アオイがバンと別れて引き返している中、ルドルフ達も動き出し、プロイツェン親衛隊の攻撃に見舞われるも、帝都に向かうために突破を図っていた。皇帝の専用機であるロイヤルセイバーにルドルフが乗り、敵の攻撃を掻い潜って行くが、帝都まで目前というところで戴冠式が始まる鐘が鳴った。
あと一歩のところで、プロイツェンの皇帝就任を阻止できなくなってしまった。
「間に合わなかったか・・・」
「皆さん、ありがとうございました。こんな僕のために」
『never give up!!』
諦めムードを切り裂くように、空からストームソーダーが現れる
『天定まって亦能く人に克つ!翼の男爵アーラバローネただいま参上!!誇り高き嵐の刃、ストームソーダーを恐れぬならば、かかってくるがよい!!』
「あ?またあいつらか」
「一体何者なのよ、あいつら」
『ルドルフ殿下!いざ戴冠式へ!』
ストームソーダーが降りてきて、ルドルフを乗せて帝都へ向かい飛び去って行く。
それを見届けたアーバイン達は、プロイツェン親衛隊に包囲された。
「ねえ、私達はどうやって脱出するのよ?」
「殿下の命さえ助かればそれでいい、我らの命など安い物だ」
「あんたが納得できても、こっちは納得できねえんだよ!」
覚悟を決めたような態度を見せるホマレフに、アーバインは怒鳴りつける。親衛隊の攻撃が始まろうとしたが、そこに別方向からの砲撃に遭い、足を止める。
「何!?」
何事かとハーディンが砲撃が飛んできた個所に視線を移すと、ゾイドの大群が土煙をあげて向かってきているのが見えた。シールドライガーやコマンドウルフ、ゴルドス等の共和国軍だった。
「おお!ルイーズ大統領に頼んでいた応援部隊が来てくれた!」
「よぉご苦労さんご苦労さん」
ドクターディが呑気そうにグスタフの方へと歩いてきた。
「ディ爺さん助かったよ!」
「馬鹿野郎!遅すぎるんだよ!」
「撃て撃てぇ!!」
部隊の指揮官として来たハーマンが号令を出すと同時に、共和国軍のゾイドが親衛隊に向かって砲撃を浴びせていく。
「小癪な!」
『ハーディン准将!共和国軍の戦力は圧倒的です!一旦帝都に退避して態勢を整えましょう!』
「退却だと!?ふざけるな馬鹿者!!ここを死守するんだ!!」
『フン、その忠誠心だけは褒めてあげるわよ。ハーディン准将閣下』
撤退を進言する部下を一蹴して怒鳴ると、通信からアオイの声が響いてきた
「この声は!?」
レブラプターが次々と跳ね飛ばされ、何者かが近づいてきた。レブラプターが多数弾き飛ばされ、そこからライガーゼロが躍り出た
「ライガーゼロ!」
「アオイか!」
「リュウガ准尉!ご無事でしたか!」
「遅くなりました、それで殿下は?」
「アーラバローネなる者達の銀色の飛行ゾイドに同乗し、帝都に向かわれました」
「アーラバローネ?またあいつらが」
「ていうかバンはどうしたんだよ!?」
「話は後!ここを突破するわよ!」
アオイはライガーゼロを走らせ、ハーディンが立ちはだかる橋へと向かう
「おのれ前皇帝暗殺の大罪人が!」
「まだそんな事言ってるの?ホントお笑いね」
「黙れ!ここで貴様を始末する!!」
ハーディンの駆るアイアンコングはミサイルランチャーを連射する。飛んでくるミサイルを躱しつつ、ライガーゼロは接近しながら爪を輝かせる。
「おのれ!貴様がいなければルドルフを容易く葬れたものを!!」
「私がいなくても結果は同じだったわよ?」
ライガーゼロは飛び上がり、爪をアイアンコングの頭部に向ける
「さようなら、プロイツェンの腰巾着」
「プロイツェン閣下ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ライガーゼロの爪がアイアンコングの頭部を切り裂き、倒れたと同時に共和国軍の砲撃に晒され、跡形もなくなった。
「急ぎましょう!プロイツェンはデスザウラーを復活させたの!」
「何、デスザウラーじゃと!?」
「それが本当なら一刻の猶予もない、帝都へ急げ!」
親衛隊を抑えた共和国軍より先行し、アオイは帝都へ急行する。戴冠式の会場になっている宮殿から、黒く巨大な物体が現れる。
「あれは・・・デスザウラー!」
デスザウラーが口を大きく開け、荷電粒子砲を放った。その目標は共和国軍で、先行していたシールドライガーの部隊が一撃で蒸発した。
「見たか諸君!これが我らの科学の髄を結集し、復活を果たしたデスザウラーの威力だ!我々は最強の力を手に入れたのだ!」
プロイツェンはデスザウラーの肩に乗り、民衆に向かって演説を続けていた。そこにストームソーダーが宮殿の門前に降りたつ
「やめろプロイツェン!!」
「フン、ルドルフか・・・今更来たところでもう遅い!ガイロスの指輪はここにある、この私がガイロス帝国の皇帝なのだ!」
「それでも構わないさ!けどみんなはそんな力を望んではいない!これ以上、国民を無益な争いに巻き込まないでくれ!!」
「黙れぇ!もはや帝国は私の物だ!私がどうしようと勝手だ!!」
デスザウラーは巨大な脚を持ち上げて歩き出す。周囲に居た帝都の市民が逃げ惑う。
「プロイツェェェェェェェェェン!!!」
デスザウラーを止めるため、ライガーゼロは跳び上がってプロイツェン目掛けて突っ込む。
「アオイ・リュウガめ、何処までもしつこい奴よ!!」
デスザウラーは左腕を動かし、プロイツェンを守る様に翳してライガーゼロの攻撃を受け止める。
「くぅ!?」
「東洋の没落種族如きが!!貴様がいなければ前皇帝を早々に始末できたものを!!」
「東洋の・・・?何よそれは!?」
「貴様が知る必要はない!ここで死ねぇ!!」
デスザウラーが動き出す前に、後方からガトリング砲を浴びせられた。
宮殿から帝国軍第一装甲師団のゾイドが現れる。
「本性を現したなプロイツェン!」
「シュバルツ少佐!」
「貴様がやっているのは帝国のための戦いではない!単なる破壊と殺戮だ!!」
「フン、その通りだ。強大な力を持った者こそが、この星を支配する権限を持っているのだ。貴様らにはそれが分からんのかぁ?この力を前にしてもまだ、この私に従わんのか?」
開き直りにも狂っているようにも見えるプロイツェンの持論に、シュバルツは苦い表情をする。
「化け物め・・・!もう何を言っても無駄か」
デスザウラーは荷電粒子砲を帝都に向けて発射する。家屋が焼かれ、辺り一面が火の海を化す。
「フハハハハ!!燃えろ燃えろ!何もかも燃え尽きてしまえ!!」
「何としても止めるぞ!!」
「ええ、あいつだけは絶対に倒すわ!」
ストームソーダーがデスザウラーを後方からミサイル攻撃を加えるが、直撃にも関わらず傷一つつかなかった。逆にレーザー機銃を浴びせられて墜落した。
そこに共和国軍が到着し、照準をデスザウラー頭部に合わせる。
「これよりデスザウラーを攻撃する!包囲陣形のまま集中砲火!後方支援を怠るな!!」
高火力の砲撃がデスザウラーに浴びせられ、大爆発を起こす。
「やったぁ!!」
「いやまだだ!!」
アーバインの言う通り、デスザウラーの頭部装甲が破壊されただけで、いまだ健在だった。そしてゆっくりと下を向く。
「いけない!ムンベイ逃げて!!そこはデスザウラーの射線よ!!」
アオイが警告するがそれも遅く、デスザウラーは頭部のビーム砲を連射、グスタフの方へ向かう。
「うわあああああああ!?」
グルタフに着弾するかと思う所で、ブレードライガーが現れ、シールドを展開しグルタフを守った。
「ブレードライガー!」
「遅かったな?バン。買い食いでもしてたのかよ?」
「その様子だと、レイヴンに勝てたようね」
「すまねぇ、待たせたな!」
「ご無事で何よりです」
「遅れた分、きっちり取り返すぜ!行くぜジーク!」
「グオォ!!」
ブレードライガーは地を駆け、真っ直ぐデスザウラーへと向かった。
「俺はお前なんかに絶対に負けねぇ!」
「フン!ダン・フライハイトの息子か・・・レイヴンめ、しくじったな」
デスザウラーは腹部にあるビーム砲を連射しブレードライガーに浴びせる。巧みにビームを掻い潜り、ブレードライガーはデスザウラーに向かって跳び上がる。デスザウラーは尻尾にエネルギーを集中させて振るい、衝撃波としてエネルギーを放ちブレードライガーを吹き飛ばす。
「くそっなんて強さだ!近づく事すらできねぇ!」
「お前の攻撃パターンは父親そっくりだな?」
「父ちゃんと!?」
「冥土の土産に教えてやる、お前の父親、ダン・フライハイトを殺したのは・・・この私だ」
「な、何だって!?」
プロイツェンから、自分が父親の仇であると告げられ、バンは驚愕する。
プロイツェンは、ダンの部隊がオーガノイドを発見したとの情報を得て、たった数体の共和国ゾイドを相手に3個師団という圧倒的な物量で攻撃を仕掛け、ダンを戦死させたと語った。
「大人しく言う事を聞いていれば、死なずに済んだものを」
「お前・・・お前がぁ!!!」
父の仇を前にバンは声を荒げるが、デスザウラーの頭部ビームを浴びせて黙らせる。
「私は全てを手に入れる!シャドーも、帝国も・・・そしてこの惑星Ziも、いずれは私の物だ」
「お前だけは倒す!倒してみせる!」
「ハッ!お前は無力だ!父親と同じように、この私に殺されるがいい!!」
殺気の籠った眼光で言い放つプロイツェンを相手にバンが激昂、複座にいたフィーネはそんなバンを応援する。
「バン!貴方ならデスザウラーを倒す事ができるわ!みんなを、帝国を・・・いいえ!この惑星Ziを守るためにプロイツェンなんかに負けないで!」
「愚かなものだ・・・貴様らに勝機など、毛筋ほどもない」
それを嘲笑うプロイツェンを黙らせるように、デスザウラーに砲撃が浴びせられる。
そこには、アーバインのコマンドウルフと、ムンベイのグスタフがいた。
「一人でカッコつけてんじゃねえぞ?」
「あたし達がいる事を忘れないで欲しいのよね?」
続いて、シールドライガーとロイヤルセイバー、ライガーゼロがブレードライガーの傍まで来た。
「おいミラクルボーイ、もう一度俺達の前で奇跡を見せてみろ」
「バン、あいつに本当のゾイドの乗り方を見せてあげましょう!」
「こんなところで挫けてられないわ、プロイツェンの鼻っ柱を一緒にへし折ってやりましょう」
「みんな・・・」
仲間達に励まされ、ブレードライガーは立ち上がる。
「よし、行くぜみんな!!」
「おう!!」
「みんなで、あのデスザウラーを倒すんだ!!」
「ええい!!煩わしい虫けら共め!!」
苛立つプロイツェンに応えるように、デスザウラーは尾のミサイルハッチを開き、ミサイルを斉射、上空で爆発させて鉄杭を振らせる。
「危ない!散れ!!」
「フン!それでデスザウラーの攻撃を避けたつもりか!!」
続いて荷電粒子砲を放ち、Eシールドを展開するシールドライガー部隊に向かって攻撃、シールド越しにも関わらず、シールドライガーは蒸発した。
「シールドが全く役に立たないなんて・・・」
「オイオイ、少し桁違いじゃねえのか!?」
「ああ、あのデスザウラーを倒すには、後10個師団必要だな」
「くそっ!どんな操縦をしているんだプロイツェンは!」
「操縦何てしていないわ、プロイツェンはデスザウラーの邪悪な意識に取り込まれているのよ」
デスザウラーに死角も弱点もなく、装甲もグスタフ以上にあり、手の打ちようがないように見えた。しかし、ドクターディは体内のゾイドコアを狙えば勝機があると分析していた。
デスザウラーのエネルギー源は、他のゾイドから抜き取ったゾイドコアであり、故に通常の数倍圧縮されたゾイドコアが腹部にあると告げた。そこを破壊すれば、内部爆発を起こし、デスザウラーを倒す事ができると
「けどそんな真似ができるのは・・・」
「そう、分厚い装甲をも切り裂く鋭いブレードを持ち、かつ迅速な動きができるものでなくてはならない。ここにあるゾイドでそれが可能なのは・・・ブレードライガーしかない」
「今の話、本当なんだろうな?ディ爺さん」
バンは快く引き受けるが、デスザウラーに迂闊に近づく事ができない状況にあった。ジェノザウラーとは違い、荷電粒子砲の向きを自由に変えられる上に、何発でも連発が可能だった。
そこにフィーネが、荷電粒子砲を止める手段を提案する。
「荷電粒子砲を撃たせない方法はあるわ、背中にある荷電粒子供給ファンを止めればいいの。そうすれば荷電粒子を集められなくなって、荷電粒子砲が撃てなくなる」
「なるほど、その手があったか!エライぞフィーネ!」
「ならばその役目、我々に任せてもらおう」
墜落していたストームソーダーが復帰し、アオイ達の頭上を飛び交う
「あのデカイ扇風機を止めればいいんでしょ?take is easyよ」
「しかしそのために5秒間だけ動きを止めて欲しい」
アーラバローネからの要請にアーバインとアオイが名乗り出る。
「5秒か・・・だったら楽勝だ!俺がやってやる!トドメは任せたぜ?バン!」
「私も行くわ!決定打にならなくても、装甲を脆くする事はできる!」
「待て、ライガーゼロはともかくコマンドウルフじゃ5秒も持たん、こいつに乗って行け。今しがたゴジュラスが到着した!」
ハーマンの言う通り、アオイ達の後ろからゴジュラスが数体姿を見せた。
「ゴジュラス・・・俺が乗ってもいいのか?」
「ああ」
「僕も協力します!援護は任せてください!」
「よし決まりだ!やるぞみんな!!」
作戦が決まり、ゾイド乗りもゾイド自身も戦意を鼓舞させた。
「総員、デスザウラーに集中砲火!全弾使い切っても構わん!荷電粒子砲を撃つ暇を与えるな!!」
「了解!!」
オコーネルの号令と共に、ライトの駆るアロザウラーを先頭に砲撃を開始した。
「行くぜティータ!遅れんなよ!」
「ええ!」
「ここが正念場だ!死ぬなよ!!」
ブルーユニコーン隊のシールドライガーDCS-J、ワイルドヴィーゼルを装備したガンスナイパー、ゴジュラスも攻撃を開始する。
「総員攻撃開始!共和国軍に後れを取るな!!」
シュバルツの第一装甲師団も便乗し攻撃を開始する。別方向からも帝国軍の増援が現れる。
「ザンに借りを作らせるわけにはいかないんでな!」
「前々から気に食わなかったが、ここまでだったとはな?プロイツェン!」
「我々ロットティガーは帝国の平和のため、デスザウラーを撃つ!攻撃を開始しろ!!」
ロットティガー隊のセイバータイガーAT、ダークホーン、アイアンコングPKも参加し、デスザウラーを攻撃した。
集中砲火を浴びるデスザウラーに、ハーマンとアーバインが駆るゴジュラスが接近する。
「フン、ゴジュラスか。たった数体で何ができるというんだ」
そのゴジュラスの後方に、積極的に前に出て攻撃するロイヤルセイバーがいた。
「バカ、ルドルフ!お前は後方から援護しろ!」
「嫌です!僕もバンのために、何か役に立ちたいんです!」
「それでこそ、ガイロス帝国の皇帝陛下です」
ゴジュラスの間を縫うように、ライガーゼロがデスザウラーに向かって駆け出す。
「フ・・・やんちゃな皇帝陛下だ」
「フン、雑魚共が・・・まとめて片付けてくれる」
デスザウラーは尾部のミサイルハッチを開く
「あのミサイル発射口を狙え!!」
デスザウラーの後方にいた帝国軍ゾイドが、ハッチが開いた個所へ砲火を浴びせ、ミサイルが誘爆すると、ダメージが効いたのかデスザウラーが怯んだ。
「今だ!!」
その隙をつき、ゴジュラスはデスザウラーの脚へと向かう。
「まだまだ!!」
攻撃を受けながらも突っ込み、デスザウラーの両脚に組み付いた。
「今だ!アーラバローネ!」
「愚かな、それでデスザウラーの動きを封じたつもりか?」
腹部ビーム砲が薙ぎ払うようにゴジュラスに浴びせられ、頭部が切断される。
「いかん!アオイ!奴の動きを止めろ!」
「はい!!」
ライガーゼロは爪を輝かせ、デスザウラーの腹部目掛けて跳び込んだ。
「ストライク!レーザークロォォォォォォ!!!」
ライガーゼロの爪が腹部に直撃し、デスザウラーが停止する。その隙を突き、アイアンコングが接近し、右脚の関節部に腕をねじ込ませ
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
腕を引きちぎり、デスザウラーの動きを封じた。
「やった!これで」
「小癪なぁ!!」
腹部に組み付いたライガーゼロを、デスザウラーは左腕の拳をぶつけて弾き飛ばす。
ストライクレーザークローを受けた腹部の装甲に亀裂が走っていた。
「行くよ!トリプルソード、ファイヤー!!」
荷電粒子供給ファンに向けて、ストームソーダーは両翼と頭部のソードを発射する。
「ほう?考えたな、だがそんなもの」
デスザウラーは尻尾の衝撃波で飛来するソードを弾き飛ばし、余波をストームソーダーにぶつけた。
飛ばされるストームソーダーの陰から、もう1機のストームソーダーがソードを発射し、荷電粒子供給ファンに命中させた。
「荷電粒子供給ファンの停止を確認、離脱する!」
デスザウラーの荷電粒子砲を防いだ・・・千載一遇のチャンスが訪れた。
「よし、今だバン!」
「待ってました!行くぜジーク、フィーネ!」
ブレードライガーはブースターで加速し、ブレードを展開しデスザウラー目掛けて突っ走る。
「アオイがデスザウラーに付けてくれた傷がある!そこを狙うぞ!」
「グオォォォ!!」
徐々に追い詰められ、プロイツェンに焦りが見えてきた。
「くぅ・・・!どうしたデスザウラー!?貴様はそれでも史上最強と謳われたゾイドか!!」
意地を見せる様に、デスザウラーは荷電粒子供給ファンを無理やり回転させ、刺さったソードが軋みをあげる。
「ファンが!?」
「間に合うのか!?」
ブレードライガーはシールドを展開し、攻撃の態勢に入る。
しかし・・・ソードが吹き飛び、荷電粒子供給ファンが再び回転を始めた。
「フハハハハハハ!!それでこそ破滅の魔獣、デスザウラーだ!!荷電粒子砲を発射しろ!!虫けら共を焼き殺せ!!」
再び荷電粒子砲のチャージが始まり、デスザウラーの口腔が激しく光り出す
「バンよせ!!突っ込むなぁ!!!」
アーバインの制止は届かず、ブレードライガーはデスザウラーに向かって跳び上がる。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」
「死ねぇ!!!」
デスザウラーの荷電粒子砲が、ブレードライガーに浴びせられた。
「バン!!」
ルドルフを始め、全員が悲観になっていたが・・・アオイとライガーゼロだけは違っていた。
「殿下、心配いりません・・・バンは大丈夫」
アオイに応えたかのように・・・荷電粒子砲のビームが裂け、そこからブレードライガーが見えた。その光景にプロイツェンは驚愕した。
「ば、馬鹿な!?何故、荷電粒子の中で平気なんだ!?」
「そうか!ブレードライガーのブレードは電子レベルの微小な振動が起こっているんだ!それを荷電粒子を拡散させているんだ!」
ドクターディの難しい分析を代弁するように、ムンベイが呟く
「まるで・・・荷電粒子を引き裂いているように見えるわ」
「すごい・・・すごいですよ、バン!」
「やるなあいつ」
「そう・・・バンなら絶対に勝てると信じていた・・・だって、私よりも強いんだから・・・ね、ゼロ?」
ライガーゼロはアオイの想いに同調し、共にバン達にエールを送る様に、大きく咆哮した。
「そんな・・・馬鹿な・・・」
余裕をなくしたプロイツェンが狼狽えだし、デスザウラーも荷電粒子砲の勢いが弱まり出した。
「デスザウラーがパワーダウンしていくわ!ここで一気に勝負よ!!」
「グオォググァ!!」
「いっけええええええええええええええええ!!!」
ブレードライガーはブースターでさらに加速し、荷電粒子砲を突破してデスザウラーの腹部へ向かい
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
デスザウラーを貫き、ゾイドコアを破壊した。
「何故だ・・・何故この私が・・・虫けら共に敗れねばならんのだ・・・・・・何故だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
プロイツェンの断末魔と、デスザウラーの悲鳴が辺りに木霊する。
デスザウラーの全身が爆発を起こし徐々に崩れ落ち、最後に大爆発を起こし・・・デスザウラーは残骸と化した。
「やったぁ!!バンが勝ったぁ!!」
デスザウラーを倒し、共に戦ったゾイド乗り達が凱歌する。
その空に・・・漆黒のゾイド、ガン・ギャラドがいた。
「フン、プロイツェンも存外大したことはなかったな?やはりこの惑星を統べるのは・・・我々、ゼネバスだ」
ガン・ギャラドは誰にも気づかれる事なく、空の彼方へと飛び去っていった。
デスザウラー戦の戦後処理が終わり、ガイガロスで共和国の要人を交えた戴冠式が執り行われた。
アーバインとムンベイも参列していたが・・・そこにバンとフィーネ、アオイの姿はなかった。
「本当にいいの?バン」
「俺には勲章とか柄じゃないさ・・・な?ジーク」
「グァグワァガグァイグェ!」
ブレードライガーとライガーゼロは荒野を走っていた。バン達はゾイドイヴ探しの旅を続けるために
「ところでアオイ、良かったのか?」
「何が?」
「ルドルフだよ、ルドルフが皇帝になったら帝国に戻れるのに」
「それも考えたけど、やっぱり自由気ままに旅する方が性に合ってるわ、私は」
それを聞き、フィーネは微笑んだ。
「フフ・・・アオイらしい」
「グァグォグイグァグィ!」
「なら俺達と行こうぜ!」
「ごめんね、少し気になる事ができたから・・・ここでお別れよ」
一緒に旅ができないと知り、バンとフィーネは残念そうな表情を見せる
「え~マジかよ」
「どうして?」
「それは秘密」
アオイはウィンクしながらそう言い・・・ガン・ギャラドのパイロットと、プロイツェンの言っていた事を思い出す
『東洋の生き残りよ』
『東洋の没落種族如きが!』
アオイの出自を匂わせる“東洋”という単語・・・旅の間も気になっていた事だった。
「(物心つく前から両親はいなかった・・・きっと東洋・・・東方大陸にその秘密があるかも知れない・・・)」
手掛かりは僅かだが、何かが分かると踏んで、アオイは別の旅をする決意をする。
「それじゃあね、バン、フィーネ、ジーク。また会いましょう」
「おう!アオイも元気でな!」
「またね!」
「グァグァグェ!」
ライガーゼロはブレードライガーから離れ、別の道へ走って行く
「さぁ、少しだけ私の我がままに付き合ってもらうわよ?ゼロ」
アオイを肯定するようにライガーゼロは吠え、地平線の彼方へと向かっていった
そして・・・
「ライガーゼロ・・・順調に成長しつつある・・・フフフ・・・その力、いずれは私のものだ」
アオイの旅は、新たな局面を迎える。
ゾイドイヴ編終了です。ここで一旦の区切りですね。
そして次はガーディアンフォース編・・・重要なシナリオ以外はオリジナルになるかも知れません。時間が掛かる分、色んなゾイドを使った事件等が作れるから結構楽しみ