ZOIDS 紅の獅子   作:モルヤパ

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第27話 ゼネバスの影

ガーディアンフォース本部からの通達で、アオイは帝国領の鉱山にある町へ赴いていた。数か月前からならず者らしきゾイド乗り達が辺りをうろつきだし、生活物資を運搬している業者が襲われる等の事件が頻発していると、町長から説明を受けた。

 

「このままでは鉱山の労働者が飢え死にしてしまいます。現に何人かは行方を眩ませておりまして・・・」

 

「わかりました、私が奴らを殲滅して参ります」

 

「よろしくお願いします・・・ああ、そう言えばあなた一人で向かわれるのですか?」

 

突然、町長から尋ねられて、アオイは首を傾げる。

 

「一人でとはどういう事です?」

 

「いえ、ガーディアンフォースからは四人派遣すると聞いておりましたので」

 

「四人?」

 

ガーディアンフォースの隊員が、自分の他に三人も同じ場所に来るとは聞いておらず、アオイは疑問に思った。とにもかくにも任務が優先と考え、準備のためにアオイは立ち上がった。その時、外の方から言い争う声が聞こえてきた

 

「まったく、誰かさんのせいで遅れてしまったではないか!」

 

「何言ってんだよ、ディバイソンの脚が遅いからだろ?」

 

「貴様!責任を押し付ける気か!」

 

「もう二人共やめなさいよ」

 

何事だと思い、アオイは外に出ると、その人物達と目が合い、アオイは目を見開く。

 

「え・・・ま、まさか・・・」

 

「あ・・・!」

 

「あなたは・・・!」

 

アオイは、その人物に覚えがあった。姿は少し違っていたが、見間違えるはずがなかった。

一人は黒髪の尖った髪型をしており、腹部が開けている独特な軍服を身に着けている青年。

一人は金髪で後ろ髪を束ねて下ろしており、ピンクを基調とした服装をした少女。

 

「バン・・・フィーネ・・・!」

 

「お、お前まさか・・・アオイか!?」

 

二年の時を経て成長したバンとフィーネとの再会に感極まったアオイは、二人に抱き着いた。

 

「二人共大きくなったわね!すっごく見違えたわ!」

 

「お、おいおい大袈裟だな・・・」

 

「アオイも元気そうで何よりだわ」

 

アオイは一旦、二人から離れて、じっくりと観察をする。二年前までは見下ろさなくては顔が見えなかったが、今では普通にしてでも目線が合うくらい背丈があった。

 

「フフッ、流石は男の子!もうすぐ身長追い抜かれそうね」

 

「ヘヘッ、そう言われると照れるな~」

 

「フィーネもホント、こんなに大きく・・・」

 

フィーネも褒めようと目線を向けるが・・・下の方に目が行ってしまい、言葉を詰まらせ、苦い表情を見せる。

 

「ホント・・・大きくなっちゃって・・・」

 

「「???」」

 

何のことを言っているのか分からないバンとフィーネは、不思議そうに首を傾げた。

そこで二人の後ろから咳払いが聞こえ、アオイと共にそちらの方へ身体を向ける。

 

「オホン、この俺を忘れてもらっては困るな」

 

「ああ、いたのか」

 

「バン!“いたのか”とは何だ“いたのか”は!?」

 

バンに声を荒げる男を、アオイはジーッと見つめる。それを見た男はふてぶてしくアオイを見つめ返す

 

「あなたは・・・・・・・・・誰だっけ?」

 

首を傾げて尋ねるアオイを見て、男は盛大にずっこけた

 

「き、貴様!この俺を忘れたとは言わせないぞ!!」

 

「忘れた以前に覚えがないから仕方ないじゃない」

 

「俺だ俺!!トーマ・リヒャルト・シュバルツ!!ヴァシコヤード・アカデミーの!!」

 

ヴァシコヤード・アカデミー・・・帝国最大の技術機関の名前を出されて初めて、アオイは合点が行き納得の声をあげた。

 

「ああ、あの時の!ヘビーライモスに乗ったシュバルツ大佐の弟の!」

 

「はぁ・・・やっと思い出したか」

 

「何だよ、二人は知り合いなのか?」

 

バンに聞かれて、アオイが説明を始めた。

 

「トーマはヴァシコヤード・アカデミーの実戦訓練の時に会ったの。彼はヘビーライモスで、私はマーダで模擬戦をしてボコボコにしてやったの。まぁ当時の私は現役軍人、トーマは訓練生だったから仕方ないんだけど」

 

「ああ、あの時の事は頭から離れんよ・・・!」

 

トーマの脳裏には、避けられては蹴られ、避けられては蹴られを繰り返された当時の光景が思い浮かんだ。

 

「ところで、アオイが何でこんなところにいるんだ?」

 

「ああ、私、ガーディアンフォースに入ったから」

 

バンに聞かれ、アオイは左手の指輪を見せた。

 

「ああ、先に一人向かったってのはアオイの事だったのか。シュバルツも意地の悪い事するな~」

 

「驚かせたくって内緒にしてたのね」

 

トーマが再び咳払いをして、話を戻そうとした。

 

「ところでアオイ、今回の任務、どう見ている?」

 

「え?鉱山の人達を弾圧している盗賊団を懲らしめればいいんでしょ?」

 

「その鉱山が何故、襲われているか分かるか?」

 

「さあ?」

 

全く分からないと言いたげな態度に、トーマは呆れながらため息を吐く

 

「そんな事も分からないで引き受けたのか?」

 

「何よ?鉱山が何か関係してるの?」

 

「その鉱山は最近、ディオハリコンが埋まっている事が判明しているのだ」

 

「ディオハリコンって何?トーマさん」

 

フィーネに尋ねられて、トーマは何故か鼻の下を伸ばし始める。

 

「はいフィーネさん!ディオハリコンとはゾイドの装甲材としても使われている非常に希少な鉱物でして、これを使えば出力の向上も可能で、ゾイドの性能を各段にアップさせることができるんです!レッドホーンからダークホーンへの強化が一番分かりやすい例ですね!」

 

「ねぇバン、何であいつフィーネにだけ態度違うの?」

 

「知るかよ」

 

あまりの豹変ぶりにバンに尋ねるが、彼は呆れながらそう答えるしかなかった。

フィーネに一通り説明した後、トーマの顔つきが元に戻る。

 

「しかし・・・ディオハリコンの技術は惑星大異変時に大半が失われ、現代においての実用性はそう高くはないはずだ。希少な鉱物とは言ったが、知らない者が見ればただの緑色に光る石ころだ、市場に出回ってもさほど価値は高くない」

 

「それじゃあ最近出てきた盗賊団ってのは、そのディオハリコンの価値を知ってるってのか?」

 

「俺はそう考えている。今回に限った事ではなく、帝国領の鉱山への襲撃が相次いで起こっている。同一犯と見て間違いないだろう。」

 

「と言う事は・・・その盗賊団はディオハリコンでゾイドの強化や、新しいゾイドを開発するつもりなの・・・?」

 

フィーネが不安そうな声を出すが、トーマが真剣な表情で励ます。

 

「大丈夫ですフィーネさん、そうならないために我々ガーディアンフォースがいるんです。」

 

「そういう事よフィーネ、早速、盗賊団を探しましょう」

 

「その必要はない」

 

アオイはフィーネの肩を軽く叩き、行動しようとしたが、トーマに呼び止められた。

 

「どういう事よ?」

 

「既に周辺の地理をビークに解析させている。間もなく盗賊団のアジトが特定される」

 

「ビーク?」

 

「俺が開発した人工知能・・・AIだ」

 

「へ~、機械弄りが好きだってのは本当なのね?」

 

アオイが感心していると、トーマの表情が少し険しくなった。

 

「これならば貴様にも遅れは取らん・・・いや、貴様に勝つことも可能だ」

 

「機械に頼るだけじゃ私には勝てないわよ?」

 

「オイオイ二人共その辺にしとこうぜ?今は盗賊団のアジトを突き止めるのが先だろ?」

 

バンが間に入ってアオイとトーマの仲をとりもつ。トーマは鼻で笑うと、先に歩き出した。

 

「フン・・・貴様も兄さんと同じ様な事を・・・」

 

「え?」

 

「何でもない、急ぐぞ」

 

トーマの太々しい態度が気に食わなかったのか、アオイは少し眉間にしわを寄せる。

 

町を出て、ゾイドが置いてあるところに行くと、ブレードライガーの足元に見慣れた銀色の姿があった。

 

「グオォォォォ!!」

 

「ジーク久しぶりね!元気にしてた?」

 

「グオグオ!」

 

懐かしい顔に会えてジークは喜び、アオイに身体を摺り寄せる。

 

「遊んでいる暇はないぞ?早くゾイドに乗れ」

 

「何よトーマさっきから」

 

「ま~ま~」

 

トーマに不服を感じつつも、アオイはライガーゼロに乗り、ブレードライガーとディバイソンの後に付いて行く

 

「ディバイソン・・・ガンブラスターと同じく、共和国から譲渡されたゾイドね」

 

「ああ、17連突撃砲の迫力は凄まじいぞ?」

 

「それは楽しみね?」

 

「私語はそこまでだ、二人共。ビークが早速、アジトの予測地点を割り出した。データを送る」

 

トーマから周辺の地形データ送られ、盗賊団がいるだろう個所が紅く点滅していた。

 

「この辺りに奴らがいるのね?それで、何処から攻める?」

 

「北西方面にある岩山だ、あの場所は過去の地理データと照らし合わせると、本来なら存在しない岩山だと出ている。盗賊団のアジトである可能性が非常に高い。」

 

「へ~、そんなところまで分かるなんてすごいわね」

 

アオイが素直に褒めると、トーマは得意げな表情になる。

 

「フフン、当然だ」

 

そんなトーマを、バンはニヤつきながら否定する。

 

「いやいやアオイ、それはトーマがすごいんじゃなくって、ビークがすごいんであってだな」

 

「だ~からビークを作ったのはこの俺で!すごいのはビークじゃなくて俺!!」

 

「それじゃあ早速行きましょう!盗賊団をさっさと片付けないとね」

 

「それもそうだな、行くぜ!」

 

ライガーゼロとブレードライガーは、スピードをあげてディバイソンと距離をあける。

 

「お、おい待て貴様ら!勝手に行動するな!」

 

「もたもたしてると置いてくわよトーマ!」

 

独断専行をするアオイに、トーマは顔を強張らせて憤りを見せる。

 

「まったく!兄さんも何であんな奴をガーディアンフォースに・・・!」

 

その怒りを鎮めたいのか、ビークが電子音をけたたましく鳴らす。

 

「―――――!」

 

「何?何でそんなに怒ってるのかって?決まっているだろ・・・あの女は一度、兄さんを裏切ったんだからな・・・」

 

通信が切られていたため、トーマの呟きは搭載さえているビーク以外には聞こえなかった。

そして、トーマは気付かなかった・・・ディバイソンのキャノピーから、小さな虫が飛び立つところを

 

アジトらしき岩山に到着したアオイ達は、見つからない様に遠いところから双眼鏡を使い、周囲を観察していた。岩山の麓には大型ゾイドが一体通れるだろう大穴があった。

 

「ビーク、奴らの搬入口だと思われる個所を分析しろ」

 

「―――!」

 

撮影された画像をビークが解析し、岩山の大穴が人工的に作られたものだと結果を出した。

 

「やはりな・・・自然ではあり得ない岩肌の削れ、グスタフが複数回通っただろう走行軌跡、あの岩山がアジトで確定と見ていい」

 

「なら中に入って取り押さえればいいわね?」

 

「いや、見張りもロクに配置していないところを見ると、罠が敷かれているかも知れない。迂闊に近づくのは危険だ」

 

冷静な分析を披露するバンに、アオイは驚くと共に感心した。

 

「バン、あなたいつの間にそこまで考えられるようになったの?」

 

「なんか引っかかる言い方だな・・・まぁ、伊達にクルーガー大佐に扱かれたわけじゃないさ」

 

「あのクルーガー大佐に・・・」

 

「まあそれはともかく・・・トーマ、どうする?」

 

「ここはディバイソンの砲撃で敵を炙り出すべきだな。任せておけ」

 

ディバイソンは岩山の方へ向き、17連突撃砲の砲身一つ一つを動かし狙いを定める。

 

「ビーク、派手に挑発をしてやれ。17連突撃砲、ファイヤー!!」

 

凄まじい轟音を鳴らし、17連突撃砲が発射され、岩山の出入り口周囲に着弾させる。ガンブラスターと同じく高火力で圧倒するタイプのゾイドで、精密に射撃をする光景にアオイは驚いていた。

 

「照準がブレれてない・・・?本当にすごいわね」

 

「この位は当然だ・・・見ろ、奴らが出てきたぞ」

 

出入口から続々とガイサックやレブラプターが現れ、周囲を探索し始めた。

 

「スリーパーを捕獲して使っているようだな、戦力はさほど高くはない。出てきた奴らを叩き、制圧する!」

 

「よし、行くぜジーク!!」

 

「グオォォォォォ!!」

 

ジークが空に飛び上がり、ブレードライガーと合体して岩山へ走り出す。

 

「私達も行くわよ、ゼロ!!」

 

ライガーゼロは強く咆哮すると、ブレードライガーに続き走り出す。

 

向かってくる敵に気付いたのか、盗賊団らしきゾイド達は砲撃を浴びせてくる。

 

「ヘヘッ、遅いぜ!」

 

ブレードライガーは巧みに回避し、ブレードに取り付けられたパルスレーザーを発射して次々と撃破していく。

 

「へぇ、射撃の腕も上がってるのね?負けてられないわ!!」

 

ライガーゼロは敵の集団に突っ込み、体当たりをぶつけて複数体を吹き飛ばす。

アオイの戦う姿を、トーマは追いかけながらモニターで観察していた。

 

「ライガーゼロ・・・やはり他のゾイドとは桁違いの性能を持っているようだ。それを易々と使いこなせるとは・・・」

 

アオイの戦いぶりに、トーマは素直に評価する。すぐに戦列に加わり、次々と出てくる盗賊団のゾイドを17連突撃砲で撃墜していく。

 

「増援が出なくなったな?打ち止めか?」

 

「いや、まだ油断はできん。内部にゾイドらしき熱源を3つ探知した、こちらに近づいてきている」

 

トーマの言う通り、岩山の出入り口からゆっくりとゾイドらしき影が近づいてくる。

 

「どれだけ湧いて出てこようが私達なら・・・ん?」

 

アオイは出入口から出てこようとしているゾイドが、緑色に光っているのが見えて目を凝らす。

 

「ねぇ、あんなに緑に光るゾイドっていたっけ?」

 

「そんなのいるはずが・・・ん?」

 

「ねぇバン、私・・・嫌な予感がする」

 

「フィーネの嫌な予感が出たか・・・てことは・・・」

 

フィーネの不安げな言葉に応えるように、出入口から、装甲内部が緑色に発光する2足歩行の恐竜型ゾイドが現れた。

 

「何?あのゾイド」

 

「敵である事には変わりない・・・ビーク、照準!」

 

「―――!」

 

ディバイソンの17連突撃砲が、現れたゾイド三体に向けて砲口を輝かせる。

 

「メガロマックス!ファイヤー!!」

 

17連突撃砲から一斉に高出力のビームが発射された後、途中で拡散し、現れたゾイドに浴びせられた。

 

「うわすっごい高火力」

 

「フフン、簡単すぎて物足りんな」

 

したり顔をするトーマだったが・・・その表情がすぐに崩れる事になる。

 

「な・・・!?」

 

メガロマックスをまともに受けたゾイドが、そしらぬ顔で立っていたからだ。

 

「メガロマックスが効いてないだと!?」

 

「どうなってんだ!?」

 

バンもブレードライガーの2連ショックカノンで攻撃をするが、少し機体が揺らいだだけで、すぐに姿勢を戻す。

 

「攻撃が効いてない!?」

 

「バン、もしかしたらあのゾイド・・・ディオハリコンを使っているんじゃ・・・」

 

「何ぃ!?」

 

「そんな、ディオハリコンの技術はもう」

 

「そちらの古代ゾイド人の言う通りだ」

 

アオイ達が狼狽えている中、割って入るように通信が届いた。その声は、アオイが聞き覚えのあるものだった。

 

「その声はマウントオッサの時の!」

 

オレンジの翼を生やしたゾイド・・・ガン・ギャラドがゆっくりと岩山の上に着地した。通信モニターに、ガン・ギャラドのパイロットだろう銀髪の男が映し出される。

 

「久しぶりだな、アオイ・リュウガ」

 

「知り合いなのか?」

 

「知り合いなもんか!マウントオッサであんたが邪魔しなければ・・・!!」

 

アオイは歯を噛みしめながら、ガン・ギャラドを睨みつける。それを意に返さず、ガン・ギャラドのパイロットは口角をあげてニヤリと笑う。

 

「フフッ、そろそろ自己紹介をしておこう。私はヴェイア・ムーロア、かつて惑星Ziに栄えたゼネバスの末裔」

 

「ゼネバス?」

 

「何だそりゃ?」

 

ゼネバスという、初めて聞く単語にバンとフィーネは首を傾げる中、トーマはビークを使いデータベースに検索をかける。

 

「該当項目あり、ゼネバス帝国・・・50年以上前に存在していた軍事国家で、ガイロス帝国で使用されているゾイドの一部を開発したが、クーデターが起こり国家は解体寸前まで陥り、当時のガイロス帝国に吸収された・・・しかし皇帝を始めとした皇族は全てクーデターにより粛清されたと・・・」

 

「完全には絶たれていなかった・・・それだけの話だ、シュバルツ家の男よ」

 

トーマの説明に付け加える様にヴェイアは語り、ガン・ギャラドは黒いゾイドの元まで降りる。

 

「時は来た、ゼネバスは再びこの大陸に君臨する。ガイロスも、ヘリックも掌握し、我々が惑星Ziの覇権を握る。」

 

「そのためにまた戦争をしようって言うのか!」

 

「こいつの屁理屈なんてどうでもいいわ!」

 

アオイが苛立ちを露にしながらライガーゼロをガン・ギャラドへ向けて走らせる。

 

「待て貴様!!」

 

「あんたはここで潰す!!あの時邪魔してくれた借りをここで!何百倍に!!」

 

ライガーゼロが爪を輝かせ、ガン・ギャラドへと跳びかかる

 

「ストライクレーザークロー!!」

 

「フッ、未だ猪突猛進とは・・・ライガーゼロが泣いているぞ?」

 

ガン・ギャラドの銀色の爪が、ライガーゼロの輝く爪へ向かってぶつけ、弾き飛ばす

 

「くぅ!また弾かれる!何なのあの硬さは!!」

 

「当然だ、このガン・ギャラドは失われたディオハリコン技術を用いて生み出された、並大抵の攻撃は通用しない。随伴しているデッド・ボーダーも同じくだ。フフフ・・・もはや地上で敵うゾイドはいないだろう」

 

「ディオハリコン技術だと・・・!?帝国領各地の鉱山を襲っていたのは貴様だったのか!」

 

「どうしてそんな事をするの・・・?そんなに惑星の覇権が欲しいの?」

 

フィーネが悲壮な顔をしながらヴェイアに訴えかけると、彼は今までの余裕な表情を崩し、目を吊り上げて憤りを露にする。

 

「貴様には分かるまい・・・!愚かな民衆によって全てを奪われ、志半ばで辺境の地で朽ちていった一族の無念が・・・!!」

 

その後、デッド・ボーダーがガン・ギャラドの前に出て、背部にあるビーム砲2門をアオイ達に向けて斉射する、

 

「きゃあああ!?」

 

「うわぁぁぁ!」

 

「くぅ!なんて威力だ!」

 

怯んで身動きができないアオイ達を眺めながら、ヴェイアはガン・ギャラドを浮上させる。

 

「今回は挨拶程度だ・・・だが、いずれはゼネバスの力にひれ伏す事となる。その時を楽しみに待っていろ」

 

ガン・ギャラドは空高く舞い上がり姿を消した。それでもなおデッド・ボーダーの攻撃は止む事なく続けられた。

 

「待ちなさいよキザ野郎!!」

 

「アオイ!今はこいつらを何とかする方が先だ!トーマ、あいつらに向かってもう一度メガロマックスだ!」

 

「し、しかしあいつらには通用しないぞ!?」

 

「いいからやるんだ!!」

 

バンが力強くトーマに訴えかける、それに応えるべくディバイソンの17連突撃砲にエネルギーを込めていく。

 

「その言葉を信じるぞ!メガロマックス、ファイヤー!!」

 

高火力な砲撃が再びデッド・ボーダーに浴びせられる。辺り一面、爆発で舞い上がった塵で視界が悪くなっていった。

 

「今だ!!」

 

ブレードライガーはブースターを噴射して速度をあげ、ブレードを展開する

 

「いっけええええええええええええ!!」

 

塵の中を突っ切り、デッド・ボーダーを1体、ブレードで切り裂いた。

切り裂かれたデッド・ボーダーは悲鳴をあげながら地面に倒れた。

 

残ったデッド・ボーダー2体は背後を晒しているブレードライガーへ攻撃を集中させる。

 

「隙ありよ!!」

 

ライガーゼロがデッド・ボーダーへと突っ込み、ストライクレーザークローで切り裂いて倒した。

 

「いくら装甲が頑丈だろうと、集中砲火を浴びせれば!!」

 

ディバイソンが再びメガロマックスを発射、1体だけ残ったデッド・ボーダーに全ての砲撃を浴びせて倒した。

 

「ふい~・・・何とかなったぜ」

 

「手強い敵だったな・・・だが、いずれはこのデッド・ボーダーが量産されるとなると、厄介だな」

 

「どうしてまた戦争を起こすような事を・・・覇権を手にしたところで、何にもならないというのに・・・」

 

フィーネが呟いた事を、アオイ達は言葉にせずとも理解を示した。

惑星Ziを己の物にするため暗躍したプロイツェンがいい例だった。結局、行きついた先は逆らう者を根こそぎ排除し、力に溺れ破壊の限りを尽くす・・・その先にあるのは惑星の滅亡しかない・・・と。

 

フィーネの不安を解消するため、アオイが口を開く。

 

「私達の手で思い知らせてやればいいのよ、下らない野望が実現する事はないってね。それに、プロイツェンが出来なかった事を、あいつらが出来るはずがないわ。」

 

「あまり楽観視するのもどうかと思うが・・・確かにアオイの言う通りです、フィーネさん」

 

「ああ、必ず俺達がぶっ潰す!何度でもな!」

 

トーマとバンも続いて励ますと、フィーネは微笑んだ。

 

「うん、バン達ならきっとできるわ」

 

「さて、そろそろ帰ろうぜ?腹減っちまった」

 

「そうね、そうしましょう」

 

「帝国軍の回収部隊が間もなく到着する、問題はないだろう」

 

アオイ達が撤収していくところを、岩山の頂上に蒼髪の少年と、細身の青いオーガノイドが見下ろしていた。

 

「あ~あ、ゼネバスとか大層に名乗っておきながらこの程度か。フフフ・・・ライガーゼロか・・・面白い玩具になりそうだね」

 

「グルルルルルル・・・」

 

少年の見せる笑みは不気味で、悪魔のようだった。

 

 




アニメでもそうですが、今作はバトルストーリーとは一切関係がありませんのでご容赦を
デッド・ボーダーは今後の雑魚キャラとして出すためにかなり弱体化させています。重力砲でデスザウラー破壊してるわ、片手でウルトラザウルス放り投げてるわのオーバースペックなもので簡単に出せなくなってしまうので

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