作者的にも書いてて脱線してる感がありますがお願いします。
善子にも言われた肩の痛みは未だに治まっていない。
だけど俺は泳ぐのをやめる訳にはいかない。
約束がある。
「はぁ、眠い」
俺は眠気に襲われながら朝食の準備をしていた。
「零、おはよう」
寝起きなのか髪がぼさぼさの親父が起きてきた。
「親父、寝癖が目立ってるから洗面所に行ってこい」
「ふぁーまじか」
欠伸をしながら親父は洗面所に向かう。
うちの家庭は父子家庭だ。
別に忙しいわけでも寂しいと思うことはない。
母親の顔は写真だけでしか見たことがない。
「親父、弁当もできてるから持って行けよ」
俺はそう言いながら自分のお弁当を鞄に入れる。
「部活に行くのか?」
「そろそろ、記録会に大会があるから」
「休みがもらえたら見に行くんだがな」
「親父が忙しいのは知ってるから無理するなよ」
そう言って俺は朝練に向かわずに走り込みに行く。
朝の早いうちは走るのに向いている。
学校とは反対側の方に走っていく。
海辺を走っていると果南に出会う。
「零もジョギング?」
「走り込み」
「記録会近いもんね」
「そうだな」
「果南も期待してるのか」
「零は泳ぐの好きだからやってるんでしょ、それでいいと思うよ」
「ありがと」
「うわぁ、零から感謝って明日は雨かな」
「なんだよそれ」
「零の感謝って滅多にないからね」
そう言って笑ってくれる人が居る。
それは心地いことだ。
「そう言えば、休日に仲良く歩いてた子って零の彼女かな?」
ニヤニヤしながら聞いてくる果南に俺は冗談まじりに聞く。
「そうだとしたら」
「仲良さそうでなによりかな」
「残念、彼女じゃないクラスメイトだ」
「へぇー零にも仲のいいクラスメイトができたんだ」
「なんだよその顔」
「手のかかる弟が成長してると思って」
そう言って俺の頭を撫でる。
しばらくして休憩に入り果南は自販機からペットボトルを取り出しこちらに投げてきた。
「はい、喉乾いたでしょ」
放物線を描いてくるものを取るのは簡単だいつもの様に右腕を上げた時だった。
いままでよりも激しい痛みがきた。
俺はペットボトルを掴むことはできなかった。
「どうしたの零」
「思ったより疲れて身体が動かなかった」
誤魔化せるはずだと思った。
「違うよね」
この言葉に俺は心がざわついた。
「一瞬、痛そうな顔してたよ」
「なにかの見間違えだろ」
「だったら右肩せてよ」
果南は近づいていて俺のジャージを引っ張る。
「やめろ」
俺の抵抗は虚しく果南は俺の右肩を見た。
「何時から」
「今朝だ、見た目ほどひどくない」
「私に嘘は通じないよ」
そうだよな、姉弟みたいに接してるから嘘もばれるよな。
「去年の冬からだよ、トレーニングのし過ぎでな」
「零は約束の為にそんな事をするの」
「そうだ、何時かあいつの隣で泳ぎたいから」
「だからって自分の体を無理したら」
「果南に俺の何が分かるんだよ!」
俺は吠えるように言った。
「こんなところで止まってたらアイツは遥先に行く! だから、俺はここで立ち止まれないんだよ!」
「そんな理由で無理しても」
「他人のお前には分かんねぇよ!」
そう言ってしまった。
これは軽いことではない。
知っている。
拒絶の言葉だ。
「零からしたら他人だよ」
でもと言って果南は俺を抱きしめた。
「私からしたら」
その言葉は予想外だった。
心の底では思っていたのかもしれない。
なんでかFreeの二期見てたら自然とこうなってしまった。