とある国
犯罪者が収容されている牢獄にてとある男性がある部屋に入っていく。そこは囚人に尋問するための部屋である。使われるときの主な動機は囚人の関係者が犯人である可能性がある時であった。
「またですか?」
「お願いします」
「はぁわかりました」
部屋に入ってきた男性は部屋にもともといた男性に声をかけた。元々いた男性は言葉少なに男性に声をかけて部屋を出ていく。入ってきた男性はその対応に慣れているのかため息を1つつくと囚人と向き直る。
「これから君を尋問する仁です。話したくなったらいつでも言ってください」
「はん! 俺からお前らに言うことなんてなにもねえよ!」
「そうですか」
仁はそういうと右手を囚人に向けて振った。振った右手は途中で細長く伸びまるで鞭のようになった。そして囚人の左頬に鞭となった右手が当たった。甲高い肉を打つ音が部屋に響く。
「いてえ!?」
「どうです? 話す気になりましたか?」
「だ、誰が!」
「そうですか・・・・・・」
仁は囚人の答えに残念そうに言うと左手を鞭にして今度は囚人の右頬を打った。またも甲高い音が部屋に響き囚人は絶叫をあげた。その後同じように質問したが囚人から答えが返ってこなかったためもう一度鞭となった腕で囚人を打った。またも響く甲高い音と囚人の絶叫。
「どうですか?」
「・・・・・・!?」
「そうですか」
「!?!?」
「どうですか?」
「・・・・・・!?」
「そうですか」
仁は淡々と囚人に声をかけ返答がないと鞭を振るう。それを繰り返した。人を腕の鞭で打っているというのに何とも思っていないその様子に囚人は恐怖を覚えた。そして情報を出さないといつまでも終わらないと確信した囚人はついに情報を吐くことを決心した。
「どうですか?」
「・・・・・・」
「うん?」
「わ、わかった。・・・・・・なにが聞きたいんだ?」
「そうですね・・・・・・」
仁は前の尋問官が置いていったほしい情報について簡単にまとめたボードから囚人に質問をしていく。囚人は鞭で叩かれたことにより痛む頬に顔をしかめながら素直に答えていく。
「以上ですね」
「そうかよ」
「ご協力ありがとうございました」
「い、いや・・・・・・」
仁の対応に囚人は戸惑う。鞭による無慈悲な尋問のあとにこうも丁寧に対応されるとは思っていなかったのである。もっと残虐に無慈悲に対応されれば恨むこともできるのだがこれでは恨むこともできない。
鞭による傷も丁寧に治癒されて跡も残らないと仁に聞かされて囚人は何故だがお礼を言ってしまった。そのくらい仁の鞭による尋問時とそのほかの時の対応は違いすぎた。そのため囚人はある意味混乱していた。
「どうしてだ?」
「? なにがですか?」
「なんでこんなに態度が違うんだ?」
「?・・・・・・ああそういうことですか。決まっています。私は個性による尋問時相手を人だと思わないようにしているからです」
「人だと思わないように、だと?」
「はい。人でなければ全力で振るえますので」
仁の返答とその時の目で囚人は納得してしまった。仁は人以外であれば容赦なく先ほどのように鞭となった腕を振るのだろう。たとえそれがどんなものであろうと無慈悲に。
個性:鞭
タイプ:変形系
腕や足を鞭にする。
長さは少し伸びるくらいで大きく変わらない。