ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

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日常

あれから二週間がたった。

相変わらず平和だなぁ。

そんなことを思いながら俺は笑う。

日本は平和な国だ。

基本的には平和な国なんだが。

「そのぶんだけあって暗殺スキルが弱すぎるんだよな。」

俺はため息をつく。正直今のままじゃあ、俺にも、あの先生にも当てることはできないだろう。

銃器は俺も専門じゃないがいくらなんでも酷すぎる。

……ってか暗殺スキルを教えられる奴がいないんだよな。

俺はスマホを取りだす。

とりあえずでスマホを取り出す。

「やっぱり使うの難しいよな。ってか慣れねぇ。」

ずっとガラケーを使っていたのでずっと四苦八苦していた。でも高性能なので使わなければならない。

まぁ口止め料で買ったんだけどな。

「……はぁ、まぁ電気とWi-Fiあそこに通っただけましか。」

俺は屋根で寝転ぶ。

今下では銃声が聞こえる。

多分今日も殺せないだろうな。

そんなことを考えながら俺は息を吐いた。

 

「終わった?」

「はい。終わりました。」

緑色のしましまで俺をむかえるけど

やばい。すごくなぐりたい。

しかしこらえて自分の席に戻る。

「おはよう。羽川くん。」

「おはようございます。矢田先輩。」

どうやら隣の席は矢田という女の子でクラスの中でも一、二を争う人気の女子らしい。

「今日もダメだったんですか?」

「うん。やっぱり速いよ。」

「まぁ、マッハ20の状態になったらそりゃ厳しいに決まってるだろ。俺だって当てられないしな。」

さすがに最高速度マッハ20の速さになれば当てられないに決まってる。

「多分だけどみんな先生を狙って撃ってませんか?」

「えっ?そうだけど。」

「そこですね。馬鹿みたいに先生を直接狙うとその分逃げるスペースを与えることになるから狙いは先生の逃げ場を無くすように撃つといいんですよ。えっと確か速水先輩と千葉先輩がこの中だったら射的がうまいはずなんでアタッカーにして他の人が逃げ場を防げば当たる確率は上がるはずですよ。」

「えっ?」

「簡単にいうとマッハ20になるには時間がかかるんです。最初の速さは600kmぐらいなんでマッハ20よりも当てやすいんですよ。」

どんなものでもトップスピードに入るには時間がかかる。

「まぁ、動けないようにするのが理想的だけど、今の状況じゃ難しいからなるべく動けないようにすればいい。機動力さえなければ知識のあるただのしゃべる巨大なタコだ。」

「……」

絶句したようにしている矢田先輩

「えっと?詳しいね?」

「まぁ。俺もあの生物について研究してたしな。」

するとへぇ〜と周辺の奴らは声を上げる。

「つまり機動力を奪えばあの生物はかなり弱体化するぞ。まぁそれでも時速600kmあるけど。」

「ふーん。なるほど。ありがとう。みんなにも伝えておくよ。」

「そうしとけ。まぁ、授授業もうそろそろ始まるしこの話はラインにあげておくから。」

俺はスマホを開く。ここはWi-Fiは通らないらしいが俺にはポケットWi-Fiを買ったのでスマホは俺だけ使用可能だ。

「さぁ授業を始めますよ。」

先生は今日もいつもの通り授業を始めた。

 

何が起こるわけもなく授業は進む。

そこは普通の中学校とは変わらずに授業を受けている。

ただ違うのは暗殺ターゲットが二人いることだった。

「……」

真剣に授業を受けている。一応受験生なだけあって口出しする生徒はいない。

「……」

俺も同じようにノートを取り授業を受ける。

そしてしばらくたって。

キーンコーンカーンコーン

チャイムがなり授業が終わる。

……自分が一番嫌いな時間だ。

みんなは自分の弁当やパンを食べているけど

「あれ?羽川くんお弁当は?」

「……」

矢田先輩の質問に俺は指差す。そこには茶色の塊が二つあるだけだった。

「そね、何?」

「熊肉の干し肉です。あまり美味しくないので食べない方がいいですよ。」

俺はため息をつきながら食べる。ちゃんとした干し肉なら美味しいはずなのだが自分のは生きるための干し肉なので味はクソまずい。

俺はまた一つ摘んで食べる。

「……血腥い。」

味、匂い全てにおいて最悪だった。

「えっと、コンビニでお弁当とか買わないの?」

「……買いませんよ。基本土日以外は家から出ないですし。それに変装もなしで山から降りることなんて自殺行為なんで。」

前に死神と食事に行った時に分かったのだが

「多分、俺のことと先生のことを知っている人が最近市街地を徘徊してるんですよ。殺し屋が多すぎて油断できないですし。」

「俺よりも貧しい昼飯は初めて見た。」

磯貝先輩が俺の昼飯を見て驚いてる。

「仕方ないですよ。何もしなくても命がお金になるので自由なところはありませんし。」

いつ殺されるか分からない恐怖があることが追われる側の宿命だ。

「殺される側で堂々としてるのはあの怪物ぐらいですよ。」

今頃中国ので麻婆豆腐を食べているころだろうあの怪物にため息をついた。

 


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