早ければ夜に投稿させていただきます。
「零、俺に何か隠し事してないか」
地方大会の為にホテルの一室で雪にそう言われた。
「いきなりどうした」
「最近の練習を見て思っただけだ」
雪はそう言って俺の顔を睨んでいる。
「そんなに最近変か?」
「そう思ってるから聞いてるんだ」
俺はため息を付きながら言う。
「試合が近いからな疲れを残したまま試合には臨みたくはないからな」
「それならいいが怪我をしてたら言ってくれ」
「分かってる、少しだけ外を歩いてくる」
俺はそう言って部屋を出る。
どうしてあんな話が出てくるんだ。
もしかして果南が雪に言ったのか?
いや、あの2人は仲が良くないからそれはありえない。
「なんで、あの話がでるんだ」
俺の思考はどんどん悪い方向に向かっている。
このことを知っている人間は二人しかいない。
だけど一人は治っていると思っている片方は俺が嘘を言っているのを知っている。
だけど善子と雪が知り合うわけもない。
だとすれば果南しかいない。
どこまでも俺の邪魔をしたいんだ。
「くそ」
そんな時、携帯の着信音が聞こえてきた。
「こんな時に誰なんだよ」
俺は着信を受信して耳に持って行った。
『レイ、今大丈夫?』
善子の声だった。
「あぁ、大丈夫だ」
何かあったのか、そんな心配をしていた。
『明日なんだけどお祭りで歌うの』
「悪い、明日と明後日は試合でいないんだ」
『ごめん』
俺は壁に背を預けて善子を慰める。
「いや、予定を言っていない俺が悪かった」
『レイってさ私の歌っているとこ見たことないと思って来てほしかったの』
「そうだな、まだ見たことなかったな」
一度も俺は見たことがない。
『それでねレイに嫌われてるのかなって思って』
「俺は何があっても嫌いにはならない」
だが、この言葉が悪かったのだろう。
『ねぇ、だったらなんで見てくれないのなんで来てくれないの』
あぁ、俺はどこかで間違えたのだろう。
『私よりも水泳が大事なの! 私より幼馴染の男の方が大事なの!』
一旦入ったヒビは元には戻らない砕けるだけだ。
『ねぇ、答えてよレイ』
「俺は」
ごめん、君が思っている以上に俺は君を愛していなかったみたいだ。
「俺はこの時、この一瞬に過ぎていく時間が大切なのかもしれない」
『サヨウナラ』
その言葉と共に通話は切れた。
これで俺と君との関係は本当に真っ白になってしまった。
翌日の試合は雪に全てを話した肩を壊している事、この大会を終えたら俺は水泳を辞めることをそれでも俺は雪とのリレーに出たいと伝えた。
結果としたら泳ぎ切ることもできた予選も通過して全国大会に進めることになったが俺の肩では泳ぐことはできなかった。
夏休みの小さな休みの期間に家に帰宅すれば父親が一つの封筒を机に置いて座っていた。
「ただいま」
「帰ってきてそうそうだけど大切な話があるんだ」
真剣な顔をする父親を見たのは初めてだった。
だから俺は素直に話を聞くことにした。
「肩の事を黙って水泳をしていたことには怒ってるよ」
分かっている、そんな事を言われるだろうと覚悟はしていた。
「だけど零君、津島さんの娘さんと付き合っていることに関しては駄目なんだ」
意外な名前が出てきて俺は驚いた。
「だから話し合って零君には静岡から離れてもらう事になった」
果南が言っていたことはそうだったのか、親は知っていた。
俺と善子の本当の関係を知らなかったのは俺たちだけなのか。
「今まで黙っていたことに関して何か言ってくれないのか? そうじゃないと俺は納得できない」
「悪いがこれに関しては何も言えない」
そう言って俺に封筒を差し出した。
「これは君が夏休み明けから過ごす学校のパンフレットだよ、学校の方には連絡をして退学届をださせてもらったから」
俺にはこの選択しか残っていないのか。
いや、最初からこの道しかなかったのかもしれない。