とあるまち
オークと言われて思い浮かぶのはどんな生物だろうか。ブタの顔をしている醜悪な怪物。そう記憶している人が多いのではないだろうか。オークとはもともと海の怪物の異名だった。だが後年に様々な作品によって変わっていき今の意味になったと言われている。
そんなオークの個性を持った男性がこの町にはいた。彼の個性であるオークは大体の人が思い浮かべるオークそのものになる異形系の個性だった。性欲旺盛で頭が鈍い。美しいものは作れないそんな存在。
故に学校ではしだいにいじめに合うようになっていった。見た目同様醜い人であったなら学友を暴力によって薙ぎ払うこともできただろう。ただ、その男性は見た目に反して心優しい人物だった。学友からのいじめを苦悶の顔を浮かべながらいつも耐えていた。それがいじめを助長すると知りながらも。
そんな光景を見たとある男性はいじめに個性を使用し始めた学友を見て危機感を覚えた。そして教師に相談してみたがとりあってもらえない。何故なら彼をいじめている学友のまとめ役がその地域では影響力の大きい家のでのものであったからだ。下手に介入するとどうなるかわからなかったのだ。
学友はそれでも彼を助けたかった。どんなに醜い容姿をしていても学友は彼の心優しさに救われた1人だったから。彼はそのことを覚えていないかもしれない。でもそのことは学友にヒーローになると決心させた出来事だったから。
「やめろ!」
「なんだよ! こんな奴かばうのかよ! こいつはモンスターだぞ!?」
「ならなぜそんなことをしているんだ! 普通に警察にでもなんでも突きだせばいいだろうが!?」
「それは・・・・・・」
「しないのはただ単にお前が優越感に浸りたいからってだけだろうが!?」
「・・・・・・うるさい。うるさいうるさい! 僕に指図をするな! こいつも同罪だ! やってしまえ!?」
リーダーの癇癪じみた命令に取り巻きはしたがってその学友にも個性を使用して攻撃してきた。学友はそれをときにかわしながら取り巻きたちに近寄り殴ったり蹴ったりして無力化していく。ただ数の暴力の前に学友は屈することになった。
「フー! フ―! ざまあみろ! 僕に逆らうからこんな目にあうんだ!」
「ぐっ! がふっ!」
口から血を吐きながらも学友の目には絶望など欠片もなかった。いや逆に怒りによる威圧感さえ纏っていた。そのことに最初は得意げにしていたリーダーも次第に脅えが顔に出てきた。
「はやくそいつを気絶させろ! あの目を僕に向けさせるな!」
「・・・・・・いや、そいつは無理な相談だ少年」
「だれだ!?」
「私のことを知らない? ふーん少年は無知なのだな」
「あっああ!?」
学友とリーダーの間に現れた人物を見てリーダーは顔色を急速に悪くしていく。それは絶対に敵に回してはいけない人物を敵に回してしまったという感じだった。そう、学友が今日いじめに介入したのはこの人という勝算があったからだ。他の日であったなら学友はこんなことしなかっただろう。
「私はリスト。これでもプロヒーローの1人さ。この地域にいるなら私を知らない人間なんていないと思っていたのだけどね」
リストと名乗った人はリーダーを見る。それだけでリーダーは気絶した。リストを敵に回したという現実から逃げたいがために。この地域でリストに敵認定されるということは様々な意味を持つ。リーダーの家の失墜は確実だし取り巻きたちは敵として逮捕されるだろう。学校の教師も責任を取らされるはずだ。それほどこの地域でのリストの影響力は高い。
「少年、よく私が来るまで持たせてくれた。そこにまず感謝しよう」
「あ、とは・・・・・・」
「ああ。任せたまえ。このような事態を招いた元凶を逃がしはしないさ」
個性:オーク
タイプ:異形系
オークっぽいことならだいたいできる。
顔がブタで猪のように体中を体毛で覆っている。
美しいものをつくることができない。
嗅覚などが並外れている。
性欲旺盛だが我慢できる。(訓練の賜物)
性交をした相手が自分の虜になる。(精液の効果らしいため精液を呑んだりした相手にも効果がある)