オリジナル個性   作:雨の日

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個性:猫又

 林間合宿

 1-A組は相澤先生による試練により魔獣の森を走破して合宿所に行くことになった。プッシ―キャッツであれば昼には着くがまだ学生のみでは無理であったようで到着したのは夕方になったころであった。

 

「やーと来たにゃん。とりあえずお昼は抜くまでもなかったねえ」

 

 生徒たちに魔獣をけしかけていたピクシーボブは特に悪びれた様子もなくヘロヘロになりながら森から出てきた生徒たちにそう言い放った。

 

「何が『お昼までには着くだろう』ですか」

 

「お腹空いた」

 

「悪いね。それ私たちならって意味」

 

 生徒たちの抗議も何のその。一緒にいたマンダレイは少し申し訳なさそうにしているがピクシーボブは特に気にしているようには見えない。

 

「途中で遭難するかと思った」

 

「そうね。途中途中に看板がなかったらどうなっていたことやら」

 

「? 看板?」

 

「あれ? 知らなかったんですか?」

 

 生徒たちの言葉にピクシーボブは首をひねる。何故なら彼女はそんな話聞いていなかったからだ。そのことに疑問に思ったのか緑谷はマンダレイの方にも首を向ける。だが、マンダレイも知らなかったようで同じように首をひねっていた。

 

「・・・・・・それは私が用意したものだニャン」

 

 合宿所の方からそう言いながらやってきたのは猫耳をつけた着物を着た女性だった。コスチュームで猫耳をつけているのではなく直に生えていることから彼女は異形系の人なのだろう。そして緑谷はその女性を知っていた。

 

「子だくさんヒーロー『ブラックキャット』!?」

 

「だれ? デクくん」

 

「麗日さんが知らないのも無理はないよ。彼女も相澤先生同様メディアが嫌いらしく露出が少ないヒーローだからね」

 

「うひょー!! 美人さんだー!!」

 

「いきなり抱きついてくるなんて耐え性のない男だニャン」

 

「いや、無理ないと思うぜ」

 

 緑谷が麗日にブラックキャットについて説明していると峰田が興奮した様子でブラックキャットに抱きついた。それもそのはず。彼女は白い着物を着ているのだが胸が大きいためそこがちょっと着崩しているために強調され、猫っぽい雰囲気が妖艶さを出している。まるで男性を誘っているかのような彼女の雰囲気と美人と言っても過言でもない容姿に峰田が我慢できるわけがない。

 

「どうしてあなたがここに?」

 

「ラグドールに頼まれたんだニャン」

 

「そうでしたか」

 

 相澤先生はブラックキャットがここに来ることを知らなかったのか疑問の声を上げる。それにブラックキャットは依頼用紙を見せながら答えた。それを見て相澤先生は納得したようでそれ以上の問答はなかった。

 

「それにしても子だくさんヒーローかー」

 

「? それがどうかしたんですか?」

 

「いや、私元々最初は配達ヒーローって名前だったんだニャン」

 

「えっ!? そうなんですか?」

 

 緑谷はそのことを知らなかったのか驚きの声を上げる。ブラックキャットも知られていないのも無理はないかと少し諦め気味だった。何故ならブラックキャットがその名前を使っていたのはデビューから2年くらいだけだったのだから。

 

「ええ。被害者から不幸を運び、敵に不幸を届けるって感じでニャ」

 

「それからどうして子だくさんヒーローに?」

 

「・・・・・・発情期って知っているかニャン?」

 

「えっええ。・・・・・・まさか!?」

 

「そのまさかだニャン。私には個性のせいか発情期があるんだニャン」

 

 発情期。求愛行動、生殖行動への欲求が増大する時期のことである。種によって周期が異なるが、一般的には雌の排卵期に連動している。そして猫の発情期は年に4回ある。それがブラックキャットにも起こっているというのだ。

 

「自覚したのが19の時、もうどうしようもなくて事情を話して、ね? それから2年に1回くらいどうしようもない時期がくるようになったの」

 

 ブラックキャットの生々しい話に緑谷は何も言えなかった。ブラックキャットも共感してほしいというわけではないので話をそこで打ちきろうとしたがある生徒を見て顔をひきつらせた。

 

「まあ君たちには関係ない話だニャ・・・・・・てマジかニャン」

 

「どうしたんですか?」

 

「いっいや。なんでもないにゃん」

 

 ブラックキャットは慌てて誤魔化そうとしたが峰田と上鳴は誤魔化されなかった。ブラックキャットが見ていた先を向いてどうして誤魔化そうとしたのかを知ろうとした。

 

「轟?」

 

「またあの才能マンかよ!?」

 

 ブラックキャットが見ていた先はどうやら轟だったようだ。峰田と上鳴は轟がイケメンだからだと決めつけたようで文句を言っているが緑谷にはどうにもそうには見えなかった。なにか気まずいというような雰囲気だったのだ。それからある仮説が頭に浮かんだ。

 

「ブラックキャットまさか・・・・・・?」

 

「多分それで合っているニャ。当人には秘密にするニャン」

 

 ブラックキャットへの小声の問いかけにブラックキャットも小声で答えた。その解答に緑谷は顔を引きつらせる。何年前になるかわからないがブラックキャットはエンデヴァーと関係を持って子供を身ごもった。そういうことなのだろう。だからこそ認知されている正妻の息子である轟に気まずいものを感じているのだと緑谷は察してしまった。

 

「この合宿中は何が何でも隠し通すニャン。その後はどうしようもないニャン」

 

「・・・・・・わかりました」

 

 合宿はまだまだ始まったばかりだというのに緑谷はもう疲労感を感じていた。これがストレス性の疲労かっと思いながらこれからの合宿で起こる騒動を予見して気が遠くなりそうになった。




個性:猫又
タイプ:異形系
猫又にできることはだいたいできる

変化
猫になる(彼女の場合は黒猫になる)

幻術
幻を見せる(今回は生徒たちの進路上に看板があるように見せていた)

妖術
妖術を使える

神通力
神通力を使える

仙術
仙術が使える

嗅覚強化
嗅覚が普通の人間より強化されている

死体発見
死体がどこにあるかなんとなくわかる

呪い
対象に呪いをかけられる

誘惑
無意識に異性を誘惑する

夜目
夜でもはっきりと見ることができる

発情期
2年に1回耐えがたい生殖欲求が襲う


ちなみに
19、21、23、25、27、29と発情期がきていて一回につき4人以上産んでいるので彼女には24人以上の子供がいる。
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