雄英体育祭本選
一回戦からあいつかよ。ついてない。あいつこの学校のヒーロー科に推薦で入ったんだろ? 普通科にぎりぎりで入った俺が勝てるわけねえじゃねえか。
「でもここまで来たんだからなあ」
少しでも印象に残りたいよなあ。どうするか? 個性の相性的にはそう悪くないはずだが・・・・・・
「さあ! 次の試合の時間だ! 次の対決はヒーロー科A組轟焦凍! 対 普通科E組南方 水無月!」
時間か。不安だけど全力でやるしかないよな。
「よろしく」
「・・・・・・」
無言かよ。まあいけどよ。でもこいつの目が気に入らない。俺のことなんて眼中にないって目をしてやがる。まあそうだよな。普通科の人間なんて普通気にしないよな。ましては俺の個性は戦闘向きではないしな。
「それじゃあ・・・・・・試合開始!」
! いきなりかよ! 開幕ぶっぱとかするか普通! 俺じゃなかったら試合終わってるぞ。
「まあ問題ねえけど」
「おぉっと普通科水無月! あの中で無傷! いったいどうやったんだ!!」
うるせえな! 実況としては盛り上げたいんだろうけどこれじゃあ奇襲できねえじゃねえか。あいつも実況の言葉を聞いて驚いているみてえだな。こっちを見る目が変わっていやがる。
「お前、どうやって・・・・・・」
「どうやってだと? 決まってるだろ。俺は個性をつかっただけだ」
「そうか」
クールだな。俺、こいつと仲良くできる気がしねえ。仲良くなる気もねえけどな。さてこっちからも攻めないといけえねえよな。こういう場合。ただ俺の個性は戦闘に使えないからなあ。
「向かっていってもどうしようもねえよな・・・・・・真面目にどうすっか」
なんで本選出ちまったんだろう。こんなことなら尾白だっけ? あいつと一緒に辞退しちまえばよかった。・・・・・・まあ仮にあの時いってもミッドナイト先生は俺の辞退を認めなかっただろうけどよ。
下手の考え休むに似たりっていうしもうまっすぐ突っこんじまうか。それで負けたらそれまでだ。あいつはヒーロー科なんだ。それも推薦をもらえるくらい優秀なやつだ。普通科の落ちこぼれである俺じゃあ勝てねえのは当たり前だ。
「小賢しい策なんて俺にはできねえだろうしな」
よし! いくか!
「おぉっと! 南方! 轟にまっすぐ突っこんでいく! なんか策でもあるのか!?」
「いや、あの様子だと何もないと思うが」
ああそうだよ。俺に策なんてない。そういうのはあいつの領分だ。俺はただまっすぐ進んでぶん殴るだけだ。
「さっきのようにはいかねえ」
また氷か! 好都合! 炎だと時間がかかるが氷なら問題ねえ! 溶けて消えろ! 俺の前に立ちはだかるな!
「! ちっ!」
「おらっ!」
「くっ!」
しっかりと戦闘訓練をしてるみてえだな。俺の拳が当たっても大して痛そうに見えねえ。だが主導権はもらったぜ! こっからは攻めて攻めて攻めまくる!
「南方! 怒涛のラッシュだ! 轟は防御で精いっぱいみたいだ!」
「そうみたいだな」
「ちっ!」
「また氷か? 俺の前では氷は無意味だってことをいい加減学習しろや!」
確かこいつには炎を出す個性もあったはずだよな? なんで出さねえんだ? まあ炎を出されても俺は問題ねえけどよ。
「俺は絶対炎は使わない」
「そうかよ! お前がそう決めたならそうすればいいじゃねえか。だがな・・・・・・」
お前にどんな過去があったか知らねえけどよ。そういいきったんなら・・・・・・
「そのことを負けたときの言い訳に使うなよ!」
「当たり前だ!」
くっ! つええな。個性がなくてもどうにかなるように鍛えているのか? 俺みたいに個性が戦闘でほとんど使えないってわけじゃないのによ。そういえばこいつ確かエンデヴァーの息子何だっけ? なら納得・・・・・・
「いくかぁ!」
「うおっ!」
有名人の息子だから強い? んなわけねえだろ馬鹿か俺は。子の強さはあいつが努力した成果だ。あいつの父親がどうとか関係ねえ。それにそれを言い訳にすんのは俺らしくねえ。
「お前が誰だろうと関係ねえ。叩き潰す。そう決めたんだった。なんでこんなに弱気になってんだ俺は」
「さっきからわけわかんねえことを」
「わかってほしくて言ってるわけじゃねえからな。わからなくても別にかまわねえよ」
俺はただただまっすぐ突き進んでいくだけだ。たたかう相手が誰だろうと関係ねえ。全力を出しぬく。そう本選に残った時に決めたんだ。こいつが全力を出さねえのは気に食わねえがそんなことで俺の決意は変わらねえ。
「くらっとけ!」
「なっ!」
「轟君、場外! 勝者、南方!」
ふうっ! なんとか勝てた。次は誰だっけ? まあいい。俺は俺らしく最後まで突き進むだけだ。相手が誰だろうと関係ねえ。
個性:熱操作
タイプ:発動系
一定範囲の熱を操作する。(自分の周りの温度を一定に保つことによって轟の冷気を相殺した)
手で触れた者の温度はかなり精密に操作できる。
触れた者の温度を一定に保つこともできる(これにより轟の体温を一定に保つことによって個性の使用を封じた)