どなたか、可愛くてエッチぃくて甘やかしてくれてCVが小倉唯さんのリャナンシーを紹介して下さい。
工廠に甲高い音が鳴り響く。
明石が、私が鎚を振るう音だ。
私と間宮、そして大淀は所謂「御付き艦」だ。
つまり戦場に出る確率が低い艦娘だ。
御付き艦は鎮守府に派遣される前に特別な講習を受ける。
それは大淀の様な事務能力であったり、私の様な工作の知識と技術であったりする。
特に大淀の鋳型を持つ派閥は古くて頑固な事で有名だ。
(まーあ? わたしんとこも似た様なもんだけど)
資材を積んで海に出て、洋上で傷付いた味方を修理する事だ。
何度も、何度も直して、直して直して直して直して治して直す。
ついには自分が撃たれて動けなくなり、人の手により最期を迎えた。
(べっつに前世に不満があるわけじゃ無いんですけどねー)
炎と煙に巻かれた同僚には今でも夢に魘される者も居るらしい。
彼女たちに比べれば自分の
(それでも、船だった頃と同じ事をしてると気が滅入りますよう)
動かしていた手を止めて仕上がりを確認する。
これは先ほど届いたばかりの天龍が使っていた連装砲だ、艦娘の艤装は基本的に自分で整備する様に頼んで居るのだが天龍は少々武器を雑に扱う癖が目に付く。
(まぁこれを適当にやって轟沈されたら夢見が悪いし、龍田さんに100回殺されますしねぇ)
「明石さーん、居ますかー?」
仕上げとして油をさしていると入り口から男性の声が聞こえた。
「いますよぉ〜、勝手に入っちゃってどぞー」
「はーいってうおっ、すっげぇ秘密基地みたいだ」
「明石の工房にいらっしゃいませ、すぐに終わらせちゃいますから」
「なら、見させて貰っていい?」
意外な事を言う上官に椅子を勧める。
ジロジロと無遠慮に覗き込んでくる藤丸の視線が妙に擽ったい。
「随分慣れた手つきだけど、いつもやってるの?」
「そうですねー、天龍さんや摩耶さんなんかは乱暴に扱うのでわたしがメンテします。
ほんとは座学で整備について学んで自分でやって貰うんですけど、流石に装甲ひしゃげたりすると妖精さんにも直せないらしいので」
「それって細かい傷とかなら直せるってコト?」
「そりゃもうピッカピカになりますよ」
手を動かしながら幾らか言葉を交わすと彼はコロコロと表情を変える、これが演技でないならば大した人誑しだ。
「はい、これで完了です。妖精さんいつもの所に運んで置いて貰えますか?」
《任されよ》
「妖精さんの声渋ッ」
「提督、妖精さんの声がわかるんですか?」
「いや、え。だってめっちゃええ声でんがな」
(なるほど、レベル3。なら一般人でも採用される事もあるのかな)
明かりを切り替えて工具を片付ける、凝った体を解せばいい音がした。
「さっ、お待たせしました提督! お話をお伺いしますよ」
「うん、ちょっと作って欲しいものがあって来たんだ」
「おや、何でしょう? 建造でも開発でも資材さえ頂ければ造ってみせますよ。
あ、でも改造だけは艤装がないとできないので待ってくださいね」
「今欲しいのはそういう武器じゃなくて机と椅子なんだ、頼めるかな?」
「机と椅子、ですか? それは執務室で使う為のものという事で?」
「みかん箱だと揺れるし、座布団だとお尻痛くなるから使いやすいやつが欲しいんだ」
自分が、机と椅子を。
腕を組んで考える。
「あの? 明石さん? もしかして俺失礼な事頼んじゃってました?」
「いえ、そうではなくて。
あまり作ったことが無いものなので少し考えてましたが、できると思います」
「そっか! よかった、大きさとかも注文して良いですか!?」
「ならすぐに図面に書いちゃうので紙と鉛筆持って来ます、少し待っててください」
(兵器以外の物も作って良いのか、なんで思いつかなかったんだろ)
この後、明石は代金を貰う代わりに工廠の隅を工作部の拠点として使う許可を求めた。
家具妖精《どういう事だ、俺の出番では無いのか?》