雄英体育祭本戦1回戦
会場には髪が爆発していてまるで敵のような凶悪な顔をしている男性とスキンヘットで糸目のまるでお坊さんのような感じの男性がいた。
「第4試合! カタギの顔じゃねえ! ヒーロー科、爆豪勝己! 対、ごめん今まで特に目立った活躍無し! 普通科! 埼玉 優!」
「試合、開始!」
「死ねぇ!」
ミッドナイトの宣言と同時に爆豪が掌から爆発を起こして埼玉に急接近、掌を埼玉に向けて爆破をおこなおうとした。ただその結果は爆豪の想像していた結果には終わらなかった。何故なら爆破が埼玉の方ではなく爆豪の足元に向かって起こったからだ。
「危ないな、君は。それにしてもこんな喧嘩っぱやい奴でもヒーローになれるのか?」
「おぉっとどうした爆豪! なんで自分の足元に爆破を起こしたんだ!?」
「そんなこと考えるまでもないだろ。埼玉の個性のせいだろうよ」
「ほう! いったいどんな個性なんだろうな!?」
解説と実況が何か言っているが聞くこともせず爆豪は埼玉を中心に爆破で高速移動しながら埼玉にむかって個性を使い続ける。ただそれはことごとく見当違いの方法に発動し反動でとばされる。爆豪は予想していない方向から来る爆破の反動で浮き上がったりした結果一瞬だがバランスを崩す。だが類まれなボディバランスで反動によるダメージなどを最小限で抑えている。
「僕の個性は誘導。非生物にはきかないから入試では落ちたけど下手なヒーローの個性よりは有用だと自負している」
「それがどうしたぁ!」
爆豪は埼玉の言葉でどうして爆破がことごとく外れるのか理解した。埼玉は爆豪の爆破を自分に当たらないように誘導しているのだ。おそらく意識誘導などをおこなって。だがそんなことは関係ないというように爆豪は埼玉につっこんでいく。
「誘導されても問題ないくらいの爆破をおこなえばいいってことじゃねえか!?」
「それくらい僕が想定していないと思っているのか?」
「はっ?」
爆豪はいきなり体が反転する感覚に戸惑う。もう爆破するための準備は整っていて止められるタイミングではなかった。爆豪にできるのは爆風によってとばされる距離を短くするために体を低くしてしっかりと踏ん張ることくらいだった。
「おぉっと! 爆豪! この試合において最大の爆破を埼玉に利用された!」
「個性の使い方がうまいな。本当に1年か?」
爆豪はなんとか爆破による自滅は免れたがステージぎりぎりまでとばされた。爆豪は全く気にも留めていなかった相手に苦戦していることにイライラしているのか試合開始直後よりより凶悪になった顔を埼玉に向ける。埼玉はそんな爆豪の様子に反応せずまた全く体を動かさなかった。まるで必要ないかのように。
「てめぇ!」
その余裕そうな様子にむかついたのか爆豪は埼玉に向かってかけようと考えたが体は真逆に動いた。後ろは場外。爆豪は自分がどういう状況になったか一瞬わからず頭が真っ白になった。
「これで僕の勝ちです」
「勝者、埼玉!」
「試合終ー了ー!! こんな結果、誰が予想できたか!? 優勝候補筆頭だった爆豪勝己! ここで敗れる!!」
「・・・・・・ちっくしょう!!」
ミッドナイトの宣言により会場がざわつく。まさか普通科の人間が予選から派手に個性を使い注目を集めていた爆豪に勝つとは思ってもみなかったからだ。爆豪は自分が負けるとは思っていなかったのか現実を理解してからすぐ悔しそうに顔を歪めて叫んでいる。
「次は轟くんでしたか。次もこの方法で勝てるでしょうか?」
埼玉は今回の成果を踏まえて次の試合での立ち回りについて考えながら会場を後にした。爆豪には何も声をかけることはせずに。ただ、ここで爆豪に声を掛けたら絶対に怒るので埼玉の判断は正しかったであろう。
個性:誘導
タイプ:発動系
相手を誘導する超音波のようなものを発する。
非生物には効果がないため実技入試でロボットを倒せず落ちた。
誘導するためには相手に超音波のようなものを当てないといけないため超高速移動する相手とか遮蔽物が多い場所では効果が発しにくい。