一話 色んな意味で育たない
朝だ。
アニメやマンガのように朝チュンして欲しいがそうは行かないみたいだ。
容姿端麗でも何でもない俺には幼馴染がいる。
「ゆう君ー起きてる?高校行くよ〜」
ほら来た。
さらっとした黒髪に透き通るような紅い目、誰がどう見ても美少女…
けれど143ととても小柄で無邪気そして貧乳と世のロリコンを喰いに来ている‼︎
「ゆう君?おーい」
「ん…あ、あぁ悪い。今行く」
窓から身を乗り出し伝える。
俺、相谷優樹はこの春から高校生だ。
なんてクサイナレーション柄じゃない。
一階に降り顔を洗い寝癖を直す。
制服を着て靴を履き玄関を出るとうすい胸はりながら、
「遅いよ!ゆう君。もう迎え着てあげないよ⁉︎」
「いやそれは困る。俺、こはねが来ないと家から出ないまである。」
「ゆう君…もう!そういう事は結婚してからいうもんだよ!」
そう言って優樹ペシペシとはたく。
「はいはい。とりあえず行くぞ」
「あ〜待ってよ」
高校に着くと生徒たちが玄関前に集まっている。
「何…この人混み」
「そっか!今日クラス発表と入学式だよ」
こはねの言葉を聞きながらクラス表に目を通す。
「あ、俺A組だ」
自分のクラスを確認すると優樹はこはねの方に目をやる。
やはりかと思い俺はこはねの方による。
「…必要か?」
「うぐぐ…お願いします」
そう言うと優樹はこはねを抱えた。
「どうだ?見えたか。」
「えっとね、あった!A組って書いてあるよ」
「俺もだから今年もよろしくな」
「うんっ‼︎」
時は移り入学式
「新入生代表。相馬翼さん」
「はいっ」
凛とした立ち振る舞いの少女が登壇した。
「私はこの学校の事はよく知らない。
だから、みなと一緒に共に多くの事を知りたいと思っている。これからよろしく頼む」
「ゆう君」
こはねがボソッと囁いてきた。
「あの人かっこいいね」
「そうだな…」
うつらうつらしながら聞いていたためこはねの言葉を最後に記憶は途切れた。
そして、気がつくとベッドの上だった。
「ここは…」
「気がついたか?軽い寝不足だそうだ。」
「あんたは相馬翼か。」
「覚えていてくれたか。君はなんと言うんだ?」
「相谷優樹だ。」
「それより誰がここに連れてきてくれたかわかるか?」
「愚問だな。私が連れてきたのだ」
「そうか、ありがとなここまでおぶってきてくれて」
「…いや、入学式の時に倒れたものだから君の隣にいたあの…」
「こはねだ」
「こはねが騒ぎ出してな。慌てて駆けつけたら倒れていたので引きずって連れてきた」
「雑だな、随分と」
「それよりクラスを聞いていいか?」
「Aぐみだ。」
「そうか、私もAぐみだ。これからよろしく頼むぞ!」
「そうだな。こちらこそな」
そう言ってるうちにだいぶ体調が戻ってきた。
それを見計らって教室に戻ると自己紹介が始まっていた。
「あ!ゆう君だ!よかった無事で」
「心配かけたな、こはね俺の席は?」
「私の隣だよ!」
「そうかありがとな」
そう言うとこはねに近づき髪をくしゃっと撫でた。
「や、やめてよ。みんなが見てる」
「ほらゆう君の番だよ」
「えっと…相谷優樹です。好きなものはチョコとこはねです。よろしくお願いします。」
コンマ何秒か。教室の空気が固まった。
こはねはくちを、パクパクさせている。
「ええええ!」
嘘あの2人付き合ってるの?あいつロリコンかよ。
口々に言葉が飛び交う。
「優樹…」
「ゆう君!やめてよみんなの前で」
口では否定するが頬が緩いで仕方ない。
その上顔は真っ赤になっている。
「先生。もうお開きにしたらどうですか?」
「そ…そうだな。それじゃ解散!」
「優樹、いや優樹くんか?」
「好きに呼んでくれ。」
「なら優樹。放課後部活見学でもどうだ?その…一緒に」
「…翼、すまない。俺こはねに部活作ろうって前々から言われててな」
「…そうか、なら仕方ないな。急に無理なお願いをしてすまなかった。また、明日な」
「あ〜また明日な」
優樹は言葉だけを残して教室を後にした。
廊下ではこはねが待っていて待ち疲れたのか立ちながら寝ている。
「はぁ〜。こはね起きろ」
「ん…ふぁぁぁおはよっ。優くん」
「明日部活をつくる紙出しに行こうね!」
「残りの人数どうするんだ?足りないだろ2人くらい」
「え?」
「え?こはねよくその紙見たか?」
「み…見てない。」
「ほら、ここ。原則として4人以上でなければ部として認めないって書いてある。」
「後2人かーどうしようよ!優くん。誰か入ってくれそうな人いないかな?」
「…いややめておこう」
「えー、なにがなにがー」
ぴょんぴょんと跳ねて聞き出そうとしている。
「ダメ元だぞ。翼…」
「翼?」
「翼だって。ほら、あの剣の似合いそうなうちのクラスの!」
「よし早速…」
そう言って臨戦態勢にこはねははいった。例えるなら獲物を狙う狩人だ。
今回の場合は獲物の方が強いけどな。
「ダメだ…明日にしよう」
「えぇー」
そう言ってワガママを突き通すこはねを優樹は引きずって帰るのだった。
こはねを送り自宅へ戻る。
「ただいま」
「あ!にぃおかえり!」
玄関のドアを開けると妹がいた。
毎度のことながら出迎えをしてくれる。
「ねぇねぇ!葉月今日テストで100点だった!」
「おぉー、すごいな。これからもがんばれよ」
そういって優樹は葉月の頭を撫でた。
「えへへ」とはにかまれるとこっちも悪い気はしない。むしろもっとしたくなる。
「にぃ!ごはん食べよ!」
「おいおい…お前のその元気はどこらから出てくるんだよ…疲れてないのか」
「疲れてるよ?けどね…にぃに会ったら元気になった〜!」
「……」
「ん?にぃなんで顔赤いの?」
「気にするな。ほら飯いくぞ」
葉月は小首をかしげながらも優樹についていった。
リビングへ続くドアを開けると料理が並べられていた。
優樹の家は親が共働きで葉月が作ることが多い。料理はすごく美味いがもう少し量を控えてほしい。
そう思いつつも席に座り料理を食べる。
「いただきます」
「めしあがれ〜」
「どう?にぃおいしい?」
「あぁおいしいよ。いつもありがとな」
「えへへ〜」
葉月は恥ずかしそうにしながらも笑みをこぼしていた。
夕食が終わり風呂に入り葉月を寝かせ部屋へ戻る。
眠くなるまで本でも読もうと思い本を手に取るとスマホがなった。
「もしもし」
「あ?ゆうくん」
「なんか用か?」
「うん。明日のことなんだけど翼ちゃん入ってくれるかな」
「そればかりは何も言えない。けど俺も協力はしてやるよ」
「ゆうくん…ありがと!」
「ああ。気にするな。それより明日も頼んだぞ」
「任せて!こはね、お嫁さんとしての使命を果たします!」
「いや…嫁じゃないし…」
「え〜。じゃあダーリン?」
「ダーリンでもない…」
「もう〜釣れないなゆうくんは〜」
「発言が酔っ払いだぞ…」
「そんな事いう子は迎えにいってあげないぞ」
「うぐっっ…」
それだけは困ると思い、
「こはね」
優樹の声音が真剣なものになった。
なんとしてでも迎えに来てもらわないと学校に行けない。
「…なぁに?」
「俺、お前がいないと何もできないと思う。これからもよろしくおねがいします。」
「ゆうくん…」
「もう!冗談に決まってるじゃん!明日もゆうくんのこはねが迎えに行ってあげる!」
その言葉を聞いて優樹は安堵の息をもらす。
「そうか」
「ふぁぁぁ〜」
「どうしたこはね?眠いのか?」
「ん〜…ちょっと眠たい」
「じゃあ寝たほうがいいぞ」
「え〜…ゆうくんとお話ししたい〜」
これは長引くパターンだと思い優樹はこはねを寝かせる必殺技を使った。
「早く寝ないと背が伸びないぞ…」
「ゆうくん!お話は明日ね。じゃあおやすみ!」
そう言うと電話が切れた。
「忙しいやつだな…」
そう思いつつも俺は目を閉じ眠りについた。
僭越ながら初のオリジナル作品を投稿させてもらいました。
この作品は僕自身の欲望やこうあってほしかったという願いを詰め込んだ行き当たりばったりな小説になっております。
今回は1話だけですが…これからも2話3話とドタバタ展開でお送りしたいと思います。
これからもよろしくおねがいします!