今後は更新速度を上げていきたいなと思います。
電車に乗って沼津に向かう、水泳の練習もあったが電話で呼び出された。
電話での声が弱弱しく行かないと行けなかった。
「はぁ、世話焼きか」
この前の言葉が身に染みる。
世話焼きなのかもしれない。
駅に着いて改札を出ると善子が待っていた。
「レイ」
その顔は暗く落ち込んでいる。
「死にそうな顔してるぞ」
「手伝ってほしいことがあるの」
俺は黙って善子の後ろを歩いていく。
善子の部屋まで行って言われた。
「部屋の片づけ手伝って」
部屋の片づけと言われても余り散らかっている様子もない。
「意味が分からん」
「ヨハネを捨てるのよ」
その片づけを手伝ってほしいのか。
「お前はそれでいいのか」
俺は自然にそう呟いていた。
「決めたの、いつまでもヨハネのままじゃ駄目だってこと」
「それは誰が言った、お前かそれとも他人の誰かに言われたのか」
「レイには関係ないでしょ」
関係ないわけじゃない。
お前はヨハネでいるときが一番楽しそうでいる。
一番楽しい時を自分で壊すのか。
「ふざけんなよ、どれだけお前の近くでお前を見てきたと思ってるんだよ」
俺は一歩近づいて善子に言う。
「お前からヨハネを奪ったら何が残るんだ、楽しそうにしている時間をお前は捨てるのか」
「俺はそんなの認めないお前の手伝いはしない」
「なんでレイが悲しそうな顔をするのよ」
そう言って善子の手が俺の顔に触れる。
「何でって俺はお前のそんな部分に惹かれたんだ」
最初の頃はそんなことはなかった。
一緒にいるうちに俺は善子のそんな一面に惚れていた。
色んな善子を見てきたがヨハネでいるときが一番、楽しんでいる。
それを自分から捨てると言われた時は驚きもした。
そして何よりそれを否定したいと思った。
「レイは私がヨハネで居て迷惑じゃない」
「俺が何時、お前に迷惑だって言ったよ」
「レイはヨハネをどう思っているの?」
俺に選択させるのかお前は、でも決まっている答えなんて。
「俺はヨハネの理解者でありたい」
あの日、契約を交わしたのだから俺は言葉を間違えてはならない。
「契約は終わってないだろ」
「本当に私の理解者でいてくれるの」
「俺はお前の本当の理解者になりたい」
「本当の理解者?」
まだ、俺と善子は友人関係でしかない。
「俺は前に好きだって言ったがお前から返事を聞いていない」
「へっ?」
間の抜けた声が聞こえた。
「それって去年の言葉よね」
「お前は頷いただけだからお前の本当の気持ちが知りたい」
そう、お互いを信じ切れていない。
「私は好きよレイの事、ヨハネの時でも変わらずに接してくれるのはレイだけだから」
俺は善子の頭を撫でながら答える。
「当たり前だろ、俺はお前が好きなんだからな」
これでこの件は済むだろうと思った。