最近は冬の到来を思わせるほどに寒くなってきましたね。
個人的に寒いだけならまだしも、雪が降られるともう参ってしまいます。せめて今年中には降らないでもらいたいですね。
さて、最新話の投稿です!
…サ◯エさんっぽくなりましたね…
「提督~?何処だよ~?」
「………」
「あたしからは逃げられないよ~」
(…くっ、やる気を出した加古から逃げるのは骨が折れるな…というか、どうしてこうなった…!)
現在、彼は訳あって加古から逃走中である。
部屋の隅のロッカーに身を潜めながら、息を殺し、何とかその場をやり過ごそうと必死になっていた。
「スンスン…ふふん♪分かるよ提督?この部屋にいるのは。提督の匂いがするもん♪」
「………!?(あいつの嗅覚は犬並みか!?)」
どうやら加古には、提督の匂いが分かるらしく、この部屋の何処かに隠れているのは筒抜けらしい。彼はその事実に驚愕している。
ちなみに、何故このような状況に陥っているかというと、数時間前まで遡る。
「ふわあぁぁぁぁ…今日も眠いねぇ…」ウトウト
「…いつものことだろ全く。よくそこまで眠くなれるもんだ」
「むぅ…不眠症ならぬ仮眠症ってやつ…?」
「仮眠の域を越えてるだろ、どう見たって」ハァ
「んふふ♪まぁ寝る子は育つって言うし?」
「お前の場合は寝過ぎだ、いいから執務に集中しろ」
「へいへい…提督ってば相変わらず冗談が通じないんだから…ふわあぁぁぁ…あ~眠い」
今日の秘書は加古が担当だった。
だが、彼女が無類の睡眠厨であることを知っている提督は、今日の執務作業を億劫に感じていた。
(ハァ…今回もまた徹夜かなぁ)
その理由は、加古の仕事の効率の悪さにあった。
毎度、彼女との組み合わせの日は、決まって日付が変わる時間まで執務が続いてしまうのだ。
では何故、毎度徹夜になってしまうのか?原因はコレだ。
「全く、お前はいつもいつも…毎回徹夜させられてるこっちの身にもなってくれよ…………ん?」
「zzz♪」
「言ってる傍から早速寝るなぁぁぁ!!」
このように、執務中にも関わらず仕事そっちのけで寝てしまうのだ。このせいで、作業ペースが落ちてしまい結果的に徹夜コースに直行という訳なのだ。
前からこの状態が続いており、今となっては悩みの一つになっている。
「おい加古!起きろ!」ユサユサ
「う~ん…何すんのさ提督ぅ…」ウトウト
「それはこっちの台詞だ…!はぁ…ちょっと目を離すだけでこれだ…」
「…疲れてるの?じゃ一緒に寝る?」
「誰のせいだと思ってるんだ…!」
呆れた提督は、彼女を放って一人で執務に戻る。が、生憎普段から二人で行っている作業は彼一人では限界があり、次第に焦りの表情が見え始めてきた。
(まずい…!このままじゃ終わらない…!しかも過去一番に進みが悪い!!……………加古だけに?…って何考えてるんだ俺はああぁぁぁぁ!!!)
気持ちの焦りから思考までおかしくなり始めてきた提督。
そんな彼をよそに、加古は特に気にする様子もなく、睡魔によって夢の世界へと誘われそうになっていた。コクリコクリと何度も頭を上下に振っているさまは、さながらヘッドバンドを決めている様にも見えていた。
「く…!加古、頼むから起きてくれ…!このままじゃ本当にまずい…!」ユサユサ
「むぅぅぅ…そんな事言ったってぇ…あたしも限界なんだよぉ…」ウトウト
「ぐぬぬ…!……………なら…」
「………うぇ…?」
「…今日この仕事を無事終えたら、明日明後日の二日間…好きに過ごす権利をやる…!」
「!……………まじ?」
「くっ!本当はこんな事は到底認められたものじゃないが…!俺の権限で特別に…本っ当に特別にな…!」プルプル
「…それって丸二日間、寝てていいってことだよね?」
「ああ…!好きに過ごしてくれて構わない!だから頼む!」
そこまでして、今の提督は切羽詰まった状況なのだろう。もう徹夜での作業はごめんだ、という思いがひしひしと伝わってくる。
「俄然やる気出てきた」キリッ
すると、その言葉を聞いた加古の様子が先程とは一変してまるで別人になった。閉じかかっていた目はパッチリと見開き、表情も呆けていた顔から、凛とした顔に変わっていた。
「…いけるか?」
「まぁ任しといてよ。あたし、やるときゃやるから♪…けど、それとは別に条件があるんだよねぇ」
「うえぇ!?この期に及んで何を!」
「大したことじゃないよ♪嫌なら別にいいけど?あたし寝るから」アクビ
「分かった!分かったよ!!可能な範囲でな!」ヤケクソ
「ヘヘッ♪決まりだね!」
ーーーー数時間後
「ふぃ~~~終わったねぇ♪」キラキラ
「…………」
「よっし!じゃあ提督!さっきの話しだけど……ってどしたの?」
(………終わっちゃった)
あれから数時間後、机の上に山のように積んであった書類の束が綺麗さっぱり無くなっていた。
提督は、予想外に短時間で終わらせられた事実に呆然としていた。いや、それよりも加古の仕事ぶりに驚かされていた。
(…というか、加古ってこんなに仕事できたっけ…?え?普段からあれだけ眠い眠いしか言わないで寝てばっかの加古が?)
加古の仕事ぶりは手際がよく、報告書の整理や書類の押印など、ミスをする事なくこなしていた。しかも、仕上げた量は提督の量を凌駕する程、差をつけて終わらせてしまった。
「ちょっと提督、聞いてる?」ユサユサ
「…!、あぁ…ごめんごめん。で、何?」
「何じゃないよ!約束したでしょ、あたしのお願い、条件!」
「っ、そういえばそうだったな…でも、可能な範囲だぞ?」
「分かってるって♪でさ、最初に言った二日間休んでいいってヤツ、あれはいいや」
「え?本当に?」
「うん、代わりに…今夜一緒に寝てくれたらいいよ♪」
「………はい?」ポカーン
加古が提示した条件、もといお願いに呆気にとられる提督。だがその願いは、逆に彼にとって困ったようでもあった。
「…何で俺と?」
「いやぁ、実は最近さぁ?提督の抱き枕がご無沙汰で、快眠という睡眠が取れてなくて困ってるんだよね~。寝れることは寝れるんだけど、目覚めがパッとしなくてさぁ?」
「そんな事で…他じゃ駄目?」
「えー!話しと違うよ!提督さっき約束してくれたじゃん!」
「いやいや!異性と一緒に夜を過ごすなんて流石にマズイだろ!?しかも上司と部下だぞ!」
「今更何言ってんだよぉ~!前にも似たようなのあったじゃん!…それに、先に手伝ってって言ったの提督でしょ?」
「そうだけど…!元はと言えば、お前もちゃんと仕事してくれたらーー」
「あー!あー!知りませんー!先に言ったもん負けなんですー!」
「おまっ…!子供か!?」
「うるさいうるさーい!!いいから約束通り一緒に寝ろおぉぉぉ!!!」ガバァ
「うおぉぉ!?」サッ
痺れを切らした加古が飛びかかるのを、提督は寸前で避ける。彼は慌てて彼女から距離をとるが、彼女の様子は普段とは一変して、まるで獣のように鼻息を荒くしながら提督を見据えていた。
「フゥゥゥ…ていとくぅ~~?」ユラリ
(まずいまずい!!何故かまずい状況になった!!)
「大人しくしてよ~?」
「くっ!ここは逃げるしかないぃぃぃ!!」バッ
にじり寄ってくる加古から、提督は逃走を決意し、執務室を後にした。
彼が去った後、一人取り残された彼女はその場に佇んでいた。特に追いかけるような素振りも見せず、ただじっと、彼が去った後を見据えていた。
だが、その表情は不敵に笑っていた。
「フフッ…あたしから逃げられるって本気で思ってるの?いいよ~鬼ごっこスタートだぁ♪」
ゆらゆらと体を揺らしながら、彼女はゆっくりと歩きだす。提督との距離は大分離れてしまっているようだが、彼女は特に気にする様子はなかった。
むしろ、提督が何処に行ったのかすでに検討がついているようでもあり、ただゆっくりと、彼の後をついて行くのだった。
ーーーそして今に至る。
一目散に彼が逃げ込んだ先は、ほぼ物置と化している空き部屋だった。
部屋の中は、本棚や機材などが置かれており、その中でも彼が隠れるのに選んだ場所は、部屋の隅に置かれていたロッカーだった。
だが、生憎その中は成人の男性が入るのには少々狭いようで、中に入っている彼は窮屈な状態のまま、その場をやり過ごそうとしていた。
「ねぇ~提督ぅ、一緒に寝るだけなんだよ~?何で逃げんのさ~?」
「………」
「それに、こんな所にいたんじゃ、また体調悪くするよ~?早く出てきてよぉ…」
(く…、確かにこの状態のままじゃ、流石に辛い…!だからと言って、今出てしまったら加古に捕まってしまう…!何とか耐え切らないと…!)
「……そこのロッカーに隠れてるのは知ってるから、早く出てきて」
(!……バレてる、か)
もはや隠れる意味がなくなったと知り、提督は恐る恐るロッカーの中から出てくる。
それを見た彼女は、彼の前まで歩み寄ってきた。
「ねぇ?どうして一緒に寝るのがそんなに嫌なの?恥ずかしいだけならあたし別に気にしないよ?てか、それ見るのも楽しいし…」
「…勿論その気持ちもある。けど、やはり俺は提督だ。それ相応な立ち振舞いをしないとーー」
「もういいから…そういうの」
「…え?」
「もういいって言ってんの、そういう肩書きや立場を気にしてしっかりしようとするの…」
「…いや、だからsーー」
「頑張り過ぎなの提督は…。それでなくたって普段からしっかりしてるのに…自分が病弱だって事、本当に理解してるの?」
「っ………」
「……前にあたしが言った事、覚えてる?」
「………俺の替わりは他に居ないって事だろ…?」
「…うん、分かってるならいいや。そういう事だから、一緒に寝るの」ギュッ
「はぁ…話しが繋がってないだろ…」
「もぉ!いちいち細かい!いいから来て!」グイッ
「あぁ…分かったから引っ張るなよ」ハァ
と、何やかんやで提督が最終的に根負けし、結局は加古に連れていかれる結果になった。
さっきまで必死に逃げていた自分が馬鹿らしくなるほどに、彼の手を引いている彼女は心底喜んでいるようだった。
(……まぁ、実際加古のおかげで仕事が早く終わったわけだしな…仕方ないよな)
「それより提督?」
「…何?」
「大の大人がロッカーに隠れるなんて、笑い話だよねぇ♪」ニヤニヤ
「っ!言うなっ!自覚あるんだから…!///」
「ヘヘッ♪照れてる提督も可愛いよ?」
「お、おちょくるなあぁぁ!!!」カオマッカ
「アッハハハ♪」
そんなやり取りをしながら、彼は彼女の部屋へ連れていかれるのだった。
はい、何か二部構成になってきましたね。
某探偵作品みたいな感じですかね?
…正直申しますと、ネタがいい感じに思いつかず、一つにまとめるのがきつくなってきたというのが本音です。
お見苦しいと思われる方がいらっしゃいましたら、申し訳ございません。
ともかく、次回も続きますのでよろしくお願いします!