艦これ-Grand Order-   作:炭酸飲料

11 / 27
フェスじゃあああぁぁぁ!!
私は瞬発力に行きました。
持久力の皆様是非覚悟遊ばせ!!


龍の夢(9)

藤丸は夕食のカップ麺を啜りながら艦娘のデータに目を通していた。

カルデアでは腕のいい者がそれぞれ当番を決めて料理を振る舞い、鎮守府に来ても間宮の料理を貰っていたため些か寂しい夕食だ。

あの後輩には小言を言われてしまいそうだ。

 

(インスタント食うのって新宿以来だったけな)

 

時計の音が子守唄に変わり始めた頃に、『影』から警告の念を受ける。

チリチリとうなじのあたりに痺れが走る、殺気だ。

 

「お客さん、用事があるなら入っていいよ」

「あらー、気づかれてましたぁ?」

「うん、龍田さんか。

お茶でも飲みに来た、訳じゃあ無さそうだね」

 

にっこりと、昼間と同じ微笑みで立つ彼女は艤装を全て展開し(・・・・・・・)自分に照準を合わせている。

 

「あら? もっと驚いたり怒ったりすると思ったんですけど」

「いや、驚いてるよ。そのドアって艤装出したまま通れるんだなって」

「西部劇のスイングドアみたいにガバァって開きますからねぇ、これ」

「あと寒いから閉めて貰っていい?」

「はぁい」

 

龍田はゆっくりと音を立てない様にドアを閉めると鍵を掛けた。

 

「逃げようとしなくて良いんですか?」

「だって龍田さん、俺のこと逃す気ないでしょ?」

「もちろん、でももし私のお願いを聞いてくれたら見逃してあげる」

「聞かせて貰えるかな?」

「天龍ちゃんのお願いを取り消して、死ぬまで戦うなんて馬鹿げた願いを叶えないで。

そうすれば私は引くわ」

 

(叢雲さんが部屋に帰る前に『気を付けろ』って言ってたのはこういう事かぁ)

 

警告するくらいなら護衛もして欲しかったのだが、まさかその日の夜に闇討ちに来るとは予想できなかったのだろう。

俺も出来なかった。

 

「悪いけど、天龍さん本人が言い出さない限りは俺も意見を変える気は無いよ」

「どうして? なら提督は『殺してくれ』って言われたら殺すの? 『死んでくれ』って言われたら死ぬの? そんな事はないでしょう?」

「そりゃあね、どんな願いでもってわけでは無いし。

俺に出来ないことを安請け合いするわけじゃ無いさ」

「そう。

やっぱり、私達みたいな変えが効く存在は死んでも良いって事かしら」

「変えが効く? そんな事はないだろう、みんな掛け替えのない命だ」

「いいえ、効くわよ」

 

龍田は断言する。

 

「艦娘という戦力がどういう時に失われるか、提督は分かるかしら」

「艤装を解体して資材にする時か、その、海上で轟沈したままロストした時だと聞いている」

「そう、でも少し違うわぁ。

艦娘は『艤装を無くした時に』戦えなくなる、言いかえるなら艤装さえあれば艦娘が変わっても問題ない(・・・・・・・・・・・・・・・・・)の」

「そうだったのか? でもそれだけで艦娘達の命の価値が変わるわけじゃないだろ」

「あらぁ? 提督、本当にご存知ないのかしらぁ」

 

なにを、と問う前に龍田が口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「提督は意思にそぐわない艦娘を確実の判断で殺して同じ鋳型の艦娘を用意する権利があるってこと」

 

「は?」

 

思考が、停止した。

一瞬、自分が日本語を理解出来なくなったのでは無いかと思うほどに耳を疑った。

 

確実の判断で殺していい?

何を?

 

「その顔、まさか本当に知らなかったの?」

「あた、当たり前だ! そんな事が許される訳無いだろう! 命をなんだと思ってるんだ!」

「艦娘は兵器よ、人のカタチをしていても使う目的は戦争に勝ちたいから。

『動作不良』を起こす兵器なんて使えるはずがないのだからおかしくはないわぁ」

「それでも生きてるだろ? なんでそんな事が出来るんだ」

「人道的だって言われてますよぉ? 私たちみたいな戸籍も人権もない人は使い勝手が良いですから、例えば」

「やめろ、それ以上は言わないでくれ」

 

酷い頭痛がする。

怒りと混乱、そして嫌悪感で頭がおかしくなりそうだった。

 

「龍田さんは、こんな事をして自分が処理されるかもしれないとは思わなかったのか?」

「思ったわよぉ、でももし天龍ちゃんを酷い扱いするのなら私は誰が相手でも許さない。

きっとそれは、どの龍田でも変わらないはずだから」

「龍田さんは、天龍さんが本当に大切なんだね」

「そうよ、だからお願い。天龍ちゃんが沈むまで戦うなんて事はさせないで」

 

(やっぱり、艦娘にとって死ぬとか沈むとかは禁忌なのか)

 

自らの死の記憶を背負う事がどんな感覚なのかは英霊でも、ましてや艦娘でもない自分には理解出来ない事だろう。

きっと彼女達と触れ合う中です知っておかないといけない事は多いのだろう。

 

(叢雲さんにも、あんたモグリ? って言われたしなぁ)

 

勉強して覚える、結局それしかないのだろう。

楽な方法や便利な手段などそうそう無いし、頼ってもロクなことにならないのは経験している。

 

「昼間は誤解させてしまったみたいで、叢雲さんに怒られちゃってね。

俺は、天龍さんを轟沈なんてさせないよ」

「でも天龍ちゃんはきっと止まらないわ、それこそ死ぬまで戦場に向かうかもしれない」

「うん、きっと口で言っただけじゃ考えを変えたりはしない。

なら、彼女が満足に戦える、『戦い続ける事が出来る』戦場を用意してやる。

死ぬまで戦うなら、戦える限り死ぬ気がないって事だろ?」

 

それに

 

「もしかしたら、戦うのに満足したり飽きたりする日が来るかもしれない。

その時には、またやりたい事が無いか聞いてみたいと思ってる」

「じゃあ、本当に? 本当に天龍ちゃんを死なせるつもりはないのね?」

「もちろん、と言ってもまだまだへっぽこ司令官だから頼りないんだけど」

 

艤装が霧散し床にヘタリ込む龍田。

その瞳からは安堵か緊張が途切れたせいか涙が溢れていた。

 

「提督、貴方のこと信じるわぁ。

もし裏切ったら酷いんだからね?」

「ああ、きっと守ってみせる。

そう言えば、まだ龍田さんの願いを聞いてなかったな」

「そう、私のお願い。

天龍ちゃんが無事なら文句は無いのだけれど、そうね1つだけ叶えたい事があるの」

「聞かせてくれ」

「私達天龍型の2人はね、生前天龍ちゃんの最期の時に離れた所にいて死に目に会えなかったの。

だから、今度はちゃんとお別れが言えるようにしたい」

 

例えそれが戦場でも、今度こそ1人で果てる事が無いように。

 

「それが私の夢、いつかはきっとくる終わりをそうやって迎えたい。

私が終わる時は天龍ちゃんが、天龍ちゃんが終わる時には私が側に居られる様にして」

「わかったよ、龍田さんの夢がきっと叶うように努力する」

 

 




自分が死んだ記憶とか、トラウマ過ぎて抱えきれませんね。
話変わりますが、まほ嫁のアニメ観ました。
感想は

しゅき(語彙力消滅)

。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。