この先、更新できるかわからないこの作品ですが……
ありえた未来
とある、洞窟の奥。
その中を脇目も触れず前に進む影が大小合わせて4つあった。
「暗いですねカーナさん」
「仕方ないよ、途中で電池が切れたんだから」
大きな2つの影はつかなくなった懐中電灯を鞄にしまい、薄い光りを便りに奥へ奥へと進んでいた。
「……ここ」
青い妖精は何かを指差して止まった。
それを見て周りのみんなはそちらを向く。なんだ?と、疑問に思うのも仕方ない。光が差し込んでこない洞窟の奥そこに、光り輝く何があるのだから。
「これはいったい?」
「これ見たことある気がする。」
「近くまで行ってみませんか?」
「そうだね」
そう言ってみんなその光りに向かって歩き出した。とは言っても、すぐそこにあったのだ。
近づいてわかったことは、どうやらそれはコンピューターのようなものであると言うこと。
「何てかいてあるの?」
「うーん、よく分かんない」
「……未知の光を掴みし者過去の英知を知るときこの扉は開かれん、だって。」
「マーブよく読めたね。」
「……これくらいなら」
「すごいよ!マーブ!」
「……カーシュは読めるようになって」
「うん、考えてみる」
見た目は近未来的な無駄を省いたシンプルな作りなのだが、どこか昔懐かしいような角張ったデザインの壁にはまっているような箱。そこに書いてあったことを読んだマーブと周りはどういうことかをよく考えた。しかし、分かんなかった。
扉は開いたら。
「えっ?」
「篤くん扉をどうやって開いたの?」
「分かんない」
「まぁ、進みましょう」
「そうだね」
そこから先は電灯がついている通路を進んだ。大きな通路が果てなく続いている。薄暗いぐらいの道で扉もなく凹凸もない。
「この道なんなんでしょうね」
「何もないね 」
「その代わり明るくはなったけどね」
「うちは飛び回れるだけの広さがあるから、この道好きだよ!」
「……うん」
そんな道は果てしなく続いた。
「お腹すいたね」
「そろそろご飯にしますか?」
「そうだね、そうしよう」
二人がかるっていたリュックをおろし、中から保存食と水を取り出した。
「最近こればかりだから飽きてきたね」
「そうですね、なんとかならないんですかね……」
「この遺跡の探索が終われば美味しいもの食べさせてあげる」
「本当ですか!?」
「うん」
「うちはオムライス食べたい!」
「……ピサ」
そんな話をしていると結構な時間がかかってしまった。
「そろそろいきましょうか」
「はい。」
そして進み始めた。
直線の通路なのに入り口が見えなくなってきた頃、行き止まりに扉が見えてきた。
「あれがそうなのかな?」
「開けてみれば分かるよ」
扉は見上げるほどの高さがあり簡単には開きそうになかった。装飾などはなくまっ平らの扉は素材は石で壊せそうにもない。
とりあえず取っ手に手をかけた。すると右側の扉は赤く左側の扉は青く光った。
「これは!?」
すぐに激しく発行し始め、思わず目をつむった。少ししてから目を開けるとそこには大きく開けた場所と小さな祠、そしてとある人物がたっていた。さらにカーナとカーシュ、マーブはいなくなっていた。
「やはりお前はここに来るのか」
「貴様何故ここにいる!」
「そんなこと考えなくてもお前はわかってるんじゃないか?」
「まさか、この世界を支配するつもりか!?」
「わかってんじゃねぇか」
「どうやってここに来た。お前はもう殺された筈だろ?!まさか……」
「そのまさかだ。俺はカバードをすべて吸収し妖精を食った。まさか本当に生き返るとは思ってなかったけどな。面白い経験をさせてもらったよ」
「そんなことが許されるはずない!」
「許されてるんじゃないか?俺は未だこの世界の理から外れることなく生きている。これがいい証拠ではないか。認めないと言うならこの俺を殺せばいい!どうせ殺せないだろうがな。」
「うわぁぁぁぁぁああああ!!!!」
「みっともねぇーぞ?そんな大声上げて走ってくるなんて、バカじゃないんだから」
篤は殴りに行ったが見えない壁に遮られた。
「お前に俺は殴れねぇーよ」
遮られたにも関わらず逆の手でもう一発のパンチを繰り出す。
「うざいからやめてくんないかな?」
それは一度や二度で止むことはなく何度も何度も何度も何度も繰り返された。
「いい加減止めろや!」
篤を振り払うように手で凪ぎ払った。そこから目では見えない斬撃が出ていた。簡単にはソニックブームのようなものだ。それは篤の右の腕を切り飛ばした。
右の肩口から大量の血が漏れ出す。噴水と称すことができるほどのそれは篤の膝を地面にぶつけるには十分な量であった。
「お前はそこで見ていろ。そしてこの世界と共に消えろ!」
篤はなにも言わずに立ち上がろうとする。
「何がお前をそうさせる。愛しい家族か?それとも恋人か?いや、友達なのか?単なる正義感ではないだろ?ただの使命感か!?」
篤はその言葉でビクッと反応する。
「いや、まさかあの嘘つきの話を鵜呑みにしたのか?お前面白いな」
「あの人は嘘をついてない!」
「いや、娘を守るためと偽ってguiltyを止めたあと何をしてたか知ってるか?知らねぇだろ。あいつは妖精を集めて自分の私利私欲のためにその能力を奪い使役していた。それは記憶の改竄や人を消していくなんて生ぬるいことだけじゃなく、人を操り仲間割れを起こさせたりといろいろしていたぞ。それでも信じるって言うのならかかってこい。」
篤は立ち上がり、切り落とされた右手を持って走り出した。
「まぁ、そう来るだろうと思っていたよ」
振るわれた二度目の手刀は右の腿をきれいに胴体から引き裂いた。右足に体重を移した際にその子とに気がついた篤だったがその時には既に遅く前方に体制を崩しながら倒れていった。
「お前にいいことを教えてやるよ。まぁ、長くなるが聞け。争うのは人の性だ。人は一人ひとり違うんだからな。まぁ、それが戦争という形で現れると人はそれを嫌悪する。そうなったら既にどちらに正義があるとは言えないがな。どちらの立場に立っていても正義は自分にあると考え何も考えずに敵を倒すことに集中する。その結果どうなるかは分かるよな。大量の人の死体が出てくるわけだ。けど、それを見て人は自分のしたことを正当化しようとする。そうしないと生きていけないからな。それを見た妖精は何を考えたと思う?劣勢側の人間を見てそれでは勝てないだろ、寧ろ勝てないことを明らかにわかってて争うなんてバカではないかと。それを初めて聞いたときはイラっときたよ。まぁ、そう思うってことは自覚はしてたってことだけどな。」
祠に向かって歩きながら続ける。
「そんなとき、劣等種の中にも優秀な者は生まれてくる。そいつが妖精との協力を得たとき戦争はどちらに傾いたと思う?優等種であるオリジナルだよ。オリジナルにも同じことを考えるやつはいた。それで争いは泥沼化していった。この事をよく思わなかった妖精は自分達のせいにしないため世界をいくつもに分けた。そうして生まれたのが今の世界だ。まぁ、俺と数匹の妖精の意見だがな。」
祠の目の前で篤に振り向いて、最後にこう問いかける
「お前はよくI wish Icouldn't change my fate と呟いていたがどうだ?何か変わったか?いや、変わってねぇな。なら、この言葉を送ろう。“お前はどうしてその状態で生きてられる”確かにな。運命が変わっていればそうはなっていなかったかもな。しかしお前は人間じゃない。身体は精巧に作られているがお前の中身は機械だ。カバードとオリジナルから生まれてきた人間のクローンであり、人造人間なんだよ。人によって作られたお前が世界を変えようなんて偉そうなことを考えるな」
そう言い終えると祠になにかをしていた。
「これで最後だ。」
黄色い光と紫色の光が祠に帰っていった。
どうでしょうか?
篤が眠る時に呟いていたのはI wish I couldn't change my fate“僕の運命を変えられたらなぁ”っていう悲観的な呟きです。変えられない未来に無意識に絶望していたのでしょうか?