とある日
緑谷は無個性である自分を変えることもできず日々惰性で生きていた。そんな彼がとある日にある公園に気まぐれで寄った。
「!? だっ大丈夫ですか?」
そこには倒れている神父服を着た人物が倒れていた。顔色が悪く今にも息絶えそうに見える。緑谷は最初突然の事態に驚いたがすぐに神父に駆け寄った。その時緑谷の頭には目の前の人物を助けたいということしかなかった。駆け寄ってからどうするかとかそんなこと頭にはなかった。気づいたら体が勝手に動いていた。まさにそんな感じだった。
「すいません。大丈夫です」
「えっ? いや、とても大丈夫そうには・・・・・・」
近づいた緑谷は神父だと思っていた相手の声を聞き驚いた。神父服を着ているから男性だと思っていたが女性だった。そして彼女の言葉に驚いた。とても大丈夫そうには見えなかったからだ。
緑谷は女性の近くに近づいたことで気がついた。女性から血のにおいがする。多分どこかに怪我をしている。それも血のにおいの濃さから重傷を負っているはずだ。だが外見から怪我の箇所を見つけることはできない。多分内臓にダメージを負っているのだろう。
「私は死ぬ。それは確定事項なのです。もう間に合わない。だから受け取ってほしい」
「何を、ですか?」
女性から何かがとびだして緑谷にぶつかった。次に空中から何かが落ちてきて緑谷にぶつかる。ただその事実を緑谷は知らない。何故なら緑谷にはその異常な光景が見えていなかったからだ。
「私の個性を。貴方ならうまく使えるだろうから」
「それはどういう?」
緑谷の疑問に女性は答えなかった。いや、答えられなかったといっておこう。もう女性は息絶えていたからだ。その顔は肩の荷が取れたかのように安らかだった。
「ぐっ!」
緑谷は身体の内から何かが生じていることを感じた。ただそれが何か緑谷には最初わからなかった。ただ女性の残した言からこれが女性が託した個性の力だろうという予想した。
「いったいどんな力なんだ?」
内から感じる力は1つではない。10以上の様々な力を感じる。おそらく女性はこの力の奔流に耐え切れず体の内、つまり内臓にダメージを負って亡くなったのだろう。1つ1つ力の強さや感じるイメージが違う。そして力どおしがぶつかりあっているような感じがする。
この力は危険だ。そしてつらい。死んでしまいたい。抗わなければ楽に死ねるのではないか? どうしてこんな力を僕に? そんな考えが緑谷の脳裏に浮かぶ。
「でも!」
でも緑谷は死を選ばなかった。緑谷にはかなえたい夢があったから。それをかなえる前に死ぬわけにはいかなかったから。こんなところで死ぬなんて許せなかったから。全力で痛みに抗った。
「僕はヒーローになるんだ!」
『ほう。その精神力感服するに値する』
「!? 誰!?」
緑谷は自分に話しかけてくる言葉に驚く。何故なら今この公園には緑谷以外誰もいない。しいていえば死体である女性がいるが今聞こえた声は男性のものだった。女性の声とは違う。
『私が誰か? そんなことは今は置いておいた方がいい。その痛みを何とかしたくないかね?』
「どうにかできるんですか?」
『もちろんだ。目の前の死体に手を触れたまえ。そうすればこちらで何とかする』
謎の男性の言葉に従って緑谷は女性の死体に手で触った。すると女性の死体は最初からそこになかったのように消え去った。それに緑谷はまず驚き次に体の内から感じていた痛みがなくなったことに驚いた。
「本当に痛くなくなった」
『まぁこれは応急処置のようなものにすぎんがね』
「どういうことですか?」
『あの痛みは定期的に訪れる。それは魂の飢えだからだ』
「魂の・・・・・・飢え?」
男性の説明を緑谷は理解できなかった。ただ何か恐ろしいことを言われているのだとなんとなく感じた。
『そう。卿は彼女から永劫破壊を継承した。その副作用のようなものだ』
「永劫破壊」
『ああ。永劫破壊を使いこなしたいと思うなら戦場跡に行きたまえ。そうすればどうすればいいかわかる』
「戦場跡!?」
男性は最後に物騒な場所に行けと緑谷に助言してその後緑谷が何度も聞き返そうとしたが応答がなかった。ただ男性の言葉を訊いてから体の内にある力の中でも強大な3つの力の内の1つが大人しくなったのを感じた。まるで眠っているかのように。
「よくわからないけど今の僕に戦場跡に行くことはできない。ならどうする? 同じような場所にいく? いや同じような場所って・・・・・・」
緑谷はブツブツと言葉に出して自分の考えをまとめながら今日は家に帰った。今日の公園での出来事は話しても信じられないであろうと誰にも伝えなかった。それから緑谷は戦場跡に変わる場所を探し回った。そしてとある場所に行きついた。それは墓所。死者が眠る場所だ。
「・・・・・・そういうこと」
緑谷は墓所で永劫破壊について理解した。墓所にいる間緑谷の瞳は片方金色になっていたが緑谷は気づいていなかった。墓所に漂う煙のようなもの、魂を体が吸収しているのを理解して考えることを半ば放棄していたからだ。墓所に漂っていた魂がなくなったらすぐに緑谷は墓所を後にした。魂の吸収。それがひどく悪いことをしているみたいで誰にも墓所にいるところを見られたくなかったからだ。
個性:永劫破壊
タイプ:?
diesiraeにでてくる永劫破壊を使うことができる個性
代償として魂を定期的に収集しないと体の内側から痛みが生じる(この問題はエクトプラズムの個性によって学園に在籍時は解決する)
使いたい永劫破壊によって試練などがある。(黄金の獣はどんな人間だろうと愛しているのですぐに力を貸してくれるようになった)
前任者はこの個性の代償を人を殺さねばならないと勘違いして魂の収集をおこなわなかったことによって痛みが増大して死に至った。
緑谷の渇望によって新たな永劫破壊が生まれたが緑谷はインターンまで気がつかなかった。(エリの個性を受けてようやく気づいた)
ちなみに
緑谷が黄金の獣以外で最初に使えるようになったのは3代目トバルカインである。最後まで使えなかったのは永遠の刹那である。(死ぬまでに使うことはできなかった)