拝啓お母様。そちらはとても暑く、メイドたちも夏バテしていました。かくいう私も冷房の効いた部屋から出たくはありませんでした。
しかし私は今、暑いほうがマシだと思えるほど寒い場所にいます。
どこだと思いますか?
「いきなり上空に転送するのはやめてよぉぉぉぉぉぉ!」
現在私たちは雲より上から落ちてます。
とにかく寒い!身体を見てみると徐々に指先がパキパキと音をたてながら凍り始めていた。
「だいたいマイナス50くらいでしょうか。結構肌寒いですね」
「先輩ちょっと冷静すぎません?!私寒すぎて...へくしょん!死にそうなんですけど!」
アモンとアスタロトはいつもどおりの平常運転だ。
特にアモンは平常ぶりがいつも通り過ぎて逆に頭のネジがいくつか飛んでるように思える。
「これからどうしますか?このままでは地面に激突して真っ赤な花が咲きますよ?」
「先輩それはシャレにならないですって!」
「とりあえず全員トリガーを起動してそれからアスタロトのトリガーに乗ってゆっくり降りる!」
「起動!」
アスタロトがトリガーを起動させると私たちの足元にシールドが来た。
とりあえず地面に赤い花を咲かせずに済んだがまだ問題はある。
「寒い!どうにかして!」
「私のトリガーじゃ落下速度は軽減できても寒さまでは軽減できないんですよ!」
「これだからアスタロトは使えないんですよ。お嬢様、一緒に抱き合えば温まりますよ」
そういってアモンは自身の服を脱ぎ始めた。
「ちょちょちょ!ここではだめだから!アモンが凍えちゃうから!」
「先輩!この非常時に百合なんて見たくないんですよ!」
「アスタロト...殺すぞ?」
「理不尽!」
私とアスタロトは必死になってアモンを止める。
アモンはおとなしく服を着てくれた。
すると、いつの間にか街が見え始め白く大きな建物が視界に入った。
私たちが落とされたのは、日本の三門市だということは地上に降りてすぐ知ることになる。
白く大きな建物はボーダー基地だということは三門市を知ってすぐのことになるとは思っていなかった。
そして私たちは減速したまま川へと落ちた。
約3分間の出来事である。
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災花たちが上空から自由落下している直後の基地内
「ん?上空に奇妙なゲート反応が出現しました」
「奇妙とはどういうことだ?」
「なんというか、通常のゲートより小さいんです。まるでドアじゃなく窓から入ってきたようにゲートが小さいんです」
「わかった。付近にいるものに周囲の確認に向かわせてくれ」
「了解しました」
忍田本部長の指示でB級隊員が3名向かうこととなった。
しかし、すでに災花たちが川に落ちた後であった。
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B級隊員たちが向かう頃、災花たちは川から上がり橋の高架下で服を乾かすため各自のトリガーを起動していた。
すでにアスタロトは起動していたため寒いとかは特にないため焚火を起こさせている。
「アスタロト、これで焚火を作りなさい。訓練でやったでしょ」
「発火装置か何かないんですか?!」
アモンはアスタロトに木の板と木の棒を投げ渡し、自分の服を絞って水を絞っている。
ついでに私の服も絞ってもらった。
「あ!先輩火種ができましたよ!」
「それではそこに落ち葉でも被せて火を大きくしてください」
「今春なのにあるわけないでしょう!?」
アモンの無茶ぶりにアスタロトを見ていると哀れに感じてくる。
私は収納型トリガーを起動し、燃えそうな紙を数枚出し火をつけてあげた。
「うわーんお嬢!先輩が虐めるんですよー!」
アスタロトは私に縋り付き、日ごろからの不満を吐露した。
アモンにはもうちょっと優しくしてあげるように後で行ってあげようと思う。
「アスタロト?ちょっと話があります」
「ひっ!助けてぇぇぇ!」
アモンはアスタロトの頭を掴み柱の陰に引きずっていった。
バキッ!ゴキッ!ゴッ!ゴッ!ドゴゴゴゴ!
柱の陰から何か鈍い音がしているが絶対に見に行きたくない。
音が鳴りやむまで私は自分の服を乾かすことに専念した。
その後、アモンがアスタロトを引きずって戻ってきたときにはアスタロトは白目を剥いていた。
トリオン体同士のため衝撃がフィードバックし何度も殴られたのだろう。
「すみませんお嬢様、虫がついていましたので処ぶ...退治しました」
「あ、うん。ありがとう」
相変わらずアモンは平常運転。
「本当にこの辺りにゲートの反応があったのか?」
「司令部からの情報じゃこのあたりだ」
「せっかくの休みなのにな~」
男数名の声が聞こえてきた。
その瞬間のアモンの行動はとても速かった。
瞬時に焚火を消し、ダウン中のアスタロトを橋の鉄筋部分に投げ置き瞬く間に私たちの痕跡をほとんど消した。
かくいう私はアモンの脇に抱えられ鉄筋部分に隠れた。
「お嬢様、どうされますか?今後の為というならここで処分したほうが賢明かと」
「私のトリガーじゃ2人までしか倒せない。1人お願いするね。アスタロトはアモンのおかげでしばらく起きそうにないし」
「申し訳ありません。もう少し手加減していれば...」
そんなことを話しているうちに高架下に同じ服を着、武器らしきものを持った男たちが来た。
右から順にA,B,C,と仮定し、Aは拳銃を持ちBは手ぶら、Cは刀らしきものを持っている。
作戦としては、このまま私たちの下まで歩いてきたと同時に攻撃を仕掛ける。
顔を見られないように3人同時に倒し、さらに本体が出現したと同時に再度攻撃を仕掛け仕留める。
私の使用するトリガーは「白桜」「黒桜」
アモンの使用するトリガーは「
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マザーの解説コーナー(ここでは鍵括弧を使いません)
唐突に任されたんやけど、まぁうちも暇やさかい解説するわ。
アモンの「
ちなみに触れても爆発するから注意しましょう。
このトリガーのいやらしいところは、鎖といっておきながら実は小さなトリオンの糸が何重にも束ねられて鎖の形をしており、使用者の手腕1つで鎖から糸になったり糸から鎖にしたりと厨二臭いトリガーだ。
普段は使用者の周りを浮遊しており、無限に跳弾していく。
鎖の先端には釣り針のように返しがついており、刺さった場合引き寄せることもできるから結構汎用性の高いトリガーです。ちなみに糸して攻撃をする場合対象を切断可能なので気を付けましょう。
ふぅ、まぁこんなとこやね。
え?ファンタジー臭い?そんなんうちに言われても知らん。作者に言いや
以上で解説は終了するで?必殺仕事人がそろそろ始まる時間やさかい。
標準語で喋るのもしんどいわ。
マザーの解説コーナー Fin
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「特に異常はないな」
「それじゃさっさと戻ってゲームの続きでもしますかね」
「だな」
私たちが攻撃を仕掛ける前に男3人は踵を返し、帰り始めた。
しかしここで逃がすのはもったいない。
なぜならこの星の戦闘員にどのくらいの力があるのかを図るいい機会だからだ。
男たちは前に2人後ろに1人というフォーメーションで高架下を出ようとしている。
後ろのBをアモンに任せ、私はBを排除した後、頭上からA、Cを捕まえ「
アモンは後ろを歩くBの首に細い糸にした「
そしてアモンが素早く糸を引くと...
「それでよ~ってどうした?さっきから話に入ってこないけ...なっ!」
「お前なんでトリオン体から生身に戻ってるんだよ!」
Bは再度「
AとCが気を取られているうちに私は2人の後ろに飛び降り、2人を白桜黒桜で掴み持ち上げる。
「くそっ!なんだこれ!」
「誰かは知らないが今すぐ離せ!」
「
「「
私がキーワードを言うと同時に2人は叫び、するとB同様に光となって大きな建物の方角へ飛んで行った。
まさか逃げられるとは思っていなかったため多少驚きはしたが、どこに逃げかを追跡するのは後でもいい。
「逃げられたね」
「多分遠隔操作か、本体が別の場所にいるかですね」
「とりあえず今は...」
「捕虜の尋問ですね」
「お前ら
私とアモンがBを見ると反抗する姿勢を見せた。
しかしそんなことは逆効果である。
相手が抵抗する姿勢を見せればそれをへし折り再起不能にすることで定評のあるアモンにそんなことをしても自白する時間が早まるだけだ。
それから約15分後、私たちはこの世界の大まかな情報を手に入れた。
もちろん捕虜は記憶を消して開放しておいた。