砂漠に点在する帝国軍の基地。そこにライガーゼロが向かっていた。ゼロに乗るアオイの表情は、いつになく険しかった。
基地のゲートが開けられると、帝国軍の兵士が慌ただしく動く様子が視界に映る。よほどの事態が起こっているのだろう。
「おいガーディアンが三人も来てるぜ」
「いったいどんな敵なんだ」
アオイはライガーゼロから降り、同じく基地に到着したトーマと合流した。
「待ってたぜ二人共」
「貴様から支援要請とは、どういう風の吹き回しだ?」
「立て続けに基地が襲撃されているって話は聞いてるわ」
「黒いオーガノイドの事は?」
フィーネに尋ねられ、トーマは何かに感づきハッとした表情を見せる。
「まさか・・・」
詳しく話を聞くために、一同は基地の食堂へと足を運ぶ。
「奴は貴様が倒したはずだと聞いているぞ」
「ジェノザウラーは倒した、けど言えるのはそれだけだ」
「フン、無責任な奴だ」
「仕方ないでしょ」
アオイが減らず口を叩くトーマを咎めた後、バンから説明が入った。
敵は東へ移動しながら、道行く先の軍事施設を手あたり次第に襲撃していた。次の標的は、今アオイ達がいる基地になるため、そこで迎え撃とうとしていた。
「てことで頼むぜ二人共」
「ええ、わかったわ」
アオイは二つ返事で承諾したが、トーマはバンの態度に疑問を持ち、尋ねてきた。
「珍しく弱気だな」
「より確実と思える方法を考えただけさ」
「まあいい・・・レイヴン、一度手合わせをしたいと思っていたところだ、楽しみだよ」
事の重大さを十分に理解していないと感じたアオイは、トーマの方を向いて険しい視線を送った。
「トーマあんたねぇ」
「レイヴンを侮っちゃダメ」
アオイが言い出す前に、深刻な表情を見せるフィーネから咎められ、トーマは事の重大さを理解したのか、それ以上は口を開かなかった。静寂に包まれた空気を誤魔化す様に、一同は思い思いに珈琲を啜った。
日が落ちはじめ、空がオレンジ色に染まる。帝国軍の基地から偵察のために出撃したレドラーが飛び立ち、厳戒態勢が敷かれていた。
アオイは万全を期するためライガーゼロのコックピットで、最終調整を念入りに行っていた。
その最中、アオイはゼロに語り掛ける。
「あの時はバンに譲ったけど、今回は私達でレイヴンを倒すよ、ゼロ」
言われるまでもないと言いたげに、ライガーゼロは唸り声をあげた。
レイヴンは、アオイのかつての相棒のセイバータイガーを自分の意のままに操り、戦い続けで酷使され、バンとの戦いで命を落とした。その事を少しでも思い出すだけでも、アオイは腸が煮えくり返る思いでいっぱいになる。
「私達でセイバーの仇を討つの、絶対に」
胸に置いた右手で拳を作り、衝動を抑える様に震わせた。
厳戒態勢が解かれないまま夜が更け、基地のサーチライトが点灯し、基地の外が照らされる。このまま現れないのではないかと、兵士達は願うようにそう考えた。そんな時だった。
照明弾が発射されて、基地が眩い光に包まれ、警報が鳴り出した。
「来た!」
アオイはライガーゼロに飛び乗り、操縦桿を握る。
戦闘準備が完了し、ライガーゼロは高らかに吠えて駆け出した。そこに、バンとトーマから通信が入る。
「状況は!?」
「現在、ゲート前の守備隊が交戦中だ」
「敵は基地の偵察に出ていたレドラーだ。応答がないため、攻撃を開始したとの事だ」
黒いオーガノイド・・・シャドーがいる。飛行ゾイドの乗っ取りなんてレイヴンなら朝飯前だと、アオイ達は確信した。
守備隊の攻撃を突破したレドラーが侵入、アオイ達を横切るように飛んできた。そこで一瞬、コックピットが見えた。
そこには・・・誰もいなかった。
「レイヴンが」
「乗っていない!?」
「ならこのレドラーを操ってるのは!」
レドラーが基地の施設に衝突し、大爆発を引き起こした。
基地の守備隊の後続が大慌てでゲート前に向かうが、アオイ達は真逆の方向へと急行する。
「あのレドラーは囮だ!」
「ああ」
「既に基地の中にいる!」
基地に1体だけ残されたダークホーンのコックピットハッチが開かれていて、そこに誰かが乗り込もうとしていた。その正体は、バンとフィーネ、アオイが見慣れた人物だった。
「あれは!?」
「レイヴン・・・!」
その表情は呆けており、かつての宿敵を目の当たりにしても上の空だった。レイヴンはダークホーンに乗り、2門のガトリング砲を放ちながら突撃してきた。
トーマがディバイソンを走らせて接近戦を仕掛けるが、ダークホーンは首の姿勢を変えて、突き上げる様にディバイソンを跳ね飛ばす。
「レイヴン!!」
ブレードライガーがダークホーンへと突っ込むが、跳び上がって回避する。そこに騒ぎを聞きつけた守備隊のアイアンコングがダークホーンへ攻撃を仕掛けた。
「よせ!そのダークホーンに構うな、逃げろ!!」
バンの忠告も空しく、至近距離からのガトリング砲をまともに食らってしまい、守備隊は呆気なく倒されてしまった。
その圧倒的な戦闘力に、トーマは戦慄していた。
「強い・・・!」
「止めなきゃ、絶対に」
ダークホーンがガトリング砲を放ちながら突進、アオイ達は散開してを集中砲火を浴びせる。ディバイソンの方へ注意が反れた隙を突き
「そこぉ!!」
ライガーゼロがストライクレーザークローで左側のガトリング砲を破壊
「今だ!」
ブレードライガーがブレードを展開して突撃、右前足を切り裂き、行動不能にした。
「デカした、これで奴は身動きできない!」
トーマが喜びを見せるが、バンとアオイは立ち上がろうとするダークホーンを険しい表情で見ていた。
「ふん、往生際の悪い」
その時、ダークホーンが残った右側のガトリング砲を切り離し、口に咥えて撃ち始めた。
「なっ!?」
ただでさえ射撃の反動が大きいガトリング砲を、より不安定な状態で撃てば狙いを定める以前の問題のはずだった。しかし、ダークホーンを操縦するレイヴンは、そんな状態でも正確に射撃をしている。天才的な腕前は未だ健在であると誇示しているように見えた。
ガトリング砲が弾切れになり口から離れると、ハッチが開いてレイヴンが降りてきた。ブレードライガーのハッチが開かれ、バンとレイヴンがジッと見つめ合う。長いようで短い沈黙の時間が流れ・・・
「シャドー!!」
レイヴンの目に光りが戻り、シャドーの名を呼ぶ。シャドーの胴体が開かれコードに巻き付かれたレイヴンは不敵に笑うと、シャドーの体内に格納され、空高く跳び上がった。
「あれが・・・レイヴン・・・!」
燃え盛る基地の中で、アオイ達は飛び去るシャドーを見上げる事しかできなかった。
これから、ヒルツやリーゼを始めとした敵対者達に加え、最強最悪の敵と相対する事となり、アオイ達の緊張感はより増していくのだった。
しばらく放置してた間に40周年迎えてて色んなところコラボとか展開してました。
いずれスパロボにも再参戦して欲しいものです。
原作準拠回は簡略化して製作していこうと思います