メインキャラと同年代じゃないオリジナル主人公は間違っているだろうか? 作:反町龍騎
シグナムさんと模擬戦した後、「もっとやらないか?いや、殺ろう!今すぐにィ!!!」と言われるかもしれないとびくびくしていたが、特に何を言われる事も無く、解放された。
ジジイの用事というのがシグナムさんとの模擬戦だけだったのでもう暇になったな。
どうしようか?帰ってもいいんだが、授業受けるの面倒臭いな。⋯⋯休むか。
急遽管理局の仕事が入ったので学校を休む、と連絡しとこう。
ミアにも連絡しとくか。
ミアに連絡すると、ハリーが後ろでギャーギャー騒いでいた。
とりあえずそれを無視して休む旨を伝える。
「じゃあ頼むわ」
「あ、ああ、分かった。⋯⋯なあ、宗二」
「あ?」
「こういうのはリーダーに連絡してくれないか?」
「なんで?俺がノート頼んだのお前なんだが」
「いや、リーダーがへこむんだよ」
ハリーのガラス・ハートはジーク以上だったの忘れてた。
「分かった。次からそうする」
「ああ、頼むよ」
ミアに連絡し終え、暇なので局内をうろうろする。
確かこっちは航空戦技教導隊の訓練場だったな。そこには管理局の白い悪魔こと、エース・オブ・エース高町なのは一等空尉がいるはずだ。
ちょっかいかけに行こーっと。
「おはようございます、なのはさん」
茶色のサイドポニーの女性、高町なのはさんに挨拶をする。
「ああ、宗二君。おはよ~」
手を振りながら笑顔で答えてくれるなのはさん。もう二三だというのに可愛さが残っているとは。
心が幼いという事か、幼さを忘れないという事か、体が幼いという事か。
なのはさんの、一般的に見れば大きいほうの胸を見る。
「――はっ」
おっと、つい笑ってしまった。なのはさんの胸は大きい方なんだろうが、シグナムさんやフェイトさんを筆頭に、胸の大きい人が周りにたくさんいるので、なのはさんの胸は小さいほうというカテゴリに入ってしまうのだ。可哀想に――
「――あっぶなッ!」
俺がなのはさんの胸を見て思考の海に沈んでいると、突然なのはさんのアクセルシューターであろうものが、俺の鼻先を掠める。
「ああ、ごめんね。失礼な事考えられてた気がしてつい」
「ハハハ、ソンナコトオモウワケナイジャナイデスカ」
さ、流石はエース・オブ・エース。勘のいいことで。
「そう言えば宗二君、今日学校は?」
「休みました」
「ダメだよ?あんまり学校を休んじゃ」
「面倒臭いんですよ、局に来ちゃうと」
「まあ、分からないでもないけどね。でもちゃんと学校には行きなね?学生の本分は勉強なんだからね」
「分かってますよお母さん」
「お母さん!?」
はっ!母親のような事を言われてつい言ってしまった。でも間違ってないよね、局に入ってからお母さん的立場で面倒見てくれた人だから。
「ごめんなさい、ついうっかり」
「う、うっかりって――」
「そういえばなのはさん。教導隊の仕事は?」
「今は休憩中だよ。そうだ、宗二君も一緒に練習する?」
「謹んで遠慮します」
「ええ~、やろうよ~。ほら、インターミドルの練習にもなるし」
ならねぇよ。俺がいつもあんたの訓練すると決まって模擬戦やろうって言ってくるじゃん。ただの模擬戦ならまだしも、ブラスターにカートリッジ使ってくんの。
しかもあの人、「なんか楽しくなってきちゃった!」とか笑顔で言いながら、本気で落とそうとするし、挙句ゼロ距離SLBですよ?僕死んじゃう。
「死ぬの嫌なので遠慮します」
「死なないよ!?⋯⋯ああ、そうだ。ねえ、宗二君」
「はい?」
「今年からヴィヴィオもインターミドルに出るんだ」
ヴィヴィオ?どなた?
「ヴィヴィオって?」
「あれ?言ってない?私の子供の――」
「なのはさんの子供!?そんなひどい!俺と子供を作る約束してたのに!相手は誰!?まさか、ユーノさん!?」
「違うよ!ヴィヴィオは養子だし、私ユーノ君とそういう関係になってないし、それにそんな約束なんてしてないよ!?」
そうだったのか、そのヴィヴィオって子はなのはさんの養子か。てっきり誰かと作ったのかと⋯⋯。ユーノさん、なのはさんとそう言う関係になってないのか、――チャンス!
「なら今約束しましょう!ほら指斬り!」
「約束しないし、なんか言葉の意味違くない!?」
「おや?そうですか?」
「はぁ⋯⋯。それで、ヴィヴィオが出るんだけどね?宗二君には練習相手になってほしいんだけど」
練習相手、ねぇ。
「いいですけど、条件があります」
「条件?」
「今週末俺とデートを――」
「じゃあ宜しくね~」
あれぇ?そそくさと何処かに逃げやがった。
まあ、お母さんの頼みだ。やってあげるか。
なのはさんと話した後、そこら辺をウロチョロしていると、綺麗な金色の髪をおろした女性の後ろ姿が見える。
金色の髪をしているのは局の中で二人しかいない。
あの人はフェイトさんではないだろう。
だってスタイルが違う。フェイトさんは、制服の上からでも分かるほど素晴らしいスタイルをしているんだ。
だが彼女は違う。フェイトさんのようなボンキュッボンではなく、ツルンストーンとしたスタイルだ。
だからこの人だろう、という確信のもと、声を掛ける。
「よう、アリア」
「え?ああ、宗二君」
当たりだった。
声を掛けたのが俺だと分かり、微笑みかけてくれる彼女はアリア・ハシャトルテ。金色の髪に綺麗な赤い瞳。無い訳では無い慎ましやかな胸を持っている。全体的にスレンダーという感じを受ける女性だ。
ちなみに、フェイトさんと似ている部分が多々あるために、フェイトさんに振られた局員たちが、今度は彼女に乗り換えたという話を多く耳にする。
「今から仕事か?」
「うん、ティアナさんとね」
アリアは執務官補佐だったりする。
「そうか、頑張れよ」
「うん、ありがとう。宗二君」
「おう」
おっとっと、忘れるところだった。
「なあ、アリア」
「うん?」
「今週末暇か?」
俺が言うと、どうにも言葉にし難い表情をした。少なくとも、俺の言葉の意図を理解しているはずだ。
「はぁ、まだやってるんだ。いい加減にしないと、誰からも相手にされなくなっちゃうよ?」
「大丈夫大丈夫」
「どこから来るの?その自信」
大丈夫だよ。あの四人だけは絶対に俺を嫌いにならない。
「それで?今週末暇?」
「暇じゃないよ、その日は」
「そっか。じゃあ来週末は?」
「ねぇ、いい加減諦めてくれない?私今仕事が恋人って感じだから」
「そんな事言ってると、なのはさん達みたいに婚期逃すぞ?」
俺の周りでのあの人たちのキャッチフレーズは、「未だ、誰のものでもありません」だからな。
可哀想に。
「大丈夫。私婚約者いるから」
は?今なんと?この子は今なんて言ったの?婚約者?婚約者がいるって言ったの?
「なるほど、そういう夢を見たんだな」
「現実よ!ホントにいるんだから!」
「そうかそうか」
「もうっ、信じてないでしょ!」
「信じてるよー、じゃあな」
俺はアリアに手を振り、その場を去る。
可哀想に。勤勉に仕事をしてきたから、夢と現実がごちゃ混ぜになってしまったのか。
南無。
アリア・ハシャトルテはオリキャラです