ZOIDS 紅の獅子   作:モルヤパ

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第26話 盗賊の災難

共和国と帝国の国境沿いに、寂れた町があった。国境沿いにはいくつも似たような町があり、傭兵や賞金稼ぎ、ならず者達が屯するには持って来いの場所だ。

 

その町に、1体の見慣れないゾイドが向かってきていた。

 

町の一角にある古びた酒場・・・そこは傭兵や賞金稼ぎ達で賑わっていた。酒場の扉が開かれ、見知らぬ人物が入って来た事で全員が黙り込んだ。

 

紅い髪のポニーテール、黒のシャツとマイクロミニ、腰が隠れる程度の丈が短い水色のジャケットを着込んだ、顔立ちの良い美しい女性が、入り口に立っていた。

 

周りの視線を気にする事なく歩き出し、奥にあるカウンターに座ると、店主らしき男が声を掛ける。

 

「ご注文は?」

 

「そうね・・・ミルクで」

 

女性の注文を聞いた途端、周りの男達が笑い出す。更に、ガラの悪そうな男が二人、女性を囲むように隣の席に座った。

 

「オイオイここはお嬢ちゃんが来るようなところじゃねーぜ?ミルクなら自分のおっぱいでも飲んでろよ?」

 

「やめとけって、どう見ても出るようなおっぱいしてねーだろ」

 

傭兵らしき男が軽口を叩くと、周りの笑いのボリュームがあがった。

 

「(この男・・・後で殺す)」

 

当の女性は眉を痙攣させて、目線だけで軽口を叩いた男を睨みつける。

 

「でよぉ?お嬢ちゃんはこんなところまで何しに来たんだ?」

 

「最近、勢力を拡大している盗賊がこの辺りにいる話を聞いてね。その情報を探りに来たの」

 

すると突然、周りの男達の笑いが止まった。その顔は焦りや戸惑い、恐怖も感じ取れた

 

「お、お嬢ちゃん・・・悪い事は言わねぇ・・・やめておけ」

 

「何で?」

 

「そいつらを敵に回して生きて帰った奴はいねぇんだ。」

 

「デザルト・アルコバレーノ・・・ここいらじゃ最大の盗賊集団さ」

 

盗賊の名前を聞き、女性は少しだけ目つきを鋭くさせた。そこに酒場に入り口が乱暴に開かれた。

 

「邪魔するよ」

 

「お前等どきやがれ!デザルト・アルコバレーノ頭領、ビブデバー様のお通りだよ!」

 

盗賊らしき風体をした男達の中央に、筋肉隆々の女が立っていた。取り巻きの言った通り、盗賊団のボスだろう。

 

「ん?」

 

そのビブデバーは、カウンターにいる赤髪の女性を見つけると、どかどかと歩いてきた。

 

「ヒィ!?」

 

隣にいた傭兵達が慌てて退避し、ビブデバーが女性の隣に座った。

 

「あんた見ない顔だね?新入りかい?」

 

「そんなところね。この稼業は最近始めたの」

 

「へぇ・・・だったら何であたしのところに挨拶がないんだい?」

 

女性が不思議そうな顔でビブデバーの方へ向いた。

 

「どういう事?」

 

「ここいらはあたしの縄張りなんだよ、あたしに挨拶なしで金稼げると思ってんじゃねーぞ?」

 

ビブデバーが難癖付けて女性と絡んでいる中、当の彼女は表情を変えないまま、ビブデバーを見ていた。

 

「このあたし、デザルト・アルコバレーノに逆らって生きていけると思ったら大間違いだよ?とりあえず迷惑料として1万ガロスほど・・・・・・何あたしの顔ジッと見てんだい」

 

「いや・・・ハンマーロックって、いつの間にこんなに小さくなったのかなって」

 

「ハ・・・ハンマーロックぅ!?!?」

 

その女性は、ビブデバーに怯えるどころか素っ頓狂な口調で侮辱をしだし、周りにいた男達の顔が凍り付く

 

「ああでもちょっと無理があるわね・・・え~っと・・・あ、そうか!ゴリラ型のオーガノイドね!恐竜型しかいないのにすっごいレアじゃない?」

 

挑発めいた事を口走る女性に、ビブデバーは顔を強張らせて胸倉を掴んできた

 

「小娘ぇ!!このあたしに挨拶どころか喧嘩売るたぁいい度胸してるじゃねーか!!」

 

「ママ!やっちまいやしょうこの小娘!」

 

「ママを怒らせた事、後悔しな!」

 

「あたしのゾイドで叩きのめしてやる!!来い!!」

 

取り巻きの男達はビブデバーを囃し立て、女性がそのまま引き摺られて酒場を出て行った。

その光景を見た傭兵達の反応は様々で、頭を抱える者や、紙に祈りを捧げる者もいた。

 

「あのお嬢ちゃん・・・終わったな」

 

「ガフキーカハールで死んだ妹がデッカくなってたら、あんな感じだっただろうな・・・」

 

「せめてあいつの雄姿を見届けてやろう」

 

女性の最期を見届けようと、男達は酒場の外に続々と出て行った

 

町の外ではビブデバーの駆るレブラプターと、それより一回り小さいゾイド“マーダ”が対面していた。恐らく女性が乗っているゾイドだろう。

 

「おいおいマーダなんて骨董品、未だに使ってる奴いたのかよ」

 

「こりゃ尚更、あのお嬢ちゃんに勝ち目ねぇだろ」

 

男達が更に沈む中、ビブデバーは高笑いを辺りに響かせた。

 

「ハハハハハッ!そんなもやしゾイドであたしと戦おうなんざ舐められたもんだね!」

 

「それはやってみてのお楽しみよ?え~と・・・デブババァ?」

 

女性とマーダは一緒になって首を傾げた

 

「ビブデバーだよ!!!」

 

名前を間違えた女性に対し、怒りを露にしながらレブラプターを走らせる。

 

背部のカウンターサイズを展開し斬りにかかるが、マーダは跳び上がり、レブラプターを踏みつけて跳び越えた。

 

「なぁ!?」

 

「ママの攻撃を避けた!?」

 

盗賊団の男達がマーダの動きに驚く中、そのマーダは軽くステップを踏んでいた。

 

「ほらどうしたの?レブラプターの機動力が泣いてるわよ?」

 

「舐めるんじゃねぇ!!!」

 

レブラプターは両腕のビーム砲を発射し、マーダを攻撃する。

しかし、マーダは軽快に飛び跳ねながら回避し、徐々にレブラプターと距離を詰めていく

 

「何なんだよこいつ!ちょろちょろと!!」

 

ビブデバーは苛立ちながら操縦桿を切り、レブラプターを跳び上がらせて鍵爪を向けた。

 

「死になぁ!!」

 

「フフッ」

 

女性が静かに笑うと、マーダは脚を振り上げて宙を回り、レブラプターの顎を蹴り上げる。

 

「どふぁぁぁ!?」

 

レブラプターは地面に倒れ、システムフリーズを起こして停止した。

盗賊団も、傭兵の男達も、何が起こっているのか理解が追い付いておらず呆然としていた。

 

「び、ビブデバーが・・・負けた・・・?」

 

「嘘だろオイ・・・」

 

そんな事はお構いなしに、コクピットから出てきた女性は満面の笑みを浮かべていた。

 

「私の勝ちね」

 

「ま、ママぁぁぁぁ!?」

 

「ママ、大丈夫か!?」

 

盗賊団の男達がようやく思考が追い付き、ビブデバーを介抱しにレブラプターへ一斉に走る。

 

「駄目だ白目剥いてやがる!」

 

「すぐにアジトへ!」

 

「小娘ぇ!覚えておけよ!!」

 

ビブデバーとレブラプターを運び出し、マーダに乗った女性に捨てセリフを吐くと、そそくさと町を出て行った。

 

それを見た男達は女性へと群がって行く

 

「すげーよお嬢ちゃん!」

 

「あのビブデバーを倒しちまうなんて!」

 

「これでもうこの町でデカイ顔はできねぇぞ!」

 

「ありがとうよ!」

 

あまりの賞賛の圧に、女性は若干引いている

 

「い、いいえこちらこそ・・・」

 

「何か奢らせてくれ!ミルクでも何でもよ!」

 

「あ、じゃあパパオの実ある?」

 

「おおあるぞあるぞ!じゃんじゃん食え!」

 

女性は酒場に連れられて、男達と飲めや食えやのどんちゃん騒ぎが始まった

 

「これでデザルト・アルコバレーノは終わりだぜ!」

 

「あのお嬢ちゃんが完膚なきまでに叩きのめしたんだからよぉ!」

 

「これで俺のモルガも安心ってもんだよ!」

 

まるで自分が倒したかのように騒ぎ出す男達を、遠目で見ていた女性は苦笑いを浮かべる。

 

「あはは・・・」

 

そんな騒ぎは、日が沈み辺りが暗闇になる頃には静まり返った。

 

男達は机に付したり、酒瓶を抱えながら眠りこけていた。

床に寝る男達を跨ぎながら、女性は酒場の出口へと静かに歩いて行く。

 

「まったく・・・この後何が起こるか知らないで・・・」

 

呆れた表情で男達を見た後、女性はマーダに乗り込み、何もない荒野へと向かった。

しばらく進んでいると、土煙が広く舞い上がっているのが見えた。

 

「やっぱりね」

 

土煙をあげている正体がだんだんと見えてきて、最初に見えたのは砂漠塗装が施されたシールドライガーだった。そこから続々と、コマンドウルフやモルガ、レッドホーン、レブラプター等、砂漠塗装のゾイドが現れてきた。

 

「あれはデザートライガー?珍しいもの持ってるのね」

 

「小娘ぇ!昼間はよくもあたしに恥をかかせてくれたね!」

 

そのデザートライガーから通信が入り、ビブデバーがモニターに映る

 

「あんたは・・・え~っと・・・デブバラ?」

 

「ビブデバーだよ!!あんたわざと間違えてるだろ!!」

 

「それはどうでもいいんだけど・・・何?意趣返しのつもり?」

 

「このデザルト・アルノバレーノをここまでコケにしたんだ・・・その落とし前、あんた達の命でつけさせてもらうわ!!」

 

盗賊団のゾイドが、砲身を町の方へ向けたのを見て、マーダがそれを遮る様に立ちはだかる。

 

「やめなさい!恨むなら私だけにしなさい!」

 

「もう遅い!これは見せしめだよ!!撃ちな!!」

 

ビブデバーの命令で、レッドホーンが町へ砲撃するが、全く何もないところに着弾した。

 

「ありゃ外れだ」

 

「この馬鹿!!ちゃんと照準補正しとけと言ってただろ!」

 

ミスをした部下に怒鳴っていると、マーダがデザートライガーの頭を踏んで部下達のゾイドへと向かっていった。

 

「あだっ!?」

 

「やめろって言ってんのよ!!」

 

「おわぁ!?」

 

レッドホーンの頭を踏みつけて怯ませ、電磁砲を発射して注意を逸らそうとする。

 

「くっそこのチビ!!」

 

「こっちの数は圧倒的だよ!圧し潰せ!!」

 

レブラプターやコマンドウルフの軍勢がマーダに向けて集中的に攻撃し始める。

何とか直撃は免れているものの、流石に数的不利を覆す事はできなかった。

 

「数は2個大隊ってところかしら?流石にマーダじゃもう・・・!」

 

「ハハハハハッ!泣いて許しを請うなら今の内だよ!そうすりゃ男共の玩具で済ましてやるよ!!」

 

ビブデバーは逃げ惑うマーダを見て高笑いをあげる。そこに、あらぬ方向から砲撃が浴びせられる。

 

「な、何だい!?」

 

「ま、ママ!傭兵共が!」

 

部下の一人が町の方を指差すと、ヘルディガンナーやコマンドウルフ、セイバータイガー等、傭兵達が使っているゾイドが向かってきていた。

 

「水臭いぜお嬢ちゃん!」

 

「喧嘩なら呼んでくれりゃよかったのによ!」

 

「あなた達・・・」

 

「俺達もこいつらに散々煮え湯を飲まされてきたんだ、あんたのお陰で、俺達は覚悟が決まった!」

 

「今までのツケ、倍にして返してやるぜ!!」

 

傭兵達が雄たけびを上げながら盗賊団へと攻撃を仕掛けていく。

数的不利はまだ覆せていないが、士気の高さは上回っていた。

 

「こ、こいつら!」

 

「うぎゃああ!?」

 

「ママ!こいつらの勢い半端じゃねーぜ!」

 

「どきな!!」

 

デザートライガーが走り出し、鬣型のユニットを展開してEシールドを発生させた。

 

「来たぞ!」

 

「撃て撃て!!」

 

傭兵達はデザートライガーに向けて砲撃を仕掛けるが、全てEシールドに弾かれ、シールドアタックを食らい次々と倒されていった。

 

「ぐわぁ!!」

 

「くそぉ!!」

 

「ハハハハハッ!このあたしに勝とうなんて10年早いんだよ!!」

 

ビブデバーが傭兵達のゾイドを倒していき、盗賊団は勢いを取り戻し、傭兵達のゾイドを撃墜し始める。

 

「くそ・・・!やっぱりこの数じゃ・・・!」

 

「怯んでんじゃねー!お嬢ちゃんはマーダで戦ってるんだぞ!!」

 

「お、おいマーダが!?」

 

傭兵達の目には、マーダが何処かへ離脱していくのが見えた。

 

「あのお嬢ちゃん逃げたのか!?」

 

「いや違う!」

 

マーダに乗っていた女性は、デザートライガーの前に立っていた。マーダを自律機能に切り替えて降りたようだ。

 

「あのバカ何を!?」

 

「何だい?今更命乞いでもする気かい?」

 

「ごめんなさいね?あなたの事、少し侮っていたわ。けどさ、合体すればいいのにわざわざコクピットに乗って戦うのね?あなたって」

 

「だからゴリラ型のオーガノイドじゃないって言ってんだろう!!」

 

ビブデバーが怒鳴ると、女性はニヤニヤと笑い始める。

 

「え~私そこまで言ってないんだけどな~・・・てことは自覚があったって事よね?」

 

「キィィィィィィィィィィィィィィィ!!!」

 

金切り声をあげるビブデバーは、デザートライガーの右腕をあげさせ、踏み潰そうとする。

 

「ミンチになりやがれえええええええええええええええええええ!!!」

 

「お嬢ちゃん!!!」

 

傭兵達は助けに向かうが、到底間に合う距離じゃない。最悪の事態が脳裏によぎったが・・・

 

「うぎゃぁ!?」

 

突如、デザートライガーが何かに吹き飛ばされた。

 

「な、何だ!?」

 

「ママが!?」

 

「おい何だあのゾイド!?」

 

傭兵と盗賊団が見たのは・・・紅いライガータイプのゾイド

そのゾイドが女性を守る様に現れたのだ。

 

「アダダダダ・・・い、一体何だってんだいこれは」

 

ビブデバーが態勢を立て直しているところで、部下の一人が怯えた口調で口を開く

 

「ま、ママ!!あれは・・・あのゾイドは・・・ライガーゼロだ!!」

 

「ら、ライガーゼロだって!?」

 

ライガーゼロの名を聞いて、傭兵達も驚きだした。

 

「ライガーゼロって・・・数々の盗賊団に恐れられていた紅いゾイド・・・」

 

「お、おい・・・てことはあのお嬢ちゃん・・・!」

 

「間違いねぇ!あいつは帝国軍最強のゾイド乗りにして、デスザウラーを倒した帝国の英雄・・・!」

 

女性は髪留めの紐を解き、長い赤髪を下ろした。

 

「アオイ・リュウガだ!!」

 

「あ、アオイ・リュウガって・・・えええええ!?」

 

「あ、あの小娘が盗賊狩りのアオイだってぇ!?」

 

女性の正体を知った盗賊団はビブデバーも含めて驚きを露にする。

 

「髪縛っただけでも気付かれないものね?」

 

「な、何であいつがこんな辺境に・・・!この大陸にいないって話じゃなかったのか!?」

 

狼狽えているビブデバーへ、アオイは左手の甲を見せる様に翳し、薬指にはめられた指輪を見せ付けた。その指輪には、共和国と帝国のシンボルマークを混ぜたようなものが彫られていた。

 

それを見た盗賊団の一人が怯えだした。

 

「あ、あれは・・・!?あれはGF!?」

 

「GF?なんだいそりゃ!?」

 

「ママ知らないの!?共和国と帝国が組織した特殊部隊・・・各国のエリート中のエリートが選ばれる最強の部隊・・・ガーディアンフォース!!」

 

「あ、あのお嬢ちゃんがガーディアンフォースだって!?」

 

ガーディアンフォースの名を聞いて、戦闘中だったのが嘘のように、双方が静まりかえった。

 

「デザルト・アルコバレーノ頭領ビブデバー・・・ゾイドを悪用しての破壊活動で現行犯逮捕するわ!!」

 

「ケッ!ガーディアンだかなんだか知らないけど、やりな!お前達!!」

 

ビブデバーに命令され、躊躇いながらもライガーゼロへ攻撃を仕掛ける。ライガーゼロに乗り込んだアオイは、飛来する攻撃を躱しつつ接近し、前方にいたモルガを弾き飛ばし、コマンドウルフに頭突きを浴びせて吹き飛ばす

 

「だ、駄目だパワーが違い過ぎる!」

 

「ママ逃げよう!勝ち目ないよ!」

 

「狼狽えるんじゃないよ!まだこっちには奥の手があるんだからね!」

 

傭兵達も勢いを取り戻し、盗賊団に攻撃を仕掛けるが、空からビームを浴びせられ行動不能に陥る。

 

「こ、今度は何だ!?」

 

「空だ!空からゾイドが!」

 

細かな羽音を響かせ、空からサイカーチスの大群が現れる。角にあるビーム砲で、地上にいるアオイや傭兵達を一方的に蹂躙する。

 

「サイカーチス・・・あんなものまで持ってるなんて」

 

「アハハハハハ!!やれやれぇ!!テメェらの装備じゃ空中には対処できない!!」

 

ビブデバーは笑いながら、一方的に攻撃される傭兵達を見ていた。

しかし、サイカーチスが1機撃墜されて墜落する。

 

「な、何だ!?」

 

そこに、ストームソーダーが2機、風を切り裂き現れる。

 

「天定まって、また能く人に克つ!我こそは平和の使者、翼の男爵アーラバローネ!」

 

「誇り高き嵐の刃、ストームソーダーを恐れぬならばかかってくるがいい!!」

 

ストームソーダーは両翼のブレードを展開し、サイカーチスを次々と切り裂いていく。

 

「な、何なんだよあいつらは!?」

 

「フフ・・・これで空の障害はなくなった。残りはあなただけよ」

 

ライガーゼロが、デザートライガーの前に出て威嚇する。

 

「ちぃ・・・!!舐めんじゃないよぉぉぉぉぉ!!」

 

デザートライガーはEシールドを展開し、ライガーゼロ目掛けて走り出す。

ただ一直線に走って来るだけで、アオイは軽く避けていく

 

「だから機動性を活かしなさいって」

 

「このぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

アオイの指摘に全く耳を貸さず、ただただ猪の様に突進を繰り返す。そんな事を延々と続けていれば、エネルギーが切れてEシールドが消失する。

 

「何ぃ!?」

 

「ほら言わんこっちゃない」

 

ライガーゼロは爪を輝かせ、デザートライガーへ跳びかかる

 

「ストライクレーザークロー!!」

 

「ぎゃあああああああああああああ!!」

 

デザートライガーの右前脚の装甲が抉られ、システムフリーズを起こして倒れた。

 

「よっしゃあ!!」

 

「お嬢ちゃんが勝ったぞぉ!!」

 

傭兵達は一斉に歓声をあげ、アオイを称えた。

 

倒れたデザートライガーからビブデバーが這い出して逃げようとするが、そこにアオイが立ちはだかる。

 

「往生際が悪いわよ?」

 

「な、何なんだいあんたは!?このデザルト・アルノバレーノ頭領のあたしを」

 

「ほう?俺達の前でその名を騙るとはな」

 

「いい度胸してるわね」

 

そこにロッソとヴィオーラが現れ、ビブデバーを厳しい目つきで睨みつける

 

「ほ・・・ほ・・・本物・・・!?」

 

ビブデバーは本物の人物を目の前にして、冷や汗を大量にかきながら震えた。

 

その後、盗賊団は付近の帝国軍に拘束、連行されていった。その光景を、アオイとロッソ、ヴィオーラが眺めていた。

 

「まったく、昔の名でここまで暴れてくれちゃって」

 

「複雑よね?知らないところで自分達の名前が使われてるのって」

 

「しかし、奴らがここまでの戦力を保有してたとはな」

 

ロッソは接収されるゾイド達を見て呟く。盗賊団のアジトにも何十機ものゾイドが収容されており、スリーパーゾイドを捕獲しただけでは揃えられないほどの数だった。

 

それに同意してヴィオーラは頷く。

 

「奴らのバックに何かがいると見ていいわね」

 

「風の都といい、今回の事といい、前途多難ね」

 

「さて、後の事は任せて、お前は報告に行くといい」

 

「ええ、救援感謝するわ」

 

アオイはライガーゼロに乗り、シュバルツへ通信を始めた。

 

『そうか、彼らが間に合ったか』

 

「はい、救援要請を出していただきありがとうございます。マーダは自律モードで退避させました。回収をお願いします。ああ、それと・・・」

 

アオイは笑みを浮かべ、モニターに映るシュバルツに敬礼する。

 

「任務、完了です!」

 

惑星Ziの長きにわたる戦争は終わった・・・しかし、最強の兵器“ゾイド”を利用して、再びこの平和の世に戦乱を招こうとする者がいる。それに対抗するため、帝国と共和国は平和維持を目的とした特殊部隊“ガーディアンフォース”を設立した。

 

さすらいのゾイド乗りアオイ・リュウガと、その相棒であるライガーゼロは、ガーディアンフォースの戦士として、惑星Ziの平和と人々の安息の日々を守るため、日夜活躍しているのである。

 




ガーディアンフォースとして戦う道を選びました。けっこう自由度の高い部隊だから問題はないでしょう
GF加入に伴い衣装を変更、ちょっとセクシーさが出るようにしました。色気ないけど
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