君の瞳に   作:りりなの

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さて、これで中学編が終わり高校生編へと進みます。


お互いの距離

 季節は過ぎて三年になった。

 

 周りは何処の高校に行くかと話し合っていた。

 

 俺はそんな話をする相手は一人しかいない。

 

「レイは何処の高校に行くのよ」

 

 善子だ。

 

 善子だけは俺が気兼ねなく話せる。

 

「決めてないな」

 

「そろそろ、志望校決めないといけないんじゃないの」

 

「お前は決めてるのかよ」

 

 善子も俺と同じだと思っていた。

 

「浦の星女よ」

 

「あそこか」

 

 知っている人が数人いるな。

 

「ここから通うのかよ」

 

「ここにはヨハネを知っている者が多いからね」

 

 交友関係をリセットしたいのだろう。

 

「善子とも中学でおわりか」

 

「そうね、寂しい?」

 

「何だかんだで善子と関わるのは楽しかったからな」

 

「そう、ヨハネと居て楽しかったのね」

 

「他に言ってほしい言葉でもあるのか?」

 

「レイが……何でもないわ」

 

 この時間がなくなってしまうのか。

 

「それよりも勉強は大丈夫なのか?」

 

「なっ、ヨハネには必要ないわよ」

 

 急な話題の変更に戸惑っているがそれではいけない。

 

「テストの度に人に教えてもらってるのは誰だよ」

 

「教えてください」

 

 綺麗な土下座までしてくるから驚きだ。

 

「お前は理解したらできるんだからやれよ」

 

 テストの度に教えているこっちの身になれよ。

 

「否定できないのが嫌ね」

 

「今日から俺の家で勉強するぞ」

 

 今年は泳ぐことはないのだから。

 

「部活はどうしたのよ!」

 

「辞めた」

 

 肩を痛め、それを親父に知られてしまった。

 

 今年は泳ぐことを禁止させられた。

 

「なっ、肩なの」

 

「それは違う、行く高校は決めてないけど勉強は必要だからな」

 

「でも、レイの家って」

 

「お前の家はそこからの方が近いだろ? これでみっちりと勉強ができるわけだ」

 

 勉強が嫌いなお前にはちょうどいいだろと付け加えて笑顔で言ってやった。

 

「ありがとございます」

 

 学校が終わり善子が逃げ出さないように先回りするつもりだったがその必要はなくそのまま家に向かった。

 

「レイの家に行くのっては、初めてよね」

 

「そうだな」

 

 家に来るだけでそこまで緊張するものだろうか。

 

「あ、あいさつとかどうしよ」

 

「家には基本だれもいないから緊張するな」

 

「そうなの、ヨハネの家と同じなのね」

 

 同じかどうかはしらないがな。

 

「玄関入って右側が俺の部屋だから入って待ってろ」

 

 玄関のカギを開けながら説明して家に入っていく。

 

「レイは何処に行くのよ」

 

 靴を脱ぎながら俺の向かう場所を聞いてくる。

 

「飲み物を取りに行くんだ、一応客が来てるのに飲み物も出さないのかと言われたくないからな」

 

「ヨハネはそこまで偉そうじゃないわよ」

 

「まぁ、部屋で待ってろ」

 

 部屋の前に鞄を置いてそのまま台所に向かう。

 

「鞄、部屋に持って行くわよ」

 

「そうしてくれると助かる」

 

 台所に来たのはいいが善子に出す飲み物を何にするのか迷うな。

 

 ここは普通にお茶だろうか、それともコーラにしようか迷う。

 

 まぁ、善子にはコーラでいいか。

 

 自分のはペットボトルのまま部屋に向かう。

 

 部屋に向かうとガチガチに固まった善子が居る。

 

「なんで人の部屋で固まってるんだ」

 

「始めてくるんだから緊張ぐらいするでしょ!」

 

「いや、緊張しないだろ」

 

 俺は善子の前にコップを置く。

 

「レイってコーラ好きよね」

 

「いや、炭酸はこいつが好きだな」

 

 俺は自分用に持ってきたペットボトルを見せる。

 

「ドクペって以外ね」

 

「そうか? 飲んだらこっちの方が美味いけどな」

 

「そっも飲んでみたいんだけど」

 

 そんな事を言われるとは思わないがしょうがなく渡した。

 

「これが、選ばれし者の飲み物」

 

 いつもの様な事を言いながら飲んでいく。

 

「ヨハネに合う飲み物ね」

 

 そう言ってペットボトルを見て固まった。

 

「飲んだよりも減ってない?」

 

 飲んでから気づくのか。

 

「俺の飲みかけだからな」

 

 そう言って善子の持っているのを奪おうとしたが避けられた。

 

「関節キスになるのよ!」

 

 顔を真っ赤にして言ってくる。

 

「俺は気にしないが?」

 

「レイが気にしなくてもヨハネは気にするの!」

 

「それしかないから返してくれ」

 

「嫌よ、絶対に返さないんだから」

 

 そう言って残りを飲んでいくが炭酸だから飲み切れずにむせてた。

 

「炭酸なんか無理して飲むからむせるんだよ」

 

 俺はため息交じりに善子に近づくと言われる。

 

「別々の高校で良いの?」

 

 善子は俺の制服を掴んで聞いてくる。

 

「お前はその方がいいじゃないのか?」

 

「内浦の方に行けばヨハネを知っている人はいないけどレイには会えない」

 

 俺は頭を撫でながら言う。

 

「学校がある時は会えないかもしれない、放課後とか休日には会えるだろ」

 

「そうかも知れないけどヨハネはレイと一緒に居たいの!」

 

「それで最初に浦の星を選ぶ奴の言葉か」

 

「それはレイがどこの高校に行くのか分からないし、推薦で行くと思っていたから」

 

 恥ずかしいのか頬を赤らめながら言われると胸が苦しい。

 

 本当に俺は善子に惚れているんだと確信する。

 

「やっぱり」

 

 俺はそう呟く自分の気持ちに正直に分かった。

 

「なによ」

 

「いや、善子に惚れてるんだなと再確認した」

 

 その言葉に善子は顔をさらに真っ赤にする。

 

「なんでそんな恥ずかしい言葉出るのよ」

 

「好きだから」

 

 そんな言葉しか出ないがこの言葉だけでも伝わって欲しい。








さて、これでドロドロした展開になりますよ。

こんな作品を本当は書きたかった。
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