「これで大丈夫だよ。でも応急処置だからちゃんと医者に行ってね?」
「ありがとうございます」
私たちは、先ほどの戦闘で出たであろう負傷者を見つけたのでついでに手当をしながら城に向かっている。
アモンもアスタロトもわたしのすることに賛成してくれている。
しかし全く奇妙なものである。
侵略しに来た国はすでに攻撃を受けておりそれに介入する形で私たちが侵略。
私たちも侵略するためにマザートリガーのある城に向かっているのだが、私たちの戦闘で出た負傷者を放置するのも後味が悪いので、こうして負傷者を見つけては手当をしているのだ。
「というか、アモンはよく応急処置の道具を持ってたよね」
「戦闘で破壊された道具屋からパk...もらってきました」
「それだめだよね?!」
「潰れた道具屋を漁ってたのはそういうことなんですか」
「アスタロトも見てたのなら止めようよ!」
「お嬢様、この世にはこんな諺があります」
「絶対ろくでもないと思うけど一応聞くよ」
「一度地面に落ちたものは地に帰ったので拾った者のものです」
そんな自信ありげな顔をされても悪いことは悪い。
小さいころからずっと思っていたが、アモンは時たま変なことを言う。
ただで持ってくるのは悪いことだとお母さんが言っていたので、とりあえず後で道具屋の人に謝っておこうと思う。
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しばらく歩くと、城の入り口の門前まで来た。
「砂漠の国なのに意外に大きいね」
「国の主の住処が大きいければ大きいほど国民からの信頼が厚いか、圧政を強いているかです」
「でもさっき兵士はお城ににげていきったので、信頼は厚いようですね!」
私的には国民から慕われているのに国を滅ぼすのはあんまり気が進まない。
門前には門番はおらず、簡単に城の中に入れた。
そして、城内に入っても人は全くおらず静まり返っている。
「国を捨てて逃げたのでしょうか?」
「うーん、とりあえず警戒はしておいて城内を探索しよう」
「敵は見つけたら倒していいですよね?」
「せめて捕獲して」
私たちは一つ一つ部屋を調べていったが結局誰とも出会わなかった。
途中、アスタロトがアモンに対して数回悪戯をしていたが、すべて躱され折檻された。
「残るはこの部屋だけですけど、中から人の気配が大量にします」
「見取り図によると、その部屋は王の間ってなってますよ」
「私が先に入るから2人とも私の後ろで待機しててね?」
「お嬢様、危険すぎます」
「まぁまぁ先輩は過保護すぎですよ。たまには無茶もさせてあげましょうよ」
珍しくアスタロトがまともな意見を言ってることにアモンは顔をしかめながらも、私が部屋に先に入ることを了承してくれた。
部屋に入ると、部屋には傷ついた兵士や国民が大量に居た。
辺りを見回していると、1人の少女が私のほうに近づいて来る。
少女は、薄黄色の髪に黒い瞳を持ち服装は体のラインが出る服を着ている。
「初めまして。
「私は災花・アポカリプス。一応この星の侵略者かな?」
「えぇ、存じております。この度は襲われている国民や兵士を助けていただいてありがとうございました」
「私たちも侵略者ってことわかってる?」
「わかっております。お願いですからマザートリガーを破壊しないでください!」
そんなことを言われても私たちは侵略者。
できれば私も弱った星を破壊するのは、気が引ける。
「アモン、アスタロト、相手の王女さんやめてほしそうなんだけど」
「こればかりは仕方ないです。弱いのが悪いのです」
「確かに同情はしますけどね」
「お母さんに聞いて従属させちゃダメかな?」
私が2人に聞くと、二人とも「あー...」というような顔をした。
確かにお母さんが言ったのは「破壊」だが、お母さんは気まぐれなので頼めば破壊から変わるかもしれない。
「アモンかアスタロト、お母さんに連絡取れる?」
「一応アスタロトがメッセンジャートリガーを持っていますが」
「アスタロト、そのトリガー貸して」
「いいですよ」
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メッセンジャートリガー
起動し、伝言を伝えると伝えたい人にまで
必要なトリオン量は文字数に比例して大きくなる。
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私はアスタロトからメッセンジャートリガ-を受け取り、お母さんに対しメッセージを入れトリガーを起動させるとトリガーが手元から消える。
「あの...何をしているんですか?」
「ちょっと黙ってて。メッセージ待ってるんだから」
私が突っぱねるように答えるとアイリスはシュンと落ち込んで部屋の隅に行き、ブツブツと独り言を言いながら床に「の」の字を書き始めた。
その様子を見てアモンは汚物を見るような顔でアイリスを見、アスタロトは苦笑している。
しばらくいじけるアイリスの様子を見ていると、手元にメッセンジャートリガーが返ってきた。
メッセージの内容は、従属させることを了承するもので、星自体がひどいものなら技術者を送ってくれるとのことだった。
私は初めてお母さんが気まぐれな人で良かったと安堵した。
「星は破壊しません。その代わり私たち一族へ従属してもらいますけどいいですか?」
「どうせ私なんていろいろ頑張ってきましたけど砂漠ばっかりで作物のさの字も無く慕ってくれる国民を飢えさせてばかりで役に立たないんですよ...挙句他の惑星から攻められて結局マザートリガーが破壊されちゃうんですよフフフ」
「なんか王女さん暗黒面に堕ちようとしてない?」
暗黒面に堕ちそうになっていたアイリスをアモンが叩いて引き戻し、破壊しないことを伝え代わりに従属を提案したら破壊されるよりはマシと言い、従属を了承した。
その後、
アイリスは両親に従属したことを報告しに行き、両親からは仕方なかったがこれからも頑張っていこうと決めたようだ。
送られてきた技術班のメイドたちはまず食糧問題から解決するために計画を立て、医療班は負傷者を一か所に集め治療を開始している。
「とりあえずはこんな感じでいいかな」
「何から何までありがとうございます。この恩は忘れません!」
「また攻められたら技術班と医療班のメイドたちが排除してくれるから。でも頼りすぎはダメだから戦い方を教わるといいよ」
「わかりました」
私は技術班と医療班のメイドたちに後のことを任せ、エリモスの人たちに見送られ
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アイリスは菖蒲のことで、花言葉はメッセージ、希望、信頼、友情、賢さです。