貴方と出会ったのも、今日みたいに夏の暑い日でしたね。
正化25年の夏。他の艦娘達には絶対に言えないけど、私は家や学校での生活、その先にある平凡な未来が嫌で艦娘になった。当時はちょっと……いや、だいぶヤンチャしてましたから。
横須賀鎮守府に着任した時なんか、マスクを着けて木刀を担いでいましたし。
当時の私をぶん殴りたいです……。
「軽巡由良はこんなだったか?」
執務室で着任の報告を聞いた提督さんは、私の格好を見て呆れ果てていました。当然ですよね……。
その両脇には先代の朝潮さん。そして、提督さんと同じ白い士官服を着た少佐さんでした。
朝潮さんはキョトンとしていましたが、少佐さんは顔が引き攣っていましたね。
「横須賀に由良さんが所属するのが初めてだから私にはわかりかねますが、こういう艦娘も居るのではないですか?」
朝潮さんが言った『こういう艦娘』という言葉にカチンと来た覚えがあります。真面目な優等生と不良。当時の私と朝潮さんは、見た目も性格も正反対のタイプでしたから。
「朝潮、由良の嚮導を頼んで良いか?その間、秘書艦の仕事は他の者に代わってもらうから」
「構いませんが……。よろしいんですか?私は駆逐艦ですよ?」
提督さんは気にしてなかったけど、朝潮さんは心底残念そうだったな。
まあ、気持ちはわかります。大好きな提督さんと長い時間一緒に居られる秘書艦を休んで、頭の悪さが全身から滲み出ていた当時の私を相手にしなきゃならなくなったんですから。
私が朝潮さんの立場だったら全力で拒否します。
「構わん。
「なんで軽巡の私が駆逐艦ごときの指示に従わなきゃならないのよ!私の方が立場もスペックも上でしょ?」
私は提督さんに食ってかかった。
結果的に、これが乗り気じゃなかった朝潮さんに火を着けちゃったのよね……。
「由良さん。司令官に対して不敬が過ぎるのではありませんか?」
「はっ!何が不敬よ!私は無駄に偉ぶったオッサンが大嫌いなのよ!」
初めて見た提督さんは学校の校長先生みたいな印象だった。少佐さんは太鼓持ちの教頭先生って感じかしら?
とにかく、先生とかそういった人種が大嫌いだった私は、着任早々提督さんに暴言を吐いてしまった。その後に訪れる地獄の日々など夢に思わずに。
「それで、姉さんは由良さんを鬼のようにしごいてたのね。合点がいったわ」
提督さんに代わって執務を代行していた円満ちゃんが、書類を決済する手を止めずに呟いた。その横では、叢雲ちゃんが秘書艦用の席に座って、同じく書類を片っ端から片づけていってる。
私はと言うと、提督さん宛の書類を円満ちゃんに決済してもらうために執務室を訪れてます。そしたら、なぜか昔話をするハメになってしまって……。
「曙の怯えっぷりを見た時も思ったけどさ。先代の朝潮ってそんなに怖かったの?今の朝潮しか知らないから、いまいちイメージ出来ないんだけど」
七駆の曙ちゃん。
たしか、着任時に提督さんの事を『クソ提督』呼ばわりして、トラウマを負うほど朝潮さんに反省させられた子ですよね。今でもトラウマを克服出来てないんだ……。
「怖いわよ~……。特に先せ……提督に反抗的な子には……。私だって、着任当時は散々叱られたもの」
「ふぅん。今の朝潮とどう違ったの?」
「実力的には、今の朝潮の方が遥かに上よ。ただ、人にモノを教えるのには向いてないわね。あの子は天才だから、他人にどうやって教えたらいいのかわからないの。姉さんはその逆ね。姉さんも確かに強かったけど、あくまで凡人としては、ね。その代わり、人を指導するのは上手かった。無駄に真面目だったから、誰かを指導するってなったら、その人の性格や運動能力に合わせてマニュアルを自作してたわ」
あ~、覚えてます。アレはマニュアルと言うよりは教科書と言っていいレベルの物でしたもの。訓練メニューはもちろん、私の場合は提督さんへの態度の取り方まで細かく書かれていました。
しかも、それを丸暗記させられたんですよ!?
何日かに1回、抜き打ちテストをやらされて満点が取れなければその日の訓練メニューは倍です!ええ、死ぬ気で暗記しましたよ!
着任初日に、これでもかと言う程実力の差を思い知らされましたから。
「運動が苦手だったって話を聞いたことあるけど……。本当に強かったの?」
「強かったわよ?姉さんの戦い方は、経験したことがある状況なら無類の強さを発揮するわ。逆に、経験したことがない状況だと強さが半減しちゃう弱点はあったけどね」
そう、先代の朝潮さんは運動が苦手だった。
陸上なら、きっと私の方が強かったんだけど、初日に海上でコテンパンにされたせいで、陸上でも同じくらい強いと思い込んで逆らう事を諦めちゃったんですよね。
「ふ~ん。まあ、その辺はどうでもいいんだけどさ。それ以上に、由良さんと少佐さんの馴れ初めの方が気になるんだけど。あの劣化左門の何処が良いの?」
「劣化左門は言い過ぎよ叢雲。おたふく(男)くらいにしときなさい」
「どっちも酷い!」
たしかに、少佐さんのルックスは褒められたモノではありません。逆立ちしたってイケメンには見えませんし、駆逐艦の中には少佐さんを見ただけで笑い出す子まで居ます。酷い!
でも!頭から下は、八頭身の痩せマッチョで足も長くて理想的な体型をしてるんですよ?身長だって180センチを超えてるんです!
「あ!思い出した!由良さんって誘拐された事があったわよね!?たしか、その時に救出に行ったのが少佐さんじゃなかったっけ?」
「円満!その話詳しく!やっぱあれなの?同人誌的な事されたの!?」
「されてません!」
もっとも、少佐さんが助けに来てくれるのがもう少し遅ければそうなってた可能性もあったかも知れませんが……。
ここは、変な誤解をされる前に、私の方から話しておいた方がいいかもね。
「由良、もう少し駆逐艦達に優しくしてやってくれないか?」
「はぁ?なんで私が駆逐艦相手に媚び売らなきゃいけないのよ」
「媚びを売るとかではない。仲良くしろと言ってるんだ」
私は当時の少佐さんの事を『小言が多い醜男』くらいにしか思っていませんでした。本人には絶対に言えませんけどね。きっと泣いちゃいますもの。
「嫌よ!駆逐艦なんて大っ嫌い!」
なんて言ってたなぁ。誤解のないように言っておきますけど、今は大好きですからね?
「え……。由良さんって、ながもんと同じ類いの人だったの?」
「気をつけなさいよ叢雲。気づいたら裸に剥かれて全身舐め回されてるかもよ?」
叢雲ちゃんも円満ちゃんも酷い!
私をあんな変態と一緒にしないでください!好きというのは、あくまで仲間としてと言うか、後輩としてと言うか……。とにかくそんな感じです!決して、長門さんのように性欲の対象としてではありません!
「わかった!少佐さんに反発して鎮守府を飛び出した所をハイエースされちゃったのね!」
いや、たしかに叢雲ちゃんの言う通り、鎮守府を飛び出して街をウロウロしてたら誘拐されたんですけど……。ハイエースって誘拐の隠語か何かなの?
「どうだった?やっぱり痛かったの?」
どこが?
縛られる時は確かに痛かったですけど、それ以外の痛みなんてなかったわよ?決して、叢雲ちゃんが想像しているような事はありませんでした。神に誓って。
「離せ!何なのよアンタ達!」
誘拐犯はアクアリウムのメンバーとか言ってましたっけ。20人は軽く居ました。
誘拐された私が連れて行かれたのは、場所まではわからないけど古びた倉庫でしたね。
テレビとかでよくあるでしょ?壁に所々穴が空いてて、隙間から差し込む光で舞ってる埃がキラキラ光ってるような感じの倉庫です。
椅子に縛られて3時間くらい経った頃だったかな、おトイレどうしようとか考え出した頃に、倉庫の入口から士官服ではなく、黒い軍服を身に纏った少佐さんが一人で現れたんです。
聞いた話だと、私と引き換えに身代金とかではなく、要求を直接聞きに来いと言われたそうです。
「我々の要求はただ一つ!各地の鎮守府を直ちに解体し、母なる海を深海棲艦に明け渡せ!」
二つじゃない?と、頭に自動小銃を突き付けられた状態で思ったっけ。
少佐さんは、四方八方から自動小銃を向けられた状態なのに平然として、要求を告げた男を睨み付けていたわ。そして一瞬の間もなく、半ば男の言葉を遮るように一言だけこう言った。
「却下だ」
と。
当然ですよね。反抗的な軽巡を人質にとったくらいで、そんな要求が通るはずがない。それくらいの事は、当時の私でもわかりました。
「では、人質の命は要らないと言う事だな?」
私に銃を向けていた男が、わざとらしく銃をジャキっと鳴らして少佐さんを威嚇した。私は『短い人生だっなぁ……』と諦めていました。
「人質?人質などどこに居るんだ?自分には見えないが?」
これには、私もテロリスト達も目を丸くした。
だって少佐さんの目の前、およそ10メートルほど前方で、私は椅子に縛り付けられて銃まで向けられていたんですよ?
100人が見たら、99人は間違いなく『人質』だと一目で思うでしょう。
「貴様……。今の状況を理解してるのか?」
「十二分に理解している。その上で自分は言ってるんだ。人質など何処に居るんだ?と」
目にも映らないほど嫌われてたんだって、この時は思った。さすがにショックだったなぁ……。
「言っておくが、椅子に縛り付けられている由良が見えてないわけではないぞ?そんな事をしても無意味なんだよ。人質たり得ない」
「ど、どういう事だ」
「こういう事だ」
少佐さんの言葉を合図に、私に銃を突き付けていた男が後ろに吹き飛んだ。
目の端に血が飛び散るのが見えたから、たぶん頭を撃ち抜かれたんだと思います。
「バカな!狙撃だと!?」
音も聞こえないような長距離からと思われる狙撃が、テロリスト達が持っている自動小銃を次々と撃ち落としていった。
倉庫の正面から撃ってるのわかるんだけど、入り口は閉められてるから、弾丸を撃ち込めそうなのは壁に所々ある亀裂や穴だけ。
狙撃手の腕が並外れているのは、素人の私でも容易に想像できたわ。
「遊ぶなガンナー1。なぜ頭を狙わない?」
少佐さんが耳に着けた、たぶん骨伝導式の無線機で狙撃手を叱責した。
そうよね。銃を撃ち落とせるほどの技量があるなら、頭を撃ち抜く事も出来たはずだもの。
「何?『あまり血生臭い場面を見せたくない』だと?ふむ、わからないでもないが、自分が全員ミンチにするから、頭を撃ち抜いた方が絵的にマシだと思うぞ?」
私とテロリスト達は再び目を丸くした。
少佐さん一人でこの人数を相手にする気?いくら自動小銃を撃ち落とされたとは言え、テロリスト達は懐に拳銃かナイフくらい隠し持っていそうなのに。
対する少佐さんは丸腰。
倉庫に入って来た時にボディチェックまでされていたから、それは間違いない。
いったいどうやって、20人近い人数を相手にする気なんだろうと純粋に疑問に思いました。
「なんだ?アイツは何をしている?」
少佐さんが、視線は私のそばに居るテロリストに向けたまま、ゆっくりと右拳を地面スレスレまで下げて腰を落とし始めた。
少佐さんが何をしているのか、一目では私もわからなかったけど、すぐに相撲で言う『立ち合い』のポーズだと気づいた。
「はっけよい……」
少佐さんがボソリと呟いた。私が認識出来たのはそこまででしたね。
次の瞬間には、隣に立っていたはずのテロリスト達が文字通り弾けてましたから。爆発したって言ってもいいかな?
「爆発した?爆弾でも使ったの?」
「いいえ。後から聞いたんですが、少佐さんは『張り手』しかしていなかったらしいです」
叢雲ちゃんがそう思うのも仕方ありません。私だって、話だけ聞いたらそう思っちゃいます。
ドゴン!ドゴン!という大砲のような音と共に人間が弾け飛ぶ光景は、吐き気を催したりお肉が食べられなくなってもおかしくない程凄惨な光景なのに、現実味がなさ過ぎてテレビでも見ているような気分でしたもの。
「信じられないわね……。本当にあの少佐さんにそんな事が出来るの?しかも、テロリストは20人近く居たでしょ?」
「円満ちゃんも、あの時の少佐さんを見たら評価が一転しますよ。本当に凄かったんですから」
その動きは、正に電光石火。
瞬間移動とまでは言わないけど、突進から張り手を一動作として、それを都合20回程繰り返してテロリスト達を一掃してしまいました。
動きが速すぎて、私もテロリスト達も少佐さんを目ですら捉えきれませんでした。
「少佐さんは、軍に入る前は力士だったそうです」
ただし、投げ技が素人以下と評された欠陥力士。
投げ技がどうしようもなく苦手だった少佐さんは『突進からの張り手』のみを極めようとした。いや、極めた。
その結果、文字通り一撃必殺の域にまで達したものの、相手を殺しかねないと言う理由で力士を辞めさせられたそうです。
「10年程前は、力士と言われても違和感が無いほど太っていたらしいですよ?」
「ふぅん。まあ、あの顔なら太ってた方がしっくり来るかもね」
私も叢雲ちゃんと同じ事を思わないでもないですが、今ではあの顔であのスタイルなのも有りだと思っています。
「それで惚れちゃったと?」
「いやまあ……。はい……」
実際には、その後に少佐さんが言った一言で恋に落ちたんですが……。
「帰るぞ」
私を縛っていた縄を解いた少佐さんは、『大丈夫か?』とか『怖かったか?』などの労いの言葉はかけてくれず、それだけ言って、背中を向けて入り口へ歩き始めました。
「ま、待って!いや……待ってくだ…さい……」
私は、できる限り声を張り上げて少佐さんを呼び止めた。恥ずかしい話、足が震えて立つ事が出来なかったんです。
「……」
「あ、あの……」
私の目の前まで引き返して来て、私を見下ろす少佐さんの顔を見る事が私には出来なかった。
何て言うか……。普段は反抗的な態度なのに、こんな時だけ助けを求めるのが、恥ずかしいやら情けないやらって感じで……。
「え?あ、ちょっと!」
私がモジモジして黙っていたのに待ちきれなくなったのか、少佐さんは無言のまま私を抱き抱えました。
「お姫様だっこ?ねえ!お姫様だっこ!?」
「ええ……。まあ……」
なぜ、こんなに叢雲ちゃんがお姫様だっこに興味津々なのかはわかりませんが、私をお姫様だっこしてくれた初めての人は少佐さんでした。
どう反応していいかわからなかった私は、少佐さんの腕の中で硬直しちゃいましたっけ。
「これから、鎮守府の外に出る時は許可を取りなさい。誰かしらを護衛に付ける」
「い、嫌よ……。艦娘にはプライベートもないの?」
「規則だ。それに、今日みたいな事態を防ぐためでもある」
精一杯虚勢を張って反抗したつもりだったけど、誘拐された事を持ち出されたら何も言えなくなりました。まあ、この日の事は100%私が悪かったですし。
「由良、今日の事は始末書にまとめて明日提出しなさい。これは命令だ」
「私、さっきまで縛られて銃まで突き付けられてたんだけど……」
「自業自得だ。言われた通りにしなさい」
私は黙って俯いた。
冷たいなぁ、なんて思ってたかな。それと同時に、仕方ないか、とも思ってたっけ。
「それとも、椅子に縛り付けられて書かされたいか?」
この一言が決定打でした。
椅子に縛り付けられて始末書を書かされる私と、サボらないように傍で少佐さんが監視するシチュエーションを想像したらドキドキしてしまいまして……。
「なんかヤらしい……。円満はどう思う?」
「由良さんって、男に所有されたいタイプの人だったんだ……って感じかな。もしくは、ただのマゾ」
何とでも言ってください!
実際、あの時の経験が濃すぎたせいか、縛られるのが若干クセになってしまいましたし……。
「で?付き合い始めてからどうなの?やっぱ顔と一緒でアブノーマルな責められ方してるの!?」
仕事をそっちのけで、叢雲ちゃんが机から乗り出してきました。思春期だからかしら、そっち方面の事に興味が尽きないんですね。でも。
「教えません」
と言うか、教える事が出来ません。
付き合い始めてから半年以上経ってますが、キスもまだなんですよ?手を繋ぐのが精一杯です。キス以上の事なんていつになる事やら……。
「今、アブノーマルな責められ方の所は否定しなかったわね」
「そうよ!円満の言う通りだわ!毎晩どんなプレイしてるの!?詳しく!事細かに!細部まで教えて!」
叢雲ちゃん鼻息が荒い!
興奮してる?興奮してるよね!?円満ちゃんも仕事は続けてるけど興味ありそうにチラチラこっち見てるし!このムッツリスケベめ!
これは、早めに逃げた方が良さそうだわ……。
「あ!私とした事がうっかりしてた!事務にも寄らなきゃいけなかったんだ!」
逃げよう。これは逃げなきゃダメ。このままここに居たら尋問、いや、拷問されかねない!
「嘘だ!逃げる気でしょ!円満!縄ないの!?縄!鎖でも可!」
「ちょっと待って。え~とたしか……。あ、あった」
ヤバい。円満ちゃんが机をゴソゴソしたと思ったら手錠を取り出した。って言うか、普段は提督さんが使ってる机になんで手錠が!?もしかして朝潮ちゃんに使ってるなんて事ないですよね!?
「と、とにかく……。私はこれで……。」
私は二人から目を逸らさないようにして、ジリジリと扉へ向かって後退った。
今の二人は、男女のABCを知りたくて仕方がない思春期の獣。目を離したら、途端に襲いかかって来る気がしますし。
「さあ、夜の性活について話して貰いましょうか」
叢雲ちゃん、字が違う!
勘弁してください!何もしてないから話しようがないんです!部屋だって別々なのよ!?
『由良?まだ執務室に居るのか?』
「この声は!」
少佐さん!遅いから心配して迎えに来てくれたんですね!そうですよね?ね!そうだと言って!
「はい、由良はここに居ま……」
『ああ、居るなら良いんだ。自分はちょっと出て来るからゆっくりしていてくれ』
は?助けに来てくれたんじゃないんですか?由良のピンチを察して助けに来てくれたんですよね?ねぇ!
出て来るってなんですか!?今日はそんな予定なかったじゃない!いや、出掛けてもいいです。その代わり私も連れて行って!今すぐ、ここから私を連れて逃げて!
「諦めはついたかしら?」
叢雲ちゃんが、目を血走らせて手錠をヒュンヒュンと振り回しながら近づいて来る。少佐さんも行っちゃったし、円満ちゃんも止める気は無さそうだし……。
万策尽きました……。
「さあ、素敵な
その戦いぶりから、着任間もないというのに『鬼畜艦』の異名を与えられた夕立ちゃんが似たような台詞を言ってた覚えがあるなぁ……。
もっとも、猥談と書いてパーティーとは読ませてないですけど。
「いいでしょう。私も覚悟を決めました……」
こうなったら、私が少佐さんとの夜の営みの時に備えて蓄えた知識で、叢雲ちゃんと円満ちゃんを撃破するのみ。鼻血を噴きすぎて貧血をになっても知りませんからね?
あ、でも、執務室を血塗れにするわけにはいきませんから、これだけは二人に聞いておきましょう。
私は身を正し、若干見下すように不敵な笑みを浮かべ、二人を威嚇するような声色でこう尋ねた。
「いくわよ二人とも。ティッシュの蓄えは十分か?」
と。
今年はもう一話投降できるかな?
無理だったらごめんなさい(>_<。)