なんとか生きて帰ってこれたスティンガーは、行きつけのバーに立ち寄っていた。
「ようスティンガー!面白そうな話じゃねーか!」
「俺達に詳しく教えてくれねーか?」
スティンガーと賞金稼ぎ“クロスボウ兄弟”の話を、横から聞いている男がいた。
「面白そうだな。」
「ん?」
「何よ、あんたもこっちに戻ってきてたの?」
「退屈してたところだ。俺にも参加させろ。」
「ぼくは~♪荒野の~王子様~♪」
「面白い事♪何かないかな~♪」
ガイガロスへ向かう道中、ルドルフはムンベイと歌い
バンはアーバインの隣でイビキをかいていた。
「ったく!この狭い中で歌ったりイビキかいたり!」
「そうイラつかないのアーバイン、殿下の歌声間近で聞けてよかったじゃない羨ましい。」
「だったらそこ代われアオイ!」
アオイはいつものようにライガーゼロに乗りグスタフと並列して移動している。
「嫌よ、ゼロはグスタフのキャリア苦手なんだから。」
「あん時代わってただろうが!!」
「あれは仕方ないわよね~ゼロ?」
何のことかととぼけながら笑いあうアオイとゼロにアーバインは更に苛立ちを覚える。
「アオイ姉さん、顔の傷・・・大丈夫ですか?」
ルドルフにそう尋ねられ、アオイはスティンガーに付けられた傷に手を当てる。
「これですか?大丈夫です殿下、これくらいの傷・・・」
「大丈夫じゃないよ、女の顔に傷跡なんて」
「いいのよムンベイ、殿下が無事だったんだからそれでいいの」
「だからって・・・ん?」
ムンベイは先ほどから浮かない顔をしているフィーネに気付き声をかける
「フィーネどうしたの?最近あんた元気ないわよ?」
「そう?そんなことないわよ」
「ひょっとして僕のせいでゾイドイヴ探しができないからですか?」
「違うわ、本当になんでもないから」
「そう?ならいいんだけど・・・
アオイはフィーネの雰囲気が今までと違うことを感じ取っていた。
(本当に何もなければいいんだけど・・・)
そう思った直後
目の前の地面が吹き上がり、ムンベイはグスタフを急停止させた。
「何!?」
そこから現れたのは、迷彩カラーのヘルディガンナーだった
「盗賊!?」
「起きろバン敵だ!!」
アーバインがバンの胸倉を掴み叩き起こす
「え、何ごはん??」
「ムンベイ!全速力で反転だ!砂漠仕様のヘルディガンナーの追撃速度は半端じゃねーぞ!」
「私がカバーするから一旦離れて!」
「あいよ!」
グスタフは反転しその場から離れ、ライガーゼロはヘルディガンナーの前に出て進路を塞ぐ
「ここは通さない!!」
「へっ、お前の相手は俺達じゃねえ」
クロスボウ兄弟の兄がそう言うと、ライガーゼロ周辺に遠方射撃が着弾し怯んだ。
「どこから!?」
一瞬の隙を突きヘルディガンナーはグスタフへと向かった。
「しまった!?」
ヘルディガンナーを追いかけようとしたが、再び攻撃を受け阻まれてしまう。
「そう急ぐなって」
そこに現れたのは、改造されたコマンドウルフだった
「あんた達一体!?」
「おっと自己紹介がまだだったな。俺の名はアルト・ハンター・・・まあケチな賞金稼ぎってところさ」
神経を尖らせているアオイとは裏腹に、アルトは呑気そうな口調で話している。
「ちなみにあっちの連中はクロスボウ兄弟、名前くらいは聞いたことあるんだろ?」
「知らないわよそんなの」
「あららかわいそうに」
「それよりそこどきなさい!!」
ライガーゼロはコマンドウルフ目がけて走り出す
「つれないねぇ」
噛みついてくるライガーゼロから横に跳び避けるコマンドウルフ
「甘い!!」
「甘いのはどっちかな?」
ライガーゼロはそのまま横に跳びコマンドウルフに体当たりを仕掛ける
しかしコマンドウルフは軽快にステップし攻撃を避けた。
「なんなのこの運動性能は!?」
「こいつの名はクライマーウルフ、山岳地帯の戦闘能力に特化されたゾイドさ」
「山岳って・・・砂漠地帯のここじゃ能力を発揮できないんじゃ?」
「山を乗り越える足のスパイクと強靭な脚力、もちろん砂漠の地面にも対応させている。」
「つまり砂漠はあんた達の独壇場・・・っていったところかしら?」
「そういうこった」
会話の途中で、ムンベイから通信が入ってきた。
『大変よ!ジークがあいつらに連れ去られたわ!』
「え!?」
『バン達が応戦してるんだけど・・・すぐに戻ってきて!』
「そうは言うけどこっちにも敵が!」
手を拱くアオイに向かってクライマーウルフが容赦なくレーザーを浴びせる
「お前の噂は聞いている。悪いが手加減しねぇ」
「この・・・!!」
ゼロはクライマーウルフに向かい走り出す。
「こっちだって手加減なんてしないから!!」
「へっ、その意気だ」
アルトは待っていたと言わんばかりに微笑み、クライマーウルフを走らせる。
「いくらフットワークがいいからって、限界がある!」
ゼロはクライマーウルフを追いかけて前足の爪をぶつけようとするが、全て軽いステップで避けられてしまい、ゼロはだんだん苛立ちを募らせる。
「ちょっとゼロ落ち着きなさいよ!?」
かなり怒りだし地団駄を踏んでいる
「おお意外とかわいいとこあんだな?」
「焦る気持ちは分かるけど、こういう時は・・・」
アオイは2連ショックカノンを撃ち、クライマーウルフの周辺に着弾させ・・・・・・
「ありゃ?」
否、クライマーウルフを狙ったのだが周囲に着弾し砂煙が立ち込める
「おいおいあんだけ撃っといて1発も当てられないのか?」
あまりの射撃の下手くそぶりにアルトは冷や汗を垂らしながら呆れる。
「だがこれじゃ視界が悪い、とっとと抜け出して」
砂煙から抜け出そうと走り出す・・・しかし
クライマーウルフの足元の砂が沈み足を取られた。
「何!?」
小規模ながらゾイドの足一つ丸ごと埋まり身動きが取れない。
「まさかさっきの攻撃は地面下の空洞を刺激するために!?」
急いで抜け出そうと焦るアルト、しかし
「もらった!!」
ゼロはクライマーウルフ目がけて飛びかかる
「しまった!?」
「ストライクレーザークロー!!」
ゼロの爪は2連レーザー砲に直撃し、破壊された。
「くそ、こんなことでコンバットシステムが・・・」
クライマーウルフのコンバットシステムがフリーズし、戦闘ができなくなってしまった。
「さ、さすが私!計画通りだわ!」
冷や汗を流しながらアオイが叫んでいると
地面から何かが飛び出していった。
「あれって、ジークね!」
敵に捕らわれたジークが自力で脱出をしたようで、アオイはそれを追いかけた。
ジークはブレードライガーと合体し、クロスボウ兄弟のヘルディガンナーに反撃していた。
「は、速い!?」
「速すぎる!?」
クロスボウ兄弟はブレードライガーの機動を捉えきれず、レーザー砲をことごとく避けられる。
そして、展開されたブレードにより
砲塔を切り裂かれ、ヘルディガンナーは戦闘不能になった。
「やったぜ!うおっしゃあ!!」
バンはガッツポーズで勝利の雄叫びを上げる。
「イヤッホー!!」
「さすがはバンとジークだ!」
「・・・いつの間にか、先を越されちゃったかもね・・・」
ずっとバンを見てきたアオイだったが、自分の知らぬ内にゾイドの腕を上げた事に
彼女は安堵のため息を漏らした。
「ところで、アオイの方はどうだった?」
「改造されたコマンドウルフと戦ったけど、作戦勝ちしたわ」
「嘘付け、どうせ適当に撃って相手の眼を眩ませたとかだろ?」
アーバインの指摘は的を射ており、アオイは冷や汗を滝のように流していた。
「さ、さあ何のことかしら・・・」
(図星だな)
(図星じゃな)
(図星ですね・・・)
彼女は誤魔化したが、アーバインとドクター・ディ、ルドルフにはバレていた。
そして、彼等は再びガイガロスへと向かっていく
また間が空いてしまったよ・・・もうすぐスラゼロの発売日だって言うのに・・・
本当なら今頃完結、最悪ガーディアンフォース編の終盤まで持っていけるはずだったんですが・・・言わずもがな