メインキャラと同年代じゃないオリジナル主人公は間違っているだろうか? 作:反町龍騎
翌日。
ふう、とりあえず、四人とデートの約束は交わせた。
まだ増やしたいなぁ。今の時点で両手に花どころか両手に花束だがな。
増やすとなると、管理局メンバーかなぁ。
ただなぁ、あの人たち身持ちが固いからな。むつかしい。
おや?あんなところにハリー達が。とりあえず声を掛けよう。
「ようハリー、おはよー」
「ん?ああ、宗二か。おはよう」
まあ、ハリーの事だから心配してはいなかったが、案の定気にしていないようだ。
ミアが何かしたのだろう。
「おはようミア」
「⋯⋯ああ、宗二」
ミアがやつれた感じがするんだが、気のせいか?
「昨日、お前が逃げてから散々だったんだぞ。リーダーにどやされて、落ち込んで、泣かれて⋯⋯。あれはお前の冗談で、お前はリーダーにぞっこんだって言い聞かせるのに何時間かかった事か」
「そうかミア、お疲れさん」
俺はミアの頭をポンポンと叩く。
おや?ジジイから通信が。
「ああー!やっぱり宗二はミアにも気があるじゃねえか!ミアテメェ、騙しやがったな!」
「ち、違うんですリーダー!これは――」
「なんです、ジ――ゲンヤさん」
『今ジジイって言おうとしなかったか?』
「さすがのナカジマ三佐も歳には勝てないようですね」
『うるせえやい。ところでよ、宗二、ちょっとばかし出てこれねえか?』
「今度はなんですか?」
『まあ、来れば分からぁ』
「すげぇ行きたくないんですが?」
『まぁ来ねえなら仕方ねえ、今週末なにかと理由を付けてお前を引っ張り出してやる』
止めてくれジジイ!そんな事されたら四人に殺される!
一度だけあったんだよな。ジジイじゃなく狸に引っ張り出された翌日、俺は地獄を見た。
あんなの思い出したくもない。
ああ、思い出しただけで足が震える。
「分かりましたよ、行きますよ」
『そうかい、じゃあ、108まで来てくれ』
「はーい」
さてと、あそこで言い合いしてる子達に話しとかなきゃ。
「おい、ハリー達」
「あ、宗二!」
「おい宗二!テメェ――」
とりあえず二人を抑えるために抱きしめておく。
「お、おい、宗二!」
「な、なんで私も」
うるさいやい。とりあえずハリーの肩を掴み、ハリーの目を見て話す。
「ハリー?言ったろ。俺はハリーが好きなんだって」
「――っ、そ、宗二⋯⋯!」
頬を赤らめ俯くハリー。単純なやつだ。だがそこがいい。
「なあミア」
「な、なんだ」
どうしてミアさん顔が赤いの?
「俺今から管理職の方に行くから、ノート取っといてくれ」
「それならオレが!」
「お前の字は可愛すぎるから駄目だ」
「どういう意味だ!?」
「じゃあ頼んだぞ、ミア」
「ああ、分かった」
管理局、陸士108にて
「用事ってなんです?」
「おう、宗二。用事ってのはだな――」
「私と模擬戦をしないか?宗二」
奥から現れた女性はシグナムさん。
ピンク色の長い髪を後ろで一つに纏めた美人さんだ。
いや違うな、残念美人さんだ。
ていうかジジイ。貴様が俺を呼んだ理由ってこれかよ。
戦闘狂の残念美人さんと戦いたくないのでとりあえず逃げる。
「待て、何故逃げる」
止めて!俺の腕を掴まないで!
「だってシグナムさん、手加減って言葉を知らないじゃないですか。アギトとのユニゾンやカートリッジは反則ですよ」
「それは仕方のない事だ」
「どこがだ!?」
「お前が強いのがいけないんだぞ。お前が強い所為で、私はアギトとのユニゾンやカートリッジを使わなければならなくなる」
「そのダメな子の言い訳は止めてくださいよ!」
まったくこの人は。
普段は凛々しく面倒見のいいお姉さん然としているのに、戦いになったらそれしか考えられないダメな子になっちゃう。
「ふむ。そんなに私とやるのは嫌か?」
「はい」
「即答か。いっそ清々しいな」
そのまま諦めてくれると助かるんですが?
「ならこうしようか?模擬戦で、お前が私に勝てたら、私はお前とデートしてやろう」
なん⋯⋯だと!?
何を言っても受け流すことしかしなかったシグナムさんが、俺と、デート⋯⋯だと。
「勿論、私はアギトとのユニゾンはしないし、カートリッジも使わない」
「よしやりましょう!すぐやりましょう!今すぐやりましょう!」
その条件なら俺にも勝ち目はあるはず!
俺たちは模擬戦場に移動した。
「さて、始めるか。――と、そういえば、私が勝った時の事を言っていなかったな」
「シグナムさんは、俺に何を求める気で?――はっ!駄目よ私の貞操は」
「そんなものは要らん」
「そんなもの!?」
そんなものとは酷い事を!大切に取っているからそれなりに価値はある⋯⋯はず。
「私が勝ったら、お前との真剣勝負をしたい。勿論、私もお前も、持てる力の全てを使った全力全開で、だ」
「そんな事はしない」
「そんな事!?」
そんな事はどうでもいいんですよ。
「では、やりましょうか?」
「ああ」
俺は自分のデバイス、白銀一色の刀「白虎」の柄頭をシグナムさんの方に向け、
「セットアップ」
白と黒、ホワイトタイガーのような模様のバリアジャケットだ。
それを見て、シグナムさんはレヴァンティンを構える。
「白虎裂斬一刀流、小鳥遊宗二。――参ります!」
俺はその場で剣を振る。
俺とシグナムさんの距離は、腕を伸ばしても切っ先すら届かない。
何故その距離で刀を振るのか。
答えは、白虎裂斬一刀流の技の一つ、「衝裂斬」だ。
この技は、集束魔法の一種で、集束した魔力を刀身に纏わせ、さらに魔力で刀身を伸ばし、離れた相手にも攻撃することの出来る技。
しかし、シグナムさんは戦闘狂なだけあって実力者だ。
俺の衝裂斬を防ぐ。
しかし、俺の攻撃はこれだけでは終わらない。
二撃、三撃と、衝裂斬を繰り出していく。
なるべくシグナムさんを近づけたくない。近づかせたら、勝ち目が薄れる。
ただ、近づかなくちゃ勝ち目がもっと少なくなるんだよな。
俺の衝裂斬を掻い潜り、シグナムさんが俺の懐に潜り込んできた。
「はあぁっ!」
シグナムさんの横薙ぎ一線。それを俺は魔力で伸ばした刀身を引っ込め、魔力を纏わせた白虎で防ぐ。
「んなろッ」
シグナムさんのレヴァンティンを弾き、横っ腹に蹴りを入れる。
「すああぁぁ!」
また距離が開いたため、衝裂斬を何度も繰り出す。
「――いい加減、見飽きたぞ」
「ッ!」
いつの間にか、目の前までシグナムさんが迫っていた。
碌な防御も出来ず、シグナムさんに吹き飛ばされる。
「ぐああっ」
シグナムさんは、レヴァンティンを構え直し、
「近づかせたくないのがバレバレなんだ、お前の剣は」
「――でしょうね。シグナムさんを近づかせたら、俺すぐ負けるから」
言いながら、白虎を杖代わりにして起き上がる。
そして白虎を構え、
「それじゃあ、そろそろ決めますよ」
「ふむ、あれをするか。いいだろう、受けて立つ!」
あえて真っ向からの勝負に出たシグナムさん。
後悔しないでくださいよ?
俺から、濃密な殺気が漏れてしまう。
それを感じ取ったシグナムさんは、険しい表情をする。
俺は白虎を鞘に納め、腰を落として居合の構えを取る。
いくぞ、白虎裂斬一刀流・奥義!
「白虎、白銀の穹ッ!!!」
眼で追う事の不可能な斬撃。それをシグナムさんは、勘で受ける。
しかしこの技は、単に早いだけではない。技の威力も相当なものなのだ。
一度この技で、なのはさんのエクセリオンバスターを斬ったことがある。
それほどの威力の技を、ただの防御のみで受け切ることは、さしものシグナムさんでも出来ないだろう。出来ないはずだ。出来ないといいな。
「――グッ、があぁっ!」
案の定、受け切ることが出来なかったシグナムさんは、吹き飛ばされ壁に激突した。
パラパラと、小粒のコンクリートが落ちる。
よろよろと立ち上がったシグナムさんは、少し口角を上げる。
や、ヤヴァイ!これは戦闘狂モードに入ってしまったか!?
「宗二」
「は、はい!」
駄目だ!怖くて声がうわずった。
「――今回は、私の負けだ」
「いや駄目ですシグナムさん!これ以上は――へ?」
普通だ。シグナムさんが普通だ!
いつもなら、「面白い!面白いぞ宗二ぃッ!来い!もっと来おおおぉぉぉいッ!!!」みたいな感じになっているはずなのに。
「ん?何か失礼な事を考えていないか?」
「イイエナニモカンガエテイマセンヨ」
「うーん、なにか引っ掛かるが、まあいい、とにかく私の負けだ。約束通り、デートをしようか」
「やったぜ!じゃあ今週末、〇✕ショッピングモールの西側に待ち合わせで!」
「ああ、分かった」
やったぜ!シグナムさんとデートだ!
現状、同年代四人に大人美女一人。最高にハーレムじゃないっすか。