病弱な提督と過保護な艦娘達   作:ゆ~だい

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加古からの逃走 後編

「はい、到着~!入って入って♪」グイグイ

 

「わ、分かったから押すな」

 

 あれから手を繋がれたまま、彼女の部屋の前まで連れてこられた彼は、背を押され、強制的に入室させられていた。

 

「…意外と中は広いんだな」キョロキョロ

 

「ん、そう?一応2DKの部屋だけど」

 

「古鷹とは同室なんだよな?まぁ、二人で過ごすには丁度いい広さか」

 

 部屋の中は白を基調とした内装で、落ち着いた感じがある。家具なども必要な物がある位で、綺麗に整理されており、シンプルで居心地が良い印象だった。

 

「はいはい、そんな事いいから、こっち来てよ~!」

 

「……全く、アイツは…」トコトコ

 

 部屋を気にかけていることもお構いなしに、彼女は別の部屋から彼を呼ぶ。

 

「こっちは寝室か」

 

「そだよ~、はよ座って座って!」ポンポン

 

 加古は先にベッドに腰掛け、その隣に座るよう促す。若干の抵抗を感じなからも、彼は渋々と言う通りした。

 

「お前、もう少し気を付けた方がいいんじゃないか?」

 

「何が?」

 

「いや…だから、今みたいに部屋に気安く異性を入れるとことかな…少し不用心だろ」

 

「だから~今さら何言ってんだよ~、もうそんな事気にする仲じゃないでしょって~!何回同じ事言わせるかねこの分からず屋!」ペシペシ

 

「ちょ、分かったから!叩くな!」

 

 呆れながら彼の頭を軽く叩く彼女だが、どことなく楽しんでいる様子も伺えた。

 

「ンフフ♪やっぱり提督をからかうの楽しいな~♪」

 

「だからからかうなよっ」

 

「それは無理だね、これもアタシにとっては数少ない楽しみの一つだからね!」キリッ

 

「ドヤ顔で言うなぁ!」

 

「だって好きな人とはイチャつきたいもんじゃんよー!アタシだって誰しも構わずこんな事しないって、提督だからすんだよ?」

 

「なっ!おまっ…!///」

 

 彼女の突然な言葉に思わず動揺する彼は、顔を真っ赤に染めて呆気にとられた。

 

「それとも、提督にとっては迷惑?嫌だった?」

 

「いやっ…だから、過度のスキンシップはだな…」

 

「じゃ、提督はアタシの事好き?嫌い?」

 

「っ!どうしてそういう質問になる!」

 

「いいから答えてよ~?」ニヤニヤ

 

 更に追い討ちの質問で、ますます彼女の手のひらで転がされる彼からは、焦りの表情が見えていた。

 

(くっ!いつもいつもこいつのペースに乗せられてしまう!しかも質問も質問なまでに、両方どっちを答えたとしても向こうが優位なのは変わらない!どうすれば…!)

 

「ねぇ早く~?好きなの?嫌いなの?どっちなの~?」

 

(………もう、素直に言うしかない…か…)

 

 一旦深呼吸をし、多少は落ち着きを取り戻した彼は、彼女へ顔を向け震わせながらも声を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………す…好きっ…だよっ…!」カァ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何とか声を捻り出せた彼は、羞恥心に駆られながらもおどおどしながら彼女の様子を伺った。

 

(くぅ…!これはキツ過ぎる…!今すぐこの場から逃げ出したいぃぃ…!)

 

 すると、それを聞いた彼女は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アタシもだよ提督ゥ~~!!!♪♪」ガバァ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉわ!?」

 

 大層喜びながら彼に飛び掛かり、そのままベッドに倒れ込んだ。

 

「ぐっ!か、加古!?」

 

「んへへぇ~♪嬉しいよ提督~♪」ギュー

 

「ぅぐ!?く…くるし…!お、おい加古…!」フガフガ

 

「あの提督が自分からハッキリと気持ちを伝えてくるなんて、成長したなぁ~!よしよしぃ♪」ナデナデ

 

 提督をしっかりとホールドした彼女は、彼の声は聞こえないほどにとても喜んでいるようだった。対して彼の方は、がっしりと頭部を胸に抱かれて息も出来ないほど苦しんでいるようだった。

 

「っ……!」ペシペシ!

 

「ん?…あぁごめんごめん、つい♪」パッ

 

「ぷはぁ!!…お、お前なぁ…少しは加減を…!」ハァハァ

 

「アハハ…ごめんって」

 

 彼女の腕を叩き、何とか拘束から抜け出せた彼は呼吸を整える事ができた。

 息を整えている間、ニヤニヤしながら彼女はじっと提督の顔を見続けていた。

 

「…はぁ…急にどうしたんだよ…?」

 

「いや~?意外にも提督から『好きだ。』なんて、はっきりと言われるとは予想外でさ~♪てっきり、あたふたするだけかと思ったのに~」ニヤニヤ

 

「っ…ま、まぁ、言っても好きにも種類があるからな…」

 

「へぇー?例えばどんな?」

 

「どんなって…そ、そりゃあ、好きと言ってもLoveとLikeの違いはあったり、信頼や尊敬しているとか、友達としてだったりだな」アセアセ

 

「ほうほう…ちなみにさっきの好きは、その中のどれにあてはまるのかなぁ~?」

 

「そ、それは勿論とm「まさかLove以外の意味じゃないよねぇ~~?♪」っんな…!?」

 

「ぅん?何その反応?まさか!友達としてなんて言うんじゃないよねぇ~!いやーそりゃないよねー!うんうん!だってアタシは勇気を出して愛の告白をしたんだからそんな軽い返事が返ってくるわけないない!ないよね提督ゥ~♪」ケラケラ

 

「ぐぅ!く、くそ、やっぱりこうなるのかよっ…!」

 

 彼の必死の弁明も虚しく、予想通りといったところか、彼女のペースにどんどん呑まれていく提督は、もはや為すすべなしといった具合だった。

 

(…はぁ…やっぱり、こうなるんだよなぁ…いつもいつもこいつのペースに乗せられて、いいようにもて遊ばれるのは)

 

「フフッ♪…ごめんね…提督、ちょっとやり過ぎたね…」ギュッ

 

「っ…今度はなんだよ…?」

 

 すると加古は、消沈してしまった提督を再度抱き締めてきた。今度は優しく包み込むように。

 

「…提督ってば、やっぱりからかい甲斐があるよね…本ッ当に一緒にいて楽しいよ…♪」

 

「………そーかよ…」

 

「うん♪反応がすごくいいし…何より、すごく可愛い…♪」

 

「………男からして、それは少し威厳に関わる評価だな…」ハァ

 

「もうっ…そんなんどーでもいいの…提督は可愛いの。だからこういう事したいの…するの…」ギュー

 

「むぅ…!だから苦しいって加古」モゴモゴ

 

「大丈夫、優しくしてるでしょ?…それより、その状態で喋るとアタシの方がくすぐったいよ提督…♪」ムズムズ

 

 先程と同じ体勢で抱き締められているためか、提督が声を出す度に、彼女の体が小刻みに動く。

 

「そ、それは……お、お前がっ…」

 

「アタシが何~?……それとも…アタシの胸に顔を(うず)めて興奮しちゃってるとか♪…?」

 

「っんな!!///」

 

「フフフ♪このへんたいヤローが…♪」

 

「ち!違っ!これh…むぐっ!?」ギュッ

 

 加古の一言に、一瞬我に返り、顔を上げようとした彼だだったが、それは彼女が腕に力を込めたために阻止された。

 

「そのままでいいよ提督。アタシもこのままがいいから…」

 

「だ、だが…!」

 

「こうしてると本当に落ち着くんだ、アタシ。提督と一つになれてるって感じがして、提督の匂いに包まれて…本当に好き…♪」

 

「…包まれてるのは、俺の方なんだがな…」ハァ

 

「提督も同じように感じてみてよ…?温かいでしょ?」

 

「……あぁ、温かいなっ…」

 

「うん…温かくて?」

 

「………か、加古のっ…い、いい匂いが…するっ///」

 

「うん…!嬉しいよ提督…♪」ギュー

 

「くうぅ…」カァ

 

 提督は彼女にされるがまま、彼女もまた彼を思う存分堪能している様子がしばらく続いた。

 

(うぅ…何だか俺もボーッとしてきた…。頭が回らない…加古の匂いしか感じられなぃ…)ボーッ

 

「ん~♪フフッ♪………あぁ、そうだ…提督?」

 

「…う、ん…」

 

「ちょっと体勢変えるね?」スッ

 

 そういうと彼女は一度起き上がり、提督の反対側に来て寝転がると、今度は後ろから抱きしめた。そしてその顔を彼の首元に埋める。

 

「…加古…?うっ!」ビクッ

 

「スゥ~……今度は、アタシが提督をいっぱい感じさせて…?」

 

「っ!…うぅ!」ビクッ

 

 そういうと彼女は、彼の了承を得る前に、彼の匂いを堪能し始めた。

 

「すぅ…ふぅ…!んぅ…ふぅぅぅ…ンフフ♪こりゃいいねぇ♪癖になるよぉ…♪猫吸いならぬ提督吸いだねぇ♪」クンクン

 

「な、何をぉ……!」ビクビク

 

「アッハハ♪…いいよぉ提督ゥ…ほんっとにかわいいよぉ♪」

 

「い、言うなっ…も、もういいだろっ…!」グッ

 

「おっ抵抗するんだぁ~♪けど駄目だよ~、まだまだ足りないもん♪」ギュウ

 

「うぐっ!く、くそぅ…!離せぇ…!」

 

「ンッフフ…♪どうしたのぉ~提督?ほらほら、早く抜け出してみなよぉ~?じゃないとぉ~、どんどんアタシに吸われちゃうよぉ~♪スウウゥゥゥゥ…」

 

「…い、ぎっ!!」ビクゥ

 

「アハッ♪情けないな~、男でしょ?女に押さえつけられて恥ずかしくないのぉ?ほぉら、早くしなってぇ~♪…んぁむ♪」カプッ

 

「ううぅぅぅぅっ!!!」

 

 彼女に押さえつけられ、身動きが取れない提督は、今度は首を甘噛みされ、その身体を大きく震わせてしまう。

 

「フフッ♪すっごいビクってしたねぇ?あむっ♪提督って首が弱いのかな?はむっ♪ねぇ聞いてる~?」

 

「…っ…ふっ…!ふっ…!」

 

「んむぅ?声出すの我慢してんの?…も~素直になりゃいいのに~!…っていうか、何か提督の首って甘い気がするんだよねぇ…気のせいかな?あむあむ♪」

 

「…変なっ…!ことを、言うなぁ…!」フルフル

 

「あ~♪ようやく返事してくれたぁ♪もう、心配したんだからねぇ~?何も言ってくれないんだもん♪」

 

「よくもっ…そんな事!言えたもんだなっ…!…あぅ!」ビクッ

 

「だって何度も聞いてるじゃん♪返事しなきゃダメでしょ?…それにしても、ホントに提督の首って甘いんだよねぇ…提督の身体って、飴か何かで出来てんのぉ?」ピチャピチャ

 

「…っ!ん、なわけ…ないだろぉ…!」

 

「ふーん…そっか。まぁ、別にどうでもいいけど…」アムアム

 

「ぎっ…!もう…充分だろ…!離してくれよ…!」フルフル

 

「だから~無理矢理離してみなって~♪…まぁ、普通の人間が艦娘に(かな)いっこないけどさ♪」

 

「それをっ…知ってるから…!どうにも出来ないんだろうがぁ…!」

 

「それに言ったでしょ?アタシはまだ満足してないって…♥️」ウットリ

 

「っ…!か、加古…?」ゾクッ

 

 加古と目が合った提督は、いつもの雰囲気とは違う彼女に驚いた。

 その目は光を失っているようだが、表情は微笑んでいるようで、不気味に思えているようだった。

 

(な、何だ、この威圧感にも似た変な感じは…!?ふ、震えが止まらん…!)ビクビク

 

「…最近の皆ってさ、ちょっと提督を独占し過ぎだと思うんだよね…」

 

「ど、独占…?」

 

「うん…以前の初月の件もそうだけどさ、最近も武蔵とよろしくやってたんでしょ?」

 

「へ、変な言いがかりはよせ!別にお前が思っているようなやましい事なんて何もない!」タジタジ

 

「そうだとしても、アタシからしたら何も変わらないよ…。二人っきりでさ……ちょっとズルいよ…」

 

「ズルいって…お前なぁ、子供じゃあるまいし…」

 

「………」ギュッ

 

 提督を背後から抱きしめ続けている加古は、そう口にする。普段見ない彼女の様子に、彼も少し困惑している。

 

「……加古…?」

 

「………アタシっていつもおちゃらけてばっかだからさ、提督にそう思われるのも仕方ないって分かってるんだ…。けど、好きって気持ちは本当なんだよ…?」

 

「ぅ……」

 

「初月に酷い目に合わされた時もさ、提督には悪いけど、正直…いいなって思っちゃったんだ…」

 

「……っ」

 

「ここにいる皆、提督の事を大事に思っているのは、勿論知ってる。けど、やっぱり好きな人とは二人っきりでいたいもんなんだよ…二人だけで、こうやっていたい…」

 

「加古……」

 

「それに初月の気持ちも…今、少し分かった気がするしね…」

 

「…えっ」

 

「だって…こんなに可愛い提督が見られるんだもん♥️」サワッ

 

「ひぅっ!」ゾワッ

 

 突然、提督の上着の下から手を潜り込ませた加古が、彼の腹部を触り始めた。いきなり事で、彼は驚いた。

 

「普段から可愛いのにさ♥️こんな事してもっと可愛い反応するんだもん♥️本当に好き♥️」サワサワ

 

「ハァ…!ハァ…!や、やめっ…!」ビクビク

 

「嫌だ…もっと、もっと見せて…♥️提督っ…もっと感じさせて…♥️」ギュウゥ

 

「ぁっ…!ぇうぅぅ…!んぅぅぅぅ…!!」ググッ

 

「っもう…我慢しないでよっ…いい加減声出してよ…!聞かせてよぉ…!」サワサワ

 

「ぐうぅぅぅぅ…!」

 

「なんでっ…!なんで喘いでくれないのっ…!聞かせてって言ってんじゃん…!声出してよ…!……はむっ!」パクッ

 

「っ~~~~~~!!??」

 

 痺れを切らした加古は、責めを強め、更に彼の首へと甘噛みをし始める。彼はただ、声を出すまいと必死に抵抗を続ける。

 

「ふぉら、もうあひやめひぇ…♥️りゃくにやっへよ~…♥️いっひょに、きもひよくやろ…♥️(ほら、もう諦めてぇ…♥️楽になってよ~…♥️一緒に、気持ちよくなろ…♥️)」

 

「ふっ…!ぎっ…!いぃぃ…!」ガクガク

 

「あむっ…はむっ…んぐっ………ぷわぁ、はぁ…はぁ…ほんっとに…!往生際悪いんだからぁ!!」グリッ

 

「っ!!ああぁぁぁぁ~~!!!」

 

「こうされないと分からないの!?痛い思いしないと駄目なの!?ねぇ!?」

 

「ぃ、痛ぃっ!!や、やめ…てぇ!!」ジタバタ

 

「…だからっ…!そういう事聞いてるじゃないのっ!こうしないと提督は分かってくれないのって聞いてんの!答えてよっ!」ギュウ

 

 あろうことか興奮した彼女は、提督の乳首を思いっきりつねり始めた。

 突然の衝撃に、提督は驚愕し悲鳴を上げてしまう。普段の姿とは豹変した彼女にも動揺を隠せない彼は、ますますパニックに陥ってしまう。

 

 しばらくの間、そのような行為が続き、彼女が落ち着きを取り戻し始めた頃には、彼は呼吸も荒く、汗もびっしょりとかき、満身創痍といった具合になっていた。

 対して彼女の方も、多少呼吸を乱す程度には疲労しているようだった。

 

「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」グッタリ

 

「…あ、ぅ…て、ていとく…?(な、何してんの…アタシ?提督をこんなに…して…あ、アタシ…は…)」

 

「はぁ、はぁ………ひっ!」ビクッ

 

「っ!…ご、ごめん…なさぃ…。こんな事っ、するつもりはっ…!」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…んくっ…!」

 

「…本当にっ…ごめんなさぃ…!」フルフル

 

「ふぅ…ふぅ…すうぅは~…」

 

 何とか呼吸を整えた提督は、深呼吸をし、落ち着いて彼女の様子を見る。

 彼女は非常に申し訳なさそうにしており、目には涙を溜め、今にも泣きそうなようだった。先程の自分の行いを反省している様子は、目に見えて分かるほどに。

 

「………加古」

 

「ど、どんな処罰も受けますっ…。許されるとは思っていません…。どうか、好きなように…」フルフル

 

「…加古」スッ

 

「…えっ…?」

 

 震える彼女を、今度は提督がソッと抱きしめた。彼女の方は予想外の行為に呆気にとられている様子だった。

 

「て、てい…とく…?」

 

「………痛かったんだからな…き、急にあんなっ…」

 

「ぅっ…!ごめん…」フルフル

 

「……けど…加古の気持ちは、改めて伝わったよ…。ホントに痛いほどに…」ギュ

 

「…!……ぅ、ん…!」グスッ

 

「…こ、今度は…もっと優しくしてくれると…う、嬉しぃ…///」

 

「………ぅん」グスッ

 

「…俺も…ちゃんと、好きっ…だから///」

 

「っ…ぅん…!うん…!」ギュ

 

(本当にこいつは…手間がかかるな…。けど、皆と同じなんだな…。俺の事をそんなに…ありがとな加古)ナデナデ

 

 彼にとっては散々な一日と言っても過言でもないであろうこの日だが、それでも大事な事をまた知れた日でもあった。

 

(本っ当に最近、大変だなぁ…)ナデナデ

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