林間合宿3日目の夜
敵の襲撃の報を受けて1年B組所属、金剛虎は1人で合宿所に向かっていた。肝試しのため森のかなり奥で1人待機していた彼は焦ることなく周囲を警戒しながら歩いていた。
「敵か・・・・・・いったいどんな奴だろう?」
林間合宿に襲撃してくるのだ。かなり強い敵なのだろう。自分が遭遇したら勝てるだろうかと虎は内心びくびくしていた。いつものように目を閉じながら木などの障害物を見えているかのように避けていくその様子から彼の内心を予測することはできないだろう。逆に余裕そうに見えるのではないだろうか。
「ん? この音は足音かな? 誰か近くにいるんだろうか?」
音の聞こえたほうに慎重に向かっていく。音の発信源に近づいていく途中で虎は音がおかしなことに気づいた。普通に歩いているような音ではないのだ。走っている? いや、これは何かを避けながら逃げているときの足音だ。
「・・・・・・急ぐか」
誰かが敵に襲撃されている。助けに行かないといけない。それがヒーローというものなのだから。虎は歩きから走りに変えて音の発信源に急いだ。そしてそこで白い何かを顔の部分から伸ばしているおかしな格好をした人と1年A組の麗日と爆豪を見つけた。
「あっちが敵かな? 伸ばしているのはなんだ? かなり鋭そうだ。当たったら痛そうだな」
風切り音から鋭い何かが伸びていると推測した虎は目を開けた。虎の目つきは鋭い。普通に見ているつもりでも睨みつけているかのように見える。そして虎の個性もその眼つきに関係するものだった。
「まずは無効化だね。『真の英雄は目で殺す』!」
虎の目から2筋の光線が放たれた。それは高速で進んでいき枝分かれした白い物体、歯を貫通して敵の肩に直撃した。当たった敵は体勢を崩し樹の上から落ちた。その様子を油断なく見続ける。その視線の動きに合わせて光線が動く。敵が落ちたのを確認した虎が目を閉じると光線が止んだ。
「大丈夫か?」
「あん?」
「え? あ、ありがとう! 助かったよ」
虎の言葉に爆豪は自分は余裕だったと言わんばかりに睨みつける。ただ虎は目を閉じているためほぼ効果はない。麗日は突然の展開に驚きながらも助けられたことに気づいてお礼を言った。
「困っている人がいるなら助ける。それがヒーローというものなのだろう? だから礼はいいといっても聞かないのだろうね」
「うん! 助けられたのならお礼を言うのは当たり前だからね」
「困ってなんてねえよ! お前が横やり入れなくても俺だけで何とかなったわ!!」
「そうか? そうだったならすまない。余計なことをしたようだ」
虎が素直に謝ったせいで爆豪は言葉に詰まった。ここで追撃したら爆豪が悪者だ。爆豪は舌打ちを一つして敵の倒れている方にむいた。虎の攻撃ではまだ終わっていないと判断したようだ。虎も爆豪と同様に敵の方に向いた。さっきの攻撃は牽制であり本気の攻撃ではなかった。だからこそしとめ切れていないだろうと予測したのだ。
「に、にく。肉面を、見せ、て」
倒れていた敵、ムーンフィッシュはゆっくりと立ち上がる。虎の攻撃を受けた肩から血が出ているがまだまだたたかえるようだ。口から歯が伸び虎たちの方に向かってくる。それを虎は一瞬目を開けて光線で撃ち落としていく。ほぼ一瞬と言っていいくらいの瞬きで撃ちだされているとは思えないくらい正確に光線はムーンフィッシュの歯の先端部分に当たる。
「こちらで抑えておくからとどめは任せたよ」
「はっ! 言われなくてもやってやらぁ!」
虎の言葉を受けて爆豪はムーンフィッシュに近づいていく。爆豪の接近を感じとりムーンフィッシュは歯を縦横無尽に伸ばしていく。ただそれらは全て虎の光線によって打ち砕かれる。ほぼ溜めなしだというのにすごい威力である。
「すごいな!」
「まあね。ただ視線を向けている所に撃ちっぱなしになるから狙撃とか援護には本来向いてないんだよね」
虎は苦笑いしながらオンオフできないので仲間の動きを見て援護するのが普通なのだが仲間を見ると仲間を攻撃してしまうのだという。だが虎は個性を使いこなしていた。今目を開けるとどこに撃つことになるのかやどこに撃てば光線が仲間の動きの邪魔にならないかなどを正確に把握しているようだ。
「これでしまいだ! クソ敵!!」
爆号の至近距離からの爆破によってムーンフィッシュは倒れ伏す。爆豪は慎重に近寄り気絶していることを確かめた。虎たちも一応最低限の警戒は解かないようにしながら近づいていった。
「爆豪くん、どないなん?」
「爆豪がやったんだから大丈夫だと思うけど」
「はっ! 当たり前だ! 俺を誰だと思っていやがる!」
「ごめんごめん」
個性:眼光
タイプ:変形系?
瞳をレーザーポインターのようなものに変形する個性
瞼を閉じると普通の瞳に戻る。開けると変形する。(一種の異形系のようなものであり常時発動しているようなものであるためタイプが合っているようで合っていない)
元ネタはfate/のカルナとXメンのサイクロップスである。