太平洋
水面を歩く。そんな忍者のようなことをしている男性がここにいた。鋭くとがった口を持つやせ細った棒状の身体。両手両足の先端が毛で覆われておりその毛の表面張力を利用して水面に立っているようだ。
「日本はあっちか?」
男性は地図を見て現在地を確認して目的地のある方向を確認する。ただ、この男性地図の見方がわからないのか地図を反対に見ているためこのままだと一生たどりつけないであろう。
「いや。もしこっちなら太陽の位置がおかしいな。今現在の時刻なら反対側にあるはずだ」
男性も地図がおかしいことに気づいたようで首をかしげている。何が原因かわかっていないようで地図を必死に見てどういうことかと思案しているようだ。
「ああっ! 鬱陶しい!」
地図を見ていた男性は苛立たしげに水面に目を向ける。そこには鮫がいた。おそらく男性が水面を歩いているうちにその鮫のテリトリーに入ってしまったのだろう。ただ、男性の足の毛が予想以上に硬く鮫が噛みついても問題なかった。ただ噛みつかれている衝撃を受け続けたのとままならない現状に男性はイライラが頂点に達していた。
「死ね!」
男性は鋭くとがった口を鮫が噛みついてくるタイミングでカウンター気味にたたきこんだ。鮫は突然の獲物の反撃に対応できずもろにくらい血を噴きだす。男性は攻撃によって開いた傷口に口を突っ込み血を吸引しだした。
「美味くねえ」
男性は鮫の血を吸いつくしそうつぶやいた。そしてその後エラ、眼、口の順番に口を突き刺して何かを吸い始めた。男性が吸い始めてからじょじょに鮫の体は風船のようにしぼんでいった。男性は鮫のリンパ液、唾液、脳髄、肉などを吸いだしていったのだ。まあ流石に硬い骨は流石にどうしようもないようだったが。
「ちょっかいをかけてくる奴はもういねえな」
周囲を警戒しながら男性は歩き出す。日本とは正反対の方向に。その道中遭遇した鮫などを殲滅した。そしてとある船を襲いその船のデータから日本の位置を逆算した。男性は地図は読めないが海図を読むことはできるようだ。
「反対じゃねえか!」
判明した事実に男性はつい口で手近にあったものを壊してまわった。その鬱憤晴らしは数分続き壊せるものがなくなった時には男性はある程度の冷静さを取り戻していた。
「とりあえずまっすぐ反対の方向に向かえばつくはずだ」
男性はそう自分に言い聞かせながら水面を走っていく。途中にある障害物は口で破壊できるものは破壊して破壊できないものは迂回しながらできるだけまっすぐ進んでいく。
日本に近づくとヒーローが乗った船があった。だがそんなことお構いなしで突っ切っていこうとした。だがそんなことヒーローが許すはずがなかった。海流を操ったり異形系の身体を使って男性にもうスピードで近づいてきた。
「鬱陶しい! 俺の前に立ちはだかるな!」
男性もヒーローの存在に気づいたのか怒号を上げる。だがそんなこと珍しくもないことであると言わんばかりに平然とした態度でヒーローたちは男性に向かってくる。それに男性はいら立ちをあらわにした。
「来るか! なら死ぬ覚悟はあるんだろうな!?」
男性のその言葉がきっかけとなり戦闘が開始された。ただ男性の戦闘能力は低い。野生の鮫程度なら何とかなるがヒーロー相手になると分が悪かった。なぜ船を襲撃できたのか不思議なほど簡単に男性は捕縛された。
男性の最初に襲った船は個性に頼りすぎな連中しかいなかった。故に簡単に襲撃を成功した。だが、日本のヒーローが乗った船は違う。互いが連携し支え合って本来の実力より何倍もの力を出していた。
「ちくしょう!」
男性も自分の個性に関して何か訓練していれば結果は違っていたかもしれない。最初の船襲撃と違うと油断しなければもっと戦いになったかもしれない。後悔するのは全て終わってからできることでありもしもの可能性を今更考えても無駄である。
個性:アメンボ
タイプ:異形系
水面を歩ける。
硬く鋭い口になっている。(コンクリートに穴をあけたりできる。鮫の体皮を貫くことができる。形状はストローのような感じ)