君の瞳に   作:りりなの

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途中まで書いてたものを読んでいけそうだったのでそのまま投稿しました

新しい環境に慣れてきたので少しだけペース上げてるよ


海の音と感じ方は人それぞれ

「まぁ、これが俺が水泳を始めたきっかけだ」

 

 カフェで俺の水泳を始めた話が終わった。

 

「じゃ、零君はまたその人と泳ぐために水泳をやってるんだね」

 

「俺とアイツの繋がりは水泳しかないからな」

 

 そう言って俺はコーヒーを啜る。

 

「辞めたいと思ったこととかあるの?」

 

「一回もそんなことはないな」

 

「えっ、ないの」

 

「嫌なことがあれば海に潜って忘れてるから」

 

 そう言った時、梨子の顔がより真剣になった。

 

「海に潜るの」

 

「海には誰も居ないし静かで心を落ち着かせるには丁度いい」

 

 誰の目も気にしないで泳いでいられる。

 

「心が落ち着く」

 

「どうした? 海が気になるのか」

 

「えっとね、海の音が聞きたいの」

 

 俺はその言葉を聞いて意味がわからないと思った。

 

「海の音?」

 

「私ね、ピアノをやってたの」

 

 話し出した内容を聞いたけどやっていたのフレーズが耳に残る。

 

「海の音を表現できなくて」

 

「それでスランプにでもなったのか」

 

 俺は表情からそうとらえた。

 

「ならまずは心を落ち着かせろ、迷っていたらそのまま落ちるところまで落ちるからな」

 

「それってピアノから離れろってこと」

 

「集中できないなら一旦離れるのも一つの可能性だ」

 

「だったら、零君は海に入った時どんな音を聞いてるの」

 

 分かっていた。

 

 海に潜っている人に何か聞きたい気持ちはわかる。

 

「海には何の音もない静寂と孤独それが俺の海に対する気持ちだ」

 

 俺はそう言って席から立ち上がる。

 

「すまないな俺にはあんたが最も欲しい回答は持ち合わせていない」

 

 伝票を持ってレジに向かう。

 

 海に対する人の気持ちはそれぞれだ。

 

 それに俺は海の音なんか一度も聞いたことなんかない。

 

 もし、あったとしてもその時の気持ちはもう持ち合わせていない。

 

 俺にはたくさんの時間はあるが立ち止まっている時間はない。

 

 こうしている間にも雪は向こうで頑張っていると思っているからだ。

 

 その後、相談に乗ったことに対する感謝のメッセージが送られていたが自分から向こうへ連絡を取ることはなかった。

 

 もしこれ以上自分が関わったら落ちるところまで落ちてしまうのではないのかと思ってしまった。

 

 あの瞳を見て俺は逃げた。

 

 昔に同じような瞳を見たことがあるからまた逃げた。

 

 

 私は真面目な瞳をした彼に相談した。

 

 誰にも言わないと思っていたことを全部告げた。

 

 心の中で彼なら私を助けてくれると思った。

 

 だけど回答は救いとは離れていたが提案を出された。

 

 ピアノから距離をとる事だった。

 

 今までピアノしかしてこなかった私は本当にピアノを触らないでいられるのだろうか。

 

 

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