「今日は建造と開発をしましょう」
「建造と開発?」
藤丸は差し出された書類に目を落とした。
「流石に建造がどう言った物かは知ってるわよね?」
「確か鋼材と燃料、ボーキサイトに弾薬を妖精に渡して艤装や砲塔を造る事だよね?
どんなに重い艤装でも適応する艦娘なら軽々と扱ってしまうとか」
「ん、その通りね。
よかった、ここで『ボーキサイトって何?』なんて言われたらどうしてやろうかと思ったわ」
(実はよく知らないけど迂闊に聞かないで良かった)
叢雲によると、必要な資材を炉に焚べた後で何が出来るかはわからないらしい。
いくら大量の資材を注ぎ込んだとしても欲しい艤装や兵装が手に入るとは限らないと忠告された。
「私は提督代理として扱える資材に限度があったけれど、あんたにはそれがないわ。
まずは肩慣らしとでも思って駆逐艦が出やすいレシピで回しましょう」
「駆逐艦が出やすい? 艦種は選べないんじゃなかったのか?」
「傾向はあるのよ、史実の軍艦達のスケールを考えれば資材の量が影響するのはおかしくないでしょう?」
「なるほど」
建造用の炉は工廠にあるので叢雲と共に向かう。
「そうですか、ついに建造をしますか。
いやー、妖精さんが暇そうにしていたのでよかったです」
「叢雲さんはあまり建造しなかったの?」
「資材の制限があるって言ったでしょ、赤字にしない運営で精一杯だったのよ」
そういうものか、と思いながら建造の準備を進めて妖精にお願いする。
妖精が炉に入ると取り付けられたタイマーが回り出した。
「完了まで30分、意外と早いんだなって……2人ともどうしたんだ?」
「あんた嘘でしょ?」
「いやー、まさか初っ端からこれとは提督やりますねー」
話を聞くと、建造時間から建造される艤装を逆算する事が出来るからしい。
そして今建造されているのはかなり優秀な艦娘のものだそうだ。
「これは開発の方も期待出来ますね! さぁ提督、開発にはこの専用資材が必要になりますのでやってしまいましょう」
「明石待って、お願い待って。
これでまたホロでも出されたら私はどうすればいいの」
「さあさあ提督ここに材料を入れて下さい、こっちは建造と違ってすぐに結果が出ますから」
「やめてーーーーー!!」
明石が勢いよくレバーを下ろすと炉が動き出す。
明石のいう通り、すぐに振動が収まり炉が開いた。
「あちゃー、失敗ですか」
「これは、ぬいぐるみ?」
「開発が上手くいかないとこれが出来ちゃうんですよねー」
明石からペンギンと雲をモチーフにしたような人形を受け取りそのまま万歳している叢雲に投げつけた。
「なにすんのよ!?」
「よくわからんがむかついたから」
「私がさんざんお祈りしたりワンドロしたりしてるのにあんたがあっさり出すからでしょーが!!」
「り、理不尽だ! 俺のせいじゃないじゃん!」
「あんただって自分の描いた絵が『新種の深海棲艦』とか言われたら分かるわよ!」
「分かりたくねー!」
「ああもうあまり汚さないでくださいよ、片付けするのは妖精さん達なんですからねー」
【【【!!?!!!!?!?】】】
そのあとは叢雲の体力が尽きるまでぬいぐるみを投げ付けあった。
脱獄者「はははははははははははは! 共犯者よ絵を描いているのか、ふむこれはどこぞのスーパーキメラとやらか。なに、フォウくんだと? いやこれはどう見ても人間を生け贄に要求するタイプの化け物だろう」