君の瞳に   作:りりなの

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何だかんだで早く書き上げてしまった。




休日

 コーラを飲み終えてから今日向かう場所を聞く。

 

「それで、どこに向かうんだ?」

 

 すると善子はスマホを見せて今着ている服と同じ様な写真が写っているものを見せてきた。

 

「この店よ」

 

「そこか、前は何度か通ってたことがあるな」

 

 そう言って俺はその店に向かうために歩き出したが善子に止められた。

 

「アンタ、そっちは店の反対側よ!」

 

 方向を間違えたみたいだ。

 

「アンタって方向音痴なの」

 

「いや、俺はそう思っていないが?」

 

「方向音痴ね」

 

 そう言って俺は善子が歩き出した方向に向かったが言いたいことがあった。

 

「おい、善子」

 

「だから、ヨハネよ!」

 

「俺の事、アンタって言うけどよ名前で言えないのか?」

 

「名前知らないわよ!」

 

「いや、アドレス交換した時に分かるだろ?」

 

 そう言ったら名前のない連絡先を見せられた。

 

「書いてないな」

 

「そうよ! 書いてないのよ!」

 

「それは悪かった、零だ」

 

 苗字を言わなかったがいいか。

 

「女みたいな名ね」

 

「ちゃん付けは止めてくれよ」

 

「私をヨハネって呼ばなかったら呼ぶわ」

 

「そうか」

 

 それから会話もないまま目的の店に到着した。

 

「同じような服が多いな」

 

 そんな事を言ったからだろうか善子がフルフルと震えている。

 

「何処をどう見たら同じに見えるのよ!」

 

「俺には同じにしか見えないが?」

 

「付いてきなさいよ!」

 

 そう言って俺の腕を掴んで店に入っていき。

 

 服の材質、肌触りなどを色々教えてもらった。

 

 ヨーソロー!がお馴染みの曜も言っていたような気がする。

 

 合わせたら話は合いそうかと思ったら趣味が違うから無理だなと速攻に片づけた。

 

「それより見てるだけで良いのか?」

 

「ヨハネは自分で作ってるからデザインの参考にここに来ているの!」

 

 おいおい、それって店側からしたら嫌な客だな。

 

「作ってるのか」

 

「そうよ、小物は買ってるけど大抵のものはヨハネが生み出してるのよ」

 

 そう言って胸を張っているが小物まで作っていると言われたらすごいなと思ったが曜と同じだと思うと凄いと言いにくい。

 

「それでアイデアは浮かんだか?」

 

「まぁ、大体は浮かんでいるから次は小物を見に行くわよ」

 

「それよりもいつまで腕を掴んでいるんだ?」

 

 それを言うと善子の視線は自分の腕に行き顔を赤くして言った。

 

「こ、こうでもしてないとレイが迷子になるでしょ」

 

「さすがの俺でも店の中で迷子にはならない」

 

 だって、店が小さいのだから迷いようがない。

 

「それでも迷子になると思うなら」

 

 俺はそう言いながら善子の腕を離して手を握る。

 

「こっちの方がいいだろ?」

 

「すっ、好きにしたらいいじゃない!」

 

 顔を赤くしてこちらから視線を逸らす善子は面白いと思った。

 

 それに色々な表情が見られるのだから普段からこうしたらいいと思うが他人との距離を感じるのだろう。

 

「なっ、何よ! 人の顔をじろじろ見て」

 

「顔を赤くしたりで忙しいなと思って」

 

 そう言うと今日一の赤で言った。

 

「レイのせいでしょうが!」

 

 やっぱりこいつの瞳は綺麗だと思った。

 

 今はあの時の寂しさが見えない。

 

「そうか、それより次の店にいかないか? 店員の目が痛い」

 

 そう言うと善子は周りの視線を知り早歩きで店を出て行く。

 

 これは後で何かを奢らないといけないなと思いながら握られた手を見ながら善子の後ろを歩いていく。

 

 小物ショップについたら握っていた手を離して商品に向かっていくのを見ると本当に好きなんだと思った。

 

 それでも知識のない人間に服との相性などを説明しないでくれ。

 

 理解はしようと思うが説明が早くて覚えきれない。

 

 最後に呆れた表情になるのも止めてくれ、そういうのには疎いんだよ。

 

「はぁ~楽しかった」

 

 そう言って俺の前を歩く善子はご機嫌がいいみたいだ。

 

「寄りたい店があるんだが?」

 

 俺の言葉を聞いた善子はなんだか興味ありみたいな顔をしていた。

 

「レイでも買い物するのね」

 

「普通するだろ」

 

 俺は知っている店で近かったので向かおうと思ったが善子は笑いながら言った。

 

「地図はなくていいの」

 

「すぐそこの店だから大丈夫だ」

 

 この時、初めて善子の笑った表情を見た。

 

 心の底から楽しいと思っている。

 

 それだけで今日は出てきてよかったと思った。

 

 店の前に着くころには善子の表情は何となくここだと思ったと言いそうな顔だった。

 

「スポーツショップ」

 

「新しい競泳用の水着がな」

 

 俺はいつも見ているロングスパッツタイプを見ていた思わぬことを言われた。

 

「今、そのタイプって禁止じゃないの」

 

「言わないでくれ」

 

 俺はこのタイプが好きなんだよ。

 

「これにしよ」

 

 手に持ったものを持って行こうとした。

 

「試着しないの」

 

「何、人の裸が気になるのか」

 

「興味ないし」

 

「だろ、男の裸なんて誰も望んでないだろ」

 

 さて、時間も時間だからどこかで休憩いれたいな。

 

「何処かでお茶しばくか」

 

「お茶をしばく?」

 

 意味が分からないみたいだ。

 

「関西の方言でお茶に行こうっていたんだよ」

 

「関西出身なの?」

 

「いや、親戚が関西で小さい時にお世話になってな」

 

「ふーん」

 

「関西でも山の方だったからここと変わりないな」

 

 それから喫茶店に入りある程度時間を潰してから解散した。

 

 学校では見ない表情をたくさん見れて楽しかったよ。

 

 それから家に帰宅して居間に向かった。

 

「久しぶりに楽しんだよ」

 

 そう言って俺は仏壇にお線香を立てた。

 

「さて、親父が帰ってくる前に飯作らないとな」

 

 俺は母の仏壇に手を合わせてから今日の晩御飯を作る。

 

 忙しい親父の為に。




文章中にもありましたがロングスパッツは大会では2010年から使用が禁止されています。

作者はFreeが好きなのでこればかりはしょうがない。
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