗殺期限まで後9か月

それが勝負のしどころだ

 

球技大会か

黒板を見ながらため息をつく

一応参加は認められているのだが三年E組としてエキビジョンマッチという見世物であるのだが

正攻法での勝つ可能性かなり低くないか?

「康太くんどうしたの?」

『野球でちゃんとした試合で勝つ方法はないかなぁって』

「えっ?」

『せっかくならちゃんと勝ちたいじゃん。だからなんとか裏道を探してるんだけど。さすがにないよなぁ。』

俺はため息をつく。

杉野いわくどうやら超中学校級のピッチャーがいるらしく普通じゃ勝ち目がないらしい

ということになると

切り札の存在が必要になってくる。

『まぁ俺も練習混じってくるか。そっちも女子バスケ頑張れよ。応援したいけど時間がほとんど被ってるからな。』

「うん。康太くんの応援は試合終わったらいくね。」

『まぁ期待せずにな』

俺は手を振ると少しため息をつく。

まぁ一応頑張るけど相手が相手なんだよなぁ

バントで数点稼げるとしても結局数点どまり

力も経験もあっちの方がある

それなら何で勝つか

策略しかない

もし俺が声が出せたのなら

いくつか方法はあったはずなのに

さて、もう前のことを悔やんでもしかたがない

どうやって勝つかだ

でもただ勝つだけはだめだ

……また一人で考えてるな

はぁ。自分の悪い癖だな

それで一度失敗してるのにこの有様だ

今まで自分のことは自分でやってきた

そのつけが今になってやってくる

苦しいな

頼りにできないことが一番苦しい

とりあえず死神にいわないと仕方ないだろう

俺は校庭に向かうと

死神が九人に分裂し守備についていた

えっと何をやってるのだろうか?

近くにいた渚に聞いてみるか

渚の肩を叩きペンを走らせる

『なにしてるの?』

「えっと野球の練習みたいなんだけどそうはみえないよね。」

俺は頷く。

「そういえば羽川くんは野球は?」

『アメリカ軍で少し休憩時間でやったぐらいです』

「……えっと多分経験がないってことだよね。」

俺は頷く

話せないのがやっぱりきついな。

『でも、三村先輩は三振した後に赤面しているんですが』

「えっと。」

さすがに戸惑いを感じる渚

「おや、羽川くんも練習ですか?」

俺は頷く

「なら打席に立ってください。後打っていないのは羽川くんだけですよ。」

なら遠慮なく

俺は転がっていたバットを手に取りバッターボックスで構える

元メジャーリーガーの誰かわ忘れたけど言われたことを思い出す

速さも球種も関係ない。だた

来たボールをうてばいいんだ

するとボールが近づいていく

そのボールが来るのをギリギリまで引きつけてから

振り切る

するとカーンと金属バットからいい音が聞こえる

「にゅや?」

するとボールはどんどん伸びていき裏山に突き刺さる

「ほ、ホームラン。」

「す、すげぇ。」

えっとどうすればいいんだっけ?

たしかベースを反時計回りに一周だよな

まぁとりあえず走ればいいか

俺は一周まわり

ホームベースをもう一度踏む

「えっと羽川くん?なんであんなに速いの打てるの?」

『銃弾よりおそいのでコツさえわかれば』

「……そっか。」

すると渚は複雑そうな顔をしてる

『どうしたんですか』

「羽川くんは自分のその力になれてきたんじゃないのかな?」

急な正論に俺は少し固まってしまう。

「羽川くんはなんでもできすぎるんだよね。だから本当に困った時に相談できないんじゃないのかな?」

その通りだった

急に図星を突かれ戸惑ってしまう

「……ごめんね。こんなこと言っちゃって。」

『いや。結構痛いところを言われてちょっと驚いてしまっただけで。』

俺はだからかと思ってしまう

やっぱり似ているな

俺はため息をつく

この先輩はどこか油断できない

そう感じてしまう

潜伏以外ではクラスでもほとんど最下位に近く、勉学もそこまでいいわけじゃない

でもなにかをずっと隠し持っている

得体の知らない何かを

「……康太?」

急に話しかけられ驚いてしまう

そこには赤羽先輩がたっている

「大丈夫?震えてるけど。」

『大丈夫です。ただちょっと怖くて』

「怖い?渚くんが?」

『はい。なんだか敵に回したら直感がまずいって感じているので。』

俺はため息をつく

『ただ、他のことで勝っていてもなにか不気味なものを持っているっていうかなんだろう?』

ただそれだけが妙に気になる

怖くないことが怖い

なんであんなに殺気を持っているのに

ずっと殺気が漏れてないのがおかしい

なんでそんなに平気なのか

わからない

そうわからない

強さが見えないのが怖い

いつぐらいだろう

俺がこんなに人をおそれたのは


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