オリジナル個性   作:雨の日

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個性:英霊召喚

 とある町

 この町では連続殺人事件が起こっていた。個性による犯行ではないと警察の捜査でわかったので犯人は敵認定はされていない。故にヒーローの動きもどこか鈍い。普通なら積極的に解決に動くヒーローもいるのだがこの地域には敵しか相手にしないという変なヒーローが集まってしまっていたのだ。

 

「き、さま!」

 

「ククク! どうしました? 私をそんな憎悪をこめた眼で見て?」

 

 だからこそ犯人は止まらない。夕方の路地裏。友達とともに帰宅しようとしていた少年たちは前から歩いてきた大学生くらいの男性にいきなり襲われた。最初は状況がのみこめず呆然とすることしかできなかった。だが、状況がのみ込めるようになるまで男性が待っているはずがない。5人いた少年たちは瞬く間に2人になった。

 

 残った少年たちは男性を睨みつけるが男性はどこ吹く風。まるで気にしていない。こんなこと幾度もあったと言わんばかりに。少年程度のにらみでは動じるに能わないと。それが1人の少年の怒りを助長した。

 

 ただし、もう1人は違った。男性の殺人に対する戸惑いの無さ。死んだ友達の体から流れる血の臭い。自分に迫ってきている死への恐怖。たくさんの要素から恐慌状態に陥る1歩手前だった。少年がかろうじてそうなっていないのは残った少年の存在が大きかった。

 

 残ったもう1人の少年の個性は不明。少年は1度も使ったところを見たことがない。ただ、その個性を使えばこの状況もどうにかなる。そう少年は確信していた。だからこそ涙を流し体を震わせながらも取り乱すことはなかったのだ。

 

「何をやったかわかっているんだろうな?」

 

「何をやったか? ええ、わかっていますよ。まだ未来のあった子供を殺した。ただそれだけでしょう?」

 

「そうか。殺した・・・・・・か。なら、殺される覚悟はあるよな?」

 

「ククク! 殺す? あなたが? 私を? そんなことできるわけないでしょう? 私を殺すには個性を使うしかありません。しかしそうすればこの地域のヒーローたちが一斉に向かってくる。貴方に勝ち目はありません。そのことを承知のうえで言っているのですか? これだから子供は嫌いなのです」

 

「遺言はそれだけか? 俺は怒っているんだ。それにあんな奴らヒーローでもなんでもない。ただのゴミだ。ちょうどいい機会だしこの町から消えてもらおう」

 

 少年は犯人の言葉を気にもせず何かをおこなおうとしはじめた。それは言葉。誰かに捧げる上奏文。少年の祈りがこもったその言葉は周辺に響きわたった。残りの少年もつい少年とともにつぶやいてしまうほどに少年の祈りは真摯なものだった。

 

「「我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」」

 

 犯人は少年たちの詠唱を止めようとした。ただ何か壁のようなものがあり一定以上の距離を詰めることができなかった。犯人は距離を詰めるのを諦めて投げナイフを投擲する。しかしこれも壁のようなものに阻まれる。その後も様々な方法を用いて止めようとしたがすべて無駄に終わった。そして少年たちの詠唱が唱え終わった。

 

「サーヴァント、キャスター。求めに応じ参上しました」

 

「サーヴァント、アーチャー。求めに応じて参上した」

 

 少年たちの前に光り輝く陣が2つ形成されそこから人が1人ずつ出てきた。1人は白いドレスを着て羽衣のようなものを纏った白い女性。もう1人は緑のマントを羽織った手に弓を持っているオレンジ色の髪の男性。どちらからも普通の人から感じられない圧のようなものが感じられた。

 

「これはどういう状況なんだ? マスター」

 

「マスター? それって僕のこと?」

 

「あん? わかっていて呼んだんじゃないのか?」

 

 男性が少年に聞くも少年は訳が分からず困惑する。少年はただもう1人の少年の言葉を繰り返しただけだ。こんなことおきるだなんて知らなかった。そのことに男性は気づいたようでもう1人の少年に目を向けた。

 

「助けてほしい! 友達を救ってほしい! 俺にはこんなことしかできない! 誰かに頼ることしか! 俺が弱いから!」

 

「・・・・・・なるほどな。状況は理解できた。・・・・・・性に合わないが騎士の真似事でもしましょうか」

 

 少年の懇願に男性は笑顔で応じた。そんなこと朝飯前だと言わんばかりに男性は犯人に向き直る。犯人は慌てて臨戦態勢を取ろうとした。ただ、先ほど個性の使用を阻止しようとしてナイフなどを投擲した結果手元の武器が心もとない状態だったことを失念していた。

 

「私はこの子たちを甦らせればいいの?」

 

「できるんですか?」

 

「ええ。それが私だもの。ここに魂があるのなら蘇らせることができるわ」

 

 死んだのもつい最近のようだし問題ないと女性は太鼓判を押した。そして女性が淡い光に包まれてその光が倒れ伏した少年たちに降り注ぐと傷口が消え心臓が動きだし呼吸が戻ってきた。

 

「あっありがとうございます!」

 

「これくらい当然のことよ、マスター」

 

「マスター? さっきあっちの男性もそう言っていたな。どういう意味なんだ?」

 

「ふふっ。なら私が1から説明してあげるわ」

 

 女性は優しくわかりやすいように説明してくれた。ただそれでも小学校に上がったばかりの少年たちでは理解するのは難しかった。とりあえずすごい人をよんだ。そう少年たちは解釈した。

 

「終わったぜ。マスター」

 

「うっうん」

 

 説明が終わるころには男性は犯人の始末を負えていた。男性にとって嫌悪するタイプで会ったらしく情け容赦が一切なかった。そのため犯人は抵抗することがほとんどできなかった。できたのは必死に男性の矢を避けることだけ。それも2本くらいしかできなかったが。

 

「アーチャーでしたっけ? とりあえずこのまちの現状を説明します」

 

「わかった。なにか俺にやってもらいたいんだな」

 

 少年の目に浮かぶ怒りを感じとり男性は少年の説明に耳を傾けることにした。そして少年の思いに共感してすぐに行動をおこした。おそらく次の日にはその結果がテレビで報道されるだろう。

 

「これで敵認定されればいろいろと吹っ切れるんだけど」

 

「幹。もし君が敵認定されたとしても僕はついていくよ」

 

「ありがとう」




個性;英霊召喚
タイプ:不明
英霊をよび出して使役する個性。
彼の詠唱にべんじょうすることによってほかの人にも英霊の召喚は可能。(代わりに無条件で従ってくれるわけではなくなる)
よんだ英霊によっては敵まったなしになる可能性もある。
バーサーカー以外なら基本よんだ人に従ってくれる。
よぶとき願った思いをかなえられそうな人がよばれる。(少年たちは死んだ友達を蘇らせたい、目の前の男を何とかしてほしいという願いでよびだした)

ちなみに
このまちのヒーローは現状を聞いたアーチャー、ロビン・フットに全員殺された。その後英霊を召喚しまくってまちを支配した少年たちを討ちに数多のヒーローがこのまちに訪れることになる。(敵認定されたので少年たちはいろいろと吹っ切れてしまった)

元ネタはfate/の英霊召喚システムである
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