雄英高校体育祭本選
フィールドの中央で1組の学生がにらみ合っている。片方は帯電の個性を持つ1年A組の生徒である上鳴電気。もう1人は窒素装甲の個性を持つ1年B組の生徒である切旗紅葉。両者は面識がなくこの体育祭で初めて関わることになった。
「あなた超チャラいですね」
「初対面の人間にそこまで言うかよ」
「いや。文句を言っているわけでは超ないんですよ? ただ見た印象を言っただけでして・・・・・・」
「それならいいけどよ」
率直な紅葉の言動に電気は傷ついたような顔をする。それに気づいた紅葉は慌てて弁明する。自分の口の悪さはよくわかっているため相手を不快にさせることもある程度予測していたからである。それでも傷つきすぎじゃないかと思っていたが口には出さなかった。
「ふむ。案外優しいですね。超文句を言ってくると思っていたのですが」
「女の子にそんなこと言うかよ。それによく知らない相手にそう言われるのは慣れてるからな」
「そうですか」
紅葉は電気に言葉を投げかけながら戦闘態勢を整えていく。それに気づいたのか電気もまた戦闘態勢をとる。その反応の良さに紅葉は目を細める。
「それでは、戦闘開始!」
ミッドナイトの宣言と同時に紅葉は身体に窒素を纏わせた。ついでにとある工夫も施した。それに気づかず電気は放電の構えを取る。
「無差別1300万W!」
「超無駄です!」
電気の放電は紅葉の体に沿うようにして地面に着弾した。そのことに周りで見ていた観客は驚きを隠せない。何故なら窒素は絶縁体ではないため無差別放電であれば紅葉に高確率で当たるだろうと予想されていたからだ。
「私の個性が窒素を超纏わせるだけだと思っていたのなら超失笑ものです」
紅葉はそう言いながら電気に向かっていく。ちなみに紅葉に当たるとみられていた電気が通った場所は凍っていた。おそらく紅葉は液体窒素を生成してそこを冷やして電気をそちらに誘導したのだろう。
「ウェイ!?」
「ふふっ! 超面白いですねその顔」
放電により顔が崩れている電気を笑いながら紅葉は電気の顔を窒素で纏った手で掴んだ。そして地面に叩きつけて抵抗できないようにしてから場外に放り投げた。叩きつけられたフィールドは紅葉の力の強さを物語るかのように放射状に亀裂が入っていた。
「上鳴電気場外! 勝者、切旗紅葉!」
ミッドナイトの宣言を聞いて紅葉は笑顔で観客席に手を振った後フィールドを後にした。電気も紅葉があまり怪我をさせないように注意して投げたため大した怪我もなくすぐに観客席に戻ることができた。
「電気さん、超いますか?」
「紅葉ちゃん! 俺に会いに来てくれたんだ!」
「ふふっ! ええ。あなたのこと超気に入りました。電話番号を超教えてくれませんか?」
「いいよ! いいよ!」
「テンション高いですね。私に負けて超落ち込んでいると超思っていたのですが」
「いや紅葉ちゃんみたいな可愛い子が俺に会いに来てくれたんだよ? テンションが上がらないわけないじゃん」
「そういうものなんですか」
電気のテンションについていけないのか紅葉はどう対応していいのかわからず戸惑っていた。そんな紅葉の様子を気にせず電気はぐいぐい紅葉に迫っていく。その様子を峯田は嫉妬やらなにやらの負の思いが込められた目で見ていた。
個性:窒素装甲
タイプ:発動系
窒素を体にまとわせる。
窒素化合物などを生成することが可能(最初からできたわけではなく努力のたまもの)
元ネタはとあるシリーズの絹旗最愛の超能力『窒素装甲』である。