ありふれた生成(機械)魔法士を   作:禍津伊邪那岐大神

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遅れてしまいました。申し訳ございません(´;ω;`)
只今リアルがストレスでバンしそうです(´._.`)


第14話

 

 

 

 

 

あの後、中々起きないユエにキレたハジメが纏雷で起こすという強硬手段により、ようやく起きるユエなのだった・・・

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

ある程度探索を終えた俺達は三階にある部屋の奥、魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影に目を向けていた。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。薄汚れた印象はなく、お化け屋敷などにあるそういうオブジェと言われれば納得してしまいそうだ。

 

 

 

 その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。寝室やリビングではなく、この場所を選んで果てた意図はなんなのか……

 

 

 

「怪しい・・・・どうする?」

 

「俺が行こう」

 

 

ユエの問いに俺がガフランを纏いながら進み出す、何が会ってもいいように最低限の防御というものは必要だ。

 

 

「一応、フォローは頼むぞ」

 

「「おう/・・・ん」」

 

 

ハジメはドンナーを構え、ユエは魔法を撃てるよう態勢に入る。ライキが魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。

 

 まぶしさに目を閉じるライキ。直後、何かが頭の中に侵入し、まるで走馬灯のように奈落に落ちてからのことが駆け巡った。

 

 やがて光が収まり、目を開けたライキの目の前には、黒衣の青年が立っていた。

 

 

 

 中央に立つライキの眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

 

 話し始めた彼はオスカー・オルクスというらしい。【オルクス大迷宮】の創造者のようだ。驚きながら彼の話を聞く。

 

 

「ああ、質問は許して欲しい。これは唯の記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

 そうして始まったオスカーの話は、ハジメが聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話しとは大きく異なった驚愕すべきものだった。

 

 それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。

 

 神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は様々だ。領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番は“神敵”だから。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。

 

 だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、“解放者”と呼ばれた集団である。

 

 彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか“解放者”のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。“解放者”のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。

 

 彼等は、“神界”と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。“解放者”のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。

 

 しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。何と、神は人々を巧みに操り、“解放者”達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。その過程にも紆余曲折はあったのだが、結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした“反逆者”のレッテルを貼られ“解放者”達は討たれていった。

 

 最後まで残ったのは中心の七人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を打つことはできないと判断した。そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。

 

 

そして、オスカー・オルクスなる者が話しを続ける。いや、俺にとってはここからが本番だったのかもしれない。

 

 

「最後にもう一つ話しておこう・・・我々解放者全員が一丸となって生み出した神殺しとなりうるかも知れない二つの力について」

 

 

 

神殺し・・・?一体どのような力なのだろうか。次の言葉こ単語を聞こうとして俺は凍りついた。

 

 

 

「その力の名は・・・System」

 

 

「「「!!?」」」

 

 

俺や後ろにいるハジメとユエから驚きの声が聞こえる。ハジメとユエも既に俺のステータスプレートを確認済みなので驚いている。

 

 

 

「この二つの力はその者が最も強いと思えるモノを極限にまで攻撃力を高めるというものだ。だが・・・この力は強すぎる故に使えるものが限定された。」

 

 

そこからの説明はこうだ。

 

 

①二つSystemは使い手の矛盾した感情に反応する

②この力はその世界に使い手がいないと判断した場合に自動的に世界を超え適合者を探し続ける。

③使い手によって変わるので必ずしも強いとは限らない

 

 

 

「この力が扱える者が現れた時にはどうかこのことを話してほしい。・・・では、最後に君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

 

 

 そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、ライキの脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいためと理解できたので大人しく耐えた。

 

 やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。俺はガフランを解除した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後(ハジメ達も覚えたが)、神代魔法というものを覚えたらしい。生成魔法と言うやつで魔法を鉱物に付加して、特殊な性質を持った鉱物を生成出来る魔法だ。俺の生成(機械)

とは随分勝手が違うがまぁ、そんなことはどうでもいい

 

 

 

 

「あ~、取り敢えず、ここはもう俺等のもんだし、あの死体片付けるか」

 

 ハジメに慈悲はなかった。

 

「ん……畑の肥料……」

 

 ユエにも慈悲はなかった。

 

「ビームサーベルでぶった切った方が早くねぇか?」

 

ライキにも慈悲は無かった。

 

 

 

 風もないのにオスカーの骸がカタリと項垂れた。

 

 オスカーの骸を畑の端に埋め、一応、墓石も立てた。流石に、肥料扱いは可哀想すぎる。

 

 埋葬が終わると、ライキとハジメとユエは封印されていた場所へ向かった。次いでにオスカーが嵌めていたと思われる指輪も頂いておいた。墓荒らしとか言ってはいけない。その指輪には十字に円が重った文様が刻まれており、それが書斎や工房にあった封印の文様と同じだったのだ。

 

 

 一番の目的である地上への道を探らなければならない。ハジメとユエは書棚にかけられた封印を解き、めぼしいものを調べていく。すると、この住居の施設設計図らしきものを発見した。通常の青写真ほどしっかりしたものではないが、どこに何を作るのか、どのような構造にするのかということがメモのように綴られたものだ。

 

 

 

「ビンゴ!ユエ!ライキ!あったぞ!」

 

「んっ」

 

「本当か!」

 

 

 

 ハジメから歓喜の声が上がる。ユエも嬉しそうだ。設計図によれば、どうやら先ほどの三階にある魔法陣がそのまま地上に施した魔法陣と繋がっているらしい。オルクスの指輪を持っていないと起動しないようだ。盗ん……貰っておいてよかった。

 

 

 

 更に設計図を調べていると、どうやら一定期間ごとに清掃をする自立型ゴーレムが工房の小部屋の一つにあったり、天上の球体が太陽光と同じ性質を持ち作物の育成が可能などということもわかった。人の気配がないのに清潔感があったのは清掃ゴーレムのおかげだったようだ。

 

 

 

 工房には、生前オスカーが作成したアーティファクトや素材類が保管されているらしい。これは盗ん……譲ってもらうべきだろう。道具は使ってなんぼである。

 

「ハジメ・・・ライキ・・・これ」

 

「うん?」

 

 ハジメと俺がが設計図をチェックしていると他の資料を探っていたユエが一冊の本を持ってきた。どうやらオスカーの手記のようだ。かつての仲間、特に中心の七人との何気ない日常について書いたもののようである。

 

 その内の一節に、他の六人の迷宮に関することが書かれていた。

 

「・・・つまり、あれか? 他の迷宮も攻略すると、創設者の神代魔法が手に入るということか?」

 

「・・・だろうなぁ」

 

 手記によれば、オスカーと同様に六人の“解放者”達も迷宮の最新部で攻略者に神代魔法を教授する用意をしているようだ。生憎とどんな魔法かまでは書かれていなかったが……

 

「……帰る方法見つかるかも」

 

 

 ユエの言う通り、その可能性は十分にあるだろう。実際、召喚魔法という世界を超える転移魔法は神代魔法なのだから。

 

「だな。これで今後の指針ができた。地上に出たら七大迷宮攻略を目指そう」

 

「んっ」

 

 明確な指針ができて頬が緩むハジメ。思わずユエの頭を撫でるとユエも嬉しそうに目を細めた。

 

 それから暫く探したが、正確な迷宮の場所を示すような資料は発見できなかった。現在、確認されている【グリューエン大砂漠の大火山】【ハルツィナ樹海】、目星をつけられている【ライセン大峡谷】【シュネー雪原の氷雪洞窟】辺りから調べていくしかないだろう。

 

 暫くして書斎あさりに満足した二人は、工房へと移動した。

 

 工房には小部屋が幾つもあり、その全てをオルクスの指輪で開くことができた。中には、様々な鉱石や見たこともない作業道具、理論書などが所狭しと保管されており、錬成師にとっては楽園かと見紛うほどである。

 

 ハジメは、それらを見ながら腕を組み少し思案する。そんなハジメの様子を見て、ユエが首を傾げながら尋ねた。

 

「・・・どうしたの?」

 

 ハジメは暫く考え込んだ後、ユエと俺に提案した。

 

「う~ん、ライキ、ユエ。暫くここに留まらないか? さっさと地上に出たいのは俺も山々なんだが……せっかく学べるものも多いし、ここは拠点としては最高だ。他の迷宮攻略のことを考えても、ここで可能な限り準備しておきたい。どうだ?」

 

 俺も早く外に出たいしユエは三百年も地下深くに封印されていたのだから一秒でも早く外に出たいだろうと思ったのだが、ハジメの提案にキョトンとした後、直ぐに了承した。不思議に思ったハジメだが・・・

 

「・・・ハジメと一緒なら何処でもいい」

 

「友達と居れるなら何処でも構わねぇよ」

 

 そういう事らしい。照れくささを誤魔化すハジメ。結局、三人はここで可能な限りの鍛錬と装備の充実を図ることになった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

おまけ

 

 その日の晩、天井の太陽が月に変わり淡い光を放つ様を、ハジメとライキは風呂に浸かりながら全身を弛緩させてぼんやりと眺めていた。奈落に落ちてから、ここまで緩んだのは初めてである。風呂は心の洗濯とはよく言ったものだ。

 

「はふぅ~、最高だぁ~」

 

「あぁ・・・いぃ」

 

 

 今の俺とハジメからは考えられないほど気の抜けた声が風呂場に響く。全身をだらんとさせたままボーとしていると、ハジメが俺に話しかける。

 

 

「なぁ・・・ライキ」

 

「ん?」

 

ハジメの顔から察するに余程大事な事なのだろう。俺も真剣な顔つきになる。

 

 

「お前は・・・クラスメイト達をどうするつもりだ?」

 

「殺るに決まってんだろ」

 

即答である、当然だ。

 

「全員か?」

 

「初めはそのつもりだったがなぁ・・・・お前を虐げたヤツ、俺が個人的にムカついたやつにだけ絞ることにするさ」

 

「・・・そっか」

 

恐らく確認だけだったのだろう。そのまま二人で今後のことについて話し合う・・・が

 

 

 

「んっ……気持ちいい……」

 

 一糸まとわぬ姿でハジメのすぐ隣に腰を下ろすユエの姿があった。

 

 

「……ユエさんや、二人で入るって言ったよな?」

 

「……だが断る」

 

「ちょっと待て! 何でそのネタ知ってる!」

 

「……」

 

「……せめて前を隠せ。タオル沢山あったろ」

 

「むしろ見て」

 

「……」

 

「……えい」

 

「……あ、当たってるんだが?」

 

「当ててんのよ」

 

「だから何でそのネタを知ってんだ! ええい、俺は上がるからな!」

 

「逃がさない!」

 

「ちょ、まて、あっ、アッーーーーー!!!」

 

「・・・お前らなぁ」(呆)

 

 その後、何があったのかはご想像にお任せする。

 

おまけ2

 

 その頃の香織

 

「あれ? 何か急に殺意が……」

 

「奇遇ね……私も」

 

 

二人して般若を後ろに携える香織と雫の姿があったという。

 

 

 

 

 

 

 





次回は人物紹介していきたいと思います
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